土木学会誌
土木学会誌2007年7月号モニター回答


PHOTO REPORT 
自然災害の多い日本の国土において、日常生活の安全、交通の安全性、利便性を向上させる様々なプロジェクトの紹介を興味深く読まさせて頂きました。ビジュアルな内容となっており読みやすいですし、過酷な自然環境を克服する技術のポイントも分かりやすく紹介されております。紹介された技術は他の箇所に対しても大いに参考となろうかと思いますし、地域の社会生活を守るため、土木の仕事は今後とも不可欠と感じました。今後ともホットな話題を期待します。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:高橋三雅)

昔の土木学会誌に比べて、格段にわかりやすくなった理由の一つが このPHOTOリポートだと思います。見開き2ページで、 プロジェクトの概要が写真つきでまとめられているので、通勤途中の電車の中で、読みやすいです。
(所属:阪神高速道路(株) 氏名:崎谷 淨)

PHOTO REPORT (2) 国内最大の自動化オープンケーソン工法による寺畑前川地下調節池が完成間近 ―集中豪雨時の住宅密集地における洪水災害を繰り返さないために― 
オープンケーソン工法の施工は建設会社に属していてもなかなか見ることができない特殊な工事だと思います。また、盤ぶくれ等防止するための水中コンクリートを50%ボリュームダウンできたことも素晴らしい提案だと思いますし、温度ひび割れ対策など苦労されたことも多々あっただろうと思います。自動化技術や施工方法などもっと詳細に書かれていると、若い世代などにも興味を持ってもらえるのではと思いました。
(所属:東亜建設工業 氏名:濱田洋志)

この人に聞く 東京大学教授 藤森照信さんに聞きました ―明治の土木建造物は美しい― 
藤森先生の活動が,マスコミで色々と報道されているのを拝見して,とてもわくわくした気持ちになります。人は美しいものを残そうとする,とおっしゃる言葉にはまちづくりの基本を再認識させていただきました。まちを美しくしたいという気持ちを住民の方にわかりやすく・夢を持たせて説明していかないといけないと,気が引き締まる思いです。
(所属:パシフィックコンサルタンツ(株) 氏名:宮本昌彰)

建築と土木の共通することとして使う人の視点で使う人の理解できる言葉で説明できることが必要−は全く同感です。日ごろついつい設計基準通りやれば問題ないと考えてしまいがちですが、設計基準が「なぜそうなっているのか」をつきつめていく雰囲気こそ今の土木業界に必要であり、それが土木への理解につながるのではと感じました。それとインタビュー対象者が、どういう分野の専門家で、なぜこの人を取り上げるのかという説明が最初にほしいと思います。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史)

「人は美しいものを残そうとする」、「バランスがとれた状態を美しいと感じる」ということに共感しました。景観とバランスのとれた構造物はとても美しいです。そして土木の構造物は、歴史を感じることができるところが素晴らしいと私は感じます。
美しいものを造り、その構造物がいつまでも残ってほしいと思いました。
(所属:前田建設 氏名:石井智子)

「人は美しいものは残そうとします。」という言葉に共感しました。藤森先生は「美しい」ことを「バランスがとれ安定している状態」と表現されていました。単に見た目だけでなく、その中身が表れて「美しい」と感じさせるというのは、そのとおりだと思います。役に立たない構造物は、やはり醜いし、早く取り壊してしまえ、という気持ちにさせられます。私は、ものづくりの仕事に携わっていますが、使う人の立場に立って、長く残る構造物を造っていきたいと改めて感じました。
(所属:大林組 氏名:藤井亜紀)

特 集 定年退職後の団塊世代
2007年問題と言われる団塊世代のリタイアよりも,約30年後に始まる団塊ジュニアのリタイアの方が深刻な問題で,30年後に向けて今から準備をする必要があるとのことでした.最近は,成果主義が導入され,景気の動向を睨んだ即効性のある投資が優先される傾向にありますが,土木のモノ造り精神が教えてくれるように,いいモノを作ろうと思えば手間隙かかるのが当然で,即効性と長期性のバランスの取れた考え方が重要です.この機会に,2007年問題だけでなく,2037年問題(?)も考えてみたいと思いました.大変参考になる特集でした.
(所属:九州大学 氏名:古川愛子)

