土木学会誌
土木学会誌4月号モニター回答


時局を論ずる
「土木はどうあるべきか?」また、「土木に生きる人はどうすればよいか?」最近、このようなことを真剣に考える機会が多いです。まだまだ若手と認識している私の認識としては、「土木」という言葉で自分を縛っていては、活躍の舞台が次第に狭くなってしまう。枠を越えて知識を深めることが、将来の自分に役立つと思っています。
(電源開発 笠原 覚)

私の所属教室では,来年度のJABEEの受審を目標に様々な活動を始めているが,その一つとして先日,OBを交えた教室の教育プログラムに関する意見交換会のようなものがありました.その際にも,土木を志望する学生の減少に関する話題の中で「高校生の中には橋を設計してみたいと考えている者もいるが,橋は土木がデザインしているというのを知らないようである.」といった意見が出ました.篠原教授も「わが国では橋は建築家がデザインしていると思っている市民がほとんどである.」と述べているように,土木の役割が世間によく知られていないというのは我々土木技術者の共通の認識のようです.篠原教授は,土木界が土木エンジニアの顔を世間にアピールしないことが原因であり,コンペやプロポーザルを導入することで名前を出すことが必要である,と述べているがその通りだと思います.ただし,土木技術者の認識として,個人の力ではなく皆の協力によって社会に貢献をしてきたという認識もあるかと思います.このような慎み深さは重要ではあるが,現状の土木を取り巻く厳しい環境では,アピールの方が重要ということでしょうか.
篠原教授が言うように「市民は『土木イコール工事』と認識している」のは,佐々木氏が論じているように「土木」という名前によるところが大きいでしょう.近年では,大学の学科名等を「土木」から「社会資本」云々等に変更しているところも多い.これらの大学では受験生が増えたりしているのだろうか.統一的な意識調査などもやれば面白いと思いました.「土木」という名前にこだわりを持たれている方も多いと思いますが,私は社会資本工学としてとらえなおそうという佐々木氏の意見に賛成です.佐々木氏の原稿は手違いで掲載が遅れたとの事ですが,私にとっては2つの論説を続けて読むことが出来て幸いでした.
(名古屋大学 山本俊行)

今,土木の人間に考えてもらいたいこと
今まで、「一般市民の方々は、土木のことを誤解している。」「土木のことを正しく認識してもらおう」という声をどれだけ聞いたでしょうか。記事の土木エンジニアの認知度を高める必要があるというお話も良く分かります。ただ、市民の方々が知りたいことと、我々が発信していることはリンクしていないように感じることがあります。公共投資に関するマスコミの報道では、○○工事,○○億円という数字だけが伝えられています。億という単位は、一般市民にとってピンとこないので、即そんなに高いのか!無駄使いじゃないのか?と思うのも当然だと思います。事業計画の妥当性という問題もありますが、なぜそれだけの費用が必要なのかということを市民の方々にも理解していただく必要があると思います。偏った見方かもしれませんが、市民は自分の生活に直接影響を及ぼさないことには、無関心であるように感じます。土木の魅力や土木エンジニアの働きを素直に感じるためには、それらの納得を得た上でなければ難しいと思います。
(鹿島建設(株) 永谷達也)

筆者の、「市民は、土木イコール工事と認識しているようだ」という指摘は、納得できます。別な言い方をすれば、土木と言ったときに土木エンジニア・プランナーではなく、真っ先に土木作業員を思い浮かべる人が多いと言うことだと思います。積極的に、社会に提言を行う、スター的なエンジニアが出現すれば、もっと土木業界も盛り上がると思います。
(東京大学 阿部敦壽)

結果的に土木の人間に向けてかかれた文章を、土木の人間でない私が読むこととなったが、確かに、土木=工事、現場という印象がつよいし、設計は土木エンジニヤが行っていることは知っているが、誰がと問われると、建築家ほど、個人の顔がおもて舞台に出てこない。
これは、私が外から観察するに、日本の土木エンジニアたちは、会社などの組織の中で集団として仕事を行い、設計もその集団の中に埋もれてしまい、個人という形では、顔を出しづらいのではないだろうか。
この状況では、個人にオレがオレがと主張させるのは、日本人の気質に馴染まないだろうから、客観的に個人を評価して顔を出しやすい状況を作ってあげるべきではないだろうか。。
(日本鉄道建設公団 総務部人事課 上村雅人)

本稿の主旨は、「一般市民の”土木”に対する誤解を解くために土木エンジニアの顔を見せよ」というものであるが、昨今、某国営放送のTV番組などでそのような機会は増えつつある。情報があふれる今日において、誤解のない土木を一般の人にアピールするには、”気張った宣伝活動”よりもむしろ、誰もが驚嘆する土木技術そのものを喧伝する方が効果的と思われる。レインボーブリッジ、青函トンネル、六本木ヒルズなどの大規模都市再開発は、それを見た人に土木技術の先雄大さ、美しさ、先端性を思い起こさせるに十分である。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

論説中にあるように、近年の土木に対する不充分な認識と土木を志す学生の減少は将来の土木を左右する問題であり、非常に興味深い内容であった。
最近、入学したての大学1年生と接する機会があった。しかし、彼らの土木に対するイメージは一般的なものであり、過去の優秀な土木技術者達に関する知識も皆無であった。それをやむを得ないと感じつつも、彼らがこのまま土木技術者として卒業するのではないかとの不安を感じた。筆者が挙げていたように、土木を正しく市民に認識してもらうには土木史家が必要である。しかし、わが国では土木史に関する講義が十分にされているとは言い難い。市民に正しい認識をしてもらう前に、土木技術者も先人の業績等をもっと知る必要があるのではないだろうか。また、大学の講義等で先人の業績を知ることは学生のモチベーションを高めるために有効と考える。
このテーマは今後の土木を考える上で重要なものであり、学会誌の特集等に取り上げることを検討してもよいのではないだろうか。
(北海道大学大学院 日野 智)

建設業に携わったことのない一般の人は、土木と建築の違いをどの程度理解しているのであろうか。自分の仕事を業界以外の人に一言で説明するとき「土木関係の仕事をしている」と言うのだが、必ずといっていいほど「ビルや家を建てる人」と勘違いされる。筆者は土木が理解されない理由の1つとして、土木エンジニアの顔が社会に出てこないことを指摘していた。確かにわが国の建築分野においては、一般の人でも知っている著名な建築家がいる。それに対し土木分野における有名なエンジニアの名を、一般の人は知っているだろうか。建築と土木では性質が違うので仕方がないかもしれないが、十数年間土木に携わっている私でさえも恥ずかしながら思いつかない。更に筆者は、このまま土木エンジニアの仕事と顔を一般の人々に呈示し理解されなければ、土木を志す若者がいなくなると危惧していた。土木の将来を左右するのは現在の公共工事の縮小ではなく、若者達への魅力ある土木業界の創造であるという筆者の言葉を真摯に受止め、業界最大組織である土木学会が中心となって今後の土木の発展と多くの若者が目指すすばらしい業界にしてゆくことが必要であると感じた。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

