土木学会誌3月号モニター回答
土木ミニ知識 ランドフィル島構想
ランドフィル島というきれいな響きの名前の島が、どんな島なのか読んでとても驚きました。ゴミ処理については、緊急を要する今、首都圏50年分の廃棄物等を管理でき、跡地は緑地とする新しい構想は、ぜひ、実現してほしいと思いました。しかし、平成4年度から現在も構想中であるということに、計画の大きさ、さまざまな問題があるのにもこの構想の難しさが分かりました。
日常、取り沙汰されているゴミ処理の埋立地については、周辺の住民の反対などなかなか上手く進まない様子が報道されたりしています。なんとかそういった問題を解決して実現し、ゴミ問題に明るい道が早く開けることを応援いたします。
(熊谷組 中村由里)
我が国のように国土が狭く、輸入品を加工して輸出する様な産業構造の場合、廃棄物問題は待ったなしの問題である。廃棄物処分場問題を解決する方法としてランドフィル島構想は、現時点で考えられる最も有効な方策であるように思われた。
構想の概要では、具体的な位置、建設方法が書かれており、技術的には可能であるでのあろう。しかしタイトルにあるように、いまだ構想段階である。著者も一部述べていたが、最終的には採算性の確保、環境影響調査、国民的コンセンサスを得なければならない。廃棄物処分場問題一つをを解決するだけでも、分野が多岐にわたる難しさがあり息の長さが必要だと感じるとともに、一種の歯がゆさも感じた。
(住友建設 水野克彦)
建設費削減が叫ばれる状況の中で、久しぶりに夢のある記事に触れたような気がする。こういう夢のある話は是非実現化して欲しいと思うが、世論は必ずしもそうではない事が多い。吉野川河口堰建設に対する住民投票も大多数が反対であった。なぜ反対されるのか?それはこれから建設する構造物の必要性をうまく伝えられていないからだと思う。会社や団体に任せるのではなく、土木技術者一人ひとりが常日頃から構造物の必要性を一般に広めて行くことが重要なのではないかと思う。土木学会誌には、今後も引き続きこういった夢のある話題を提供して欲しい。
(大成建設(株) 松原洋明)
この報告にあるような東京湾の埋立てによる、ごみ問題の解決と新空港、新居住スペ−ス、業務ビル用地の同時確保は、さまざまな研究グル−プで過去にも勉強されている。その中で、一番の大きなねらいが、東京都区部の再開発、緑化の代替地として、また、流れを創出することによる、東京湾の浄化であるようだ。しかしながら、このような大規模で独創的なプロジェクトは予算もさることながら、国民的合意が形成しづらいことが一番のネックとなるようである。もし、そのような合意形成がなされれば、建設債を発行しても皆投資してくれるであろう。これから、高齢化社会となり、日本の経済的自力がなくなってくることは明らかであるので、もし本気でプロジェクトを進めるなら、今後10年くらいが最後のチャンスとなるように思われる。日本人(特に首都圏に住む人々)の先見性と子孫へ良い財産を残していくという責任が問われている。
(日本鉄道建設公団 松田康治)
発想としては、大胆かつ建設的であり、ゴミ問題がを大規模に組織的に今後50年間についての展望がかかれていた。読んだ直後連想したことはダム建設に関することである。ランドフィル島こうそうが、小さなため池を造ることをやめ、大きなダムを建設して一度に問題解決をしようという発想と、同じであるように感じた。私は、ランドフィル島構想には、あえてNOと言いたい。理由としてはとりあえず、ゴミの問題は出した人の責任で行なわれるべきであること、潮の流れなど現状ではまだまだ不確実な部分が多く予測できないのならば、大規模な行為は避けるべきである という2点挙げる。おそらく実際に事業を行なうのは国であろう。反対をするのは住民であろう。先日おこなわれた吉野川河口堰に関する住民投票では、ダムは無駄とばかりに反対が大半を占めた。国民的コンセンサスを得る必要性は、この経験からうまれたのであろう。ランドフィル島構想は、まだまだ課題計画の段階であり、これから実施計画にするための努力が必要であると感じた。
(鳥取大学 里田晴穂)
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