土木学会誌7月号モニター回答
全体を見渡せる地図のようなものが欲しいと思いました。(どこがどのルートでつながったかなどが分かりませんでした)
(産業技術総合研究所 対馬孝治)
当治水施設が建設された春日部市内にて大半を過ごし、また台風や大雨に際してたびたび冠水を経験してきた身にとっては、当施設の完成により水害の発生が軽減されることは大変に感慨深いものである。できれば完成に要した工期や総工費、また中川流域において期待される浸水被害の軽減に関する情報も記載してほしい。
(国立保健医療科学院 島崎 大)
最初の写真(p2の上)は,非常に幻想的で,最初のページにもってくるにはインパクトの強い,内容のよく分かる良い写真だと思った.全体的に写真が多く,見やすい構成でしたが,プロジェクト概要図と排水機場の写真は,分かりにくかった.
(函館工業高等専門学校 橋本紳一郎)
「調圧水槽」や「地下トンネル」の写真は迫力がありました。ふだん人目に触れないところで、土木工事が果たしている役割・重要性をあらためて認識しました。
こういった防災系の工事について、工事完成後の効果を定量的に分析する指標であるB/C(費用便益比)を算出することは不可能(=実際に災害が発生してみないとわからないため。)と聞いたことがあるのですが、本当にそうでしょうか。完成後の防災系土木工事において、定量的に効果を表すことのできる分析指標があるのかどうか、興味があります。
(大阪府 加世堂孝始)
清水國明さんの現在の取り組みについて、ある程度まとまったボリュームで紹介されており、興味深く読ませていただきました。清水さんのタレントとしてのこれまでの活躍と、断片的に伝わってくる「アウトドア派」としての主張にギャップを感じることがあったのですが、何を目指しておられるかについてのイメージは、今回の記事で概ねつかむことができたと思います。特に、継続していくためのお金と組織の重要性に触れた部分には、なるほ
どと感じました。
(ダム水源地環境整備センター 盛谷明弘)
誤解されそうなので若干補足すると、非常に興味があり面白い内容がほとんどです。例えば清水国明氏の「必用なものは自分でつくり、つくれないものは必用のないものだと割り切る」の記述は、あったら便利なものと、なかったら困るものとの境界を分かりやすく説いています。”観”では、「自然を破壊するのではなく、山の景観のなかに道路もデザインされている」は、シーニックバイウェイに共通するものと感じられます。また”食”では、「スローライフは、人間や自然のリズムに合わせた生活」と書かれているが、なるほどと思われました。でも土木学会誌の特集としては少々疑問を感じます。
そのなかで”新しい国土計画のなかのスローライフ”に限っては、土木学会誌にふさわしい内容と感じられました。「二地域居住の促進」は、田舎に住んでいる自分としては、一定期間大都会へ住むことで、田舎のありがたさを再認識できるいい機会であり、そのようなチャンスがあれば一度体験してみたいとも思いました。
ただ勝手な文句を述べましたが、この学会誌がより多くの方(土木とあまり関わらない方)にも愛読してほしいというねらいがあるのならば、それはそれでいいとも思いますが。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 櫻庭 満)
自然の中に行きたくなるようなインフラという言葉に共感しました。便利さ,快適さを求めるあまりに自然と人間との距離がインフラ整備によって,徐々に遠ざかっていることを実感します。都会の中でも自然を感じることができるような都市が理想なのではないでしょうか。
(宮崎大学大学院 古川隼士)
土木屋ではない方の意見というのは,はっとさせられることがあります.インフラ整備といのは,利便性・快適性を最も追及しがちですが,その中にも自然との共存,復元,創出という観念を常に意識しておくことが大切だと感じました.公共事業の必要性を国民に広く理解して頂くと同時に,人が人らしく生活できるインフラを国民と一体になって考えていく必要があります.インフラ整備に対する国民の意見,またその変化などを,今後も取り上げていただければ,と思います.
(中央復建コンサルタンツ(株) 永井史保)
「楽するよりも楽しもう」−読んだ後に心に残った言葉である。
豊かな物に囲まれて生活している現代の私たちは、心の豊かさにおいて、必ずしも満足しているとは言えないし、むしろ貧しくなったのではないかとすら思う。
そういった中で、今回のインタビューにおける非常にシンプルで率直な指摘は、人が生きるうえでの本質を言い当てていると感じた。やはり、人は感動してこそ、人の人たる所以なのだと思った。
私たち土木技術者としても、日常において、些細な感動を与えることのできる「仕掛け」を考えていきたいものである。
(東京急行電鉄 廣脇大士)
「自然と人の生活が離れている」「楽な生活、快適な生活を追及しすぎて、人は本来持っている能力を落としています」などの言葉が心に残り、また、我が身を振り返ると胸に突き刺さるような言葉でした。
((財)河川環境管理財団 鎌田照章)
著名な方にお話を聞いていることで関心がもてたことや最後に土木に対する考えを聞いている点など非常に良かった.また,特集の「スローライフと土木」とも関連したしており,特集が読みやすく感じた.