建設業界は今まで,多額の公共事業を国民への説明なしに行ってきたし,行えてきた.それが可能だったのは,社会基盤が不十分であったからだと思う,高度経済成長の時代でもあり,見る見る便利になる社会に疑問を持つ者は少なかっただろう.そして最近になって,部分的に不足しているとは言えある程度の社会基盤が整備されると,業界はその恩恵を説明されていない国民から非難され,中にはあらゆる土木工事が無意味であるかのような論調まで現れる.
このような国民の誤った認識を改善するのは,建設業界自らの働きかけによるアピールであると考える.筆者はその手段として,土木エンジニアの顔や土木史家の活動を挙げているが,なるほどと思った.
他に例えばこんな手段はどうだろうか.メーカーは製品を宣伝する.建設会社も同じことをするのだ.具体的な構造物を取り上げ,建設している(した)意味や経済効果,駆使されている技術を宣伝する.もちろん,製品が売れた分利益となるメーカーとは違い,宣伝を目にした国民が構造物を買うと言った話では全くない.しかしながら,公共資本は既に国民から払われたものであるし,国民に好印象を与えた建設会社が,後の受注や仕事において物事を有利に運ぶ可能性は考えられるところだ.
業界の積極的なアピールと,よって発生する国民の興味・関心が日常的なものとなったとき,業界に対する国民のイメージは変わっているかもしれない.
(横浜国立大学 田中真史)

筆者の方の考えに大変感銘を受けた。
確かに、近年「コスト縮減」という考え方だけが先行し、技術やデザインといった、本来は建築分野と同様に「土木」が持っている分野の方向性が、忘れられてきているように強く感じられる。高い技術を必要とする構造物、また美しい構造物であるよりも、規定された基準値を最低限満足するように設計された「安価な構造物」にだけ需要が集まっているのではないか。企業として仕事を受注するために、いたしかたなくというよりは当たり前のことのように低コスト化にだけ注力している。
そんな中でこの記事を読んで目を覚まされた。世間では「土木=工事」との認識、また談合、税金の無駄使いと負の面だけが宣伝され、当然のことながら土木を目指そうとする若者はかなり少なくなっていることであろう。技術力は、現時点におけるその分野の技術者の努力はもちろんであるが、後代の若い人間が次から次へと新しく参加してくることによってはじめて発展していくのではないか。記事の最後にあるが、若者が来なければ、土木もやがて崩壊することは明らかであるというのは間違いなくその通りだと思われる。公共事業投資が減少してきたことだけを問題にするのではなく、今こそいかに「土木」という分野を世間に広く宣伝していくかということを皆で考える必要があるだろう。
(東亜建設工業 吉川靖彦)

ご指摘の通り,土木エンジニアというのは仕事の大きさの割に非常に影の薄い存在です.一連の汚職がなければ「ゼネコン」も世間には馴染みのない言葉だったのかも知れません.まして我々建設コンサルタントの存在など全く知られていないと言っても言い過ぎではありません.土木エンジニアは,行政の影に隠れ縁の下の力持ちであることに誇りを持ち過ぎていたのだと気付かされました.今後,どのように土木をアピールするかが課題となるでしょうが,プロポーザルなどシステムを改善していく事と共に,土木エンジニア個人が積極的に表現していくという意識を持つことが重要であるように感じました.
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

「土木(工学)」から「社会資本(工学)」への革新・飛躍を!
土木という言葉の起源はなんだろうと、以前調べたことがあって、そこにも「築土構木」や陰陽五行説の話がのっていました。歴史があることばだな、と感心したのを覚えています。今私達が受け継ぐべきはそうした歴史の重みであり、薄っぺらい造語でそれを塗りつぶすべきではないと思います。
(東京大学 阿部敦壽)

特集 自然再生と「環の国」
自然再生推進法の特徴として、(1)科学的な知見に基づくべきこと、(2)地域の自主性・主体性を尊重したボトムアップの考え方が採用された、(3)事業の着手後も自然再生の状況をモニタリングし、その結果を事業にフィードバックする、などが挙げられ、自然再生事業が新しい形の事業であることが理解できました。科学的な知見に基づく計画を地域が責任をもって立案していくには、土木学会会員のような専門技術者が専門家あるいはNPOの立場からリーダーシップを持って発言していく必要があるいのではないかと感じました。ただし、自然再生推進法では「生物多様性の確保を通じた自然と強制する社会の実現を旨とすること」と規定していることから、土木技術者が生物多様性に関する知識を身に付けていく重要性を痛感しました。
(高知大学 藤原 拓)

企画趣旨
企画趣旨の終わりで,「〜を一般の方々に紹介するとともに〜」という部分がありますが,学会誌を一般の方々が読むとは思えません.直前(4ページ前)での篠原氏の発言にもあり,私も納得していましたので気になりました.
(横浜国立大学 田中真史)

論説 21世紀「環の国」づくり会議と「自然再生」
子供の頃、山や川で遊んだ頃の思い出は、自分の「原風景」として存在しています。メダカなどの昔はどこの川にもいた生き物が消え、絶滅危惧種になっているということに悲しく寂しい思いを感じます。世代を超えて自分の子供達に伝えていかなければならないもの、本当に価値あるものを見失っているのではないでしょうか?主体である市民の意識向上を促し、我々土木技術者がどのようにかかわっていくか考えていく必要があると思います。「アサザプロジェクト」は、土木技術者のかかわり方として非常に参考になりました。
(鹿島建設(株) 永谷達也)

近年の環境問題のキーワードは「生物多様性」。「身近な生物の多くが絶滅危惧種になるという、自然と文化の両面の危機が進行している」(鷲谷氏)状態は明らかに悪化している。一方で、行きすぎた開発や移入種(外来種)の侵入により破壊された本来の生態系を取り戻そうという動きは、本書でも紹介されているアサザプロジェクトのように、市民レベルで根付き始めている。こうした動きと土木の専門家との融合が広がることを祈りたい。
(埼玉県 小池智則)

第1章 環境評価への新たな取組み
環境を評価することは,大変困難なものである.それは,ひとそれぞれの価値観が異なるからである.また,その価値観は時と場合によって左右され得る.そのような意味では,いくつかの環境評価手法において顕示選好と表明選好をおこなうことは効果的と思う.さらに,心理学を取り入れた評価を行えば,内面感情を引き出し,素直な評価になると思う.
(信州大学大学院 杉山周平)

1-3 総合的な建設事業コスト評価指針(試案)
大変興味深い記事であった.そして,外部コストを考慮した社会資本整備の評価をどのようにしていくか,日々のご苦労が感じとれる内容であった.しかしながら,公共事業であればこのような評価指針は受け入れられ易いが,民間事業においてはやはり内部コスト重視であり,これはLCC(ライフサイクルコスト)の点においても初期投資のみが重視されてしまいがちなのと同様である.できれば,民間事業においてもこのような評価手法がどのようにしたら受け入れられるのか,そのために必要な環境整備は何かを示して頂ければありがたいと思っている.
(東海旅客鉄道 永尾拓洋)

2-1 自然再生事業の方向性
自然再生事業の現状と事業効率を高めるための方策について、幅広くかつ丁寧に説明頂き、知識の再確認とまとめのよい機会となりました。物理的知見だけではなく景観、生物環境、地形学などの知識活用の重要性や、計画、設計、施工、調査までの一連のつながり、また、事業実施範囲とその周縁への配慮、さらに、地域住民、NPOの参加など、今や、様々な個の連携が事業の鍵になっている時代です。土木事業に携わるものとして、健全なバランス感覚と広範な視野を持とうと思います。
(五洋建設 山本省吾)

