土木学会誌1月号モニター回答
表表紙の写真は何なのでしょうか?裏表紙と関連があってブルックリンなのでしょうか?だとしても、文章との関連が見受けられず、何を意図されているのかわかりません。どこかに表表紙の何らかの説明が必要ではないでしょうか?学会誌の正に顔ですからね。
(原子力発電環境整備機構 出口 朗)
学会誌の裏表紙に見とれてしまいました。土木工学を学ぶ者として橋梁やトンネルなどに目を向けることはありましたが、「美しい」と思えるものには今まで出会うことはありませんでした。さらにブルックリン橋の記事から、国際化の時代を迎えている現在、私たちも新しい世界を切り開いていくフロンティアスピリッツ、不屈の精神を備え、実践していかなければならないなと感じさせられました。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
背表紙の企画で、毎月世界の様々な土木建築物の紹介がなされており、楽しみにしております。今回のブルックリンブリッジですが、7年前にニューヨークを訪れた際、マンハッタン島を周回する船上から見上げ、その美しさに非常に感動したことを覚えています。そして、昼夜2回にわたり、徒歩で橋を渡りましたが、橋上からの素晴らしい眺めに再び感動する傍ら、橋がきれいにメンテナンスされていることに気づきました。この橋は、メンテナンスコストがかさみ、架け替え論まで出たそうですが、市民を巻き込んだ議論の末、歴史的建造物としてしっかりコストをかけて保存していくことになったと聞いたことがあります。一人の土木技術者として、我々が今なお見ることが出来る現役の歴史的建造物から色々なことを感じとり、100年以上たっても人々が積極的に残したいと思えるインフラ造りをしていきたいと考えています。そんな、世界の建造物について、現在の取り巻く状況も踏まえたご紹介、これからも楽しみにしております。
(東京急行電鉄 関聡史)
正直、もう少し手短でもよいのではと思います。写真が小さすぎるのが気の毒な気がします。
(国土交通省 永井 弘)
(筆者注:これは一般的なコメントです)
毎号“Cover Story”の記事のタイトルが表紙に書かれています。Cover Storyという言葉の個人的な理解は、「表紙(cover)の写真に関する記事で、その号の最も重要な記事」なのですが、表紙写真とCover Storyは何の関係もないようで、毎号違和感を覚えます。例えば1月号では、表紙写真はどこか外国の町(ブルックリン?)の雪景色であり、Cover Storyは“東京トンネリックス”となっていて無関係のようです。私の理解が間違っているのでしたらご助言下さい。
(正会員 石塚敬之)
このイベントは、 首都高速道路株式会社の若手社員が「もっと中央環状新宿線を知ってもらいたい」という熱い願いを込めて、企画したものです。イベントでの来場者との対話は、この事業に従事する者にとっては、自分の仕事に自信と誇りを再確認することができました。様々な土木の現場でこのような見学会を行うことにより、多くの方に土木事業全般に対して興味を持って頂きたいと思います。
(首都高速道路(株) 湯田坂幸彦)
合併しない町としての町長の考えが、明確な方針と実績および将来に対するビジョンを持ってやっているということが分かりました。地方自治の有るべき姿の理想を推進していると感じられ、第3者ながらも声援したくなりました。今後は、逆のケースである合併して良かったというところの紹介をしていただければと思いました。
(東京ガス 飯村正一)
行政関係者として非常に耳が痛い記事である。我が国の自治体は多かれ少なかれ、従前の矢祭町長と同様の状況であったと思われる。行政関係者はCivilServantであることを改めて認識し、地域のために尽力しなければならないことを感じた。
((財)河川環境管理財団 入江靖)
最近、市町村合併が急速に進んだ中、「合併をしない」というスタンス、合併せずともやっていくための取り組みがよく分かりました。今後、市町村合併や道州制などの地方自治の変化、それに伴う公共事業のあり方
などの議論に関する記事を期待しています。
(パシフィックコンサルタンツ 寺田悟)
政府主導の感が強い期限付きの今回の市町村合併について、マスコミにもとりあげられているように、苦渋の選択の中で市町村合併の是非を問うた所が多い中で、根本町長の発言には共感させられるものが多々あった。市町村の行財政基盤の強化、行政サービスの維持・向上の手法は決して合併だけが選択肢ではなく、矢祭町のような内部改革を行うための計画・提案をし援助するという選択肢があっても良いと思われる。期限になるこの時期ではなく、出来ればもっと早い時期にこの記事の掲載をお願いしたかったと思う。
(前田建設工業(株) 島村亜紀子)
合併特例法により急速に進展した「平成の大合併」。市町村合併の賛否については各地で様々な議論がな
されてきたと思います。その結果、合併を選んだ市町村、合併を模索しながら断念した市町村、合併を選ばなかった市町村、と行政改革に対する各自治体の回答が出揃ってきました。しかし、私は合併を選択してもしなくても、さほど大きな問題ではないと思っています。それは、合併の選択は結果ではなく、これからの行政のスタートラインを再度設定したにすぎないと感じているからです。記事にもあるように、「薄い密と薄い密を混ぜても濃くならない」全くそのとおりで、これからの各自治体の取組姿勢、矢祭町でいうと、自らの行政を見つめ直し「密の濃度」を高めていく努力こそが最も重要であると思います。その努力の結果として、各自治体の住民が行政や日々の生活で満足感を得ることができるのではないかと思っています。その意味でも、「平成の大合併」後の地方自治に注目していきたいと思います。
((株)オリエンタルコンサルタンツ 尾高慎二 )
題名を読んで,期待して読みましたが,全くの期待はずれでした。特集1も,意見のほぼ同じ2人が対談し,世間の風はどこ吹く風といった感じで自画自賛しており,これでは一般の人々からは賛同が得られないのではないでしょうか?どうせ対談するなら,意見がある程度異なる二人で議論して欲しいです。あと,政策マネジメントの特集なのに,首長のインタビューがないのは寂しいのでは?市長や知事の中には,新しい政策マネジメントを積極的に行っているもしくは行おうとしている人がいるのだから,役人や先生方の抽象的な言葉を載せるよりかは,はるかに具体的で示唆に富む特集になったと思われますので残念です。
(シーティージャパン 増川淳二)
近年の土木行政における、PDCAサイクル導入に代表される政策マネジメントについて、あるべき理念、現状等、興味深く読ませていただきました。特集で述べられているように、これまでの土木では、事業の業績評価という面において、その重要性の認知度、実行頻度ともに不十分であったと思われます。業績評価を適正に行い、その結果を公開することで、国民の土木に対するイメージ向上や公共工事の必要性の認知度向上といった効果が期待できると考えます。今後、業績評価手法の早期確立が重要でであると感じました。
