土木学会誌9月号モニター回答
港湾における液状化対策技術の現状と動向(1)

 非常にていねいに,液状化のメカニズム,対策工法の概要が説明されていた。私自身,地盤工学を専門にしているが,液状化に関する自分の知識をあらためて確認する意味でも,このようなレポートを読むことは意義がある。
 最後に説明がなされていた,「状況に応じた液状化対策の事例」では,地震で傾いた護岸をそのままにして,追加の対策工を実施したとのことである。据えつけなおすことと検討した上で取られた措置であろうが,どの程度のコストの差となったかなど興味が持たれる。
(大成建設技術研究所 石井裕泰)

 液状化のメカニズムから対策工法の現状について、わかりやすくていねいに示されていた。兵庫県南部地震以降、レベル2地震に対応した液状化対策が注目されているが、その設計法、評価法については未だ研究段階にある。本号は導入ということで、そのような問題点などについては言及されていなかった。次号の実際の効果と動向についての記事を楽しみにしています。
(大成建設 古池章紀)

 液状化対策技術の考え方と現状について非常に分かり易く書かれており,大変参考になった.技術レポートの中には専門知識がないと理解不可能なものが少なくないが、本レポートは液状化を専門としない方々にも理解しやすく,内容の平易さという観点から,様々な分野および年齢層の方々を読者とする学会誌として適切なレベルであったと思う.
 なお,レポートにもあったように,兵庫県南部地震以降,レベル2地震動を想定した性能設計の導入が急速に進んできている.この設計では,地震外力に対する”変位”の予測が重要であり,その為の手法や予測手法の精度の向上が必要とされている.今後,このような題材についても取り上げて頂ければ幸いである.
(住友建設(株) 高橋直樹)

 港湾の液状化対策工事をする時最も施工者が危険にさらされる1つの状況として矢板背後の置換工法を選択した際の掘削する最中であると思われる。この時掘削する深さが深すぎれば浸透圧によって矢板背後の地盤が崩壊する危険があり、当然その深さを計算していることと思いますが、その計算の概要・結果を少しでも掲載してほしかったと思います。
(北海道大学 山口隆一)

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