2-2 自然再生推進のための法整備について
「自然再生促進法」という法律は、新聞の批判的な見出しを覚えていただけで、昨年度末に議員立法で成立したことも、今年度から「基本方針」が動き出すことも知りませんでした。(1)ボトムアップ形式、(2)モニタリング、(3)順応的管理、(4)科学的知見などがキーワードとのことですが、この4つを現場にどう適用していくのか、それが課題だと思います。予算や法律や制度の制約(ボトムアップ)により、現場の土質に柔軟に対応できなかったり(順応的管理)、過去の実例や前例にとらわれた対応をしたり(科学的知見)、使われ方や維持管理を観察せずに造りっぱなし(モニタリング)だったり、自省する点も多いです。この記事を読んで、自分なりに「自然再生推進」という言葉を仕事の中で考えてみようと思いました。
(大阪府庁 岡田敏男)

自然再生に向けて自然再生推進法が整備されたことは評価すべき点だと思います.しかし,関係省庁が横の連携をとりながら事業を進めていくことができるのか疑問に思います.我が国では縦割り行政の弊害により多くの事業が円滑に進んでいないと思います.したがって今回法律が施行されてもその点が問題になるのではないかと思います.
(信州大学 生水良幸)

2-3 住民参加による自然再生事業 アサザプロジェクトについて
「既存のネットワークはずごく強い。」とおっしゃる飯島さんの言葉は、公共事業の現場に携わる技術者として同じ思いです。特に面的な事業の場合は、既存のネットワークといえば、地元の自治会、学校区、土地改良区、漁業組合、財産区などなど多岐にわたります。ただ、それらは、事業者に対して、その既存の組織の目的内で対応される場合が多く、極端な場合、同じ人でも属する組織によって立場が異なってしまうこともあります。既存ネットワーク同士の対立ではなく、「うまく重ねていく」、このことは、いわばインターネットのような「メタネットワーク」を構築する場合と同じで、良質なプロトコル(交信手順)を確保することだと思います。それには、階層的な組織構造である行政では不十分であり、NPOという組織、それも多様なプロトコルに対応できる冗長性を持った組織や人材が望まれているのでしょう。公共事業の進め方、特に、地域との取り組み方について考えさせられました。
(大阪府庁 岡田敏男)

自然再生という観点で事業の方向性を考えると、単に景観やパブリックアクセス、環境回復などが頭に浮かびましたが、これはものをつくる事業であって人をつくる事業ではないことに気づきました。この記事に書かれているのは、まさに人をつくる事業であり、これからの事業には、このように土木だけではなく地域振興や教育など他分野との連携を重んじた事業の推進が求められているのだと感じました。私は、近年のハードではなくソフトの時代による公共事業の見直しよる、土木屋さんの必要価値にいささか戸惑いを覚えているところでしたが、NPOとはいえ市民からの声としてこの記事をよみ、これからの土木は今までのように土木屋が土木だけをやり国の基盤整備を推進していくのではなく、総合エンジニアとして土木技術者が技術発信して技術により国の活性化に貢献していく、あらためてそんなことが求められているのだと感じました。 今後、目標を決めその成果を成し遂げるためのプロセスを重んじ、事業として価値のあるものにしていく、そんな持続性により発展をとげる事業が増えていくことを期待しています。
(川崎市 高橋)

『砂や木やコンクリートの構造物は評価するけれども、自然の植物がもっている消波等の効果を評価してくれない。』本記事の結びに書かれている飯島氏の土木に対する手厳しいご意見に自分も反省させられました。“砂や木やコンクリート”は力学的に、また施工面からもほぼ確立された材料であり、それらを使用すれば、とりあえず一応のものはできることから、氏のいうような自然の植物が持つ機能についての定量的な評価を怠ってきたのではないでしょうか。土木工学と生態工学との繋がりのためには、既存の設計マニュアル、積算基準から離れた取組みが必要になると感じました。
(電源開発 笠原 覚)

これまでは,行政主体のコンクリート護岸でも問題なかったのでしょうが,今では市民の意識が,自分たちで自分たちの環境を改善するというように明らかに変化していることがよく分かりました.土木技術者として,効率だけを追い求めていくのではなく,そのような意識を吸い上げ,問題化し,そして解決していくという姿勢が必要なのだと感じました.
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

最近の学会誌で頻繁に取り上げられている「コーディネーター」がここでも活躍していることを知り,NPOのさまざまな分野への台頭の一部を垣間見たような気がしました.こうなってくると,今度は「コーディネーター」が情報をまとめる専門家の高い質が再び求められる時代になってくるんだろうと感じました.
(信州大学 豊田政史)

まずはNPO活動にご尽力されていることに敬意を表します.具体的に例(アサザプロジェクト)をあげた説明で,NPO活動のことがよく理解できる内容でした.植生や森林などの生態のことを考慮した自然再生事業の実施の難しさや,これからの土木技術者が考えなければならないことなどがよくわかりました.
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

プロジェクトリポート 混雑した国道23号の上に高速道路を建設 第二東名高速道路 名古屋南JCT〜豊明IC間の鋼桁架工
今後,非常に有効な技術となり得るもので,興味深く読み進めました。今回のテーマのように,既設インフラの機能を損なわず,橋梁等を架設する方法は,紹介されている横取り工法,送り出し工法,あるいはクレーンによる直接架設工法などが挙げられ,当該現場それぞれに最適な工法を選択する必要があります。そのいずれの工法であっても,容易なものは無く,また,影響の大きさを考慮すれば,高い信頼性が要求される工事となります。
近年、公共事業などの採算性などが厳しく検討されるようになってきており、今後、整備されるインフラについては、未開な郊外への発展よりも、開発された都市の更なる整備が予想されます。したがって、今回紹介されているような技術は、今後もますますその重要性が増すものであると考えられます。
(匿名)

私はひょんなことから東名の拡幅工事に参加し、PC橋梁に携わった経験があり、以前から橋梁の記事は目をとおしてきました。PCと鋼桁に違いがあるにせよ、この工事の複雑多岐に及ぶ難解性は理解したつもりです。コンピューター制御という言葉が幾度となく出てき、工事進捗が容易になったかに思えましたが、傾斜・高さに至る調整を持って併合するまでに、日々重なる神経の使い方は半端なものでは無いと思います。大変読み易くわかり易い記事でしたが、何故そのような工法を取ったかがもっと具体的に記載してあればと思いました。(つまらなかったわけではなく、もっと詳しく知りたかった。)
(川崎市 高橋)

自然共生型流域圏・都市再生のための基盤GIS情報 「コモンデータベース」の作成について
お恥ずかしながら、私は「GIS」というものを知ったのはまだ最近のことです。現在の仕事であるランドスケープに携わるようになってから「GIS」については大変興味を持っていますが、実際にはまだ使ったことがありません。
ただ、計画に当たって、必ず周辺を含む計画地の様々な環境データを収集し、その土地の特性を見極めるという作業を行っています。それを踏まえて開発なり整備なりの基本コンセプトを決定しています。人間「GIS」といったところでしょうか。
この方法は、私の上司が開発や整備計画を行う際にずっと行ってきたものであって、実際に自分もその重要性をヒシヒシと感じでいます。データをオーバーレイすることによって、個々のデータからだけでは判らないことが面白いように見えてくるのです。
「GIS」にはこれからの土木技術者から大きな期待が寄せられていると思いますし、私も非常に楽しみです。ただ、今はまだ誰もが使用できる公のデータベースが整っていないことからも、こうした試みには非常に期待をしています。
ただ、いくら信頼のできる精度のよいデータベースが用意されていても、その使い方によっては成果が上がらないものだとも聞いています。何の目的を持ってどの情報をどうやって使い、何を導き出すかというプランニングはやはりそれを使う者が行うことであり、各々のデータ処理にコンピューターを使うとしても、やはりそこには人間の判断が必要だと思います。
我々は、こうしたデータベースの整備をただ待つだけでなく、それをどう使うかを考え、要望を出し、トータルとしてこのシステムが素晴らしいものとなるよう努力をしなければならないと思います。そうすれば、このシステムは、これからの環境問題に配慮した土木計画に多大な貢献をすることと感じています。
(清水建設(株) 佐藤将寛)

