土木学会誌11月号モニター回答
工業デザインの戦後史とその教訓
都市空間に比べて明らかに変革のサイクルの早いプロダクト、ひいてはライフスタイルが大きな影響を与えている中、土木デザインはその基準をどこに求めるべきなのだろうか。
都市空間として100年先を見据えようとしても将来が見えない、しかし半歩先を見据えてデザインしてもすぐに陳腐化してしまう。
プロダクトデザインの変革は参考としつつも、より長いスパンで考える必要があり、ユーザーが土木構造物より早く変化していく都市空間においては、さらにプラスアルファの視点が必要なのだろう。たぶんそれは、デザインの環境である「風土」を見極める目、そして何よりもデザインの責任を負う者としての「自覚」なのではないか。
(都市計画設計研究所 平井一歩)
土木構造物のデザインは「公のデザイン」に属する場合が殆どであり、しかも長期にわたり存在することになるため、非常に難しい面があると思います。「感性」に走り過ぎれば、そのときはよくても、後年、価値観が変化していったときにユーザーにとって違和感や不快感を与えるものになる可能性もあります。結局は、無難な地味なデザインに落ち着かざるを得ないのかなと思います。
((株)大林組 菅野 滋)
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