(新日本製鉄(株) 中島正整)
社会資本の効用を国民が実感できなくなってきているのは、システムの巨大化によってその機能の全容が見えにくくなっていることが大きいと思います。以前、秋田県に居た時、都内に大雪が降り、町の声は「都会の人もたまには雪国の苦労を経験してもらわないと」というものでした。ところが、店頭に並ぶ生鮮野菜の価格が見る見る上がってしまうという現象が生じたのです。高速道路網の整備に伴う流通革命で、その季節の生鮮野菜は、主要産地の東海地方から東京の市場を通じて東北地方に運ばれていたのです。産地、消費地、市場機能の地を結び、それぞれの地域に恩恵をもたらしている高速道路網の効用は、皮肉にもそのシステムが正常に働かなくなって初めて実感できた訳です。社会資本が果たしている役割の実態と認識の溝を埋めるアウトカム指標の開発・提示が、健全な社会資本の整備・維持において極めて重要と考えます。
((財)ダム水源地環境整備センター 安田佳哉)
公共投資に対する世間の目が厳しくなっている昨今における今日的なテーマであり、非常に興味深く読ませて頂きました。まだまだ政策マネジメントは「夜明け」の段階であり、明確なイメージが固まっていない状況だとは思いますが、特集を読んで興味を持った方がさらに勉強するための推薦図書や学会での関連活動などの情報があると、実務に携わる方の学会への興味もさらに増すのではないかと思いました。
(三菱総合研究所 中條覚)
行政マネジメントやPDCAという言葉を最近よく耳にするようになった。概念としては、当たり前の考え方とは思うが、その当たり前のことがなかなか実行されてこなかったことを考えると、その重要性を再認識するという点では、意味のあるものと思う。体験的には、「アウトカム指標」ばかりがクローズアップし、その算出が目的化していることが多い気がしている。それも、数値化だけでは片付かない政策もある中で仕方ない部分なのだろうか。まさに、「途方にくれてしまうほどの難問」である。
(東京都 大崎啓史)
社会基盤整備にあたって政策マネジメントの手法が必要であることを再認識することができました。一方、顧客(納税者)に最高のサービスを提供するためにPDCAを廻すのは、一般企業においてはごく当たり前のことであるのに、公共事業においてはその実施例が少ししか見つからなかったことは大変残念に思いました。今後この手法で行なわれる社会基盤整備が多くなることを希望します。また、特集全体を通して抽象的な文
章が多く一読しただけでは頭に入り難いと感じました。具体例や図表を使って全体的にもう少し読みやすくならないでしょうか?
(東京急行電鉄 永持理)
対談の中で話されている、社会基盤行政が直面している3つのデッドロックの一つ、「使う」と「つくる」が一体化していないという点で、自分の研究においても意識するべきことだと感じました。研究においては「何のために」、また「誰のために」という目的がまずあるかと思いますが、それは誰かに与えられたものではなく、生活の中で自分が感じた「ここはもっとこうなればいいのに」というところであるべきなのではないかと思いました。また、「なぜそれは現在のかたちになったのか」という疑問を持つこともまた大切なのではないかと感じました。社会基盤というと、あまりにも当たり前に存在し、一般には意識されることも少ないかと思いますが、1人の利用者としてその当たり前に目を向け、より安全で快適な社会基盤整備について考えられる人になりたいと思いました。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
新年の第一号として特集のタイトルを見て、行政のありかたが大きく変わるのだと言う実感をもった記事だったので、早速読み始めた。しかしながら、私の知識の乏しさもあってか、冒頭からカタカナ用語に翻弄され、その度にネットで用語検索をしなければ、先に進めない状態となった。私に限らず、こういった専門部署で関わられている方は別だろうが、ごく一般的な土木系の方々は、技術的な用語はわかっても、行政やマネジメントに関する用語には接触の機会が少ないのではないだろうか。私もモニターを引き受けるにあたり、周囲の方々に土木学会誌について意見を求めたところ、某土木技術雑誌や、建設雑誌は読むものの、大半の方は封も切らずに置いてあり、読まずに終わってしまうと。これは、学会誌が編集委員の努力が報いられない、つまり無縁の会員がいかに多いかという実態をあらわしている。もうすこし、学会員の底辺を意識して、まさに直接関わりある問題をテーマに、読みやすい、わかりやすい(注釈を多くする)学会誌を目指していただけたら嬉しいのですが、いかがでしょうか?
(名工建設 大橋敏章)
一般廃棄物の最終処分場の確保はどこの自治体も頭を悩ませているようです。 特にゴミの処理と自然環境保全を両立しなければならない名古屋市の関係者の苦労は並大抵なものではなかったでしょう。
私の住んでいる横浜市でも、ゴミ削減に関する「横浜G30プラン」を策定していますが、その効果として、老朽化しているゴミ焼却施設の立て替えが不要になり1,000億円以上の支出削減になったとのことです。名古屋市や横浜市のように、分かりやすい形で政策効果が理解できれば、市民各人のやる気をより一層引き出し、目標以上の数値が得られるのではないかと思います。
(五洋建設 五月女 洋)
一つの質問に対する答えが短くまとめられていたので、名古屋市のゴミ削減に対する取り組みがよく分かりました。この取り組みが成功した要因は、この施策に対する名古屋市の情熱と、市の役割とコミュニティーとの役割をはっきりと区別した詳細なプランのお陰だと思いました。明確な目標を立て、それを実行するために詳細なプランを立ててからそれを実行する、といった政策を行なうための当然のプロセスなのですが、ごみ問題に対する取り組みの中で実際に成功した例を見ることはあまりなかったので、印象深かったです。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
名古屋市では、小学校の学区レベルのコミュニティまで掘り下げて、政策を実施している点に興味を持ちました。市が新たなごみ収集方式を導入しても、市民に浸透するまで時間がかかるし、また徹底も難しいです。市民同士の関わり合いがある範囲の地域規模で政策を浸透させるのは効果的だと思いました。廃棄物分野だけではなく他の分野でも、政策を実施する上で地域コミュニティとの連携など、市民を巻き込んでいくことが大切です。また、政策の種類によって、連携すべき地域として、市全域、小学校学区、町内会など適切な規模も考える必要があると思います。
