新世紀を迎え,経済情勢は未だ厳しく,「聖域なき構造改革」の影響を
まともに受けつつある日本の土木建設業界.本格的な競争社会を迎え,公
共施設設計に求められる要素もますます多様化・複合化が進むものと考え
られます.バリアフリーや環境問題は今や必須の検討項目であり,投資対
効果からコスト・バランスが一層厳しく問われるとともに,快適性や景観
が重要な獲得目標になります.
また,今後は設計競争(コンペ)やプロポーザルによる,提案型の業務
形態がますます増加し,もはや従来の標準設計型の設計体制では今後の社
会需要に応えられないといえます.設計者には,明快な「コンセプト」と,
それを「空間」に具現化する能力が求められています.
土木施設は機能的でなければならないことはいうまでもなく,機能を犠
牲にしたり,機能と無関係なモチーフに依存したデザインはありえません.
ここでは,広い意味での機能を追求した空間を「機能空間」とよび,その
デザインの思想と手法を具体的に考え,議論したいと思います.優れた
「機能空間」は,個々の機能にそれぞれ形を当てはめればできるものでは
ありません.機能に根ざした優れたデザインとはどのように発想され,ど
のようなプロセスを経てかたちに表現されるのか?
今回のワークショップでは,駅や駅前広場,港湾や空港などの人々が行
き交い出会う空間を中心に,国内外の優れた事例を解読しながら多様で複
合的な機能が,一つの空間に統合され,魅力的な場として結実するプロセ
スを明らかにする試みです.また,ワークショップの名にふさわしく,会
場との活発な議論を積極的に行います.
土木の分野ですでに第一線でご活躍の方々はもとより,デザインを志し
ている学生諸氏,発注者,施工者など,幅広い参加を希望いたします.
なお,当日は本プログラムの前に,「土木学会景観・デザイン委員会デ
ザイン賞」の授与式を行います.
1.主催 |
: |
土木学会 景観・デザイン委員会 |
2.日時 |
: |
2002年1月21日[月]13:00−17:30 |
3.会場 |
: |
東京工業大学百年記念館 フェライト記念会議室 |
4.定員 |
: |
130名 |
5.参加費 |
: |
2,000円
(別途,昨年の報告書「土木のデザインとコンセプト」
を,当日1,000円にて販売いたします) |
6.プログラム
(10:00−12:00 デザイン賞授与式) |
司会:水谷智充(千代田コンサルタント) |
13:00 |
開会挨拶
景観・デザイン委員会委員長/中村良夫(京都大学) |
13:10 |
趣旨説明および講演「機能空間の魅力」
天野光一(日本大学) |
13:40 |
講演「海外の機能空間事例」
福井恒明(東京大学) |
14:10 |
講演「求められる機能空間のデザイン」
佐々木葉(日本福祉大学) |
14:40 |
休憩(20分) |
15:00 |
パネルディスカッション 「機能空間のデザイン―その思想と手法―」
コーディネーター:天野光一(日本大学)
パネリスト:武田光史(武田光史建築デザイン事務所),中井祐(東京大学),上島顕司(国土技術政策総合研究所),工藤誠(オリエンタルコンサルタンツ)
ファシリティ・ドローイング:小野寺康(小野寺康都市設計事務所) |
17:00 |
閉会挨拶
景観・デザイン委員会幹事長/窪田陽一(埼玉大学) |
17:300 |
懇親会(別途,参加費:4,000円程度) |
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7.申込方法 |
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学会誌綴込みの「本部行事参加申込書」に所定事項
(特に行事コード番号)を明記の上,土木学会行事担当
宛FAXにてお申し込み下さい.申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加券」をお送りいたします.
申込締切日 12月21日[金]
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申込みに関してお願い
1.申込締切日以前に定員に達している場合がありますのであらかじ
めご了承ください.なお,締切日以降の事前受付はいたしません.
ただし,定員に余裕がある場合のみ,行事当日に会場にて受付い
たします.
2.お申込み後,やむを得ずキャンセルされる場合は必ず開催日の5日前(土日・祝祭日を含まず)までに経理課までご連絡下さい.
ご連絡がない場合は,参加費を徴収させていただきますのであら
かじめご了承下さい.
3.申込みをされる前にご送金いただくことはトラブルの原因となり
ますので堅くお断りいたします.
4.テキストのみご希望の場合は,行事終了後,下記問合先までお問合せ下さい.
5.懇親会にご参加いただける方は,行事申込書の通信欄にその旨ご記入下さい. |
8.問合先 |
: |
土木学会研究事業課(事務局担当:工藤)
TEL 03-3355-3559/FAX 03-5379-0125
E-mail kudo@jsce.or.jp |