土木学会誌
土木学会誌10月号モニター回答


表紙・裏表紙
毎回、表紙写真を楽しんでいます。どのようにして興味深いネタを見つけているのでしょうか?
(山口大学 樋口隆哉)

錦帯橋の場合、約50年毎の架け替えに備えて木材を用意しなければならず、しかも木材の生長は遅く銘木として育て上げるには150年もの時間が必要であるとのこと。大工たちの巧みの技を伝承することのみならず、次の次の次の代まで、架け替えに対する植林と手入れによる備えが必要であることを考えると、木造歴史遺産の継承のために、たゆまない関係者の努力に感心致しました。
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

今から二十年ほど前になるが、私は幼少の数年間を岩国で過ごした。表紙に掲載された写真で美しい橋梁と山上の城を見た瞬間、それがあの懐かしい岩国であるとわかった。ここ数年岩国に足を運ぶ機会は無かったが、橋の架け替えが行われたとの記事を目にし、改めて錦帯橋を訪れてみたいと思った。
(京都大学 菊本 統)

特集 土木の景観デザインを考える
どちらを向いてもコスト縮減・コスト縮減の大合唱の中、「景観デザインと言う言葉はどこかに埋もれてしまっている。」というのが、多くの土木技術者の現状ではないかと思います。今回の特集を読んで、あらためて景観デザインの位置付けを認識した次第ですが、ただ、景観づくりに、環境づくりに関わっているということを感じるまでには至りませんでした。それはコスト縮減云々ではなく、如何に我々が景観デザインと言う領域から遠く離れたところで仕事をしていることの裏返しだと思いました。いろいろ考えさせられることの多かった特集でした。
特集の個々の記事については、非常に読みやすく主張が理解し易いかったものと、難解で理解し難かったものがはっきりしていたように思います。前者にあたるのは、1-1シビックデザインの導入とその後、1-2土木における構造デザイン、コラム1 歴史的土木構造物とその意味、2-1 土木のデザイン、コラム2 土木を撮る、特集を終わって、です。
特集号の全体的な感想は「長い」ということです。私は、特集号を組まれた編集チームの目的は上に挙げた記事だけで十分達成するようにも思いました。今回、特集としての物量を増やすために、記事を無理に増やされたり、個々の記事に字数を設けて、長くしたりされたことはなかったでしょうか? 一般的に難解な記事がいくつかあると特集全体の興味を削ぐ結果になることがあると思います。読み手の資質の問題なのかも知れませんが、私は正直そのように感じました。
また「特集を終わって」の中に、写真の掲載が少なくなったことへのコメントはありましたが、多くの会員に記事を読んでもらうと言う(論文ではない?)学会誌としての役割を考えた場合、平凡な学会員の視点から言わせていただくと、やはりもう少し視覚的に訴えるものがあっても良かったと思いました。
(清水建設 入江正樹)

p26の写真1及び2とp35の図−1の(C)は名神高速道路の履歴の写真であるが、撮影地点が同一箇所と思われ、とくに建設当時の写真は写真そのものも同一と思われる。当時の景観に着目した写真は貴重と思われるが、学会誌に同じ写真が出てくるのは、幅広く意見を求める学会の理念からするとちょっとガッカリしてしまいました。
(大阪府  岡田敏男)

土木学会誌で景観デザインという特集が組まれること自体を興味深く拝見しました。デザインとは全く無縁の者ですが思いつくままを書きます。城下町は、国の経済的結節点として機能することを目的として立地選定され、その多くが、明治以降(現在)も県庁所在都市など地域の中心都市として存在しています。明治以降、旧城下町には多くの洋風建築物が造られました。それらは、建設された当初はかなり違和感のあるものだったと思われます。しかし、長い時間を経て残ったそれらは、街に深くなじみ、そこに住む人(や訪れる人)の様々な思いのつまった場所を形成しています。全国の旧城下町にそのような古い洋館が数多くあります。土木構造物も同じだと思います。構造物は、造られた時点においてその場所に合うことだけでなく(あるいはそれよりも)、長い年月を経てその場所になじむ(あるいは場所をつくる)ことが必要だと思います。長く残り得ること、すなわち機能的で堅牢であること(または機能的に柔軟性がありメンテナンスし易いこと)が最も重要だと思います。それは結果として環境、経済に負担の小さいものでもあります。長く使われる機能的で堅牢な美しい構造物をつくってください。(ただし、機能性も堅牢性も知りませんが、斜張橋はもう結構です。)
(東北大学理学研究科地理学教室 村山良之)

景観デザインは、土木構造物の計画段階において必要不可欠なプロセスとなっており、すっかり設計工程に定着している。設計者はデザインのスキルをみがき、発注者に提案したデザインを主張、納得させるコミュニケーション能力が必要となる。また、最終的な決定は発注者と住民の意志となるため、発注者は景観を評価する能力および住民を説得するコミュニケーション能力が必要となる。この特集では、このような様々な立場や観点から、事例も含めて景観デザインについてまとめられており、今後の景観デザインについて社会が取り組むべき方向性が浮き彫りにされています。ただ、景観を考える場合、いつもヨーロッパの事例が紹介されます。確かに景観に関するセンスの違いおよび景観技術の先進国であることは認めざるをえませんが、そのまま日本に輸入しても馴染まない場合も多くあり、それぞれの文化の違いを考慮した上で技術やコンセプトをアレンジしていただきたいものです。今後の大学教育において、デザイン シンセシスを根幹とする教育システムの重要性は日頃より痛感しております。
(愛媛大学 谷脇一弘)