(パシフィックコンサルタンツ 寺田悟)
記事は、私が住む名古屋市でのごみ減量化への取組みであり、環境をテーマとした愛知万博の後でもあるので、興味深く読ませていただきました。分別収集(特定袋制による分別)は、地域住民の理解なしではあり得ないものなのだが、「学区協議会方式」が徐々に機能し、今はほぼ定着化した。つい1,2日前のTVで、横浜・寿地区の粗大ゴミの不法投棄問題を取り上げていた。元町や中華街が至近の場所にありながら、道端に
は大型ゴミが、どこからか一般のゴミ集積場に捨てられているといったものである。もちろん名古屋においても不法投棄がまったくないかといえば嘘になるが、少なくとも「学区」という小学校の地区を単位とした協議体を中心に、しっかり根をおろしたと言えると思う。このように、政策はゴミ問題を抱える「行政側」と増え続けるゴミが原因で水鳥の憩いの場である「藤前干潟の一部埋め立てての次期処分場建設」問題を契機に環境意識に目覚めた「地域住民(ユーザー)側」とがゴミの減量化にむけての利害が一致したからこそ実現した成功例である。少子高齢時代のわが国で、今後「少ない原資」を有効に活用し、必要な社会資本整備を行なっていくためには、その目的や税の使われ道に関心が高まりつつある現代において、ユーザーである国民に対し、費用対効果をはじめわかりやすい明解な事由を示し、理解を得る事が不可欠なのだと、改めて実感したのである。
(名工建設 大橋敏章)
金沢市が歴史文化の残るまちであることは広く知られているかと思いますが、京都や奈良も同様に、日本の歴史が感じられる町並みを保全していくことはこれからも課題となると思います。一方、カーナビによる生活道路への車両の進入は全国的に問題となっています。利便性や効率性を追求した結果、仕方のないことかもしれませんが、法や規制の措置が追いついていないように思います。また、歴史的町並みの中に真白なガードレールはあまりにもそぐわないように思います。電線の地中化などとともに、歴史文化の保全と住民の安全を並行して考えていく必要があると考えます。地域住民とのコミュニケーションがうまく取れているというその方法は、全国的に普及させることを目標に参考にすべきことがあるのではないかと思います。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
政策マネジメントに地域のユーザーのニーズを反映させる必要性は近年高まっております。「政策の中に住民参加を取り入れている」ことで良しとするのではなく、真にユーザーのニーズを理にかなった形で反映させていく枠組みが必要だと思います。そういった意味で、石川県での交通事故対策における実践例はその成功例の一つであると感じました。NGOと小中学校のPTA、育友会が協同した「自転車・歩行者交通安全マップ」や、NGOとPTA・育友会、道路管理者、警察が参加する意見交換会等が、政策のサイクルの中にうまく取り入れられていると感じました。ただし、県民の中でどれだけの人がこの取り組みに関わったのかが気になりました。住民参加に参加する住民側は、問題意識を持つ人に偏る場合が多く、どれだけ広く偏り無く意見を
収集できるかが課題であると思います。住民の皆さんの数多くある意見をすべて反映させることは難しく、現実的ではありません。そうした中でどのように優先順位を付け、説明を行っているかが興味深いところであり、この部分についてインタビューの中でもう少し詳細に知りたいと思いました。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
イギリスの道路庁の役割が道路建設者から交通運営者へ進化する中で、渋滞緩和、事故削減、環境影響低減への取組みが述べられている。ハードが完成に至った後にソフト面でより快適な道路ネットワークを進める好事例だと感じた。日本でも道路を造るだけでなく、情報伝達ツールをもっと整備すれば道路事情が改善されていく余地があるのではないだろうか。まだまだ諸外国から学ぶべきことはたくさんあると痛感した。
(関西電力 小坂馨太)
今回の特集では,行政マネジメントについて様々な角度から論述されており,社会資本整備のあり方を今一度考える機会となりました.今後は,国民の視点に立った効率的なマネジメントを確立することは必要です.しかしNPM導入効果の鍵は,政策目標に対する計画の実施結果を的確に分析して評価できるかであり,計画の妥当性を如何に早期に判断できるかであり,予測したほどの成果が得られない場合に如何に柔軟な姿勢で迅速に改善できるかに掛かると思います.
2)[記事名:ミニ特集_命だけは助けたい]
墜落防護用エアバッグの開発に際し,現象の分析力と着眼点,そして製品化へ向けた技術者の努力を感じ取ることが出来ました.現場施工の安全管理では,過去の経験則に基づく不安全行動の排除に注力し,各作業員の安全への意識と注意喚起に頼らざるを得ない点も多分にあります.そこで,予期せぬ不注意をカバーする技術開発は,今後さらに期待したいところです.
(東亜建設工業(株) 中屋行雄)
筆者の櫻井氏は、「談合はなぜ悪いのか」という問いかけから始まり、「(悪い理由はよく分からないが)社会の約束事として談合はやってはいけないこと」として議論を進めているように思われます。個人的には、最初の問いかけに対して答えを出さない限り、現在の状態はいつまでも続くように思われます。談合の良い点、悪い点を議論した後に解決策が生まれるのではないでしょうか。
(正会員 石塚敬之)
藤井助教授が書かれたこの記事と櫻井教授が書かれた「社会資本整備におけるコンプライアンスとは」を続けて読ませていただくと、現場で社会資本の建設・維持管理業務をほとんどマネジメントできておらず、コンプライアンスも実感できていない一行政マンの素直な感想としては『そんな割り切った見方されても・・・』という戸惑いと、『この核心部分だけを押さえておけば、あとは個々人の判断で何とかなる!』というほのかな希望がない混ぜになったというのが正直なところです。
巻頭の根本矢祭町長の信念あふれるインタビュー記事と重ねると、大阪府という中間行政体の技術職員の存在意義をあらためて自問させられた1月号でした。
(大阪府富田林土木事務所 磯崎弘治)