日本独特のセクショナリズムにより国土交通省、環境省などに散在する各種のデータをGISを用いて統合化するという発想は重要であり、システムの構築コンセプトに”分散データベース”が挙げられていることも今後のデータの保守を考えると評価できる。ただし、”コモンデータベース”とはいかにも大風呂敷的な印象を受ける。本稿にある”スペシフィック”なシステムを先行開発し、ユーザーに公開しつつ彼らの意見を反映してシステムを拡張していく広義の”プロトタイピング”的開発手法が有効と思われる。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

海外フィールド フィンランドの放射性廃棄物処分について
昨今、原始力への関心と不安が社会的にも高まっているため、興味深く読みました。岩盤と言う自然の条件、技術力、社会からの信頼、これらがそろってはじめて円滑な導入が進むということは、日本にとって大変重要なポイントだと思います。
(東京大学 阿部敦壽)

この記事は、海外レポートであるし、参考にと断って始まっている記事に対して要求するのは酷かもしれないが、私は素人であるせいもあり、国内の放射性廃棄物処分の現状について明るくないので、記事の注釈でよいので、国内の現状との比較表など載せていただけるとより参考になったのではないかと思う。
(日本鉄道建設公団 総務部人事課 上村雅人)

我が国もフィンランドと同じく原子力発電所が多数稼動しています.今後のエネルギー問題においても,原子力発電にまだまだ依存していくと思います.放射性核廃棄物処理の問題は日本においても非常に重要な問題です.
現在日本では東海村の臨界事故などで原子力発電の安全性が問われています.原子力発電の信頼性を高め,さらにそれを国民に理解してもらうことが重要であると思います.今回のフィンランドの記事は,地質などの条件は異なりますが今後日本で放射性核廃棄物をどのように処理するかの参考になったと思います.そして,日本が核廃棄物処理の世界のトップになるよう,産・官・学一体となって取り組んでいくべきだと思います.
(信州大学 生水良幸)

日本では,原子力発電所のトラブル隠しなどで,原子力事業が世論からの猛反対を受けています。当然,放射性廃棄物の処分候補地では,住民が反対をしておりなかなか候補地が決定していません。フィンランドについて見ると,文中では「原子力発電所の稼働率が非常に高く,原子力に対する信頼が高いという拝背に支えられている」となっているのには大変驚きました。紙面の都合で,詳細は割愛されているようですが,できれば,どのようにして住民に対して公聴会を実施し,またどのように原子力の情報を公開しているのかなどについても執筆していただけるとありがたいです。
(匿名)

フィンランドの放射性廃棄物の処分の方法について,具体的に写真や図で説明されていてよくわかった反面,地中の奥深くに非常に危険な廃棄物を捨てているという現実に,改めて将来への不安を痛感しました.現状では地中に埋めること以外に廃棄する方法はないのでしょうが,私の理解不足もあり,この方法の安全性についてもっと知りたいと感じました.
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

記事を読んで感じたのは,同じエネルギー資源に乏しい国であるのに,原子力発電に対する評価がどうしてここまで違うのだろうか,ということである.
私自身,祖父が原爆で被爆しており,放射能に対する怖さは人より認識しているつもりだが,現時点で地球環境問題をトータル的に考えた時,現実論として日本において原子力発電を選択肢として考えることはおかしいことではないと考えている.しかしながら,日本においては最近の事故のこともあり,原子力=環境破壊のように思われている.これは単にPI(パブリック・インボルブメント)がしっかりなされていないせいなのか,あるいはマスコミの偏った情報のせいなのか,どちらなのであろうか.
どちらにしても,幅広い視野を得るのに大変役立つ記事であった.
(東海旅客鉄道 永尾拓洋)

土木紀行 石狩平野 開拓の礎 石狩川 生振捷水路
毎回このコーナーで紹介される記事を見て、各々の構造物の歴史に深い感銘を受ける。それぞれの土地で人間が生活していくために本当に必要とされる構造物、しかも今なお人々に愛される構造物、技術力が未発達であった頃の担当技術者の努力など、土木技術者として勉強させられることが大変多い。今後もぜひこのような歴史ある構造物を紹介していっていただきたい。
(東亜建設工業 吉川靖彦)

今月号の特集にもあるように,直線化した河川を再度蛇行させるなどの「自然再生」が昨今叫ばれている.「自然再生」は大切なことであり,国民一人一人がそのような意識を持つことは重要である.しかし,生振捷水路のように蛇行した河川を直線化したことによって洪水軽減や有効な土地利用に非常に役立っているものがあることもこのような時代の中で忘れないようにしてほしいと思いました.
(信州大学 豊田政史)

鉄道沿線土木めぐり 伊予鉄道 鉄道をインパクトとした活力ある街づくり
私は以前、松山に8ヶ月ほど住んでいたことがありました。仕事のため赴任したのですが、予想以上に松山を気に入ってしまいました。そんな事情もあり、目次を見て真っ先にこの記事を読みました。
そして先日、偶然にも、1年半振りに松山へ行く機会があり、この記事に掲載されていたものを見ることが出来ました。「坊ちゃん列車」。良かったです。感動しました。超低床式軌道電車もちゃんと走っていました。
確かに、松山には路面電車がなくてはならない気がします。民営鉄道さんが、街のために努力と貢献をされているのがよくわかりました。私の心の故郷ともいうべき松山の伝統と風情を、これからも大切にしてください。
(清水建設(株) 佐藤将寛)

地方都市にありながら、近年、利用客が増加に転じているという状況の背後には、かなりのご苦労があったことと思います。非常に興味深く拝読しました。本記事中の「鉄道路線図」がはっきりと見えないことが気になりました。インターネットからダウンロードしたのでしょうか?解像度が低い場合は、少し見えにくくなることがあると思いますので、注意が必要かなと思いました。
(電源開発 笠原 覚)

同じ鉄道事業者として,非常に新鮮な内容だった.出向中,多くの鉄道事業者と直接・間接的に接する機会に恵まれた.その中で感じたことは,どこの地方鉄道事業者も経営が厳しいことに変わりは無いが,取り組む姿勢によりアウトカムがかなり異なるということである.
配線・停車場のような土木施設は,運転時分.ダイヤなど経営の根幹である営業施策と密接に関係するが,簡単に設備投資をして変更できるものでは無い.今回,伊予鉄道はLRTの導入にあたり独自の車両を導入しているが,これは担当者が自社の土木施設(電力・信通施設も)をしっかりと把握していなければできないことである.また,車両とホームの段差解消のための可動式スロープの設置や,ホーム塗装にタイヤ廃材を利用するなど,限られた投資環境の中でもサービス向上のために努力する担当者の技術力と熱意を感じとることができた.
多くの地方鉄道事業者を取り巻く環境は依然厳しいことに変わりはない.しかしながら,環境問題や地方都市再生などに取り組む過程の中で,他の事業者も伊予鉄道のように中心的役割を果たすことを今後期待したいと考えている.
(東海旅客鉄道 永尾拓洋)

