トップページ > 九州の近代土木遺産 > 九州の近代土木遺産マップ >緒方川の多連アーチ石橋群

九州の近代土木遺産

大分地区

緒方川の
多連アーチ石橋群
区市町村

大分県
豊後大野市

完成年

明治44年
(緒方橋)
大正11年〜12年

形式

柚木寺原橋・長瀬橋・原尻橋・緒方橋・鳴滝橋

諸元

橋長:柚木寺原橋53m,長瀬橋78m,原尻橋73m,緒方橋46m,鳴滝橋50m
スパン長:柚木寺原橋16m(3連),長瀬橋11m(6連),原尻橋13m(5連),緒方橋22.7m+6.9m(2連), 鳴滝橋8.3m(5連),

評価情報 背景 豊後大野市の大部分はは9万年前の阿蘇の巨大噴火で噴出した火砕流から生成される阿蘇溶結凝灰岩に覆われている。豊後大野市は溶結凝灰岩で形成された特色ある地形を地域資源として活用して、日本ジオパークの認定も受けている。
一方で溶結凝灰岩で形成された地形は深い谷を形成し、その谷を越えての往来のために溶結凝灰岩を素材とした石橋が建造されてきた。特に奥豊後と呼ばれる緒方町には緒方川の約6kmの範囲に上流から柚木寺原橋、長瀬橋、原尻橋、緒方橋、鳴滝橋と5つの石橋が架橋されている。これらはいずれも2〜6径間を有する。大分県内には多連アーチの石橋がいくつか建設されているが、まとまった数が建設され、現存する地域は珍しい。5橋のうち、土木学会の日本の近代土木遺産の分類は長瀬橋と原尻橋がA級、柚木寺原橋がB級、鳴滝橋がC級となっている。緒方橋については日本の近代土木遺産では特に触れられていないが、5橋の中で最古の橋であり、径間が異なる2つのアーチで構成されている特徴的な構造を有する。1973(昭和48)年に増水による被害を受け改修・拡幅改修拡幅がなされていることが近代土木遺産としてリストアップされていない理由として考えられる。今回は、2つの近代土木遺産A級を含む5つの石橋について石橋群として推薦する。近隣でC級に指定されていた津留橋が撤去されたことを考えると保存のための指定は必要と考えられる。

所有者・管理者:豊後大野市
参考文献:土木学会編:日本の近代土木遺産-現存する重要な土木構造物2800選,丸善出版,2012
岡崎文雄:大分の石橋探訪,オオイタデジタルブック,2008
(写真)
長瀬橋

長瀬橋

緒方橋(岡崎文雄:大分の石橋探訪より引用)

緒方橋(岡崎文雄:大分の石橋探訪より引用)

原尻橋

原尻橋

5橋の位置

5橋の位置


  • トップページ
  • ページの先頭へ