民間の建設会社で働く(マネジメントについての業務が多い)私にとっても、「行政マネジメント」なり「ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)」という言葉はあまり聞き慣れない言葉でありましたが、わかりやすく解説していただいたおかげで、その理解がとても深まりました。本稿を読み終えて思ったことは、この「マネジメント(試行錯誤)型行政」という考え方は非常に大切であるもの、"実行段階"になった途端、非常に困難なもの(達成しにくいもの)になりやすいということです。実際に担当者レベルが"実行段階"で目標とするのは、この「アウトカム指標」であるため、非常に大切な「抽象的な政治的目標」が、いつの間にか頭から離れてしまうことが多いことに注意する必要があるのです。民間企業で働く私どもにおいても、この「マネジメント(試行錯誤)型行政」と類似した"目標のブレークダウン"が行われておりますが、上記の注意点に関してはとても難しいところがあると痛感しております。それ故に「行政マネジメントの導入」が「抽象的な政治的目標」の中の「単なるアウトカム指標」の一つであることを、各担当者が認識し続けるためにも、これら"マネジメント"を行う人間の"マネジメント能力"がそれ以上に大切であると思っております。
(前田建設工業(株) 赤坂幸雄)
我々行政の土木技術者は「ほぼ不可能に思えるような絶望的な事柄に対して、自らのすべての能力と強靭な意志の力をもってして立ち向かっている」だろうか?日々の業務は安易な方向に流されがちである。行政マネジメントの実現に向けて、日常の様々な問題に対し、試行錯誤を恐れずに正面から真摯に取り組み、目標を達成するよう努力を重ねていきたい。
(東京都 粟本太朗)
特集を終えて、の青木先生の記事が印象に残りました。といっても主題のPDCAの話ではなく、以下のくだりです。「われわれは社会資本整備にプロスポーツ選手のような真剣さで取り組んできたといえるだろうか?自分自身の生活をかけ、まさに命がけで取り組んできたといえるだろうか?社会資本整備の場合、政策に十分な成果が認められなくても、職を失する可能性は小さい。。。」これを他の言葉に置き換えると、「仕事に」、「趣味に」、「子供の教育に」、「家庭人として」、「地域社会に対して」、「環境問題に」、など。自分自身が生活のさまざまな局面で、プロスポーツ選手のように真剣に取り組んでいたかどうか?。
(中山 渉)
土木技術者である私にとっても、この「国民の生活を担う技術者のあるべき姿勢」については非常に切実な問題であると捉えております。本稿では「土木技術者の信頼を取り戻すためには、懸命な姿を地道にアピールしていくという"当たり前の姿勢"が大切である」と述べられており、その通りだと思います。しかしこの"当たり前の姿勢"の実践は、非常に難しいところがあると思っております。私は業務上、「マネジメント」の分野に深く関わっておりますが、この"当たり前の姿勢"を実践していくためには"4つの心構え"を持ち続ける必要があると思っております。この"4つの心構え"とは、「(1)謙虚になって学ばせていただく(感謝)、(2)人の話に耳を傾ける(傾聴)、(3)自分の愚かさに気がつく(反省)、(4)心が大きく揺れ動く(感動)」ことが大切であり、その結果"自分が変わること"が必要であるというものです。結局これは"自分が人間として成長する"ための方法であり、マネジメントをする人間にしろ、土木技術者にしろ、所詮は人間ですからこのような方法でしか学べないのではないかと思っております。若輩ながら私も、本稿の"当たり前の姿勢"を実践していくためにも、この"4つの心構え"を持ち続け、そして学んでいきたいと思っております。
(前田建設工業(株) 赤坂幸雄)
大変面白い企画である。企画主旨にあったとおり「なるほど」とうならされた。今回紹介された技術を開発した会社は、少なくとも私はこれまでおつき合いのないところであった。また、今回紹介された技術は、木村先生自身が見聞きしたものに限られている。これら以外にも多くの会員を「なるほど」とうならせる日の目を見ていない革新技術があるのではないかという気がする。続編を期待する。
(原子力発電環境整備機構 出口 朗)
現場経験が長いものですから、まず、この記事から読ませてもらいました。 企画趣旨の「現場から生まれた発想」や「現場が求める要求の改善」が大変重要で、それに答える研究を行うのが研究機関の使命と思います。 長尾氏の言われる、『作業担当者の高齢化』、『ハード面での安全確保』、『机上計算では不可能』など現場が抱える切実な問題を研究機関も十分認識した上で研究計画を立てる必要があると、再認識しました。
私にとっては身近な問題であり、このテーマでの継続的な特集を望みます大変良い企画であったと思います。
(匿名希望)
技術的な内容はすばらしいが、現場での多くの問題はコストと安全性のバランスです。あまり費用がかかると安全対策がおろそかになるのも事実です。ですから、記事の中に費用面も掲載していただけると良い
情報となったのではないでしょうか。
((株)5Doors’ 堀与志男)
非常に興味のある記事でした。ライフジャケットの効果をジャケット無しの場合と比較したグラフが紹介されており、落下高さが低いと効果が小さく、落下高さが高くなるにつれ効果は大きくなることがHICの値から読むことができましたが、効果を期待したい高さでの値は1000を超えていることからどの程度の高さでの使用を推奨しているのかを知りたいと思いました。作業性を低下させてまで使用することから、現行の製品での使用条件なども質問していただけたら、使用を検討したい人にも参考になったのではと思いました。
(東京ガス 飯村正一)
最近、現場に出る機会が多くなり、橋梁上での作業の危険性を体感してた折に、この記事を読みました。安全帯の使用により転落を防止するということが常識となっているところで、人間にエアバッグを着けるという発想の転換に驚きました。鉄道における3大労働災害は、触車、感電、転落と言われておりますが、この防護用具によって転落による傷害数が減る事を期待します。少々安易な発想ですが、高速な物体が近づいた時にもエアバッグが展開する機構にして、触車における傷害も低減はできないものでしょうか…?
(財団法人鉄道総合技術研究所 小林裕介)
今年度4月に入社し,まず初めに経験したのが製鐵所での研修でした.研修では現場で勤務している人と同じシフトを組まれ,三交代制の勤務だったのですが,この勤務体制はなかなかに厳しいものがありました.特に夜勤は眠気との戦いで,こればかりは対処の方法がありませんでした.このことについては,私のような新人だけでなく,現場に携わるベテランのオペレーターの方々でさえも,少なからず同じように感じておられるようでした.このような状況では注意力も散漫になり,作業ミスの発生する確率もかなり高くなるのではないだろうか.つくづくそう感じる研修でした.安全第一を掲げるのであれば,日常の体調管理にも重要な意味があると考えられます.今回特集で取り上げられていた「墜落防護用エアバッグ」のようなハード面での対策に加えて,ソフト面においては「体調管理」という観点からの安全対策にも目を向けるべきだと思います.
