土木学会誌11月号モニター回答

世界から日本から 外国人技術者の目
マナド空港拡張工事


 ODA関連を始めとして、海外の社会資本整備工事が行われている。その中で日本の土木技術者もコンサルタントとして、建設マネジメントとしてそれぞれの持ち場で活躍している。持ち場の違いはあっても、資金調達・設計・建設・運営という一連のプロジェクトとして理解していかないと、プロジェクトが成立しなくなる恐れもある。日本での建設工事以上に、一人一人の技術者が資金調達から地元の人たちとの交流まで幅広く視野を持ち、トータル・コーディネイターとして自覚する必要がある。宗教・習慣などの異なる海外での生活の中では大変な面も多いが、やりがいのある仕事と言えよう。また、日本の公共事業にPFIを導入する動きもあるが、コーディネイターの役割として参考になるものがあるのではないか。
(中部電力 仲村治朗 )


海外工事に携わりたいと思っている私には、当記事は非常に興味深かった。海外工事で要求される資質についてでは、短編ながらも非常に密な内容であり参考になった。また海外工事は、為替の変動や暴動などの社会情勢に大きく影響されるということも当記事を読んで改めて思い知らされた。地元では注目されているプロジェクトだけあって、その作業に関わることができれば誇れるが、やはりまず資質を持たなければならないと痛感した。
(金沢工業大学 田辺義博)


  海外での大規模土木工事に関わっている技術者の原稿ということで、日本との違いをある程度予想しながら読み進めていきましたが、予想通りの記述と意外な記述があり、興味深く感じました。
 予想通りと感じたところは、契約内容を最も重視し、少しでも契約外の仕事をさせられた場合には請負者が速やかにクレームをつけること、経済危機や暴動などの社会情勢に大きく影響されること、の2点です。1点目については、この内容が国際的には常識であり、今後日本国内においても同様の流れになるだろうと考えます。その場合、契約書類を読む方のみでなく書き手の能力、すなわち発注者側が明瞭でプロジェクト推進に支障のない書類を書けるかどうかも課題になると思います。一方、2点目は個々の国によって大きく異なりますが、現在の日本にいるとなかなかわからない問題かもしれません。
 意外だったのは、現場のマネジメント次第で工事の収支が大きく変わることと、工事を順調にこなすためにはコンサルタントや客先(発注者?)との間に「時には友達の付き合い(?)」も必要だという記述です。これらはいずれも、「契約内容重視」の視点からは一見矛盾しているように感じますが、その理由は実際にこのようなプロジェクトに関わらないとわからないのだと思います。
 しかし、やはりこの記事を読んで一番印象に残ったのは、暴動などの不可抗力によって工事が止まってしまう、という困難さです。ほとんどの土木プロジェクトには工程や予算の面で厳しい制約がありますが、ここで書かれたような事態は私には容易に想像できないことです。このような困難を乗り越え、工事が早期に無事竣功することを願っています。
(日本鉄道建設公団 岡田良平)


 外国人技術者の目という副題のつく記事にしては、内容がよくわからないものであった。体験談のようでそれが主題でも無いようである。もっと日本人技術者との考え方の違いなどがはっきり書かれていればおもしろいと思うのだが残念である。
(住友建設 浅井宏隆)

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