コンクリート標準示方書が性能照査型となりました。このことで構造 物の形状や，材料の選定の自由度が増すことが期待されています。また， この示方書は，性能照査の方法を示すものであり，設計実務をいかなる 方法で行おうとも，結果が照査を満足すれば良いということでもありま す。それゆえ，設計の自由度も増すこととなりますが，その自由度を充 分に生かすためにはそれなりの能力や，労力も必要です。

難しい構造物を設計するのであれば，能力の高い技術者が，この示方 書に則って忠実に照査することも必要です。しかし日常的に扱っている 高架橋や，橋脚などの設計においては毎回この照査方法に忠実に従わな くてもよく，多くの設計の実績から，簡単な方法で，性能照査を満足す ることが明らかならば，その方法で設計することも，性能照査を満足し た学会示方書に合致した設計であります。

今回，以上のような考えを理解してもらい，より性能照査型示方書が 身近に感じられるよう，各種の構造物についての計算例を作成し，ここ に講習会を開催致します。それぞれの構造物で示方書の利用の仕方が異 なっており，設計のプロセスに多くの自由度のあることが理解されると 思います。性能照査型示方書を理解し，実務設計にどう役立てるかとい う面で，大いに役立つ内容であります。奮って参加いただきますようご 案内申し上げます。

なお、当講習会と同じ内容の講習会の開催を今後も予定しており、次回は5月20日(金）に土木学会講堂で開催致します。また、各支部での開催を検討中です。