記
1.委員会名称 | : | 弾性波法の非破壊検査研究小委員会 |
2.研究調査テーマ | : | 弾性波法の測定手法の原理の理論的検討と弾性波動理 論に基づいた手法の理論化によって現場計測の適用性 と計測法の手順を確立する. |
3.構成 | : | 委員長 大津政康(熊本大学大学院) 幹事長 鎌田敏郎(岐阜大学工学部) 幹 事 渡辺 健(徳島大学工学部) 幹 事 内田昌勝(太平洋セメント樺央研究所) |
4.目的および活動内容
弾性波法に属する各検査法は,コンクリート内部の欠陥検査のため
の非破壊検査(試験)法としてすでに開発され,年次大会等では数多
くのセッションで研究発表が行われている.その対象となっている手
法には,打音法,衝撃弾性波法,超音波法,共鳴法,アコースティッ
ク・エミッション(AE)法などがある.しかし,現状では実際の適用
例などで個々の手法の問題点・改良点が指摘されており,技術の理論
的な検討,信頼性と精度の向上などが求められている.これは,非破
壊検査法全般に対する信頼性への認識の欠如とも関連しており,維持
管理が急務となりつつある現在において,技術を深化させる研究委員
会を設置し,コンクリート工学の問題として検討する必要がある.
現状で問題あるいは改良が求められているのは,以下に述べるよう
な研究者にも認識の欠如があると思われる背景が挙げられる.
(1)測定手法の結果へ影響する要因についての検討が十分に整理・
蓄積されてない.特に,現状の周波数応答に関する検討では機
器の応答感度特性が問題である.さらに,測定手法の原理が理
論的に解明されていない.例えば,打音法はLambの問題であ
り,波動論的な解析も可能なはずである.共鳴法その他の1次
元の反射・回折理論は現実ではないため,早急に理論の整備が
必要である.
(2)実験に対応して波動場解析が行われていても1次元・2次元解
析などが多く,理論的には問題が残されている.厳密には,部
材の3次元性と波長の関係から3次元以外の波動解析は解明に
ならない.したがって,測定の背景となる理論的な研究成果の
蓄積が望まれる.これらの成果に基づいて超音波速度測定法の
標準化や共鳴振動法の見直しなどの提案を検討する.
(3)多くの研究例では,試験結果の解釈が十分でないままに経験的
に分析されている.例えば,金属材料の超音波探傷のピーク電
圧をコンクリートに持込んだり,スペクトル重心のような物理
現象に関連の乏しい分析などが行われている.これらの問題は
現場計測が1つの目的となっている弾性波法の適用限界として
整理することが急がれる.
そこで上記についての検討を目的とした3つのWG(@測定手法の
原理の理論的検討,A弾性波動理論に基づいた手法の理論化,B現
場計測の適用性限界の検討)を編成し研究活動を実施する.
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5.活動期間 | : | 2年(2002年6月から2004年5月) |
6.活動方法 | : | 3〜4か月に1回程度委員会を開催する.旅費,交通費は支給しない.各種の連絡や情報交換はE-mail等を利用する. |
7.応募締切日 | : | 5月17日[金] |
8.申込方法 | : | 本委員会に参加を希望される方は,鎌田幹事長宛に所 属,氏名,連絡先,E-mailアドレスその他ご意見を記 入の上,E-mailまたはFAXにて締切日までにご連絡く ださい. |