(新日本製鐵 田中隆太)
建設現場における墜落事故による致命的結果を低減するための取り組みが紹介されていました。簡潔にまとめられていましたが、開発は多大な苦労と工夫を重ねられた結果だと思います。労働災害は、本人のみならずその家族、職場の仲間など周りの人全てを不幸にしてしまいます。エアバッグの普及にあたってはさまざまな課題もあろうかと思います。 「安全は全てに優先する」「人はミスを犯す動物である」・・・こういった取り組みを推進することで少しでも労働災害が軽減されることを切に願っています。
(原子力発電環境整備機構 小池章久)
建設現場では,常に危険が身近に存在し,一つ間違えたら死をも招くという状態にあることが改めて感じられた。その中でairbagの開発は非常に安心できるものであり,素晴らしいと感じた。どのような理由から,どういった過程をたどって,どのようなことを考慮したのかが明確に示されているため,安全性の確かさも感じることができ,非常にわかりやすく興味を持てる内容だった。ただ,airbagの開発によりどの程度事故を減らすことができたのかも具体的に記載していただけたらより分かり易かったのではないかと感じた。
(山梨大学大学院 大武美恵子)
ヘルメットの着用は、もはやどの工事現場でも常識になっており、私もそのおかげで上部からの落下物、切梁や足場材への激突から大分守られたと感じている。この墜落防護用エアバッグが、「現場での常識」となる日がくれば、重大災害を水際で食い止めるための大きな防波堤になることが期待される。「現場の常識」になるためには、作業性、価格、誤作動の防止など、現時点で考えられる障壁も多数あるが、その障壁を乗り越えて是非、安価で安全な製品へと進化して欲しいものである。
(匿名希望)
水溜まりをなくすという点ではいいのかも知れませんが、側溝清掃するという観点(メンテナンス性)は問題であると思います。この点は改良の余地が残されているのではないでしょうか?
(国土交通省 永井 弘)
面白い発想の製品で、歩行者にも優しく、二輪運転者の安全にも配慮されているということで、開発製品が全国の道路に早く普及することを期待します。水路が詰まってしまった場合の措置はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(東京ガス 飯村正一)
先日、車椅子や白杖を利用される方々とまち歩きをした際、街路エプロン部の勾配が車椅子通行の妨げになったり、水溜まりが見えないため、降雨時に出かけるのが億劫という話がありました。ここで紹介されたライン導水ブロックは、歩行者の快適性や二輪車通行の安全性を高めるだけでなく、障害者も含めた幅広い人たちに役立つ技術と感じました。次回まち歩きの際には、是非皆さんに紹介したいと思います。
(京都大学 柄谷友香)
新鮮な試みであり,面白いと感じました。 これぞ,「取材してきました!」という感じが伝わって来て,編集委員さん,これからも頑張ってねと思う企画でした。
(シーティージャパン 増川淳二)
非会員なので今回初めて土木学会誌を拝見しましたが、学生編集委員がいること、若い彼らの視点で取り上げたこの記事のトーンは私の知る他の学会誌には無いもので目を引きました。次世代の若手の参加は好印象でした。また、美しい国づくりが言われて数年経ちますが、相変わらずセンスを疑う看板等に悲しい思いをすることも多いので、「機能と美しさ」に着目したこの連載は、今後何を取り上げるにしろ楽しみです。
(大林組 鈴木直子)
まず、作業服を勝負服と表現されているところに共感を覚えました。現場勤務となった当時、作業服は制服であると教えられ、通勤時にもよく作業服を着ておりましたが、今回の記事で紹介されているようなファッション性のあるものがこの世に存在し、しかも有名デザイナーがコレクションに出展していたことなど初めて知り、驚きです。モデルさんのインタビューにもあるように、本当にこういった服で現場に行くと、おそらく出入禁止になるでしょうが、非常におもしろいイベントを開催されたと思います。今後、ますます注目されて、さらに機能的で馴染みやすい作業服が世に出ることを期待しています。
(鹿島建設 渡辺幹広)
学生編集委員の観点が面白い。『東京トンネリックス』というイベントが開催されていた事も知らなかったが、このような斬新な衣装が土木現場で見ることが出来たら、現場の雰囲気が変わるだろうと思った。私も現場では崖に登るので、一応ファッションには気を使っています。
((株)きぃすとん 川口美智久)
丈夫・安い・わかりやすいデザインと、要求をすべて満足するというのはなかなか難しいですが、作業着や制服の世界は一般衣料に比べて開拓されていない部分が多いので研究の余地が多くあります。土木の分野にも女性が進出してきており、体型や感覚なども違うことから意見を取り入れてみるのも面白いかと思います。
(匿名希望)
作業着というのは,建設業界に身を置く中で毎日のように身につけるものであるため,動き易さはもちろんのことデザインも気に入ったものがよいと思っていたので,そういったことに配慮があることを知り嬉しく思った。また,多少派手でも一社員としての自覚を持つことや,現場で目立つことは安全性の面でも確かに重要だと感じた。また,歴史なども記載されており,非常に興味深く面白い内容であった。しかし,やや長く扱いすぎと感じた。興味を持って食いつくように読んでいたのは中盤くらいまで,後半になると少々飽きが来てしまった。
(山梨大学大学院 大武美恵子)
企画として足袋の説明まではよかったが、それ以降の記事は、誰を対象に書かれたものなのかがわかり辛かった。デザインよりも、作業着の作業性の良さなどに、もう少し切り込でいけたら面白い記事になったのではないだろうか。腰道具のように、もともと現場の作業効率を上げるために作られた道具が、日常の生活にも使われるようになったりしたものもあるわけで、視点を変えて、今、世間一般に使われているものが実は、現場の小道具や衣服から来ているんですよ、といったものを見つけて特集すると、面白くなるのではないかと思いました。
(匿名希望)
「作業着meetsパリコレ」など、とても楽しく読ませていただきました。確かに日本における作業着に対する社会一般的な評価はまだまだファッションとは程遠く、商社に勤める友人に言わせると作業着を着るというだけでも、その会社には就職したくないと思うほどのものだそうです。しかし、私たち土木技術者にとっては、ものづくりをするための重要な道具(動きやすさ、必要な道具を持ち歩くためのポケット等、そして身の安全を守るもの)と言って良いものであり、現場作業のみならず、内勤者も社内ではスーツの上着を脱ぎ、作業着の上着を着ることを誇りに思っているほどのものです。米のジーンズのようになるべく?日本の作業着も今回の特集のようにファッション性を向上して、社会一般にファッションのひとつとして話題に上る日が来ることあればと思います。
(前田建設工業(株) 島村亜紀子)
何気なく来ている作業着。作業着なんてどれも一緒だと思っていましたが、現場にあわせて綿密な調査が行われていたとは驚きでした。それもファッションショーまでやっていたとは知りませんでした。最近では町中の工事現場などでついつい作業着に目がいってしまいます。
