土木学会誌7号モニター回答
技術リポート 湖沼における新たな問題

 湖沼の難分解性有機物であるフミンの存在を知った。フミンの濃度が上昇することにより湖沼生態系や有害化学物質の能動化などが懸念されているが,増殖のメカニズムや起源についてはまだよくわかっていないとのこと。このリポートでは,フミン物質の分離に基づいて湖沼中の有機物を分画する手法が報告されている。
 湖沼での水質問題は,河川や海域にも拡大する可能性もあり,大変興味深い問題である。
(鹿島建設 新保裕美)

 有機物対策を考える場合の環境基準の見直しが必要ではないかという締めくくりであった。これまで使われてきた基準を見直すということはどの分野においても大変なことであろう。しかし、本質が見えている場合、見直しは早急にするべきである。内容的には専門でない自分にとっては少し難しいものであった。
(大成建設 古池章紀)

 難溶解性溶存酸素DOMという聞き慣れないに着目したこのレポートは非常に新鮮でした.また既存の湖沼の環境基準で十分かとういといかけはまさにそのとおりで,水質環境の重要性が指摘される今日,有機物指標等の抜本的に直しが必要とされているとおもいました.
(東京工業大学 赤松良久)

 CODという馴染みの深い指標も、環境の変化とともに見直しが必要であるというのはとても興味深い話でした。
(東京工業大学 渡邊学歩)

 現在の水質基準に対する問題提起という意味で、興味深いレポートでした。既存の水質指標であるBODやCODについては、水質基準の指標であったために基準の達成に向けて対策が行われ、水質浄化に効果を上げてきたという面もあり、一概に否定することはできないと思いますが、本レポートを読んで、新たな水質基準の導入の必要性を感じました。
(水資源開発公団 大島伸介)

 湖沼の水質問題に関する新たな指標である難分解性DOMについて,簡明に説明してあり,とてもおもしろく読ませていただいた.従来,湖沼における水質問題は,富栄養湖である霞ヶ浦や印旛沼などに対してのみ起こっているものと考えていたが,貧栄養湖である十和田湖でも溶存CODが漸増しているという事実には,水質問題に対する認識を新たにさせられた.
 溶存COD濃度の漸増の原因としては,人間活動に由来する難分解性DOMであり,それにより,湖沼生態系に影響を与えるのみでなく,人の健康への影響も懸念されると述べらている.手遅れにならない内に,対応を講じるべきでり,まずは,このリポートで提案しているDOCを指標として加えることであろうか?
(運輸省港湾技術研究所 森屋陽一)

 近年,環境保全の重要性がますます高まっており,今回のリポートもその意味で非常に有意義なものと感じた.
 環境基準にTOCあるいはDOCを取り入れることの優位性について,もう少し具体的に記述していただければ,さらに理解を深めることができたと思う.
(住友建設株式会社 高橋直樹)

 技術リポートであるため、専門的要素が強いことはやむを得ないとは思うが、構造系を専門とする私には難しい内容であった。身の回りの水質環境と密接に関わる問題であるため、個人的には非常に興味があった。しかしながら、私側の問題として、基礎となる知識が不足しているためいささか消化不良の感が残った。
(住友建設 松元香保里)
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