土木学会誌12月号モニター回答
シリーズ 20世紀ニッポン土木のオリジナリティ考 世界語になったTSUNAMIの研究・技術

 津波の恐ろしさは報道などで認識はしているが、その発生頻度からどうしても忘れられがちである。そうした中でも、わが国の津波研究・対策は、とくに数値シミュレーション技術が高く、またシミュレーション結果に基づいた想定津波を導入したソフト的対策も行われ、世界の中で一歩リードしていることを改めて認識した。今後は米国との技術競争力を視野に入れ、とくに数値計算技術による津波予報の向上へ力点が置かれているようであるが、津波による被害を回避するためのシステムの構築に関してはどのように考えられているのであろうか。防災という観点からすると、本学会誌の7月号の特集で取り上げられた「リスクマネージメント」などが、津波対策に明示的に取り込まれた研究開発が行われる必要もあるのではと思うが、この点について、どのように取り組まれているのかも知りたかった。
(長野工業高等専門学校 柳沢吉保)

 日本は周囲を海に囲まれた島国であり、かつ地震の多発地帯に位置するため、この分野の研究が発展しやすいと言う背景はあったであろう。失われた幾多の人命などを糧として、災害に打ち勝とうとした研究者達の努力の足跡が理解できた。日本においては、津波による災害を完全に打ち消すことは不可能であろうが、ここでも紹介されていた研究の成果が生かされ、被害を最小限に食い止められることを願う。
(住友建設(株) 松元香保里)

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