小説にみる土木 「黒部の太陽」木本正次著
13年ほど前、自分が土木工学科に進学が内定した頃に、吉村昭氏の高熱隧道を読んで、強烈な印象を受けたことを思い出しました。内容に関する記憶は今や不確かですが、過酷な自然条件の中での事故や障害の中、目標達成に向けて奮闘する技術者を取り上げてあり、土木の特殊性に関する再認識と、自分も土木技術者として社会に貢献したいという思いを強く抱きました。当時の教授のお1人が、「土木技術者に必要なものは、熱いハートと冷静な頭です。」と説いていらっしゃったことも懐かしく思い出されました。
(五洋建設 山本省吾)

話の広場
「新土木入門<黒部の太陽>」と「話の広場<紅白歌合戦>」の対象がどちらも同じ黒四ダムなのですが、たまたまなのでしょうか? どちらも関西電力の社員の方の執筆ですし、内容的にも重なっている部分(工事内容や発電仕様など)があります。何かしらの意図があるのであれば、コラム欄や編集後記など(編集後記って学会誌には無いのですね! 編集されている方の生の声という点でも是非欲しいです。)に記載していただければ、より読みやすくなると思います。
(大阪府庁 岡田敏男)

NHK紅白歌合戦・黒四発電所からの生中継
紅白歌合戦とは関係ありませんが、NHKの「プロジェクトX」で土木に関連するタイトルの時は涙を流すこともある程、感動することがあります。土木に携わる者として、やりがいのある仕事をしている幸せを感じます。
(鹿島建設(株) 永谷達也)

私も「プロジェクトX」はリアルなコメントと偉人たちの軌跡を紹介した番組構成によってその功績がまざまざと感じられ好きでした。私だけの感覚でしょうが、「プロジェクトX」によって黒四のイメージは白黒でインプットされていましたが、その後、黒四のイメージを色彩豊かなものに変えたのが紅白であり、あの舞台裏が紹介されていたので楽しく読めました。記事の中で、実はあの場所は正確には黒四ではなく、発電所と下流側を結ぶ輸送連結路の「上部軌道」という唸らせる事実をおりまぜ、流暢に両番組の場面紹介がされていて面白かった。
(川崎市 高橋)

テレビ中継を見ていた一人として,興味深く読ませていただきました。記録された視聴率の高さから今回の中継への関心の高さ,そして,黒四ダムに対する決してマイナスイメージでない国民感情がうかがえます。土木工事というとマイナスイメージをもたれがちな昨今ですが,「プロジェクトX」に特集されるような内容の苦労や努力というのは,特別なものではなく,現在も各現場で日常的に繰り広げられているものと思われ,それをきちんと国民に示していくことが,土木業界への信頼回復につながるものと感じました。
(橋本哲子)

「プロジェクトX」は,こどもに見せたい番組の1位に選ばれており,わたしも楽しく見させてもらっています.黒四ダム事業は,テレビでも本でも強い印象を受けた一つです.黒四からの中継によって,黒四ダムが過酷な土地に建設された苦悩,壮大さや,「地上の星」の意味を伝えられたと思います.日本の景気回復に頑張るサラリーマン,そしてこれからその仲間入りをしようとする私たちにこれからも番組を通して感動を伝えてほしいと思います.
(信州大学大学院 杉山周平)

プロジェクトXの黒四ダムについての放送は以前にテレビで見ました.プロジェクトXは土木に関することが多く取り上げられるのでよく見ています.この番組は,取り上げるのは土木だけではありませんが、土木事業の重要性,また土木技術に対する挑戦など土木について理解してもらうことができる非常に有効な番組だと思います.
今回の記事は紅白歌合戦の舞台裏についての記事ですが,学会誌でこのような記事が取り上げられるとは思いませんでした.しかし内容は読みやすく,大いに興味を引くものでした.また,この記事は学会誌だけではなく,もっと多くの一般の人たちにも読んでもらいたい内容だと思います.
(信州大学 生水良幸)

私もかつて黒部第四ダムへ行ったことがあります。当時,私は学生で水理学を専攻していました。翌年からの建設会社への就職を控えて,入社前に歴史上に大金字塔を打ち立てた黒四ダムをぜひこの目で見て感じたいと思い訪れました。私は,長野県側からバス,トロリー,ロープウェイなどの交通機関を使ってダムまで行きましたが,それでも片道4時間ぐらいはかかったと記憶しています。それに,8月の暑い盛りに,ダム周辺はひんやりとしており,万年雪も残っていました。そのときの感想は,「一体どうやってこんな山奥にこんなすごいものを造ったんだ!?」という驚愕でした。その後,建設会社に入社し,さらにプロジェクトXなどから,黒四建設がいかに我が国土木建設の礎になったかを改めて知ることになりました。いま,日本は景気低迷で土木技術者としては肩身の狭い時代ですが,常に先を見据えた挑戦者の気概を持ちつづけたいものです。
(鹿島建設 朝倉良介)

プロジェクトXや地上の星の主題歌には,土木工学に携わる者としてとても誇りに感じていました.しかし,私も含めて今の若者には,感動はしても,仕事としてはなかなか受け入れられないかもしれません.ですが,どんな仕事でも,それをやり遂げる強い精神力や責任感は持ちたい,持ち続けたいと改めて感じさせられました.
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

KTX(韓国高速鉄道)の試乗会に参加して
記事を読んで、残念に思ったのは、例え、高コストになろうとも、技術的に不備があろうとも、結果として、韓国へは、日本の新幹線システムが導入されないという現状である。
これは、他の分野でも同様なのかもしれないが、国際事業においては、技術力よりも、政治力がはたらくのかなと考えさせられてしまう。特に韓国は、先の大戦での日本に対する悪い記憶と対抗心が日本の技術の導入を素直にできないのかなと思う。技術者だけでなく、外交的PRもあわせてしていかないと、今後も残念な結果が生れつづけるかもしれない。
(日本鉄道建設公団 総務部人事課 上村雅人)

”韓国”、”鉄道”というと、テグ市の地下鉄火災が否応なしに想起される。昨今の韓国社会は人的大規模事故が発生しやすい側面があるとの説もある。通貨危機の影響によるKTX建設資金の不足から、KTXの安全性に相当の配慮がなされているかどうかも懸念される。日本と同等かそれ以上厳しい自然環境の韓国においてKTXが長きに渡り安全に運用可能か否かについて、本稿でも疑問が投げかけられていることからも、一抹の不安が募る。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

KTXの車両はフランスのTGVの技術に基づいて製造されるとのことですが,文中で,何度も我が国の新幹線との比較が出てきており,気になりました.新幹線の方が優れている部分はいくつもあるようですが,一方のKTX(というかTGV?)の方が優れているのはデザインが洗練されているということと,間接照明を採用しているため落ち着いた雰囲気で読書灯もついている,という2点のようでした.デザインについては理詰めで勝てない(ような気のする)側面もあり,我が国が追い越すのは時間が掛かるかもしれませんが,照明についてはその気になればなんとかなりますね.欧米では居室の電気を薄暗くつけて,手元用には別の電気をつけるというのはよくありますが,日本で一般的でないのは電気代の違いでしょうか.あるいは光に対する感覚の違いでしょうか.
(名古屋大学 山本俊行)