(函館工業高等専門学校 橋本紳一郎)
清水さんとのインタビューの中で、今、世の中で一番問題なのは、自然と人の生活が離れてしまったこと、これにより様々な問題が起きている、というお話がありました。土木は、もともと変化に富んだ自然を相手にするだけに、自然と正面から向き合い、自然を深く理解し知ることからはじまります。また、土木と暮らし、土木と自然、土木と環境などは切り離すことができません。土木技術者は、まさに自然との共生あるいは環境と開発の関係について考究し、時代の要請に応えるアウトフィッター、自然と暮らしをつなぐ人であると改めて思いを深めました。
(首都高速道路(株) 土橋 浩)
一口にスローライフと言っても個人によってとらえ方が違うだろうし、なかなか難しい面がある。そういう意味で今回の特集は取り立てて結論めいたものはないし、それを導くことは困難なのであろうが、私自身は何をどうしたら良いのか今一つ見えてこなかった。今から考えるしかない。
(前田建設工業 今西秀公)
このテーマを見たとき、非常に興味を持ちました。「スローライフ」と「土木」なんて、一見すると、水と油のような感じを受けますので、いったいどうなるのだろうと期待しました。しかし、期待どおりとはいかなかったですね。「観」「食」などのジャンル別にインタービュー記事となっていましたが、いずれも、おっしゃるとおりと感じる一方、だから何?という感じでした。編集後記でも少し苦しさが読みとれました。スローライフというと、田舎、昔日とかになりがちですが、ニューライフスタイルの一つとして、もっとポジティブに心の豊かさ感じるライフスタイルとして提案したらどうかと思いました。
(匿名希望)
土木学会誌において「スローライフ」がフィーチャーされた特集が組まれるとは想像していなかっただけに、まずタイトルに驚かされました。時流をつかんだ特集を組まれた編集委員会の企画力に頼もしさを感じます。ただ、惜しむらくは記事の冒頭に「スローライフとはいかなるものか」をしっかりと解説した記事があり、かつ最後に土木とライフスタイルとの関係を考察した「まとめ」があればより完成度の高い特集になったのではと思います。道路や鉄道、空港などの社会基盤整備が個々人のライフスタイルに与える影響はさまざまに語られつつもいまだ体系的に整理されていないとも思えるところです。今後さらに深度化した特集が組まれることを期待します。
((株)三菱総合研究所 土谷和之)
スローライフに関する多くの雑誌記事と比較して土木的な視点が不明確であると思います.もう少し,社会資本整備とスローライフの関わりについての記事がほしいと感じました.
(東亜建設工業(株) 青野利夫)
「スローライフ」といった考えは、今まで自分の中にあっただろうか?現在、建設会社の企画部門に属し、このような読者モニターを拝命しているが、元は橋梁工事の設計・施工に従事していた。結論はこうである。「全く、微塵たりとも考えたことが無い。」言い換えれば、そんなことを考える余裕はなかったというのが実情である。社会インフラ整備を利用する者が感じる事も大事だが、我々(施工者)がまずそういったことを意識して施工するのも重要な気がする。如何に土木に従事する人に浸透させるか、そのために自分には何ができるか・・。それを再確認させられた気がする。
鹿島建設(株)土木管理本部土木企画部 白浜 寛)
効率性、快適性を重視する現代において、その問題を投げかける記事であり、興味深かったです。効率性、快適性を求めて、車社会になった社会においては、車がなければ生活できない、といった、快適すぎるがゆえの、豊かさゆえの問題は身の回りにあふれており、インフラ整備の上では、法制度などソフト面との総合的な整備や、適度な整備水準を検討することが重要と、再認識しました。
(都市再生機構 和田真理子)
現在の社会の流れなどから、車両の代わりには自転車というのは有効な手段だと思います。しかし、私が住んでいる長崎や他の地方は都市の近くに坂があるとこは少なくないと思います。そのような場所での車両の代替になるものを探すことがこれから必要になるのではないかと思いました。
(匿名希望)
スローライフという言葉は最近よく耳にしていたのですが、その意味については都会を離れて田舎暮らしを始めることなのかなぁという漠然なものでした。今回の特集を読んで、自分の認識が間違っていることに気付きました。私は日々仕事に追われた生活スタイルが身についていて、ゆとりある生活とは無縁でした。今回の特集を読んで食事や入浴をもっと"ゆとり"を持って楽しんで行きたいと思いました。土木技術者としては、環境に優しい設計を今以上に意識して取り組んで行きたいと思いました。
(中日本建設コンサルタント(株) 各務 繁)
首都圏に近接する野菜の大産地に、3年間勤務したことがあります。収穫期を迎えて、緑一色だった畑からキャベツや大根が次々に出荷されて土しか見えなくなり、またすぐに次の植え付けが行われるというサイクルが、その地では年3、4回繰り返されていました。これだけの量の野菜をペロリと飲み込むとは、首都圏の”胃袋”の大きさはいかほどのものか、と驚いたものです。スローフードという言葉に込められた理念には共感できるのですが、今回のインタビューでは(頁数の制約からか?)、”胃袋”の大きさに見合う量の確保をどのように図るのか、という議論にまで踏み込めていないのが残念です。スローフードを一部の人だけのものとしないための仕組みづくりについて、これから取り組みが具体化することに期待しています。なお、私が勤務した地の野菜生産者の方々も、安全・安心な野菜の生産に真剣に取り組んで、着実に成果を挙げていたことを最後に付け加えます。
(ダム水源地環境整備センター 盛谷 明弘)
「スローフード」について、会の今後の取り組み等も含めて考えさせられました。人は誰しも、このような食材を求めていると思うのですが、価格の問題、入手の困難さなどから、一部の人の手にしか渡っていない印象を受けま
す。また、地産地消を推進したときに、国際協力としての「貿易」との間で生じるトレードオフをどのように解決していくか、会の枠組みの拡大を期待します。
(鉄道・運輸機構 山ア良介)
