土木学会誌12月号モニター回答
災害速報
大地震の被害をもたらす要因としては、地表地震断層による地盤変位と地盤の揺れによる慣性力がある。両地震ともに調査速報からは、地盤の揺れによる面的な被害分布よりも、地表地震断層の地盤変位による線的な被害分布がうかがえる。地震動に対しては静的震度法・地震応答解析などの適切な耐震設計で対応がとれるが、メーターオーダーの地盤変位に対しての設計は難しいものがある。 このことは、地表に地盤変位を起こす活断層の調査とその適切な認識が必要であることを示している。日本の活断層は、最近では「日本の活断層」等の文献で広く知られるようになった。内陸の活断層の活動間隔は一般に数千年であり、個別の活断層の最新活動時期と活動間隔が確認できれば、構造物の寿命に対してその活断層の危険度を適切に評価することができる。また、活断層の直上には都市計画上、構造物を建てないなどとする積極的な都市防災対策を採用していくことが求められる時代ではないかと思っている。
(中部電力 仲村治朗)
災害速報と言うことで、トルコ地震・台湾地震について多くを学ぶことができた。私事であるが、阪神淡路の震災の年に大学に入学をした。当時は震災について、その日害の大きさとすさまじさにただただ驚くばかりであったことを覚えている。
あれから4年が経った今では大学を何とか卒業し、建設コンサルタント会社で働くこととなった。その間幸いにも地震が構造物に被害をもたらす機構や構造物の耐震設計を学ぶことができ、この記事を読んでこの2つの地震とその被害を私なりに理解できるようになったと思う。
今後も地震と被害の機構・耐震設計の勉強を続けることになるが、より一層理解を深め、仕事に役立てていきたいと思う。
(新日本技研株式会社 藤山知加子)
海外の災害報道は一過性であることが殆どで、学会のこの種の記事は大変有意義です。様々なインフラの被害調査は本当にご苦労が偲ばれますが、是非、仔細な続報を期待しております。
(新日本製鐵(株)木村秀雄)
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