記事を読むと,日本の新幹線技術が,他国の高速鉄道と比較して如何に優れているかがよく分かります.それと同時に何故,新幹線技術が韓国高速鉄道に採用されなかったのかという疑問が湧きます.国際的な政治力が作用したのではと推測されますが,土木の世界では,技術力だけでは解決できない不透明な部分があることが当然視されているように思えます.学会誌で,政治とカネと土木の問題を取り上げるのタブーなのかも知れませんが,そのような問題を積極的に記事にすることで,「変革する土木」を内外にアピールできるのではと思いました.
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

体感できる土木ミュージアム1
土木事業をPRする施設の多くは、展示するだけのものが多いと思います。よく土木はPRが下手と言われていますが、一般人が利用するこういう施設で上手くPRする必要があると思います。ここに紹介されている紫江'S水環境館のいいところは、河川観察窓があることかと思います。普段、川を見て汚くても特段なにも思わない人がほとんどではないでしょうか。表面だけでなく内側から見ることにより川に関心をもち、環境への問題意識も生まれてくるでしょう。今後このような施設が増えてくることを期待します。また新連載ということで、次回からの施設紹介についても期待しています。
(日本道路公団 眞東健一郎)

「体感できる土木ミュージアム」の連載にあたって
今月より土木関連事業のPRを目的とした展示施設を紹介する連載が始まった。また、8回程度の連載を予定しているとのことなので、今後も楽しみである。
この連載における目的の一つとして土木全体の理解とイメージアップとしていたが、今月号の「時局を論ずる」で篠原教授が言われていたように、学会誌を読む土木に携わる人に紹介しても決してイメージアップにはつながらないし、理解されるわけもない。よって、一般の人々が土木を気軽に体験でき容易に理解できるこれらの施設を、我々土木に携わる人間がより多くに人々に広めることが必要であると考える。そして、実際に施設を利用してもらって初めてイメージアップにつながるのである。我々が土木を正しく理解してもらえるような努力なしでは、イメージアップにつながらないし、現在低迷している土木業界の今後の発展も厳しいであろうと感じた。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

都市河川の水の中を体験する 柴江’S 水環境館(福島県北九州市)
面白い企画だと思います。ただ疑問に感じるのは,今回紹介された水環境館をはじめ,こういった施設の名称に「土木ミュージアム」といった表現がとられているのでしょうか?訪れた人は確かに面白い体験をできるのでしょうが,「水環境館=土木の施設」というイメージの直結は難しいように思います。このような展示が国民の土木への理解をうながそうとするものであるならば,施設名や展示文の中に土木という言葉を積極的に入れていくべきではないでしょうか。土木の扱う分野が広くなってきている中,もはや「土木」という表現はふさわしくないとの立場もあるかと思いますが,むしろ積極的に土木という言葉を使うことで,土木の幅広さを理解していってもらうことも重要ではないかと思います。
(橋本哲子)

自分の身近にない場合、このような施設を知る機会は非常に限られてくる。この記事は8回程度掲載されるとのことであるが、今後の連載を楽しみにしたい。今回の紫江's 水環境館に関しては、地域の学校との連携に興味を持った。施設の特徴的な活動といえるだろうが、その紹介が少ないものであったことが残念であった。
可能であるならば、この連載の最後に総括的な記事が掲載されることを期待したい。例えば、関係者による座談会形式等で各施設の特徴的な活動や共通に抱えている問題点、将来への展望などを議論することで、単なる施設の紹介にとどまらない連載記事とすることができるのではないだろうか。
(北海道大学大学院 日野 智)

個人的にこのような体験型の施設は大好きです.しかし残念ながら,私の知る限りでは集客率が低い施設が多いのが現状です.PR等に力を入れて,より多くの人に施設へ足を運んでもらい,科学の楽しさを体験してもらいたいと思いました.
(信州大学 豊田政史)

学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等
1月号のモニターで、ご意見のあった学会誌の小型化に同じ思いです。学会誌は「会員にとって役に立ち面白い学会誌をめざし・・・」(4月号編集委員長のページより)というのですから、気軽に読める大きさが良いと思います。多くの会員の方は(僕も含めて)、日々の業務に追われ、行き帰りの電車の中で、吊革を持ちながらも、片手で立ち読みしている人が多いと思います。やはり、A4サイズは、嵩張ります。専門的な論文集であれば、座ってじっくり読むので、A4サイズの方が良いと思いますが、学会誌はその目的からもハンディサイズを希望します。コストがかかるかもしれませんが、A4サイズとB5サイズの選択ができるというのは如何でしょうか?
(大阪府庁 岡田敏男)

今月の黒四ダムの記事のように,直接土木に関わりのない人でも読みやすい記事が毎月ひとつぐらいあればと思います.今後もこのような記事を期待しています.
(信州大学 生水良幸)

土木学会ホームページへのアクセス数を学会誌に載せてみたらいかがでしょうか?どの記事に興味があるのか一目瞭然だと思います。
(電源開発 笠原 覚)

今月号は、1月号にあった公共投資と財政に関する内容と対をなしているように思えた、建設業に携わる者として1月号を読んで暗い気持ちになったが、今号の「時局を論ずる」で目の前が開けたような気がした。微力ながら自分も「土木」分野の発展のために尽力していきたいと思う。
(東亜建設工業 吉川靖彦)

学会誌なので業界向けの記事が多くなるのは仕方ないですが,一般の方々(特に小中学生,高校生)に読んでもらう工夫を考える必要があるのではないでしょうか?(学生向けの別冊,教材を作って配布する等…)サッカー等のスポーツ界においても底辺を広げる運動が盛んにされています.同様に,土木の仕事を理解する人々を増やしていく運動が必要だと思います.
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

3月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答

【編集委員会への要望等(表紙・裏表紙に関して)】
私に、感性がないのでしょうか。評価しづらいです。
(日本鉄道建設公団 上村雅人)

今月号(3月号)が私の手元に届き、休み時間に封筒から学会誌を取り出した瞬間に、「何だかいつもと雰囲気が違う。」と感じました。表紙の写真です。いつもとは表紙の写真が明らかに違いました。私はそのまま誘われるように裏表紙を読み始めました。読み終わってからしばらく複雑な気分でした。その理由のひとつは、筆者が自分のお気に入りの場所を否定的に語りながらその場所が自分にとって「大切な場所」であると言っていること。もうひとつは、「あなたの「大切な場所」は、ありますか?そこにあなたが目指しているものはありますか?」という問いかけに、自分はすぐに答えられないことでした。前半の件に関しては、いくら私がその真意を考えたところで正解などわかるはすもない事ですが、何となく、無機質で秩序の無い市街化への批判と警鐘的な訴えを感じました。後半の件に関しては、半月ほど考えて、私の「大切な場所」はやはり「故郷」だという結論に至りました。私の場合、「大切だと思える場所」が多すぎて答えが出なかったような気がします。しかし、その「多くの大切だと思える場所」というのは、どこも田舎で自然が多いところばかりです。そして、私がそこに求めているものは「温かさ」です。
私は現在、造成計画やランドスケープデザインの仕事をしていますが、大勢の人々の生活背景となる空間を造るにあたり、「自然の緑と人と人とのつながりの温かさを感じられる空間を創出しよう」という方向に自然と進んでいることが多いです。やはり、幼少からの故郷での生活が、今の私の思想のバックボーンとなっているような気がします。筆者と私の思うところは、物理的には対極にありながらも、感覚の分類でいえば同じ感覚が感じ取ったものであることを面白く感じました。ただ、どうしても読み取れないことがあります。そしてそのことに大変興味があります。筆者様お聞きします。「あなたの大切な場所。そこにあなたが目指しているものは何ですか?」
(清水建設 佐藤将寛)