私は烏の行水なので、お風呂ではあまり癒されない方ですが、今どきの話題だと思います。土木に従事する我々が、お風呂について考えることも面白いですね。シャワーが普及したのが昭和40年代半ばだとは知りませんでした。私の家にシャワーが付いたのは、昭和50年代後半かと思います。
(清水建設株式会社 時弘みどり)
地域の資源や財産を再発見するツールであった「自転車」を媒体に、自転車道網の整備といったハード面の充実ではなく、市民ガイドサイクリストの育成、サイクリストによる地域情報の発信、そして、より多様な市民参加へと広がりを見せ始めている掛川市のNPO活動は、個性的な地域づくり・地域の活性化につながる大きなヒントがあるように感じました。
(東京都 荒木成文)
高度経済成長期やバブル後の不景気を生き抜いてきた、勤勉なわれわれ日本人は、余暇のとり方・過ごし方が、決して上手とは言えないと思っていた。
しかし、江戸時代は、「旅行大国」であったことを考えると、休日にごろごろしている私たちのDNAにも、かつての旅好き精神がきっと眠っていて、ちょっとしたきっかけで呼び起こされるに違いない。
そう考えると、日頃の喧騒を忘れて、何だか旅に出かけたくなった。
(東京急行電鉄 廣脇大士)
私は歴史が好きなので、このような歴史読み物的な記事は楽しく拝見させて頂いています。「土木学会誌」ならではの記事だと思いますので、これからも楽しみにしています。
(清水建設株式会社 時弘みどり)
果たして今の時代に国土計画は本当に必要なのであろうか。今まで継続されてきた全総は社会資本整備を促進するための”免罪符”としての役割といっても過言ではない。社会資本整備重点計画の立上げや道州制が試行されようとする中で、全総計画が「21世紀の国土のグランドデザイン」に名称を変え、さらに「国土形成計画」となったとしても、それらの政策との相違点が不明確だと感じていた。しかし、この記事を読んで思ったことは、国民の新しいライフスタイルのあり方を提案し、充実した生活をバックアップするようなソフト施策を提案するための基本軸と捉えるならば、国土計画の果たす役割はまだまだ大きいと考える。スローライフは一つのキーワードだ。全国計画には、概念をもっと掘り下げた具体的な内容が盛り込まれ、広域地方計画では、それぞれの地域性が反映された様々な提案が記載されることを期待する。もちろん期待するだけでなく、自分も日々仕事に追われる生活も改善し、新しい価値を創造するための試行錯誤を繰り返していきたい。
(東京急行電鉄(株) 横内稔充)
クルマの代用としての自転車。以前、ドイツを訪問した際に特急列車の最後尾に自転車室(?)があって、長距離の移動は列車で、短距離の移動は自転車でというスタイルを見たことがある。日本でも自転車持込可能な列車があるようだが、それは閑散路線であって、都市では難しいだろう。疋田氏の指摘される通り、渋滞がいやなら自転車や公共交通機関に乗り換えればよいのだろうが、一旦クルマの便利さに気が付くと自発的に切り替えることは難しいのではないか。ただ、いずれにしても自転車の走行環境を整える必要があるのは確かだ。
(前田建設工業 今西秀公)
交通手段としての自転車はもっと活用されるべきだと思うので,このミニ特集は興味深く読ませていただきました.ただ,もっと世界的な視点からの切り口もあってもよかったかもしれません.例えば,米国シアトルのワシントン大学周辺とかですと,自転車道が整備されており通学や通勤に自転車を用いる人がかなり多いように思ったことがあります.日本でも,郊外に大学が移転するところが増えていると思いますが,なぜ,米国では自転車道が整備されるのに,日本では整備されないのでしょうか?自転車を有効活用する行政や施設整備が増えるように,
今回の特集のような企画が継続されることを期待します.
(広島大学 一井康二)
内容は非常に良かった。ただ、ヨーロッパ型は確かに良いと思うが、そのまま無意識に日本に当てはめるのではなく、日本に合った手法を考えなくてはいけない。
(匿名希望)
今から20年ほど前、カリフォルニア大学のデービス校に留学していた時を思い出します。デービスはサンフランシスコから州都サクラメントに向かう途中の人口6万ほどの小さな学園都市です。町中に自転車専用レーンが張り巡らされ、通学やキャンパス内での移動にも自転車はなくてはならないものでした。アメリカでも自転車の町として知れ渡っています。ここの土木もかなりレベルが高く、日本からの留学生も居ると思いますので、その報告があったらもっと良い企画になったと思います。
(首都高速道路(株) 小島 宏)
自転車ツーキニストの疋田さんや(株)シマノのみなさんのお話は普段なかなか聞けない話なので楽しく読ませていただいきました.
(九州大学大学院 梶田幸秀)
第一に共感したのが(多くの方が述べられていましたが)自転車道インフラ整備の低さです。個人的にも学生時代にサイクリング部(テントなどを積んで長距離を走るサークル)に所属していたことから、現在でも日常生活における自転車への依存はかなり高い状況です(片道20km程度は朝飯前?)。
しかし、現状では一応法的なルールは存在しますが、車道と歩道のどちらを通行すればいいのか警察に問い合わせしても困惑してしまうのではと思われます。
ただ単に健康にためというのであれば、河川敷などを走っていればいいのですが、自動車の代用という使命を与えるのであれば、”スピード”が重要です。本州に比べ北海道では、比較的自転車専用道が整備されていると感じますが、通勤などに使用するのであれば、疋田氏が言われるとおり、日々ストレスをためながら走らざるを得ません。行政が主体となり、社会実験等を活用することでもう少し前向きな検討を行い、身
近に出来る「エコ」を活用して行ければと考えます。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 櫻庭 満)
非常に面白い視点で読むことができました.普段使っている自転車とそれを取り巻く環境….ただ,もう少し自転車土木学?の視点からみた他国(ヨーロッパなど自転車)の事情をより専門的に書かれていると良かったかなとも思います(エコなどの一般的な視点の他に).