一般的に土木構造物は社会基盤を構成するものであり、人々の目に触れる機会が多いものである。また、土木構造物は、大規模なものが多く、景観構成要素として視野内に占める割合が必然的に大きくなるものであることから、永続性、環境性等を考慮したデザインは、今後より重要となってくる。土木分野の対象とする景観デザインは非常に多岐に渡ることから、全てを網羅することは困難であると思うが、本特集では、様々な形での土木景観デザインへの関与の仕方、景観デザインの検討におけるプロセス及び問題点、および土木分野における景観デザインの将来的な方向性がまとめられており、非常に読み応えのある内容でした。
(北海道大学大学院 迫井裕樹)

今回の特集記事は、至るところで、自らの土木技術者としての姿勢を考えさせられる表現が数多くありました。各記事からは、筆者の生の声を聞くような迫力が感じられ、これまでの自らの妥協、怠慢を指摘されたような、痛い所を付かれたような気分になりました。これを機会に、土木技術者としての自分の「デザイン」を見直してみようと思います。
(東京都 浅井重政)

「特集を終わって」にも述べられていましたが、確かに景観デザイン特集であるのにもかかわらず、写真の数が少なかったような気がします。土木の景観デザインという分野が、広範囲に及ぶものであるなら、例えば2ヶ月に渡って特集を組むなどの対処法もあったのではないでしょうか。
(室蘭工業大学 菅野昌生)

土木というとデザインは二の次で、経済性・安全性・力学的な面を第一に考えてしまうが、今回の特集は、デザインを行う必要性、その意義について丁寧に構成立てて書かれており、分かりやすく大変興味深く拝読させていただきました。デザインを考えることは、同時に力学的なことも考えることであり、改めて土木の奥深さについて考えさせられました。
(大阪大学 谷本泰雄)

今回の特集はよかったと思われます。いろいろと参考になりそうです。公団や地方自治体の人にも記事を書いてもらい、実際、どのように彼らが考えて動いているのかなどについても知ることができればさらによかったのではないかと思われます。
(大阪市立大学大学院 山口隆司)

論説 文化戦略としてのインフラストラクチャー
プラントの仕事をしていると、現場で作りやすいもの、手間が掛からないもの、出来るだけコストが安く済むものが設計の目標となり、景観デザインという観点から物を見るという機会がほとんどありません。必然的に「土木のデザインの意味を理解できぬエンジニア」になってしまっている自分にふと不安を感じてしまいました。もともとお客様の注目するものが「景観を重視する」ではなく「いかに建設費を抑えて工事を完了させるか」にあるため我々請負には手が出せない領域となっています。仕事では関わりを持てない分学会誌等の書き物で自分の頭を錆びさせないようにしていきたいと思います。
(東洋エンジニアリング梶@菅原紳二)

シビックデザインの導入とその後
「美しい国土を目指すことは、どんな時代・状況においても不変のテーマであり国是である」、土木技術者として、忘れてならないことだと思います。
(西松建設梶@土屋光弘)

土木における構造デザイン
この記事を読んだとき、これまでの構造物の見方を少し変えれば違った側面が見えてくること、なるほど土木構造物にはなげやりなデザインが多いことに気づかされた。エキスパンション・ジョイントなど当たりまえと思っていたものが実は、景観的にも機能的にも、また維持管理面でも多大な不都合を生じさせている。別の視点から土木構造物を眺め、構造デザインを考えてみようと考えるようになった。
(電力中央研究所 石川智巳)

土木の構造デザインについて、設計者の取り組み姿勢に対して疑問を唱えられ、また、構造デザイン手法の実例紹介では、模型づくりなどのデザイン・プロセスが紹介されており、大変刺激されるとともにたいへん参考になりました。中でも、後付けの落橋防止構造について「なげやりなデザイン」と断じられていましたが、全く同感であり、指摘のとおり現在の土木のデザインに係る問題点を端的に現わしているように思います。構造デザイン、景観デザインが贅沢なオプションではなく基本技術として定着することが望まれます。
(東京コンサルタンツ株式会社 今度充之)

土木とエコロジカルデザイン
新しい川づくり、道づくりとして、近自然工法の紹介があった。このような考え方自身よく認識していなかったが、今後、ランドシャフトの重要性を意識した町作りを進め、機能性とともに心のゆとりを取り戻す努力が必要だと感じた。このような町に住んでみたい。
(電力中央研究所 石川智巳)

近自然道路工法についての紹介はわたしにとってとても斬新な紹介であり、興味を持って読ませていただきました。1つ疑問に思ったことがありました。スイスとドイツの例が挙げられておりましたが、それではこれら近自然道路工法が実際に日本に適用できるのかということです。現段階で道路の線形を変えることができるのかや、交差点をロータリーに換えるだけの用地が確保できるのか、紙面の都合もあるかと思いますが、日本への適用の際の問題点なども今後お聞きできればいいのではと思います。
((社)国際建設技術協会 安永 良)

環境先進国の河川づくり、道路づくりの思想と手法が簡潔かつ明快に示されており、大変興味深く読みました。中でも、「正しいコストダウンは資源とエネルギーの節約であり、人件費の節約は間違いのコストダウン」という点について考えさせられました。土木事業のコスト縮減策として様々な工法や設計の考え方が提案され実施されていますが、人件費削減によるコスト縮減を狙ったものが多いように思います。とくに、構造物などは材料が多少多く必要になろうとも形状を単純化し、施工性を高めることにより施工手間を省いて人件費を節約することにより、工事コストを抑えようという考え方が浸透しつつありますが、これはスイス・ドイツの考え方とは逆行しているということになります。我が国の土木事業も環境や景観への配慮を重要な課題として取り組むようになってきたと思いますが、経済性重視の呪縛からはなかなか逃れられず、必ずしも十分ではない様に思われます。土木事業に関わる技術者の環境に対する意識がまだまだ低いことが理由ではないでしょうか。同様に市民の環境に対する価値観や意識もスイス・ドイツとは大きな隔たりがあるようです。そういう意味でも、環境先進国の取り組みを紹介して頂くことは、土木技術者にとっては大きな刺激になるものと思います。
(東京コンサルタンツ株式会社 今度充之)