空間と時間に身を置き、我々は、渾然一体を一つかつすべての景観として感覚しているのかも知れない。そこに意識的、または、無意識的に活用された感覚は、精神を含め、感覚者の環境と歴史に関して積分したものであり、新たな感動と相互干渉する。この総合の後、さて、なぜ感動したのか、自己分析を開始する。そのとき、初めて、我々の眼前に他己が現れ、その他己こそ、個、または、組織としての自己が行なう解釈である。学会に出席すると、様々な専門用語が飛び交う。それぞれの意味は、空間と時間の中で変化する。その中で、「えいやっと。」という用語がある。えいやと決めるのである。これは、勇気であり、積分の軸を断ち切る抗いであり、宙ぶらりんとなった対象を浮遊した自己がその環境と歴史の中に見出していく。他己を発見する。新たな自己を積分する。解釈とは、そういうものであるのだろう。
(港湾空港技術研究所 柿沼太郎)

送られてきた学会誌を見たとき、少しびっくりしました。この写真は何を伝えようとしているのか、少し考えてしまいました。後で裏表紙のエッセイをみて、そういうことかと心が和む思いがしました。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

【編集委員会からの回答】
昨年と今年の表紙テーマは、土木について考えて頂くことです。特に本年は、将来を担う学生には新しい土木の景を探すことによって土木を考えてもらい、会員の方々には学生によって提示された作品を見て、読んでいただくことによって何かを感じ、考えていただくということを意図しています。そのような企画に対しまして忌憚のない御意見をいただきありがとうございました。学会と会員の皆様とのキャッチボールができたと思います。後期の作品も集まりましたので、12月号までお楽しみいただければ幸いです。
(U班:石井)

【編集委員会への要望等(「特集 都市再生」に関して)】
特集記事の「都市再生」については、誤解を恐れずに換言すれば、「都市再生」を「まちづくりにおける景観に係る問題」とも捉えることができると感じました。 「お読みいただく前に」や各筆者が課題として指摘・危惧されているように、まちづくりの長期的な理念や方策などを損なうことなく、従来から景観論で指摘がなされている、「日本の景観は経済により造られ、経済の発展が優先・重視されてきた」ことが繰り返されないよう、最大限の配慮が必要であると考えます。ここで話しは変わりますが、「東京都における都市再生プロジェクトの現状」では、主に都市開発の視点から面整備の事例が紹介されています。都内ではこの他にも、都市再生プロジェクト(第三次決定)において、「大都市圏における都市環境インフラの再生」分野で水循環系の再生として、河川の再生や海の再生などの構想策定に着手する計画があります。河川の再生の事例を簡単に紹介すれば、都内でも高度に市街化された渋谷区、港区を貫流する渋谷川・古川の流域で発生する溢水や下水道の内水氾濫に対処するため、河川と下水道が連携した水害のない都市構造の構築を目指した事業を検討しています。具体的には、洪水時に河川及び下水道から雨水を受け入れる施設を河川の直下へ縦断的に整備し、浸水被害の発生を防止するとともに、汚濁負荷の高い合流式下水道の初期雨水の貯留施設を併設することにより、公共用水域の水質改善を図って行くというものです。
(東京都 石原成幸)
【編集委員会からの回答】
大変有益な情報をいただき、ありがとうございました。今後、都市再生特集のフォローアップの企画などが出た場合、頂きました事例等を是非参考にさせていただきたく思います。
(特集主査:鈴木)

【編集委員会への要望等(「特集 都市再生」に関して)】
今話題のテーマに対して様々な角度から論じられており興味を持って読み通すことが出来ました。中でも都市再生を経済を刺激するための手段として捉えられている論者とは反対に、地方分権と市民社会生活からの視点で論ぜられた福田氏の主張に共感を覚えました。事例紹介のところで挙げられていたものの中には美しい写真は魅力的ではあるものの、福田氏が指摘するように地域社会とのつながりを必要としない新住民を対象としたものも含まれており、将来的にそれらの地域がどのようになるのか気になりました。またファイナンスの視点から論じられた中で、公共サービスの料金について、PFI方式にすると値上がりする場合もあること、真に公共事業として低価格で提供すべきものであれば、差額は公共で負担すべき等の記述がありましたが、もともと民間が経営して利益が出るようなものは規制緩和等により民間に任せれば十分で、PFI方式をとる必要はないような気もしました。このあたり私の知識が不足しているようで、もっと勉強する必要を感じました。
(名古屋大学 山本俊行)
【編集委員会からの回答】
頂きましたご意見のとおり様々な視点から都市再生を見てみる、また色々な問題点をあぶりだしてみる、ということが今回の特集の趣旨でありました。PFIなどについても、ようやく実施されつつある現状にあり、今後様々な問題が表面化してくるかと思います。本特集が読者の皆様に対し興味や議論などを活性化することを願っています。
(特集主査:鈴木)

【編集委員会への要望等(「特集 都市再生」に関して)】
都市再生をキーワードに様々なプロジェクトが進行しつつある昨今のタイムリーな話題として、興味深く読ませていただきました。地方分権により「国土の均衡ある発展」を図るというこれまでの政策から一転しての「大都市域を中心とした都市再生」には経済再生の側面が大きくあるようですが、その中で取り残された多くの地方都市は、競争力をますます失い活力を失うことになりはしないか。それにより大都市域と各地方都市との様々なネットワークまでもが衰退し、逆に経済全体が活力を失うことになりはしないか疑問を持ちました。さらに経済的側面を重視するあまり、ビジョンなき都市開発を進め、そこに暮らし活動する人の視点をおろそかにすることになりはしないか懸念します。都市づくりは、50年〜100年先を見据えたものだと思います。次世代を見据えた真の都市再生を望みます。
都市再生については、本特集に限らず、今後の動向についても学会誌で取り上げていただけるよう期待します。
(清水建設 影山 雄)

公共事業が年々減少し、先行きが不透明な状況で、都市再生プロジェクト候補が紹介されるのは、我々ゼネコンに希望を与えてくれていると思います。今後この課題に産官学一体となって取り組み、住みよい社会になるよう貢献していくのがゼネコン本来の使命であると思います。都市再生本部の引き続き活発な活動に期待し、学会誌においても続報を期待します。
(竹中土木 長澤太郎)

【編集委員会からの回答】
日程は確定していませんが、6月号あたりで「話の広場」において「JRタワー開業と札幌駅前通公共地下歩道の都市計画決定」(仮称)と題し、地方中枢都市の札幌市における都市再生事例の効果と今後の取り組みなどを紹介する予定です。今後も、機会がありましたら、是非色々な都市再生の動向などを取り上げていきたいと考えています。
(特集主査:鈴木)