(東北大学大学院 工学研究科 海野寿康 )
自転車を利用しよう!は古くて新しいテーマですね。私は、最寄駅までの自転車通勤に挫折して2年が経過しました。理由は「雨」。理屈ではわかっていても、駅まで自転車で行って、ビショビショのズボンで通勤電車に乗るのはやっぱりつらいものです。結局今はK&Rの体たらく。わかってはいるけど、なかなか実行できない自転車通勤といった感じです。
自転車先進国オランダあたりでは自転車レーンの整備と併せて代替手段のトラムの整備も怠らないと聞きます。自転車の走行空間を整備することも重要ですが、我が国のように雨の日が多い地域では、自転車に変わる「足」をどう確保するのか、これを解決しないとなかなか普及は難しいかなと思います。
(道路計画 野中康弘)
おもしろい企画だと思います。興味を持って読ませていただきました。本格的な自転車交通を考えた場合,どのような道路構造が望ましいか等について技術的な検討を欧州の例を引きながらまとめたような記事があれば,と思いました。
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)
自転車の交通手段としての問題(専用道路がない、駐輪場がない)が良く分かった。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)
代替交通手段としての自転車の可能性や課題につきよくまとめられており興味深く拝見したが、昨今話題となっている駅前駐輪スペースの確保や歩行者に対する交通事故等、現時点で解決すべき問題点の掘り下げがやや弱いように感じた。特集として取り上げてもよいテーマであるように思う。
(国立保健医療科学院 島崎 大)
時機を得た非常に興味深い特集でした。近年増加している自転車通勤者の多くは、健康維持とファッション性の両立を目的としていると思われるため、これを一過性のブームで終わらすことのないよう、早急な走行環境や駐輪場の整備を進めていく必要があると思いました。
(原子力発電環境整備機構 大東秀光)
とても身近な交通手段である自転車。私の周りにも自転車による通勤者は非常に多くなってきています。このような状況を踏まえ、非常に興味深く、自分の身辺を想像しながら読ませていただきました。記載されていたとおり、現在の日本ではまだ自転車の市民権を確立しているとはいえない状況です。それぞれの執筆者は、自転車、歩行者、自動車の住み分けをはっきりさせる様々な意見を述べられていますが、現実的に問題を解決できる手法かといえば、どの意見も現段階では実現できると感じられませんでした。とはいえ、自転車、歩行者、自動車の問題は長い間議論されている点ですので、交通工学的な視点から、早期に解決できる手法を提示してもらいたい、と期待しています。
(前田建設工業 武部篤治)
昨今は,歩道を歩いていると,暴走どころか爆走と言いたいほどの勢いで,歩行者の脇をすり抜ける自転車が増えました。歩いている私は,自転車憎し,と感じます。その私が,自動車に乗って山間部のうねった道路を快走している折,おそらくは競技用でしょうか,自転車を連ねた団体に行き会うと,追い越すには,対向車両が無くなり,かつ見通しの効く地点に差し掛かるのを待たねばならないため,これまた,自転車憎し,と感じます。ところが,近所まで買い物に出掛けるのに自転車に跨った私は,自動車に轢かれそうになって,今度は自動車憎し,となります。談笑しつつ横断歩道を牛歩する中学生達に対しては,自転車でも自動車でも,歩行者憎しです。
「コンパティビリティ」という概念を自動車工業の世界に持ち込んだのは,メルセデス・ベンツ(ダイムラー・クライスラー社)だそうで,これは,大型車と小型車が衝突した際に,小型車側の被害がどうしても大きくなるのを防ぐため,
大型 / 小型共に,衝突時安全性を考えた構造設計を施す,というものであると聞いています。これを受けて,わが国メーカーでも「衝突安全ボディ」等の開発が鋭意進んだ,とも聞いています。
人・自転車・モーターバイク・小型車・大型車の,路上の通行に関する「コンパティビリティ」を実現するには,どうすればよいのでしょうか。「通行に際して,お互いにお互いが邪魔である」という状況は,官民挙げて変えて行くべき,大きな課題であるように思います。それには,労働や休暇の分散,混雑現象の緩和,などと,多分野に亘る視野が必要であるような気がします。
(自営業 今井博之)
自転車を都市の交通手段とした場合の有効性と問題点が良く分かり、興味深く読ませていただきました。私も自転車通勤がしたくなりました。一方で、オランダ等の諸外国の例を挙げてわが国の道路事情を批判している記事もありましたが、都市域の人口密度や通勤人口、地形条件などを考慮すると、一筋縄では行かないように思いました。
(東京地下鉄 津野 究)
自転車交通に対するインフラ整備の余地がまだまだあることを実感しました.「パーク・アンド・ライド」が普及しつつあるなかで,自転車に対する「パーク」を充実させ,自転車交通に対する安全で快適な道路整備を行うことが,自転車人口の増加,しいては環境負荷の低減につながります.世界的に地球温暖化防止への取り組みがなされてる中で,自転車交通に対するインフラ整備と国民の意識向上は急務である,と感じました.
(中央復建コンサルタンツ(株) 永井史保)
自転車利用については昔からいわれていることだが、ご指摘のとおり、自転車道のネットワークなくして単路を整備しても効果は上がらず、結果マナーの悪い人が減らず、だから自転車道の独立もままならないのだと思います。にわとりと卵の議論のようですが、マナーを向上させる工夫をみんなで考えていくことも必要ではないでしょうか。
(都市再生機構 和田真理子)
私はここで言う自転車ツーキニストではないが、春・秋になると心地よさそうに自転車通勤しているのを見るとうらやましく感じることもあります。特集にも書かれているように、日本の道路は自転車が走るところが無いと思います。スローライフにも結びつくと思いますが、利用者が街並みを楽しみながら安全に走行するためには、専用道路等の整備が必要不可欠なものであると感じました。
(中日本建設コンサルタント(株) 各務 繁)
通勤ラッシュに嫌気がさし、また運動不足を痛感していた数年前、私も一時、自転車通勤をしていたことがあります。しかし、日本の交通事情は本当に(中〜長距離を移動する手段としての)自転車走行には向いていないと痛感しました。本来走るべき車道では、自動車に邪魔者扱いを受け、歩道ではそれこそ歩行者に気を遣いながら走らなければなりません。現在、自転車交通が社会問題となっていますが、自転車の台数に対して、自転車走行路の社会整備が遅れていることが問題の大きな要因として考えられると思います。
土木技術者として元自転車通勤者として考えさせられる特集でした。
(清水建設株式会社 久保昌史)
都市圏における自転車の有用性を自転車通勤者の視点から書かれており、大変興味深く読ませていただきました。モータリゼーションが一般となった日本において、都市圏の道路では渋滞問題が深刻化しています。道路整備も随時行われていますが、昼間の交通量は膨大なものがあり追いつくはずもありません。先日、道路交通法の改正により駐車違反取締りの民間委託が開始され、また石油燃料の高騰など自動車社会は厳しい現状にあります。これを期に、環境、経済、健康などの面における自転車の大変優れた部分を再確認する必要があると感じました。私の住む金沢では多くの坂や冬の積雪といった自転車の天敵が存在するため受け入れられない面もありますが、日常生活での自転車利用を見直し、今後、"自転車ツーキニスト"が増加することを期待したいと思います。
(金沢大学大学院 平野貴宣)
とても考えさせる内容でした.社会資本を効率性から見ると 車道の整備ということが優先されるし,都市計画策定の難しい日本の都市ではやむを得ない部分も今まではあったと思います.著者の意見に全面的に賛成ではないが,法規制も緩く,今まで通勤利用としては駐輪場等の問題もありネガティブに見られる自転車に対する見方が変化するのではと思います.
