土木学会誌10月号モニター回答
海外工事を施工する技術
本記事を読んで非常に感銘を受けた。
私も期間は短かったが東南アジアの現場で仕事をしたことがあるので、非常に身近な記事に感じられた。
海外の現場では、所長に「当社の先輩方のおかげで、我々の施工したものの品質は非常に良いとの評価を受けている。最低限、我々はそれを守っていかなければならない」と聞かされた。
私がいた現場の近くで多くの工事があり、各国の建設会社が行っていた。完成したものを見ると先の所長の言葉が実感できるものもいくつかあった。
また、問題発生に対する対処方法も本記事にある日本企業的な措置をとった。圧密が予定期間より長くかかり、そのしわ寄せとしてその後の工種全てにおいて工程短縮をしなければならなかった。圧密の遅れは我々の責任ではないと心では思っていても、与えられた工事期間で終わらさなければならいという日本人的な気質もあり、構造変更、突貫工事等の措置をとった。結果的に要求された工程は満足できたが、そのときは日本人的な気質が利用されたという悪い解釈の方が強かった。
今回のこの記事を読み、日本以外の企業では決して出来ないであろうことを行ったということを再認識した。また、発注者にとっては予定どおり工事を終わらせることが出来たので、この方法をとることにより顧客の満足度は最も良かったのではないかと思う。
最近、このような日本企業的な問題解決方法が良いのかどうか疑問に思うこともある。紙の契約よりも口約束、慣れを重んじることが良いのかどうかということである。時々ではあるが現在の業務でそれが非常に役立つことがあるだけに複雑な気持ちである。いまだに自分自身の答えはでていない。
(五洋建設(株) 佐々木広輝)
終わりの方に”横綱を目指してまずは何度も土俵に上がることだ”という
文章があったが,私個人の意見としてなかなか白星先行とは行かないと思う。現時点 では黒星にこそ得るものが多いに違いない。黒星先行に負けない体力づくりも大事な 点となると思います。
(本州四国連絡橋公団 高木 久)
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