【編集委員会への要望等(「特集 都市再生」に関して)】
都市再生を土木の分野からではなく、金融機関の側からみてみることには興味を持ちました。しかし、経済用語が多く理解しにくい部分もあるように感じました。自分の知識不足もありますが、用語の説明も加えた文章にしてほしいと思います。また、土木と経済の関わりは深いと思いますが、それについての特集も学会誌でしてほしいと思います。
(生水良幸)
【編集委員会からの回答】
専門用語などについては、今後よりわかりやすくお読みいただけるような工夫をしていきたいと思います。また、直接的ではありませんが、土木と経済のかかわり(土木事業と財源)について、現在特集を企画しております。
(特集主査:鈴木)

【編集委員会への要望等(「新土木入門 神戸アラカルト」に関して)】
航空写真から都市の様子を見るのは、私個人としては非常に好ましい記事でした。多岐にわたる記事や、難解な記事もある学会誌の中でコーヒーブレイク的な記事に成り得ると思います。今回の内容にヒントを得て、都市の移り変わりを写真で(出来れば航空写真でも)紹介してもらえたらよいのではと思います。
(清水建設 影山 雄)

私は航空写真を見るのが大好きです。人間では見ることのできない視点から街や山を見下ろすことができる航空写真が昔から大好きでした。鳥の視点を手に入れたようなものですから。しかし、最近になって、開発事業の計画等に仕事上で航空写真を使うようになってからは見方が変わりました。と言っても、悪い方向に変わったわけではありません。じっくりと航空写真を見ていくと、そこには非常に多くの情報が含まれていることに気が付くようになりました。最近まで、私が以下に漠然とそれらを眺めていたに過ぎないかを思い知りました。今回の記事ではスペース等の関係から航空写真が若干小さいため、ちょっと読み取り辛いかも知れませんが、それでもじっくりと見ればその情報の多さに気が付くはずです。
そしてもうひとつ、私が航空写真を見るにあたっての楽しみがあります。それは時代の流れによる地形や土地利用の変遷を明快に読み取ることができるということです。もちろんそれらを知ることによって、その地域の生活環境の変化も読み取ることができます。この方法は、基本的には撮影時期の異なる航空写真を見比べるというものですが、熟練した勘が身に付いてくると、一枚の航空写真から、その土地の経歴をある程度読み取ることができるようになるようです。私はまだそれには至りませんが・・・。パソコンなどを使って、撮影時期の異なる2枚の航空写真を重ねるとより一層その変化がわかり易く見えてきたりします。
私と同じように、航空写真を漠然としか見ておられなかった方は、騙されたと思って一度じっくりと見てみてください。きっと楽しみが増えるはずです。
(清水建設 佐藤将寛)

この記事をみて、震災後1週間程たった神戸に行った時のことを思い出しました。当時、まだライフラインがほとんど寸断されており、長田区の一部はテレビで放映されたとおりの一面焼け野原で、自然の猛威をまざまざと感じさせられました。その後の外見上の復興はご存知の通り目を見張るものがあり、現在ではその傷跡をほとんど目にすることがなくなったかと思います。しかし、記事にもありますように人々の心の痛手というものはそう簡単に消えるものではなく、全国から集まったボランティアの方々が最も御苦労されたのもこの点であり、ボランティア活動に参加していた私自身「心の復興=真の復興」の達成ということがいかに困難を極めるかを身をもって知らされました。阪神・淡路大震災以後、土木技術者だけにとどまらず、メンタルケアも含めた他分野にまたがる地震防災の研究が動き始めました。その成果が日の目を見ないで済む(すなわち災害が起きない)ことに越したことはないのですが、我が国の国土の成り立ち上地震災害は避けて通れないでしょうから、この研究が着実に進み、少しでも被害が抑えられるようになることを期待したいと思います。
(日本鉄道建設公団 村上 明)

「息抜きができて肩のこらないコーヒーブレイク的な記事」という主旨通り、読みやすい記事でした。ただ、正直なところ、単なる観光案内文という印象が強く、読みやすいにもかかわらず、読み飛ばしがちでした。学会誌を読む際には、無意識に何らかの新たな専門的情報を探しており、それに欠ける記事というのは、難解な記事同様、読み飛ばしがちになるのかもしれません。学会誌におけるコーヒーブレイク的な記事というのは、「易しいことを易しく」ではなく、「難しいことを易しく」記述するのが理想なのではないでしょうか?
(東海大学(非常勤) 橋本哲子)

【編集委員会からの回答】
コーヒーブレイク的な記事は、ややもすると内容としては薄っぺらなものになりがちです。著者の力量によりますが、今回、活字となっている記事の内容よりも、航空写真を多く示すことによって、読者ご自身の想像力を喚起しようと考えました。視点を変えて、鳥となった気分で、自分たちの街を眺めてみる。街の中には、人々の多様な活動や人生があって、読者のこれまでの経験に反射されながら浮き出てくる、こんなイメージを目指したつもりです。しかし、活字となる記事も重要で、やはり「単なる観光案内」と看破されてしまいました。肝心の航空写真も小さすぎました。反省すべき点はたくさんあります。神戸以外の他の都市でも航空写真で綴ることができるかどうか、今後、検討してゆきたいと思います。
(T班:飯塚)

【編集委員会への要望等(国際化へ向う社会における建設技術者の役割に関して)】
建設技術者に要求される能力について再認識させられる記事であった。日本の技術者には、プロジェクトマネジメントに対する理解が不足しているとの指摘であったが、その他にも学会誌3月号において、法律やファイナンス関する記事があり、コミュニケーション能力についてはシリーズ化されている。建設技術者がこれら能力をどのように要請していくかは、建設業界全体の大きな課題であると思われる。出来れば学会誌でプロジェクトマネジメントについて勉強できる特集を組んで欲しいと思う。
(中央復建コンサルタンツ 畠中 仁)
【編集委員会からの回答】
2002年5月号に、海外建設プロジェクトに関する特集号を組んでおり、ここでは海外のみならず国内に対しても役立つ記事が多くあると思います。ご参考下さい。
(RP班:上出)

【編集委員会への要望等(学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等)】
今月号に限ったことではありませんが、執筆者の顔写真や、できれば簡単な自己紹介・経歴などを載せて頂きたいです。どのような方の発言なのか、大変興味深いところです。
(横浜国立大学 田中真史)
【編集委員会からの回答】
現在、巻頭言、論説執筆者や座談会メンバー等については、顔写真、経歴を適宜掲載していますが、今後、他の執筆者についてどのようにするか、検討していきたいと思います。

【編集委員会への要望等(学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等)】
現在、技術者倫理についていろいろ議論を呼んでいますが、学会誌においてこの問題について取り組んでほしいと思います。土木技術者として必要な倫理とは何か、また目指すものとは何か、などについていろいろな人の話を聞いてみたいと思います。このようなことは全て学校などで教わるのではなく、自分で問題を提起して結論を出すものだと思います。その手助けとなるような記事をお願いします。
(生水良幸)
【編集委員会からの回答】
土木学会 土木教育委員会 倫理教育小委員会(委員長:東京工業大学大学院教授 池田駿介)はその活動成果をとりまとめ、「土木技術者の倫理 −事例分析を中心として−」(A5判、定価:1,260円、会員特価:1,140円、発売所:丸善(株))を平成15年5月30日に刊行いたします。参考にしていただければ幸いです。また、学会誌ではこの図書の紹介をしていきたいと考えています。


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