海の底にトンネルを掘る

世界で最初の海底トンネル -関門トンネル-


関門トンネルの工事

 戦争が激しくなってきた昭和17年、世界で初めての海底トンネルが日本で完成しました。本州と九州を結ぶこの関門トンネルは、単線断面のトンネルが平行して2本掘られました。シールド工法で海底のやわらかい地盤を堀り、下り線は長さ3.6キロメートルのうち海底部の726メートルを堀削しました。


関門トンネルの断面図

 

国と国を結ぶユーロトンネル


国を結ぶユーロトンネルとユーロスター
(提供:世界文化フォト)

 イギリスとフランスの間のドーバー海峡にトンネルを掘るアイデアは、いまから約200年前にフランスのナポレオン皇帝によって考えられました。その後、戦争などでこのアイデアはなかなか実行されませんでしたが、昭和62年に本格的な工事が始まり、平成6年に2本の鉄道トンネルが開通しました。このトンネル工事では、日本製のトンネルボーリングマシンも活躍しました。

 

世界で一番長い青函トンネル


青函トンネルの内部

 世界で一番長い鉄道トンネルは、本州と北海道を結ぶ青函トンネルです。東京から東海道線の辻堂までの距離とほぼ同じ53.85キロメートルの長さがあります。このトンネルは地質が複雑だったことなどから、シールド工法ではなく、山岳工法が用いられました。青函トンネルは昭和63年に開通し、「はつかり」「海峡」「北斗星」「トワイライトエクスプレス」などの人気列車や、貨物列車が走っています。

 

 

トンネルの長さを比べてみよう

 世界でいちばん長い鉄道トンネルは、本州と北海道を結ぶ青函トンネルで、長さは53.85キロメートルです。このうち海底をくぐっている部分は約23.3キロメートルあります。
 2番目はイギリスとフランスを結ぶユーロトンネルで、全体の長さは49.55キロメートルと青函トンネルより短いのですが、海底部分の長さは約37.9キロメートルあります。
 青函トンネルとユーロトンネルはどちらも海底トンネルですが、3番目の上越新幹線・大清水トンネルは22.22キロメートルあり、陸上トンネルとしては世界一を誇っています。