(東亜建設工業(株) 青野利夫)
以前ヨーロッパを旅行した際に気付いたことのひとつに、公共交通機関が発達していて、料金体系を含め非常に乗りやすかったことと、自転車専用道路・専用信号がよく整備されており、自転車が交通手段として十分市民権を得ていると感じられたことでした。「この日本の道路インフラは、自転車にとって最悪だといっていい」という筆者のご意見には多分に共感する部分ありました。
(清水建設株式会社 佐野 敬)
道路交通法と利用者の実態が合っていないことは当記事のとおりであり、さらに言うと、道路を整備するための基準である道路構造令でも、自転車の概念の取り込みが極めて薄いように思われます。「愛・地球博」での事例でも見られるとおり、自転車は環境面からも有効なモーダルであると考えられます。こうした前提で、自転車を「ひとつの交通機関」と位置づけた利活用方法及びその法整備を進めていくことは今後は重要であると思われました。
(株式会社三菱総合研究所 亀井則夫)
最寄駅まで自転車通勤であることや、堺市民でもあり、堺が誇る企業「シマノ」の紹介でしたので、たいへん興味をもって読ませていただきました。
「分かりにくい」とまでは言えませんが、「写真−2」で、逆さに吊ってある自転車置き場を初めて見ましたので、写真として目を引くものだったのですが、どういう風にして逆さに吊っているのかとか、社員がどのように利用しているのかなどに疑問・興味を持ったので、そういった点の説明があれば、より分かりやすかったのではないかと思いました。
記事の最後に「紙幅の関係で紹介できないのが残念です。」とありましたが、紙面・編集の都合かと存じますが、ふた月に分けていただけたらと思いました。
(大阪府 加世堂孝始)
日本とはまた異なったアメリカならではの復興事情がある気がしました。まだ復興途中だと思いますが、今後どのように復興がされていくのか、続レポートが可能であれば読みたいと思いました。
(大林組 中森滋子)
この災害をきっかけに、津波・高潮対策の認識が高まっています。私の働く名古屋港は、昭和34年の伊勢湾台風によって未曾有の被害を受け、その教訓を生かして高潮防波堤等を築造しました。しかし、築造から50年近くが経過しようとしている今、老朽化等の対策が急がれます。
(名古屋港管理組合 高木 強)
ちょうど去年の夏頃にアメリカ南海岸沿いへの旅行を計画中のとき、ニュースでニューオリンズの惨状の話を知った。アメリカの歴史や文化に触れる絶好の場所が、自然の猛威により、全てを失ったこと、そして多くの命が失われたことに対して、切なく思うところである。
人命を預かる職業に従事する者として、自然災害に対する技術的対策の重要性を改めて認識した。だからこそ、昔の日本の技術者の英知が、現在においても現役の技術として役立っている点には深く感銘した。ニューオリンズに住む全ての人に活気と笑顔が戻る日を切に願う。今後
の動向にも注目していきたい。
(東京急行電鉄(株) 横内稔充)
今年は日本国内においても全国的に土砂災害等が多発しているが、昨年8月に米国南部を襲ったハリケーンによる災害は、過去の話題となりつつある。しかしながら、現地では今も災害復興が続けられ、その道は険しい。
道路や上下水等の社会基盤の復興は急務であるが、真の復興は、住民が元の生活を取り戻すことである。
記事では、災害復興の遅れ、様々な問題が報告されているが、中には被災以前からの問題もみうけられ、災害により問題が露呈した感も否めない。災害は「異常事態」ではあるが、社会基盤整備のみならず、医療、警察・消防等を含め、「起こるべき異常事態」へのより一層の体勢構築が必要と感じた。
(匿名希望)
近年、わが国でも台風や大雨の被害が増えていることから、他人事ではなく思います。このような災害の記事を読むと、土木の重要性を再認識します。
(東京地下鉄 津野 究)
大洪水発生直後の様子は報道でよく伝えられていましたが、最近の状況はよくわからなかったので、
この記事を興味深く読むことができました。被災者の生の声や大洪水の爪痕が今もなお残る現場、復興
計画最終案すらまとめられていない状況から、復興の難しさを痛感しました。
(九州大学 梶田佳孝)
昨年11月にミニ特集でハリケーン・カトリーナによる被害(速報)が報告され、その後、土木学会でもセミナー等が開催されていますが、この記事を読んで、改めてハリケーン・カトリーナによる災害の大きさを思い知らされました。メディア等では災害発生後の被害の状況や災害への対応について報道されますが、その後の復興状況について伝えられることは少ないのではないでしょうか。まだ、いたるところに家屋の残骸やごみの大きな山があったり、市内に帰還した人口はまだ40%程度であるなど、災害の大きな爪あとが未だに残っている様子について今回の報告で知ることができました。復興にあたっては経済的格差、人種問題などの難しい課題を抱えていますが、1日も早いニューオリンズの復興を祈願するとともに、わが国においても、近年、記録的な集中豪雨、台風が増えてきているなか、今後も、このような現地調査の結果などをぜひ記事にして、災害への警鐘として記憶を新たにする必要があると思いました。なお、コラム記事には感動しました。
(首都高速道路(株) 土橋 浩)
我々は災害復旧計画の物理的な側面に目がいきがちですが、この記事では災害復旧計画における人種差別問題について触れており、テレビ等で報道されていない姿を知ることができた興味深い記事でありました。日本は防災技術、災害復旧技術には長けていますが、この記事でも触れているような人種差別問題や救援・復興にあたる行政関係者への精神的治癒などソフトな面に対する対応はまだ不完全であると思います。ハリケーンカトリーナの教訓を今後の防災・災害復旧に役立てればよいと思います。
(三菱総合研究所 内田景子)
この記事を読んで、改めて大洪水による被害の甚大さと、復興がなかなか進まない現状を知ることとなった。
