土木学会誌7号モニター回答
リスクを緩和する:リスクのミティゲーション
この前の記事の「リスク分析」と併せて読んでみて、リスク分析の結果とリスク回避あるいは緩和への行動の間に、強い関係があって当然でありながら、現実には社会性なり時々の話題性などの影響の方が大きそうに思えます。
もしかするとリスクの実体(大きさ)とはそうした実在社会の風潮そのもののなかにあるのであって、現実の被害額等で評価することにどれほどの意味がと感じていました。
この記事の日本におけるリスクマネージメントとミティゲーションの項で、日本の地震保険がリスクマネジメントの扱いで遅れており、結果として保険としてのアカウンタビリティも欠如して、地震保険の定着も一時期のものとなってしまった、と理解できます。
つまり、実在社会において、リスク評価ではリーダ的な役目があるはずの保険業界ですら社会の風潮に迎合してあえてマネジメントの考え方を示そうとしなかった。そうした遅れの方にこそ、問題意識を持つべきだと指摘いただいたように思います。
(伊戸川環境総合企画 伊戸川善郎)
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