(日本技術開発 平野拓男)
発展の陰で犠牲となった地域を「日陰」のままで終わらせないためにも、私たちは今一度先人たちに感謝の心をもつべきである。という文章が特に心に響きました。あと文章が体験レポート風に書かれいたため、おもしろく読むことが出来ました。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
大規模な土木構造物を造っていく裏には、そこに暮らす人々の生活、または工事に携わった数多くの人たちの苦労など、なかなか表に出てこない「日陰」の部分が数多くあり、我々土木技術者が忘れてはいけない部
分であるとあらためて感じました。今後も土木における先人たちの苦労、失敗など、なかなか表に出ない部分についての特集をしていってもらえたらと思います。
(清水建設(株) 橋爪芳徳)
完成した土木構造物や、プロジェクトそのものではなく、これらに携わった「人物」やその「想い」に焦点をあてるという視点を非常に新鮮に感じました。プロジェクトの成否には、技術的な確かさや論理的な正しさのみならず、そのプロジェクトに関わる人物の想いが重要であると痛感しています。読者である現役技術者を応援する観点から、こうした企画は今後も続けて欲しいと思います。
(三菱総合研究所 中條覚)
「水を確保するために行政区域を変更」河川行政に携わって20年経つ自分が知らなかった事実であり、自分の不勉強さを恥じるとともに、改めて水の重要さが史実として認識された記事であった。また、松田さんと佐竹さんのレポートはとても読んでわかりやすく、さらに佐竹さんの土木技術者とは思われない豊かな文章表現力にも敬服した。
((財)河川環境管理財団 入江靖)
小河内ダムの監査廊の中は私も何回か入ったことがあるが、コンクリートの状態の良さが大変印象に残っている。三多摩地域の東京移管のきっかけとなったという歴史的な背景を持つダムでもあり、もっと都民に存在をアピールしていくべきだと感じた。
(東京都 粟本太朗)
私の恩師である木村先生のご執筆。国際事業への取組みを提供する趣旨で、今回から師のケニアでの話題であった。バナナかオレンジで投票させる、自転車タクシーの話題など、アフリカの素朴さに触れることができた。いみじくも私も仕事で国際事業に関わるようになり、日本では想像できない出来事に遭遇すること数知れず、筆者同様貴重な体験をさせてもらっている。6回にわたっての連載とのこと、次回が楽しみである。
(関西電力 小坂馨太)
ほとんど情報が入らない興味あるアフリカが紹介されていて楽しく読ませていただきました。6回の連載ということですので、次回も期待しています。
(東京ガス 飯村正一)
ケニアのカカメガという町で、立派に舗装された自転車専用道路が整備されていることに驚きました。歩車分離に向けた自転車専用道路といえば、ついついヨーロッパの町などを思い出しがちですが、これに限らず私たちがアフリカから学ぶことも多々ありそうです。次回以降の連載でも様々な発見を楽しみにしております。
(京都大学 柄谷友香)
アフリカ以外の発展途上国(カンボジア、バングラデッシュ、スリランカ等)を訪れたことがありますが、記事を拝見し、空港に降り立った瞬間に感じた何ともいえない独特な雰囲気を思い出し、懐かしい気持ちになりました。文化や宗教、生活習慣が異なるため、私も「オレンジかバナナか」のように日本では、考えられないような出来事に遭遇する機会がありました。次回記事が楽しみです。
(首都高速道路(株) 湯田坂幸彦)
カーシェアリングという1台の車を複数の利用者で使用するという考え方は思いもつかなかった。我が国でも環境問題についての対策はいろいろな所で耳にするが、欧米と比べるとまだまだ未対策の部分が沢山あるという事を実感した。バス、鉄道が発達していない地域でのカーシェアリングは難しいような気がするが、都市部の交通・環境問題の対策としてカーシェアリングが発展する事を期待したい。
((株)きぃすとん 川口美智久)
1台のクルマを複数の利用者で使用し、目的地付近まで公共交通機関を利用し渋滞解消や地球温暖化に寄与する取組みについて、大変興味深く読んだ。マイカーを極力使わず、というコンセプトは筆者が指摘しているように「クルマはステータス」という考えの利用者をいかに減らしていくかにかかっていると感じた。社会全体の最適化に向けて、一人一人の意識改革を行っていくために何が必要か、土木としてどのようなインフラ整備が必要なのかを今後考えていかなければならない。
(関西電力 小坂馨太)
日本が欧米と違い、カーシェアリングがなかなか普及しない大きな原因に、日本独特の「車への所有意識の強さ」があるということが、印象に残りました。カーシェアリングに限らず、日本の車社会によって引き起こされた渋滞問題、環境問題、公共交通衰退といった問題の全ての根底はここにあるのだと言っても過言では無いと思います。ただし、カーシェアリングは車を使った移動であることには変わりませんから、問題解決の糸口としては有効な手段の一つではあると思います。システムは日常的、短時間利用のレンタカーと考えればいいのですから、認知度、PRの仕方によっては、ユーザーは増えると思います。車を「日常必要な分だけ買う」という意識がどれだけ普及していくか、これが今後の取り組みの上で大きな鍵になる部分であると同時に、大きな壁であると思います。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
カーシェアリングというコンセプトを初めて聞いたのですが面白い取り組みだと感じました。もっと宣伝すれば利用者が増えると思います。けど、文中にも書かれてたように日本では車=ステータスシンボルという考え方が根付いているため当分は普及も難しいとも感じました。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
朝晩、休日の車による交通渋滞は深刻で、これを解消するためには莫大な費用がかかりますが、今後普及を進めていくうえでターゲットになる年代層などは考えているのでしょうか。免許取得している高齢者が増えていくなか、たとえば事故があった場合はどのような対応していくのか等、知りたかったです。
(匿名希望)
技術士会の仲間が交通問題のワーキンググループを立ち上げ交通ゲームなるものを実演することで一般市民の意識調査や啓蒙を図っているので興味を持って読みました。日本では難しいだろうと感じていたので、このような具体的な取り組みの紹介記事は新鮮でした。いろいろな切り口で意識が向上してくると期待が持てます。
((株)5Doors’ 堀与志男)
カーシェアリングを取り巻く状況を海外の状況も含め理解することが出来ました。特に、地区によって、法人、個人、他地区からの利用割合のパターンが様々であることからはカーシェアリングの大きな可能性を感じました。都市部におけるシステムの普及については、小規模でも密なステーションの配置が不可欠かと思いますが、都市内でまたたく間に広がった時間貸し駐車場との連携なども考えられると思います。車の所有に対する強い意識などわが国特有の課題があるとも紹介されていますが、かっこいい車を所有することに加え、カーシェアリングCARで乗り付けることも、「かっこいい」ことになり、やがて「当たり前のこと」となるよう、社会的価