日本の従来工法により改修されたコンクリートにより固められた真直ぐな川と、スイス・チューリッヒの改修されたネフバッハ川の写真を比べて見ると、一目瞭然、河川改修には洪水安全性だけではなく、環境への配慮が必要だと痛感させられる。必要な安全性を確保した上で、できるだけ自然本来の力(ダイナミクス)を利用して河川改修を行うべきである。
(東亜建設工業 薄井治利)

心を大切にしなくなった現代の日本人、その通りだと思います。多自然型川づくりや川の生き物が棲みやすい川づくり、と言葉は踊っていますが、多くの人が自分の利便性ばかりを追求している昨今、行政は他の小さな生き物のことを本当に真剣に考えているのだろうか、環境に配慮するというとうけがいいから、言葉をやたらに使っているだけではないのだろうか?などと思ってしまうことがあります。
(匿名希望)

近自然道路工法の目指すものは 狭路、蛇行等の見通しの悪さです。 第一印象は危険そうですが、 ドライバーに常に緊張感をもたせるため、事故を減らす効果は十分にあると思います。 スイスで盛んですが、我が国での普及を 願っています。
(京都大学 山上路生)

土木の景観とランドスケープデザイン
分かりやすい表現によって、筆者の景観に対する取り組み方を理解することができた。スケッチを描くことによってスケール感覚を養うという方法は、実際に人々が風景を見る時の視点そのものに基づいたやり方であり、景観を考える原点を改めて指摘されたような気がした。
(山口大学 樋口隆哉)

最近、土木の計画(デザイン)の分野では「生態系の知識を空間デザインに応用する技術」ばかり強調されるが、著者の言うように「空間を正確にスケッチで表現できる技術」が大切というのは同感だ。というのは、最近、図面で構造物や仮設物の図面で地盤(GL)が一直線の平面で表示されていて、施工時に変更が多く生じることが多く、土木技術者が等高線を読めないというか、地盤高の変化を認識していないと感ずるコトが多い。高さというと、すぐにCGや3Dに向いてしまうが、それでは、著者のいう「そこからの風景を瞬時に想像できる」能力を育てることは出来ない。具体的にスケッチする方法が示されているが、現場技術者にも有益だと思うので、さらに詳しく著者の考えを知りたくなった。
(大阪府 岡田敏男)

ランドスケープデザインの作業が具体的に説明されていて分かりやすかった。景観デザインとは表面上の美しさ、すなわち、用強美の「美」だけを追求する作業だと思っていたが、地形や地質など地域環境の仕組みを理解し、手を入れて良いところと悪いところを区別するなど、「用」や「強」の部分にも関わってくる作業であるということが分かって興味深かった。
(京都大学 中島伸一郎)

デザインとエンジニアリング
インフラのライフサイクルにわたる環境への影響を考慮することが設計者の責任として確立される必要がある,と述べられており,これに共感するとともに,設計に携わる者として身の引き締まる思いです。しかし,まだ,土木施設の設計における自然環境,地球環境に対する設計上の配慮が事業のコストを押し上げる1つのオプションとしてしか認識されていないのではないかと感じています。リオの地球サミットからすでに10年。土木技術者,特に設計に関わる者は環境についてしっかりと学ばねばなりません。
(名古屋大学 山本佳士)

現場における“土木と緑化が一体となった景観”への取組み
個人的には、年月とともに景観や植生が変化し、道路も“成長”しているのを実感するのは楽しいものであり、最初から完璧な緑化でなくても長いスパンで景観整備すればよいと思っていた。しかしながら、この記事で先行植栽という考え方を初めて知った。土工造成完成時に法面等に植樹を行うことで、道路供用時には緑豊かになっているとともに、樹木の規格が小さくなることによりコストダウンにつながるとのことで、合理的な手法であると思った。
(関西電力 嶋田隆一)

コラム1 歴史的土木構造物の保存とその意味
土木構造物が長くにわたり現地の方々に受け入れられてきたという実態は、土木技術者として喜ばしいかぎりである。
今後同様なケースが多々あると思われる。かたちのあるものはいつかは壊れるのはやむを得ない。最も望ましいのは修築して永続ということであろうが、それも限界がある。特に景観的価値あるものであればこそ、その代替となるものは充分にデザイン等を考慮されたものを採用すべきであろう。それがまた、地元に受け入れられれば幸いである。とはいえ今回のケースでそれが非常に難しいことはわかった。
(日本道路公団 小松功征)

第2章 これからの土木の景観デザイン
(五洋建設梶@渡邉浩司)

土木のデザイン
難しいテーマについての文章であり、表現も難しくなるのは仕方ないと思うが、より多くの人に理解してもらうためにもう少し平易な文章にしてもらいたかった。
(山口大学 樋口隆哉)

土木のデザイン思想について歴史観点から論じており興味をもった。公共事業が中心となる土木では、デザインの重要性がまだ十分には認知されていない。デザイン評価をどう位置付けるかが、新しい局面に入っているとひしひし感じた。
(西武建設(株) 三村 卓)

設計契約方式の新たな取組み
プロポーザル方式の実施例が記載されていますが、その核心である「評価検討委員会」や「建設コンサルタント選定委員会」での具体的な手法が分かればさらに興味がもてます。景観という客観評価が難しいとされているものを評価する際の透明性や客観性を担保する具体的手法や問題点を知りたかったです。
(大阪府 岡田敏男)

