21世紀の社会基盤整備における共通テーマは地球環境に配慮し、さらに人類の福祉を優先させながら、後世を見据えた「持続可能な開発」 である。これを実現させるために、基盤整備の基本となる構造物の建設において考えなければならないことは、環境への負荷と人類への負 担を最小限に抑えながら適材適所へ安全で長持ちする構造物を確実に建設することである。その一方で、20世紀後半に建設された膨大な 社会基盤ストックを有するわが国においては、21世紀の「持続可能な社会の構築」を考えるうえで、これらに対する「効率よく効果的な維持 管理」も不可欠になる。

土木学会コンクリート委員会吹付けコンクリート小委員会では、トンネル用およびのり面用吹付けコンクリートとともに、補修・補強用吹付 けコンクリートの指針ならびにこの指針を制定するにあたって必要となる各種試験方法を整備するため平成15年5月より約2年間活動を行っ てきました。また、表面保護工法研究小委員会では、表面処理材を使用する各種工法を主な対象とする表面保護工法の設計施工指針案、指 針案に必要な材料の品質試験方法、材料の品質標準などを作成すべく平成15年2月より約1年半にわたり調査活動を行ってきました。

土木学会東北支部では下記によりこれらの成果物であるコンクリートライブラリーをテキストとしてコンクリート技術講習会を開催すること にしました。新設コンクリート構造物ではライフサイクルコストを考慮した長寿命化、既設コンクリート構造物では維持管理の重要性がます ます高まっております。このような状況のなかで新設および既設コンクリート構造物の耐久性の向上または劣化の抑制ならびに劣化した構造 物の補修を目的として利用が急増している各種表面保護工法や吹付けコンクリートについてその性能を正しく理解し、適切に使用していただ くことを目的とした講習会です。ふるってご参加ください。