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鹿児島と宮崎を結ぶ幹線国道10号の橋梁として、姶良市を流れる別府川河口部に架けられた橋長150mを超える10径間の鉄筋コンクリート桁橋である。竣工が昭和7年、先代の土橋に代わるコンクリート造の永久橋であり、地域の近代化を担う主要な交通基盤として建設された。
上部構造は4主桁の鉄筋コンクリートT桁で、桁長は15mあり当時のRCT桁としては最大に近い。下部構造は重力式橋台と、2連アーチ形状の鉄筋コンクリート中抜式橋脚である。高欄は紋様が連続する閉塞高欄であり、珍しい意匠を有する。
昭和60年代初め、下流側に隣接して国道10号姶良バイパスが完成し、その後は当時の両岸の自治体である姶良町と加治木町が町道として管理した。現在は姶良市の市道として利用されている。
本橋のような大正〜昭和初期のコンクリート橋は、大正ロマン・昭和モダンの文化が薫る貴重な地域遺産であり、保存・利活用を通して地域活性化への貢献が期待できる。
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