土木の分野で整備される道路、橋梁、ダム等の社会資本は、長期耐久性も考慮されているため、長くその場所に存在する。そのため周辺環境との調和も充分考慮されるべき課題であると思う。
かつて、機能性を重視するあまり、形状や色彩についてあまり議論されることなく様々な構造物ができた。しかし、あまりに人工的なそれは周辺環境に溶け込むここともなく、あくまでも異質な雰囲気をかもし出しまた、なんともいえない違和感を与えた。
そのような中で過去の反省から、環境に関する関心も高まり事前にCGやフォトモンタージュなどを積極的に採用するようにはなってきている。そして、現場においてもその動きは浸透しつつある。
しかしながら、昨今のコストの縮減という観点から、非常に微妙な状況であることは事実である。
このような現状であればこそ、発注者としての取組みについて興味をひかれた。
土木という分野は非常に公共的な事業の割合が高く、その性格からなかなか民間建築で採用されているコンペ方式は確かに難しいと思われる。そのため、著者のいう「一定水準以上の作品に対しては成果物として受領し、その対価を支払う」との提案には非常に共感を覚えた。
今後も環境への配慮を欠如することなく事業が継続され、また、積極的にこのようなシステムが採用されることを願う。
(日本道路公団  小松功征)

<顔>の見えなかった設計者とこれから
「土木構造物の設計を行っている」と自分では思っている身にとって、考えさせられる記事だった。建築と異なり、土木では設計者の〈顔〉が見えない事が当たり前と思っていたが、確かに、そのような思いこみが「誰が設計しても同じ」という意識となり、デザインという面での無頓着さに繋がっている。今後の時代に、「土木」をアピールしていくためにも、「設計者は自分」という意識(実際には確かに定義が難しい気もするが)を持って、「エンジニアアーキテクト」を目指すべきなのであろう。
(関西電力 松本明男)

筆者の主張に加えて、建設現場で作業する技術者の仮設物に対する設計力も評価したい。現場技術者は、経済性・施工性を考慮してその効果を最大限に引き出すべく、多くのアイデアを盛り込んで仮設物を計画・設計・実施する。しかし完成時には撤去されるため、形も名前も一切残らない。このような背景から、施工中には比較的目立つ存在であるにも関わらず、本設構造物が完成した瞬間から突如軽視されがちで、過去の仮設物の事例を探そうとしてもなかなか見つからない。顔も形も見えない箇所に情熱を注いでいる技術者に賞を創設出来ないか。
(清水建設 遠藤和雄)

コラム2 土木を撮る
湖底に沈み、渇水期に姿を現す廃線橋の姿。タウシュベツ川橋梁が「もやは土木景観ではなく自然景観」と変わっていく姿。それはわずか一世紀も経ていないはずなのに、十数世紀を経た古代ローマ遺跡をも思わせる不思議な景観でした。
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

本誌9月号『外からみる土木 第5回映画編』で田部純正監督も仰っていたように、土木構造物のすごさは、地域の歴史的背景や技術的知識が無いとわかりにくい。その一方で、このコラムで書かれているように、構造物が長年を経て自然に融けこんでいる姿というのは、なんの説明が無くても美しいと思う。土木構造物としての用を抜きにして景色として美しい。日本あるいは世界の景観土木遺産を集めた写真集があればぜひ見てみたいし、その場所を訪れてみたい。
(京都大学 中島伸一郎)

プロジェクトリポート “The Big Dig”
本プロジェクトは、先々月号の特集で都市再生事業のひとつとして取り上げられており、交通渋滞の緩和と都市環境の改善という複合的な目的をもった事業として、個人的に注目していたので、非常に興味深く読ませて頂いた。記事の中で、事業主体が情報公開の場として開設しているホームページが紹介されていたので、今後の事業の展開についてホームページでチェックしていきたい。
(京都大学 菊本 統)

アンダーピニング工法のトンネル幅が片側4車線に対し、I型鋼で対応する。驚きました。また、1000万m3の土砂を埋め立てることについても驚きました。国立公園にするということですが、事前の計画・調整の話も聞いてみたくなります。事業費の増加を情報公開しているそうですが、利用者との合意形成の過程も知りたいです。
(西松建設梶@土屋光弘)

「ビッグディック」のプロジェクトは、規模が1.9兆円と途方もない額であり想像を絶する。既設の高架橋を地下化するなどいかにもビッグである。
(西武建設(株) 三村 卓)

都市再生手法の紹介記事として、大変興味深い内容でした。事業費変更の疑惑等もあるようですが、事業規模の大きさや、それを実現する力には、まず驚きを感じます。
また、毎月のプロジェクトマネジメントレポート等をインターネット上で公開するなどの、情報公開のあり方は、見習うべきところが多々あるように思います。記事中で紹介されたwww.bigdig.comは、大変洗練されたホームページでした。
(東京都 浅井重政)

大都市中心部での施工事例として興味深く読ませてもらった。我が国においても首都高に代表されるように、狭い幅員、短い合流区間など自動車の急速な普及により、現社会への対応が困難な道路が数多く存在し、安全、且つ円滑な運行を考えると、補修、改修にとどまらず、大規模な開発が急務であることを改めて感じる記事であった。
(五洋建設梶@渡邉浩司)

ボストンで行われている「ビックディック」とよばれている都市再生プロジェクトは、現在の日本の大都市が進めていく必要のある都市再生に大いに参考になると思います。ただし、膨大な事業費が必要となること、住民の合意形成の問題など現在の国内の情勢を見ると、日本において都市再生を進める環境は、まだ整っていないと思われます。したがって、今までどおりの行政主導のプロジェクトとして進めるのではなく、住民、学会、業界などと一体となって進める環境を整えるべきであると考えます。
(海洋架橋調査会 貴志友基)

