土木学会誌4月号モニター回答
建築から見たコンクリート
「新世紀のコンクリートを考える」の特集を読み進んで、建築分野の立場からの瀧川公策氏と田中健治郎氏の寄稿に出会うと、やはり新鮮な思いになる。他に重要な指摘も多いのであろうが、小生は同じ材料を用いながら土木では問題にされない「テキスチュア」を重要視するということで、これほどの捉え方に違いがでる、という点が最も面白かった。
環境の立場からは、岡村会長以下多くの土木学会の方々が、継続的発展や持続可能な社会を見通してのコンクリートの循環的使用に触れておられるが、土木の視野の中だけで、厳しく言えば、できそうもない循環を論じても殆ど意味がないように感じました。
恒久性を土木ほどには要求されない建築分野は勿論のこと、コンクリートの循環については心肺の役目と大静脈の役目を担うセメント業界やコンクリート業界の目でみた見通しにも、触れて欲しっかたと思います。
そうすることで、循環の立場から建設物の解体や道路の撤去舗装材などが、どうあるべきかが、そうしたリサイクル材を生むためには、バージン材料もどうあるべきかが、幾らかは見えてくる筈のものだと思います。
(伊戸川環境総合企画 伊戸川善郎)
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