浸水することによる被害は、激浪によって建物が流されるだけでなく、特に、浸水箇所にカビが生えたりするなど、生活が不可能に近くなるような状態が、しかも市内の広域に渡って発生していることを考えると、問題の深刻さが身にしみてわかってきた。地震災害などの場合は、建物に被害さえなければ、居住することができ、所々でも生活感を取り戻すことができようが、水害で全域が浸水した箇所は、なかなかそういうようにはいかないだろう。
市長が挙げた緊急課題の中に、Sewerage Waterのことが挙げられていたが、まさしく衛生面でクリティカルな状況が想像でき、現地の凄まじさを痛感した。わが国でも、今後の防災対策において、このような教訓を活かして
危機管理を行っていく必要があると感じた。
(大成建設 加藤 隆)
土木との関連性をいまひとつ、理解できませんでした。
(東京都 荒木成文)
建設業の立場で港湾整備に携わる者として興味を持って読んだ。ハードを整備するだけではなく、活用するためのソフトの重要性が増してきており、単に机上の検討ではなく、実地にやってみたところが貴重な試みと思う。
現地価格が国内価格の約3倍となっても「ビジネスとしてペイする可能性が高い」と判断した根拠についても簡単に触れてほしかった。
(東亜建設工業 岸真裕)
報告書のような文体で、やや読みにくい。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)
目的に対してオーバースペックな警報システムは,非常に高コストであり長期にわたり維持・管理していくには大きな課題がある,という著者らの指摘は正鵠を得ているように思います.津波警報システムなどの防災に関わるシステムに関わらず,維持・管理を見据えた適正なスペックというのはシステムの導入時には重要なことだと思われます.しかし,現状では予算によってスペックが左右されることが多く,災害後などの有事には大きな予算がつくのでオーバースペックなシステムを導入し,通常時は予算が削られて,不十分なスペックとなる事も多いのではないでしょうか?適正なスペックのシステムの導入を用意とする予算制度も必要かもしれないと思いました.
(広島大学 一井康二)
東京方面で「大阪のランドマーク」はと聞けば、「通天閣」とか「道頓堀」などが出てきそうだが、南北を巨大ターミナル(梅田、なんば)に挟まれ、名建築が並ぶ御堂筋こそがふさわしいように思う。大阪人もあまりコテコテな面ばかりを強調しないほうがよかろう(笑)。ちなみに私は大阪出身です。
(前田建設工業 今西秀公)
このような歴史的イベントでもない当時の詳しい経緯も含めた情報は,自分で興味を持って探していかないと,なかなかお目にかかれないと思っています。個人的に歴史ものは好きなので興味深く読ませていただきましたが,身近な施設にまつわる歴史ですので一般の人もかなり興味を持つ内容ではないでしょうか?
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)
永年大阪に住んでいながら、御堂筋そのものを土木遺産として捉え考えたことがなく、目から鱗の思いで読ませていただきました。
(原子力発電環境整備機構 大東秀光)
「都市大改造計画」が発表された1923年は現在のように車が多く通行していたわけでもなく、まだ馬車を利用していた市民もいたような時代であったと思われます。そのような中、「飛行場」のような道路を建設しようとするのだから、市民が猛反対する様子は容易に想像出来ます。しかし、経済・街の発展のためにという関市長の熱意、それを受けた市民の理解、そして高度な土木技術により建設が進められ、今日の御堂筋に至ったと考えると感慨ひとしおです。現在においても御堂筋の幅員、また、その下を通る地下鉄御堂筋線の駅構内の広さについては目を見張るものがあります。膨大な交通量を受け入れることが出来る御堂筋、膨大な旅客を収容することが出来る地下鉄御堂筋線の駅構内、全て80数年前の大英断のおかげであり、我々も100年後の社会を念頭においた事業を行っていくことが重要であると改めて思い知らされました。
(鉄道・運輸機構 後藤光理)
私は過去に数回御堂筋に行ったことがありますが、大都会大阪の中心にあって人通りも多いのですが、趣のある建築物が多く、歩くだけでも中々面白いと感じました。私の住む名古屋にも中心街を通る大通りはありますが、人通りの多さだけが気になり、歩くことが面倒に感じることもよくあります。
(中日本建設コンサルタント(株) 各務 繁)
御堂筋の整備は、大正時代において、幅広の道路を建設するだけでなく、地下鉄の建設なども含めて実施しており、相当な苦労があったと思う。東京の都市基盤整備は、震災や戦災の復興事業により、大きく進んだが、これらは一度市街地が壊滅的な被害をこうむったからこそ進んだ事業であって、御堂筋の整備は、そういった位置付けの事業ではないものが、様々な苦労によって成し遂げられ、成功したケースといえるのではないか。現在、東京など都市圏では、環状道路の整備や土地区画整理事業などが進められているが、環状道路の整備は50年という長い歳月を経てもまだ完成しないものもある。このことから考えても、当時の大阪市長が、短い期間でそれなりに反対意見なども受けながらうまく事業を遂行できたことは、都市部における基盤整備において、現代でも通用するようなすばらしい事業の進め方ではないかと感じる。そういった意味でも、土木遺産として推薦されてしかるべきの事業ではないかと感じた。
(大成建設 加藤 隆)
まさに土木遺産といった印象を受けました。多くの技術者が知恵と工夫を駆使し、苦労を重ね完成された発電所は規模、景観ともに素晴らしいものであると感じました。また、"教育の場"、"レジャーの場"、"観光の場"として地域との融和が取れていることに大変関心が持てました。今後も美しいまま後世に伝えてほしいと思います。
(金沢大学大学院 平野貴宣)