ボストン都心部の高速道路地下化プロジェクトの紹介でした。渋滞対策はあくまでも副次的で、古き良き時代の街並みやコミュニティの回復がプロジェクトの主目的であるという点も、これからの時代背景に則していると思います。しかし、事業費が当初予定の4倍以上にも膨れ上がり、情報隠匿の疑惑もあるなど、優等生の事業だとは決して言えないと思います。そのような状況から想像するに、住民等、関係主体の合意が得られるまでの道のりも極めて長かったのではないでしょうか。残念ながら、本記事にはそのような情報は詳しく述べられていませんでした。今後、我が国の都市部で行われる各種の大規模開発を進める上での教訓とするためにも、本プロジェクトにおいて、どのようなプロセスを経て社会的コンセンサスが形成されてきたのかを、是非、説明に加えてほしいと思います。次回の関連記事を心待ちにしております。
(東京工業大学 福田大輔)

昨今我が国でも叫ばれている「都市再生」の大規模なテストケースとして大変興味深いものであった。驚かされたのはその事業規模のみならず、市民団体をも含めた協議の中で、環境に配慮されたアイデアが生み出されそして実現されている点である。いまや土木事業において「環境」というキーワードは不可欠な存在となっているが、特に都市部においては、それは一層プライオリティの高いものであるといえる。この都市部において、「ひと」が住みよい都市に再生させていく過程においては、このような市民の視点からの環境に対するアイデアは、技術者の視点からでは発想し得ない非常に有意なものがあると言える。我々技術者は、都市にすむ「ひと」の声が聞こえる耳をもつとともに、自身がその「ひと」であるべきことを再認識してこれからの「再生」に携わっていきたい。
(鹿島建設 藤井秀樹)

事業の透明性を高めるということで、プロジェクトの中枢にかかわるような書類までも情報公開を先駆的に行っているようだが、公開した情報に対する意見をどのように集約し、事業に反映させているかも知りたいと感じた。私の住んでいる長野県でも、知事がさかんに「事業の透明性」を謳っているが、ある程度透明にしたあとの処置をどうとるかを楽しみにしています。
(信州大学 豊田政史)

このリポートを読み、こんな壮大な土木プロジェクトがまだ残っているのかと正直驚きました。写真をみるかぎり、高速道路の地下化は、都市緑化や景観を大きく改善することがわかります。スケールが大きいだけでなく、環境対策や情報公開も進んでおり、確かに世界中から注目されるプロジェクトだと思います。
(京都大学 山上路生)

技術リポート 重金属汚染土壌の対策事例
土壌汚染に関しては海外でもかなり注目を浴びており、運悪く出くわしてしまった場合は客先(化学系)、現地の有識者、日本国内の有識者等と相談の上、対策を講じています。このような対策事例が数多く紹介されれば現場での知識として大いに役立ちます。
(東洋エンジニアリング梶@菅原紳二)

地盤工学を専門とする者として、大変勉強・参考になりました。以前、火力発電所から排出される石炭灰を地盤材料として利用する場合についても、汚染物質の溶出試験結果と現実の溶出量にギャップがあると聞きました。現実に即した試験方法の開発、それに伴う研究、そして法としての整備が急務であることを再認識致しました。これらに関する行政と企業とのやり取り・論点などについて、もっと教えていただきたかったです。また、最後に情報公開の方法が記載してありましたが、このような例を学会誌などの紙面で多く掲載することが、他の工事などでも有用になると思いますので、非常に良かったと思います。
(函館高専 川口貴之)

土壌を汚染している鉛・砒素を原位置で固化・不溶化し、地盤強度を低下させることなく環境浄化を行う手法は、汚染土を搬出する必要もなく、コスト面でも優れた手法であるものと考えられる。ただし、土壌に投入される不溶化済やセメントが、特に長期的スパンで考えた場合に新たな土壌汚染を引き起こさないかを注意深く見守る必要がある汚染土壌といえども生態系の一部である。有益な資源としての土壌を保持するためのトータルな視野が土木技術者に求められる。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

今後、一つの事業分野として土壌汚染対策が注目されており、様々な取り組みがなされているが、実施するに当たり重要なポイントの一つが、ここに取り上げられた事例のように、情報公開を行うことであると思う。ただでさえ、周辺の方々が不安に思う工事であるはずであり、公開せずに行えば、余計な憶測や不信感を持たれてしまう可能性が非常に強い。情報公開しながら行うことで、不安を取り除けると共に、ひいては土木全体のイメージアップにも繋がると思う。
(関西電力 松本明男)

環境に対する話題をあちこちで耳にする時代になって、こういった環境対策工事も住民に受け入れやすくなってきていると思う。公共工事の透明性が叫ばれる中、土壌の工事は完成後もほとんどその効果を目にすることが出来ないため、趣旨を理解できない住民に取っては目障りでしか無かったはず。環境問題が重要視されるようになって来たことに加えて、現場技術者のアイデア(工事看板・スクリーン型万能塀)を取り入れたことで、受け入れやすくなっていると思う。今後もこのような事例が多く報告されることに期待したい。
(清水建設 遠藤和雄)

土木紀行 丸沼ダム
尾瀬から奥日光に抜ける金精道路沿いにある丸沼や菅沼は非常に古く美しいダム湖であることは、かつて路線バスが走っていた時代に流れていたアナウンスで聴き知っていました。しかし、道路からダムの堤体は見えないので、この記事で始めて湖としての姿ではなく、ダムとしての姿を貴重な資料写真を交えて垣間見ることが出来たように思います。
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

自分が生まれる前に竣工したダムであり、土木工学の歴史を感じるが、写真だけではなかなか雰囲気が伝わらず、現物を見ないとどうもピンと来ない記事でした。
(東洋エンジニアリング梶@菅原紳二)

