土木学会誌2月号モニター回答
構造物の維持管理支援システム
そもそも50年100年あるいはそれ以上を寿命とする構造物の維持管理を、高々10年来、あるいは実用化にさしかかったばかりの手法で、評価する妥当性はあるものだろうか。この部分の議論無しに、如何に多くのシステムを並べられても、疑問ばかりが先立つ報告になっていると思う。例えば 、ライフサイクルコストについて、50年後にも計画段階のLCC評価が適用できるものであろうか。これは、現代から50年100年前を遡って考えれば、よほど難しいように思える。この点については、次の座談で充分とは言えないが石橋氏が言及している。
更に言うなら「50年前のトンネルや橋梁についてLCC評価をしたとするなら、設計や工法はこうなっていたはず」という議論は可能だろうか?そうした試みが成立すべくもないなら、50年以上のスパンのものに対してLCC適用はできないとの類推もあるべしと思える。我が身の勉強不足の所以であろうが、説明していただきたかった。
(伊戸川環境総合企画 伊戸川善郎)
個人の持つ優れた技術と経験に依存することの多い劣化診断や維持管理手法の決定のような課題を誰もが扱えるよう支援システムを開発する意義は大きいと思う.J-BMS’98の紹介は知的興奮をかきたてられた.ただ,限られた誌面でしかたないだろうが,免疫アルゴリズムなど個々の手法の説明が十分理解できなかった.
(大阪府立大学農学部 夏原由博)
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