21世紀のわが国およびアジア諸国の持続的発展を可能とし,環境負荷
の低減を実現しつつ後世に良質な社会資本を継承する上で,コンクリート
構造物の長寿命化,高強度化はここ数年来,大きな社会的要請となって
おります.この要望に応えるため,土木学会コンクリート委員会が多くの
小委員会を組織して活動していることはご承知のことと存じます.2年前に発足した「自己充てん型高強度高耐久コンクリートを用いた構造物の性能照査法検討小委員会(委員長:前川宏一東京大学教授)」は,コンクリート構造物の長寿命化,具体的には設計耐用期間100年,適切な維持管理のもとでそれ以上の供用を可能にする「自己充てん型高強度高耐久コンクリート構造物設計・施工指針(案)」の原案を作成いたしました.この原案はコンクリート常任委員会でさらに審議・検討され,このたび完成に
至りました.そこで,コンクリートライブラリーとして設計・施工指針(案)を発行するとともに,指針の内容を広く知っていただくために,講習会を開催する運びとなりましたので,ここにお知らせ致します.
本指針(案)は,維持管理計画を策定した上でコンクリート構造物の設
計・施工を行うことを基本としており,時代の趨勢に応えて設計・施工・
維持管理を一連の体系として構成した,初めての性能照査型指針である点
が大きな特徴です.同時に,高強度・高耐久・自己充てん性を有するコン
クリート構造のより長期間(100年以上)の耐久性を確保するための斬
新な考えが,最新の研究成果および施工実績等を基礎にして多数取り入れ
られています.構造物のライフサイクルコストを評価する上でも,有用な
指針となっております.このような広範な内容であるため,指針(案)は
膨大なものとなりましたが,内容の理解を補佐するために,別冊として
[設計の手引き]と[設計例]を提供することとしました.これまでのコ
ンクリート構造物の設計・施工がこの指針によってどのように変化し得る
ものなのか,コストパフォーマンスがどのように向上するかなどが,事例
をもってご理解頂けると思います.
講習会では,指針の作成に携わった若手の実務者を講師に迎えて具体的
な解説を加え,設計・施工に携わる技術者はもちろんのこと,耐久性や維
持管理の研究者などにとっても有益な内容となるよう企画いたしました.
奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます.
1.主催 |
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土木学会(担当:コンクリート委員会) |
2.後援 |
: |
S.Q.C.構造物開発・普及協会 |
3.日時 |
: |
東京会場:6月26日[火]9:30〜17:15
大阪会場:7月17日[火]9:30〜17:15 |
4.場所 |
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東京会場
野口英世記念会館
(新宿区大京町26 TEL 03-3357-0742)
大阪会場
建設交流館
(大阪市西区立売堀2-1-2 TEL 06-6543-2551) |
5.定員 |
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東京会場 300名(申込先着順)
大阪会場 200名(申込先着順) |
6.参加費 |
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正会員12,000円,非会員15,000円,学生9,000円(テキスト代含む) |
7.申込方法 |
: |
学会誌綴じ込みの「本部行事参加申込書」に所定事項
(特に行事コード番号)を明記の上,研究事業課宛FAXにてお申し込み下さい.
申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加券」をお送り致します.
*申込みに関してのお願い
@申込締切り前に定員に達している場合がございますので予めご了承下さい.なお,締切日以降の事前受付はいたしません.ただし,定員に余裕がある場合にのみ,行事当日に会場にて受付いたします.
Aお申込後,やむを得ずキャンセルされる場合は,必ず開催日の1週間前までに研究事業課宛ご連絡ください.ご連絡がない場合は,参加費を徴収させて頂きますので予めご了承ください.
B申込みをされる前にご送金いただくことはトラブルの原因となりますので固くお断りいたします.
Cテキストのみご希望の場合は,行事終了後に下記「問合先」までお問い合せ下さい.
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8.申込締切日 |
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東京会場【6月15日[金](必着)】 大阪会場【7月6日[金](必着)】 |
9.問合先 |
: |
土木学会事務局研究事業課(事務局担当:小野寺)
(TEL 03-3355-3559) |
10.プログラム
時 間 | |
内 容 | 6月26日[火] 東京 (野口英世記念館) 定員300人 司会:出頭圭三 | 7月17日[火] 大阪 (建設交流館) 定員200人 司会:出頭圭三 |
9:30〜9:45 | |
開会挨拶 | 魚本健人 (東京大学) | 宮川豊章 (京都大学) |
9:45〜10:30 | |
指針の概要と性能照査について | 前川宏一 (東京大学) | 坂井悦郎 (東京工業大学) |
10:30〜11:00 | |
第T編 性能照査型設計・施工指針 | 菊地 眞 (鉄建建設) | 三島徹也 (前田建設) |
11:00〜12:00 | |
設計例 | 永井一徳 (飛島建設) | 菊地 眞 (鉄建建設) |
12:00〜13:00 | |
休 憩 |
13:00〜14:00 | |
第U編 設計マニュアル構造設計と照査 | 三島徹也 (前田建設) | 松岡 茂 (鉄建建設) |
14:00〜15:00 | |
第U編,第V編 設計マニュアル・施工マニュアル耐久性能の照査他 |
牛島 栄 (青木建設) | 大内雅博 (高知工科大学) |
15:00〜15:15 | |
休 憩 |
15:15〜16:15 | |
第V編 施工マニュアル |
渡部 正 (前田建設) | 伊藤祐二 (フジタ) |
16:15〜17:00 | |
第W編 維持管理マニュアル |
田中 斉 (飛島建設) | 来海 豊 (明星大学) |
17:00〜17:15 | |
まとめと閉会挨拶 |
小澤一雅 (東京大学) | 松田好史 (西日本旅客鉄道) |
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