土木とコミュニケーション第4回現場の声に触れる 土木とコミュニケーションの実情
いつも、この学生のページの構成・内容には感心させられます。会員・購読者を増やしていかねばならない観点からすると、新入社員や学生の入会者数の増加が重要だと思われます。その意味で、このようなわかりやすく、かつ人物などにスポットを当て、等身大の興味や情報を得ることができるこのような企画をページ数などを増やし、どんどん拡大すべきではないかと感じました。
(函館高専 川口貴之)

近年、PI、合意形成の必要性が言われている中、土木事業におけるコミュニケーションについて、毎月興味深く読ませて頂いている。本文中に、「最終的に頼れるのは、自分自身の経験から得たコミュニケーション・スキル」とある。しかし、大学の講義では、勉強・研究が中心であり、学生の間からこのスキルを磨くことは困難であると感じる。以前のこのシリーズ中にもあったように、地域行政プランナー、ファシリテーターといったような職種の社会的位置付けを確立することも重要ではあるが、それと同時に、大学等教育現場において、コミュニケーションの重要性を経験させることがより必要になってくるのではないかと思う。
(北海道大学大学院 迫井裕樹)

土木に限った話ではないが、コミュニケーションは人と人との関係であり、いくら理屈が正しくても、理解して貰えるとは限らない場合がある。そういう意味で、この記事にあるように、一番大切なものは、ここでおっしゃられているように「心」なのであろう。相手の意見を素直に聞き、こちらも正直に思いを伝えるというのは、仕事面だけでなく、あらゆるコミュニケーションの場に通用する大事な事であると思う。それと、記事を読んで感じたのは、このような仕事をやっていこうとされるには(大変なのは十分想像できるので)、一人で技術士センターに交渉されたと言うような、ある種の「強さ」が必要なのだろうという事である。
(関西電力 松本明男)

福田さんの仕事に対する「想い」と「熱意」、そして「問題意識」を強く感じコミュニケーションの重要性と難しさを改めて実感しました。
(鹿島建設 横尾 敦)

受験資格を与えられなかった技術士補試験を受けるために、一人で技術士センターに交渉したという話は驚きました。そのようなパワーのある人が、既存の理不尽に思える習慣に対して意見を出し、社会改革への第一歩を作っているんだなと思いました。また、このように自分の意見をきっちり発言できる人が、住民と行政の潤滑油的な「地域政策プランナー」のようないわば調整役っぽい仕事も出来て、すごい人だなと感じました。
(信州大学 豊田政史)

アメリカ合衆国シアトル市の地下体験
大リーグのことだけが印象に強いシアトル市の意外な歴史を知り、興味深かった。下水道システムの整備と景気回復の問題が絡み合ったシアトル火災当時の状況は、環境と経済の問題が絡み合った現在の世界状況とつながっているような気がした、というのは言い過ぎだろうか。
(山口大学 樋口隆哉)

都市計画の重要性を知らしめてくれる反例としてのシアトルと、交通混雑緩和のために公共交通を計画的に運行させる好例としてのシアトルという対比がおもしろい。これまで一度もシアトルを訪れたことがなかったが、日本人大リーガーが現役で活躍しているうちに一度訪れてみたいものだと思った。
(京都大学 菊本 統)

私も今年の6月シアトルに行く機会がありましたが、バス交通の便のよさには大変驚かされました。市内中心部はバスが無料区間でしたので何度も利用しました。マイカー規制という点では大変いい試みだと思います。日本でも上高地などでマイカー規制が敷かれていますが、シアトルと異なりその分観光するのに費用がかかってしまいます。なんとかならないでしょうか。
(京都大学 木下篤彦)

日本の都市部における交通渋滞やそれに伴う公害等、交通環境問題が顕在化し様々な対策が講じられている。しかし、まだ手探り状態の段階で決定的な効果は得られていないと感じる。本稿で報じているシアトル市においての交通対策は、まさに参考とすべき事例であろう。成果を上げた最大の理由は、単純に利用する者にとってのメリット(路線バスの無料化、パーク&ライドによって市の中心部へ自家用車で直接行くより早く到達できる)があるからである。この辺りに日本における交通環境改善のカギがあるのだと思う。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

シアトルの都市形成を紹介した、紀行文としても大変楽しい記事でした。
天上道路などの歴史の紹介では、わが国の現状と比較して、補償等を、当時の市当局がどのように行ったのか知りたいと思いました。
また、公共交通の紹介では、無料でメトロバスに乗ることができるという、「ライド・フリー・エリア」の運営のあり方に興味を覚えました。毎日渋滞で悩むわが国の都市部でも採用はできないものでしょうか。
(東京都 浅井重政)

都市の特徴をその歴史からひも解いて説明しており、非常に興味深かく拝読しました。今後も都市の特徴をさまざまな側面から考察した記事の採用を期待します。
(鹿島建設 横尾 敦)

後に続く女性たちの道標に
3年前インターンシップをテーマとした授業のひとつとして、母校で後輩たちに話をする機会がありました。本投稿を読みながら、そのとき向かい合った女子学生たちのその後の姿を想像しました。社会情勢の変化や実社会の様々な壁などにぶつかり、仕事の継続を断念した女性土木技術者は多いかも知れません。女性土木技術者を取り巻く現在の環境に厳しいものがあることはいろいろな意味で事実です。ただ、ジェンダーフリーの社会が今後ますます進んで行こうとする中、女性土木技術者が仕事を継続できる環境を作り出すことは、土木界にとって忘れてはならない重要な指名だと思います。そのようなことをあらためて認識させられる記事でした。
(清水建設 入江正樹)