旭川育ちのため、身近なテーマとして参考になりました。かなり前に廃線となった深名線も、もともとはこの発電所のためにつくられたものであるとは知りませんでした。ただ、この発電所を建設するにあたり、多くの囚人や朝鮮人労働者を酷使し、数知れない人命を奪ったことも一言付け加えてほしかったとも思いました。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 櫻庭 満)
生コンクリートの使用量の6割が建築向けという事実は驚きでした.もしかすると,土木分野ではコンクリート製品のプレキャスト化が進行していると言うことなのかもしれませんが,実際のところは土木の事業が建築の事業以上に減っているということなのでしょう.ただし,それは新規の建設が減っているということであって,旧来のもののメンテナンス等の需要は増えていると思います.極端な話をすると,メンテナンスがよくなれば,劣化に伴う大規模なコンクリートのうち直しなども減るはずで,使用量が減っているからといって,業界が落ち目だということにはならないと思います.使用量や出荷量などの高度成長期の指標にかわる,新しい産業の指標が必要な時代なのかもしれないと思いました.
(広島大学 一井康二)
生コンクリートの出荷量だけで土木と建築のシェアを比較するのは少し無理があると感じました。例えば鋼材に関してみると、鉄鋼連盟のデータでは鋼材使用量で、昨年度の土木と建築の比率は大まかに3対7になります。もっと極端な例では、鉄筋の継手箇所数に関しては、日本圧接協会のデータで、土木のシェアは1割以下です。土木屋としては少し残念ですが、土木vs.建築という面では総合的にもっと差があるように思います。
(首都高速道路(株) 小島 宏)
数回前からの連載であるが、面白いアプローチと思う。確かに実際の構造物の規模を表すには、事業費よりも使われたコンクリート量の方が適当と思われるし、事業分野ごとの盛衰も一目瞭然である。
次の企画も楽しみにしている。
(東亜建設工業 岸真裕 )
モニターを仰せつかる前から,ほぼ毎号読ませてもらっています。視点が面白いのとページ数が程よいのが理由です。データに裏打ちされていますので説得力があります。不動産関係を扱っていただけると面白いと思います。
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)
建設需要の動向について、生コンの出荷量にスポットを当て、出荷量≒消費量という生コンの特性に着目して分析されていることにとても興味を覚えました。次回の記事も楽しみにしております。
(清水建設株式会社 佐野敬)
土木と建築の違いを「生コンクリートの出荷量」を指標に分析をしている点が、非常に斬新的であり、面白い内容でした。ただ、分析内容がトレンド把握にとどまっており、もう少し深めた分析を行っていただければと思いました。難しいとは思いますが「なぜ1990年以降鉄道・電力向けの生コン出荷量が急増したのか」、「なぜ民需建築はバブル崩壊後も生コン出荷量が低減しなかったのか」という点に触れていただければよかったと思います。
(三菱総合研究所 内田景子)
高齢化社会に対する地方の取り組みについて紹介されていました。その中の『高齢者の住み良い町をつくろう。高齢者が増えれば新たな産業も増え、新たな雇用も創出され、若者も住み良い町になる』という考え方は大変関心の持てるものでした。具体的な取り組みは官と民の連携による体制で協議や実験を繰り返すことによるもので、現在は住宅やタクシー事業の改革で今後の発展が期待されています。高齢者は町の伝統の継承や地域行事などで大変貴重な存在といえ、このことは町の活性化にも深くつながってきます。高齢化社会が進む中で、私自身も高齢者のことを考えた土木技術者になれるよう精進したいと思います。
(金沢大学大学院 平野貴宣)
これからの日本の未来に光をあててくれるような記事だと感じ、非常に興味深く読ましていただきました。土木技術者は物を作る技術や経験だけを身につけていくのでなく、それらをツールとして地域づくりという分野で社会に大きく貢献できることを示しています。広い視野を持てば私たちの知識を大きく活かせる所があるという希望が湧きました。ただ希望としては、もう少し詳細に、ページをとって紹介してほしかったです。地域づくりということでは、日本にまだまだ問題を抱えているところが多くあります。成功例を幅広く伝えることで、地域がより発展していくことを願っています。
(前田建設工業 武部篤治 )
人口減少社会における地方都市の取り組みの成功事例を紹介しています。プロジェクト、協議会などの組織づくり、活動の概要が記述してあり、同様の問題を抱える各地の地方都市にとって、非常に参考になるといえます。
取り組みでの困難だった点や課題について触れられていたらよかったと思いました。
(九州大学 梶田佳孝)
個別の部門ではなく土木全体をサポートする土木学会誌の誌面づくりは非常に難しいと思います。これからも試行錯誤を続けていく中で良いものができるように期待しています。
(前田建設工業 今西秀公)
カラーの写真なども多く含んだ充実した内容の学会誌を今のように毎号つくりあげていくのは,編集委員会の皆様の多大な努力の賜物だと思います.しかし,小子化の時代を迎え,土木産業に関わる人が減少していく(たぶん土木学会の会員も減少していく)未来を迎えるので,学会誌の内容を充実させて会員を増やそうという高度成長期の発想ではなく,やや後ろ向きな意見に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが,低予算・低労力で「持続可能な」学会誌編集体制(学会誌発行体制)というものを将来に向けて考え始める必要もあるのではないかと思いました.余計なお世話かもしれませんが,もし編集委員会の皆様に過度な負担がかかっているようだと
上記のような考え方も重要だと思います.