値観を少しづつ変えていくために、自分の周囲に話を広めていくことも、土木学会誌読者の役割であると感じ
ました。
(東京急行電鉄 関聡史)
「カーシェアリング」がどのようなことであるかは知っていましたが、社会実験があった程度のことで、現在、事業としてどのように展開されているかなどについては知りませんでした。本文中では、環境時代の新しい交通システムとしての利点が記述されており、カーシェアリングが普及されれば、その効果も多大なものであると思います。しかし、本文中にも課題として取り上げられていたように普及されるかが重要だと思います。今後の普及に向けても、PRによる認知度の向上さえすれば、利用者が増えるといった単純なものではなく、どう
すれば、利用される交通システムとなり得るのかということを十分に検討すべきだと思います。現在の都市内交通の手段は、カーシェアリングの他にもレンタサイクル等もあり、移動の選択肢も多様化してきています。そういった中で、カーシェアリングをはじめ、都市内交通手段それぞてのメリット、デメリットを明確化することが、カーシェアリングの利用により最も効率的な移動が実現する利用者層の発掘につながるのではないかと思っ
ています。今まで自動車利用者があまり実感していなかった人が、『15分のカーシェアリングの利用料金≒自動車15分利用の相当料金』であるとの認識を広く浸透することで、今後の自動車利用の意識改革につながることを大いに期待しています。
((株)オリエンタルコンサルタンツ 尾高慎二)
理論的にはカーシェアリングは地球温暖化防止に貢献できる素晴らしいシステムであるが、日本においては車に対する意識の違いから欧米と比べて社会的認知度が低いことは大変残念に思いました。しかし、近い将来には環境問題への意識の高まりから、鉄道+カーシェアリングの有用性が車をステータスシンボルとして所有することを凌駕する時代が来る事を予感するとともに、その意識改革を促す方策を模索する必要が
あると感じました。
(東京急行電鉄 永持理)
トンネルの素人である私自身が、大阪府道路公社勤務時代に最大断面部の施工方法について、発注側の担当課長として地質調査会社、設計コンサルタント、施工会社の担当技術者の方々とプライドと信念をぶつけあって決定する過程に係わったので、思い入れの強い記事です。
数値解析や現場計測と密接に連携した工事でしたが、施工面に的を絞って非常にスッキリとしたプロジェクトレポートに仕上がっており、トンネルに詳しくない読者にも分かりやすく紹介されていると感心いたしました。
(大阪府富田林土木事務所 磯崎弘治)
個人的にも土木遺産に興味があり、土木学会誌の「見どころ土木遺産」の記事を毎号楽しみにしている。教育現場に携わっている立場として、少しでも学生たちの興味をひくために新技術や新材料に目がいきがちになるが、先人が残された技術についても、土木遺産の記事などを参考にしながらうまく学生たちに話をできればと考えている。本記事は、近代化遺産と地域の活性化がうまく結びついている事例として紹介されており、近い将来、本校のカリキュラムにも取り入れなければならない創造演習的な授業の参考になる記事であった。
(高知高専 横井克則)
古いものを大事にし、再生していくというスタンスが好きなので楽しく読みました。
(大林組 鈴木直子)
不要となった土木施設を有効利用し、地域の経済観光に再利用する・できるという話しですが、トンネルの話しとワインの話しが平行線に示されているため、読後感がスッキリしません。過去のトンネルのどの様な気象条件がワインの保管に適しているのか、それはこのトンネルの設置位置(標高、周りの地形条件等)や構造(煉瓦積み特有の構造、内空断面等)に起因しているのかなど、土木構造物の観点からの掘り下げが必要と感じました。また、『ピラスター』と『ポータル』の意味が分からないので、図解があった方が良かったと思います。
(匿名希望)
先日現場へ行く途中、勝沼付近を通ったがこのワインカーヴをチェックできなくて残念。このような明治に出来た価値ある建造物を地元の産業と密着したかたちで再活用できている点がすばらしいと思う。見栄えもよく、次こそはチェックしてワインを買って帰りたいと思う。日本全国にある他の土木遺産をもっと教えてもらいたい。
((株)きぃすとん 川口美智久)
何のために潜り、何が分かったのか、さっぱり分かりません。「まっ暗闇のスパイダーマン」と記載されていますが、どこの誰なのかも分かりません。(8)(15)の図面が添付されていますが、図面中の番号と文中の番号が対比していないです。整理の必要があると思います。 あまり堅苦しくないレポートなんでしょうが、文章が散漫で、趣旨が伝わって来ません。 文章最後の『コーフンもの。』で終わっているのは、大変まずいのではないでしょうか。
(匿名希望)
[付録:パネルディスカッション 日本の課題 −都市再創造のための提言− ]
今月の記事の中で,最も内容が濃く且つ面白く,最後まで一気に読めました特に,伊藤先生と中村先生の発言はとても示唆に富むものだと感じました。中村先生は,マスコミが重要と発言されていましたが同感です。
道路公団民営化,郵政民営化もマスコミをうまく活用した側の勝利に終わりました。土木学会も戦略的にマスコミを活用できるように,メディア戦略WG等を作って活動したり,外部コンサルタントを積極的に活用したり,マスコミ受けするスポークスマンの育成に取り組んだ方がよいのではと思います。近年,企業は自社のブランドイメージ向上に積極的に力を入れていますが,土木業界も学会が中心となってイメージの回復・向上に積極的に投資していかないと,益々次世代を担う若者が入ってこなくなるのは目に見えています。
(シーティージャパン 増川淳二)
[付録:パネルディスカッション 日本の課題 −都市再創造のための提言− ]
付録にあった特別講演とパネルディスカッションは、付録にしておくのがもったいないくらい内容の濃いもので大変勉強になりました。今後このような講演会の内容を学会誌に書いて頂きたいです。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
[付録:パネルディスカッション 日本の課題 −都市再創造のための提言− ]