土木という業種は壮大なロマンあふれる業務につくことができる可能性を持っている反面、率直に、実質的な労働時間の多さや業界の古い体質など、女性にとって決して環境が良いとはいえないと個人的には思っています。そのような意味で、学会誌の場を借りて、多くの方々にこの内容を読んでもらうことは非常に良いことだと思いました。今後、この「投稿」に触発され、各支部などが主体となり、若い女性土木技術者や学生などに対して、経験者からの講演会や討論会などを開くことができれば・・・・と、思いました。
(函館高専 川口貴之)

土木系学科女子学生の卒業後の動調査というユニークなテーマであり大変興味深い一編であった。文中にもあるように、諸々の事情で今後も女性土木技術者は増加することが予想される。土木関連業務に女性が従事する上での問題点を浮き彫りにするためにも、今後もこのような調査が行われることを望む。学会がその主導的立場に立つべきである。
ただし、世間一般の見方では、結婚・出産・育児を契機とする一時休暇・離職の問題を女性だけに限定するのはもはや前近代的な発想である。職種に関係なく、女性の抱える問題に”男性”がどう関わるかが現在主流のテーマである。その意味では、男性の土木技術者にとっても、傍観者でいられるほど無縁なトピックではないことを認識すべきであろう。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

昨今の失業率の増加状況の中、ワークシェアリングや女性の社会参加の促進などが提言として上がっているが、施策として実現していくには様々な問題をクリアしなければならない。このアンケート結果の中でも、結婚後も仕事を続けている女性のほとんどが、夫や子供が家事を分担するとの回答を寄せている。結局のところ、まず育児や介護に対する意識を社会全体で変えることが先であり、その結果自然とそれらのサポートシステムが整備されていくのではないだろうか。
(苫田ダム工事事務所 尾崎精一)

今後の土木工学のあり方として、とても大切なトピックかと思います。しかもただアンケートを集計しただけでなく、研修会を開き、結果の報告をした点、リカレント教育や復職システムの構築などの提案をしている点、調査・報告内容も充実していると思います。今後より具体的なアクションでさらなる効果が期待されることと思います。
((社)国際建設技術協会 安永 良)

我々の業界において女性の活躍の場が増えたのは最近である。十数年前、私が大学在学中の時には、女性が土木工学科の学生の内1%しかいなかった。このことを思えば、土木を専攻する女性が増えてきたことは、非常に嬉しく思う。今後のさらなる女性の躍進を期待したい。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

土木建築の不振が社会的背景にあるにもかかわらず、女性の土木志向は伸びてきている様子をレポートから感じとれた。しかしながら、土木社会の受け入れが十分であるかについては疑問があり、せっかくの人材を生かしきれているかについて考えさせられた。結婚や育児等へのフォローも進めてゆかなければ、いずれ女性に見向きもされなくなるであろう。学会としても、土建業界に対して女性技術者の待遇や厚生措置などの調査を実施して、体質を改善させるよう促すと共に、女性の職場選びに役立つような情報を提供していって欲しい。
(西武建設(株) 三村 卓)

この記事では、女性技術者の職場における実状が詳細なアンケート結果から示されており、大変興味深く拝見しました。私の大学でも女子学生が数人おりますが、日本経済が低迷している中、就職活動においては非常に苦労をしていたようです。最近では相次いで改正男女雇用機会均等法、改正育児・介護休業法など、男女が平等に働くことが出来るような法律が施行されています。しかしながら、実際には夫の転勤によって、女性土木技術者が就業を辞めるケースが多いなど、未だ女性の就業に関する環境が整ってないと感じました。働く意欲のある女性が、その能力を十分に発揮できるような環境を整えることが出来れば、就業環境が改善されるばかりでなく、日本経済を明るくするために一役を担うことも出来るのではないでしょうか。
(室蘭工業大学 菅野昌生)

働く女性の一人として興味を持って拝見しました。私の周囲の男性の多くは、女性は結婚したら家庭に入ってほしいと言っています。女性は大いに社会に出るべきであると言っている人の中にも、自分の結婚相手には家にいてほしいという人もいました。男性が働いて、女性は家に入るものというのは、ずいぶん時代遅れな発想のように思いますが、現実には、出産・育児、夫の転勤でやむなく仕事を辞めるという選択をする女性が多いのですね。家庭を持って、男性と同じように働くことができなくても肩身が狭くない社会になってくれたらいいと思います。
(匿名希望)

大学で、次年度の就職に関する業務の補佐を行い、女性の就職は非常に厳しいことを身をもって実感していたところであり、非常に興味深く記事を読むことができた。女性が仕事を続けていく上での様々な問題点などが指摘されており、これらの問題点の解消に向けて、具体的に何かに取り組んでいく必要があり、まさに、土木学会がリーダーシップをとって行うべきではないかと思われる。記事にもあったが、女子学生にとってはまさに道標的な内容であり、今後も継続してこの種の情報提供を行ってはどうかと思う。
(大阪市立大学大学院 山口隆司)

私の大学でも、女子学生が増えてきているので、興味深く読ませていただきました。女子学生と進路の話をすると、「子育て」に直面したときのことが気になるようです。この記事にもあるように、彼女たちの就職に対する不安を軽減するために、妊娠中や育児中の各種保護措置をとりやすい職場環境が社会的に早く整備されることを望みます。 
(信州大学 豊田政史)

この本
土木技術を具現化する上で環境問題が不可分な存在であることは言うまでもなく、その意味において、長年にわたり電源開発の観点から環境問題に携わってきた技術者の”生ききざま”を知ることは我々土木技術者にとって重要なことであり、この本の意義がその点にあるものと考える。
文中、「環境創造」や「環境との調和」といった言葉が出てくるが、この本を読めばそのような概念が”空中楼閣”でしかないことがよく理解できるものと思われる。「生真面目でいいじゃないか」という本のタイトルも、個人的に大変好きである。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