(広島大学 一井康二)
「カバーストーリー」や「この人に聞く」は、もっと紙面を割いても良いように思います。記事が見開き2ページでは、これだけ?といった印象です。
(東京都 荒木成文)
以前は地盤工学会に所属しており、学会誌も愛読してました。しかし、あまりにも専門的な内容であり、じっくり読むこともなく、部屋の隅でほこりをかぶっていた状態でした。その後、土木学会にも一時期入会し、土木学会誌を読む機会も得ましたが、非常に分かりやすい内容で、じっくりと読んだ時期もありました。特に技術士勉強のバイブルとして非常に役に立ったと思います。
しかし、久々に見た印象は、少々方向が少しぶれている気がしてなりません。今回の特集が特別だったのかもしれませんが、以前は「コスト縮減」や「技術者のレベル低下」、「構造物の安全性」など土木技術っぽい内容の特集が多かったような気がします。
決して某専門誌系(日経コンストラクション等)に走れとは言いませんが、やはり”土木”をメインに作り込んだ学会誌に向かった方がいいのではと感じました。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 氏名:櫻庭 満)
冒頭の”Cover Story”は2頁だけでは少ないのでは。「ビジュアルかつ簡潔に」との意図かもしれないが、せっかくプロジェクトを紹介する上では簡潔に過ぎ、あと1〜2頁程度増やしても良いのではないかと思う。
(東亜建設工業 岸真裕 )
記事をじっくりと読む機会がなく、今回が初めて熟読することになりました。土木に関係ないのではと思って読んでいても、最後は土木の話で締めくくられていました。編集に関わる方々は記事作りに大変尽力されていると想像しました。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)
【著者などのプロヒ−ルについて】
土木学会誌では著者などのプロフィ−ルの形式が統一されていないようです。「日本機械学会誌 2006年7月号」では文頭に「執筆者プロフィ−ル」として「氏名」「顔写真」「略歴」が有ります。また、「農業土木学会誌 2006年7月号」では 文尾に「氏名」「顔写真」「略歴」が有ります。これらと比較して土木学会誌は基準が無く適当に扱っているようです。いろいろの面で公平な基準が必要かと思います。
例えば「土木学会誌2006年7月号」では、 6頁〜7頁の「この人に聞く」は本文を読むと清水國明さんのプロフィ−ルが判りますが、本文以外に整理されたプロフィ−ルがありません。
22頁〜23頁の「3.新しい国土計画のなかのスロ−ライフ」では鬼頭宏さんは上智大学経済学部教授となっていますが、鬼頭さんの専門がもう少し詳しく判るように、例えば 上智大学経済学部・大学院地球環境学研究学研究科教授、 専攻領域:経済史・歴史人口学・歴史《正しいかどうか本人の確認が必要》などとした方が親切です。
26頁〜27頁の「自転車ツ−キニストの視点から見た「車道の左端」」では疋田智さんのプロフィ−ルは文尾に比較的詳しく書かれています。
35頁〜37頁の「事故・災害 ハリケ−ン・カトリ−ナの大洪水被災地に立って、ニュ−オ−リンズ復興の道は険しく遠い(現地報告)」では高橋哲郎さんのプロフィ−ルは作家しか書いてありません。
土木学会誌は日本機械学会誌、農業土木学会誌などよりスマ−トで公平で読者(会員)に親切なプロフィ−ルを載せていただきたい。
(山梨大学 荻原能男)
初めて土木学会誌を拝見させていただきましたが、土木を専攻していなくとも理解しやすい構成になっていました。専門色の強い雑誌にしても良いかと思いますが、“特集”のように、誰もがすぐに入り込める記事は、
今後も継続を希望します。
(鉄道・運輸機構 山ア良介)
7月号付録の土木学会平成18年度全国大会案内について7月号に土木学会平成18年度全国大会案内が付録としてありましたが,ページ数が91ページと多いため,可能であれば,別冊もしくは切り離し可能にしてもらいたい.また,掲載されているプログラムについては,論文タイトル後の執筆者・連盟者の名前は全て載せたほうがよいと思う.
(函館工業高等専門学校 橋本紳一郎)
今月号の「全国大会案内」などは、別冊にして頂けると持ち歩くのにも薄くなるし、電車の中でも読みやすくなります。
(清水建設株式会社 時弘みどり)
今月より、モニターをやらせて頂きますが、技術者としてまだまだ未熟な故、的外れな意見を書いてしまうこともあると思いますが、よろしくお願い致します。
(中日本建設コンサルタント(株) 各務 繁)
今号からモニターになりましたので、まだよくわかっていない面が多々ありますが、「土木学会」という名称から受けるイメージとは(良い意味で)かけ離れており、記事の内容が多種多様であったのに驚きました。次号以降も楽しみにしております。
(大阪府 加世堂孝始)
正直申し上げて、実は、私土木学会を一時休会しており、モニタ依頼をきっかけに再入会いたしました。そうした意味では、久々に学会誌を読ませて頂きましたが、以前読ませて頂いた学会誌とは印象がずいぶんと変わりました。すなわち、これまでは、例えば、この橋はいかにすばらしいか、とかこのインフラ整備はいかに有効か、といった土木技術の素晴らしさを示した内容の記事が多かったように記憶しておりますが、今回読ませて頂いた学会誌、特にスローライフに関する記事については、土木といった範疇を超え、文化的な側面からの記事が多かったように思います。読み物として非常に面白かったと思います。但し、1点だけ敢えて申し上げさせていただくとすれば、読み物とするためには少々専門的過ぎる、要は少々わかりにくい言葉が多々使われたように思います。
(匿名希望)
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