外国の都市を訪れると”どのようにしたらこのような居心地の良い空間を創造できるのか?”を思います。旧い建築物と調和した街並み、自然と触れ合える日常生活、歩いてオフィースに行ける快適さは羨ましい限りです。最近、少しずつその答えが見えてきました。都市の姿は市民の心と文化を反映するものではないかと。昨年、ドイツのミュンヘンを訪ねました。BMW、ベンツ、シーメンス、アリアンツなど世界有数の企業の発祥の地です。高層ビルが林立する東京の風景を皆さんは思い描かれるのではないでしょうか?。ところが、中心部には城壁・住居・商業施設・オフィースが調和した素晴らしい街です。市内に住む友人にどうして高層ビルが無いのか尋ねたところ、”市民は高層住居が嫌いだし、景観をみんなで守っていく意識が強いんだ”との返事が帰ってきました。実際に、中心地から数キロ離れた高層ビルの再開発計画の賛否が住民投票で問われていました。経済活動が優先する日本では想像もできない市民文化だと思いました。また、対談の中で都市再創造の有効策の一つとして土地利用規制を厳格にすることが挙げられていました。ドイツが誇るアウトバーンをドライブしました。速度規制がないにも拘らず、日本で見慣れた事故車両や交通渋滞などは7日間で一度も遭遇すること無く、守れない速度規制を設けた日本の高速よりは安全で快適でした。規制が無くても、全体の安全性を自然と意識して行動できる国民性に共感しました。こういう市民文化があるからこそ、豊かな公共空間を創造でき得るのだと納得しました。とはいいつつ、帰国して家路の途中で首都高速から東京の夜景を眺めると心が落ち着きます。煩雑だが活気に溢れる東京がやはり一番好きなのだと再認識する瞬間です。これまで、日本の市民は生活することに精一杯で生活を心から愉しむ余裕が無かったのだと思います。東京にも魅力的なスポットが目に付くようになり、今やっと一息つけた段階でしょう。日本の都市再生はこれからが本番です。木技術者として、都市再創造に貢献していきたいと思います。
(五洋建設 中原知洋)
[土木学会の動き:技術推進機構「減衰こまによる構造物の耐震補強工法」]
学会の技術評価制度適用第1号が鉄道構造物にも適用されている耐震技術(というより制震技術という方
が適切でしょうか)に関連する事柄ということで興味深く拝見しました。地震力を正面から受けて立つのではなく、摩擦力によりうまく受け止め、かつ地震後も補修なしで構造物の機能を保持できる点や、減衰こまの採用などメンテナンスフリーを強く意識されている点で適用性が高いと感じました。都市部では、高架下の空間でさえも非常に貴重な空間として有効利用されているケースが多いことから、例えば、この装置が柱や上梁に沿っ
た形状となると、高架下利用への自由度が確保され、さらに適用性が向上すると思います。今後、学会の技術評価制度が既存の各団体による評価制度と一線を画すものとなるよう期待いたします。
(東京急行電鉄 関聡史)
[付録: 特別講演 土木技術がグローバル社会で活躍するために]
私の夢は、発展途上国での土木プロジェクトに携わることです。その夢の実現のために、研鑚すべき技術力や求められる能力を本稿で学ぶことができました。現在、従事している日々の業務や自己啓発を通じて、グローバル社会に活躍できる技術者になれるよう、より一層努力していきたいと思います。
(首都高速道路(株) 湯田坂幸彦)
もっと公共投資に否定的な人も積極的に呼んで,誌上で議論するような企画もしてみてはいかがでしょうか?あまりにも,大学の先生や役所の方々の記事が多いような気がします。
(シーティージャパン 増川淳二)
今月だけかもしれませんが、学生編集委員の女性委員の割合が多かったのが目を引いたので一言。昨今は何かと女性委員の割合を増やす傾向がありますが、極端に女性会員だけ負荷が増えないよう、会員割合に応じてほどほどがよいと思います。
(大林組 鈴木直子)
わかりやすい紙面目指して頑張って下さい。
(国土交通省 永井 弘)
土木学会誌は誰のため?土木学会誌は会員誌ですから、土木学会会員だけを対象にしていればいい、というのは一つの考えです。しかし、それ以外の人にも読ませたくなるようなものにしていく必要はないのか?という疑問を感じています。一般の方の中には土木学会の存在すら知らない人も多くいます。例えば地震を例にすれば、兵庫県南部地震の際に、地震学者に建築や土木の質問をするような光景が見られました。土木
学会とは何をするところなのか。どういう知見があるのか。最新の話題はなんなのか。といったところを関係者以外の人たちにも分かりやすく伝える姿勢が必要なのではないかと思います。少なくとも土木学会非会員しかいない職場にも回覧できるようになればいいと願っています。
(中山 渉)
多種多様の記事が盛りだくさんで楽しく読ませて頂きました。2月号も楽しみにしています。
((株)きぃすとん 川口美智久)
写真、図表などが効率的に用いられていて、興味を引きやすく、理解の助けにもなりいいと思います。これからも特徴的な土木構造物の紹介などをお願いします。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
写真等をさらに多用してもいいのではないかと思います。また、主要トピックについて、取材した際の現場の状況等を動画配信することも面白いのではと思います。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
毎月、配送される学会誌。内容がすべて学会HPに掲載されれば、 わざわざ大量製本、大量配布する必要がなくなってよいと思います。
((独)鉄道・運輸機構 橋本浩史)
実は事務職なのですが、学会員やモニターのなかには結構いるものなのでしょうか。日本の土木技術は世界でトップレベルですが、世論からすると事業(特に公共事業)としてのイメージはあまり良くありません。技術革新も必要ですが、承継や保存等の問題にも触れて広がりをもった雑誌にしていくことに期待しております。
(匿名希望)
産学官でいうと産業界の原稿執筆が少ないように思います。会員の多くは民ですから、もっと産業界からの
記事を望みます。
((株)5Doors’ 堀与志男)
今回モニターをさせていただくことになり,今まではきちんと読んでいなかった学会誌をじっくり読む機械を得ることができたことが嬉しく思います。じっくり読んでみると,とても興味深い記事が沢山記載されており,すべてにおいて勉強になりました。また,土木分野への興味がより高まりました。
(山梨大学大学院 大武美恵子)
学生会員とフェロー会員による温故知新の連載は非常に良い企画だと思いますので、是非長く続けて
下さい。
(匿名希望)
土木学会としての方向を喜ばれるものにしようとの心は伺えるが、現在の世間潮流に乗りすぎて本音の姿から遠ざかっているような気がします。たとえば、civil engineering とは、現在より,よいものをと考えて造った結果、不便を感ずるところを訂正する事。市民の生活がより良きものになるにはその過程がある。マスコミとか政治に左右されず、恐れず陳述することこそ本当の意義が有るような気がします。
(遠藤隆夫)
以前と比べ、学会誌が面白く、かつ読み易くなったと思います。これは、読者のニーズが何かということを的確に捉えるため編集委員の方々が情報収集や企画、編集にご努力された賜物だと思います。公共事業に対するマスコミを含め、世論の風当たりは非常に厳しく、これから土木技術者を目指す若者への影響が心配です。人が安全で安心して暮らすために必要不可欠な社会資本を整備しているという土木技術者の自負と誇りを失わないためにも土木学会誌のこれからの活動に期待しております。
(首都高速道路(株) 湯田坂幸彦)
Copyright 1996-2006 Journal of the Society of Civil Engineers