土木学会誌9月号モニター回答
21世紀土木技術ビジョン
土木・建築分野における新技術の開発・促進戦略に関する公開ワークショップ報告
建築分野では技術開発へインセンティブが働くケースも多い,ということから考えても,新技術の開発・促進を進めるためには建設産業のシステム・制度を改善することが最も有効であると思われる。技術が適切に評価されるシステムへと改革が進行するべきである。ここではそのための議論がいろいろな立場からかなり積極的に行われていたので,多少なりとも希望を感じた。現状のシステムで維持する場合は,もはや有能な人材を確保することは至難であると覚悟すべきだと思う。
(東京大学大学院 細田 暁)
建設システムマネージメント分野の第一人者である国島正彦氏の「新技術の開発や導入を阻害している制度上の問題と改善策」を興味深く読ませていただいた。現行の公共工事請負契約の前払い制度は、発注者と受注者双方の技術者の技術力向上の機会を阻害するとの氏の主張は、確かにこれまで深く検討されたことはなかったのではと思う。IT化が今後進む中、情報化技術も積極的に活用し、氏の主張する技術力向上面からの視点も加えた、こうした入札制度改革が押し進められることを望みたい。
また、ワークショップ報告では、アウトラインしか分からないため、別号などでもう少し詳細な説明を願いたい。
(開発土木研究所 梅沢信敏)
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