本の紹介ということで、毎月楽しく読ませていただいております。今日、とても注目されている環境問題、電力についてということで興味を引くだけでなく、この冊の本について所々に本文を引用しながらの内容の紹介で、是非読んでみようと思いました。
((社)国際建設技術協会 安永 良)

紹介者が、常日頃からどのような本を読み、そこから何を考えられたかが書かれており、いつも大変興味深く拝読させていただいています。毎回自分が本を読んでいくにあたっての参考にさせていただいています。
(大阪大学 谷本泰雄)

タイトルで興味をひきましたが、内容が少しわかりにくいように思いました。
(匿名希望)

会告
会告で、イベントの紹介等をされていますが、前回開催時の白黒写真を付けることはできないでしょうか。カラー写真でなくとも、イベントの様子がわかり、読者に応募意欲を沸かせることができると思います。
(東京都 浅井重政)

平成14年度「土木の日」および「くらしと土木の週間」のご案内
土木の日に関連した行事の数の多さに驚かされた。主催関係者にあたっては敬意を表する。有効な広報をおこなって成功させてもらいたい。このような行事は、一般市民の方々も多く参加されるので、一交流の場ともなりうるものと思う。我々も積極的に乗り込んで、生の声を聞くことは意義があるだろう。
(西武建設(株) 三村 卓)

学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等
最近、海外の都市に関する計画や歴史などを紹介するような目的の記事が多く見られます。大変勉強になり、非常に良いことだと思うのですが、このような場合、歴史であれば年表や、場所であれば地図など・・・単発的な写真だけでは若干わかりにくいと感じました。無論、紙面の都合や執筆者に一任しては難しいなどの問題があることはわかっておりますが・・・・
(函館高専 川口貴之)

土木学会誌・土木学会論文集の記事検索ホームページに、検索した記事のPDFファイルを見たり、ダウンロードすることができる機能がほしい。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

先月号で国際委員会の活動が報告されており、今後さらに活動を強化することが書かれていました。海外のプロジェクト紹介は今月も楽しく読ませていただきましたが、国際化に向けての取り組みとして何か活動状況(土木学会としてだけでなく、大学や研究機関、民間も含む)の紹介を今後加えていただくとより興味を持って読む人も増えるかと思います。
((社)国際建設技術協会 安永 良)

「外からみる土木」を毎月楽しみに拝見していたのですが、10月号に掲載されておらず少々残念です。このことから連載企画の記事は、いつ最終回を迎えるのかということを明記する必要性を感じました。例えば全5回のうちの第1回の記事であれば、タイトルの横などに第1回/全5回と明記するなどの対応をとったほうが、より読者に対して親切になるのではないでしょうか。
(室蘭工業大学 菅野昌生)

前々から、何人の方かが指摘をされていますが、句読点「、」と「。」はずっとこのままなのでしょうか。
(匿名希望)

編集委員会より読者の皆様へ
9月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答です。

■編集委員会より読者の皆様へ
9月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答です。以下に掲載した他に多くの企画提案および表記の改善提案をいただきありがとうございました。これらのご意見については個々に回答はいたしませんが、編集委員会で検討させていただき、今後の土木学会誌に生かして行きたいと考えております。

【ご意見・ご要望】
美しい図、写真が学会誌のイメージアップに貢献していると思いますが、残念ながら、今月号では不鮮明さが少々気になる写真がいくつか有りました。これはデータ処理の際の解像度が問題なのでしょうか。受付の時点で確認されることを望みます。
(東京コンサルタンツ株式会社 今度充之)
会誌に掲載される写真に、デジタルカメラの弊害を強く感じます。鑑賞に堪えるだけの画質を確保して欲しいものです。
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

【編集委員会からの回答】
ご指摘の通り、一部不鮮明な写真が掲載されており、見づらい部分があったことをお詫びいたします。原稿依頼時には、「執筆要項」(写真の解像度の指定を含む)を添付して執筆者の方々のご協力をいただくようにしておりますが、種々の事情により適切な解像度の写真が入手できないこともあります。今後ともできるだけ鮮明な画像を掲載できるように心掛けたいと思っておりますのでご理解頂ければと思います。


【ご意見・ご要望など】
モニターの回答の期間ですが、先月はいくつかの仕事が集中してしまったため回答を送付できず、今回もぎりぎりになってしまいました。もう少し時間的な余裕があると回答できないという事態は避けられると思うのですが何とかならないでしょうか?
(東洋エンジニアリング(株) 菅原紳二)
学会誌を受け取ってからモニターの回答を提出するまでに実質2週間強しかなく、じっくり読めないままに回答を提出しなければならないのが残念です。
(山口大学 樋口隆哉)

【編集委員会からの回答】
モニターの皆様には、毎月ご協力頂きありがとうございます。現在、皆様のご意見をできるだけ早くお伝えするため、2ヶ月前の学会誌に対する「モニターから」を掲載するようなスケジュールで編集・出版を行っております。そのため、入稿までの期間が3週間程度となっており、モニターの皆様へは大きな負荷をおかけすることとなっておりますが、今後とも是非ご協力をお願いいたします。


【ご意見・ご要望など】
土木学会への意見。「脱ダム宣言」「緑のダム構想」についてはマスコミの演出もあり、比較的多くの方々がこれらを無条件に正しいものと認識されているように思われます。「森林の公益的機能の限界と可能性」のような記事を学会員以外にも公開できれば、これらの方々にとっても貴重な判断材料になるかと思われます。
(電源開発株式会社 川ア昌三)

【編集委員会からの回答】
現在、土木学会企画委員会では「社会への貢献とコミュニケーション機能の充実」をテーマとして今後の学会のあり方を検討しており、その中では学会誌の一般誌への転換も視野に入れた議論がなされています。今後とも、将来の学会誌に対する皆様のご意見を広くいただければ幸いです。



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