土木学会誌4月号モニター回答

打ち放しコンクリートへのこだわり

 最近、むき出しのコンクリートで何の飾りもない店舗が非常に多く見られるます。不況によるコスト削減なのか知りませんが、お客としてはそんなに悪い印象は受けません。むしろ、やたら装飾している店舗より落ち着きます。たぶん、むき出しのコンクリートが伝統的な日本文化と似たところがあるからではないでしょうか。日本人が好むいわゆる「わび・さび」と共通するところがあると思うのです。派手な装飾ではなく、素材を生かしたシックな作り。これが、好まれる理由だと思います。
(首都高速道路公団 福田朋志)   

 コンクリートは非常にデリケートなものであり、いろいろと手間隙をかけて品質を管理する必要がある。コンクリートの管理は重労働であり、多くの手間をかけている割には注目されないと感じていた。しかしながら、コンクリート打ちを通じて現場が心を合わせていた時期のこと、コンクリートが形に関して非常に自由度が高いという話題、などを通じて、コンクリートに対して多くのことを見落としていた事に気が付いた。コンクリートをもっと多くの人に知ってもらいたいと感じた。コンクリートは、リーズナブルな材料として、注目され使用されてきた。これからは、コンクリートだから出来ること、コンクリートにしか出来ないことに注目してコンクリートと接していくべきだと感じた。
(鳥取大学 里田晴穂)

 「打ち放しコンクリート」か「やりっぱなしコンクリート」か。ドキッとする言葉である。土木の場合「やりっぱなしコンクリート」の如何に多いことか。しかしコンクリートの品質を度外視した場合、土木のスケール感で見るとやりっぱなしで十分な場合もある。要はヒューマンスケールが必要な場面では、最低限しっかりとした仕上げをと言うことだろう。
((株)大林組 後藤嘉夫)

 打ち放しコンクリートの中に、「結果はまさにふたをあけてみなければわからない」、「焼き物なんかに通じる世界」が、あるというのは初めて知りました。土木にはないし、おそらく許容されがたい発想ではあるでしょうけれども、大変、面白く感じました。
(新日本製鐵(株) 冨永知徳)

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