このテーマは、いま旬の話題と期待したが、マスコミレベルの話題提供の域を出なかった、という印象が強い。この話題は、今後も続くと思うので、次回はもう一歩の踏み込みを期待したい。私は今62歳であるので、来年の3月に定年を迎える。やはり関心事は、定年退職後、何をやって過ごすか、ということである。多くのひとは年金をもらえる限度額分だけ稼ぎ、後は悠々自適に過ごすことを勧めるが、自分は、まだばりばり働きたいという気持ちが強い。同じ気持ちの同輩も多いと思う。そこで提案がある。土木学会認定技術者資格制度の活用である。本制度制定の時からその制定意義について議論があった。制定意義の一つに、「適職の斡旋」というのがあったと思う。学会が斡旋役を買って出て、学会誌がその役割の一端を担ったら如何であろう。是非、そのスキームを検討をしていただきたい。
(所属:名古屋工業大学 氏名:和久昭正)

まだ若い私にはシニア層がどのような考え方をされているか知るために,とても有意義な特集でした。ただ,考えてみると記事の通りシニア層に焦点をあてるまちづくりとは,高齢者から若者・子供のすべてにとって望ましい方向性であると気付きます。行き過ぎたまちを是正するきっかけにすぎないように思います。団塊の世代が大量退職する機会をきっかけに,日本のまちが美しく安全で楽しいまちになることを期待しております。
(所属:パシフィックコンサルタンツ(株) 氏名:宮本昌彰)

団塊世代の大量退職で記載されていた、アンケート結果で「老若を問わず技術の継承を望む声が多かった」そうだが、企業は具体的にどのような対策行ってきたのだろうか?他業種とは違い、形の無いものを継承していく難しさが確かにこの業界にはあるものの、今だにそんな話が出ること事態、お粗末な印象を拭い得ない。私のある友人で、建設業界から他業種へ転職した人間は「建設業界は一般企業と比べて10年、感覚遅れている」と言っていた。必ずしも正しい言葉ではないとは思うが、私は記事を読んでこの言葉を思い出した。
(所属:清水建設 氏名:加藤貴代)

記事でも指摘されているが、団塊世代の方々が就業継続したい理由のうち、「次世代の育成」の比率が比較的低いのに対して、団塊世代以外の方々が団塊世代の方々に高い比率で期待していることが「次世代の育成」であるところは確かに興味深いところではある。
しかし、「団塊の世代」と定義される現在概ね57歳から60歳までの方々と、その前後の世代である50歳代、60歳代の方々のメンタリティにそれほどの違いがあるとは思えない。仮に50歳代、60歳代の方々に退職後の就業継続理由について尋ねれば、やはり「次世代の育成」の比率は低いのではなかろうか。他人に期待することと自分がやりたいこととでは、差が出るのが当然だからである。
とはいえ、団塊世代の方々が退職されることによって、彼らに蓄積された技術や技能が企業から失われることは大きな損失であり、また責任感の強い団塊世代の方々にとっても見過ごせないことであろう。
特集1の対談の中でも述べられているが、技術・技能を次世代に確実に継承していくことは重要な問題である。暴論かもしれないが、再雇用した方々に単に企業の戦力として退職前の仕事をそのまま続けて頂くのではなく、次世代の育成のみを目的とした再雇用のあり方というのも、今後は検討する必要があるのではないかと思う。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:川田成彦)

少子高齢化社会を迎え、社会全体で、定年退職後に 自分が今まで培ってきた技能、経験を活かせるような場所を提供することが必要となると思う。現在の団塊世代の方が退職後にどのような生き方を考えられているか調査をされていたので、大変興味深かったです。
(所属:阪神高速道路(株) 氏名:崎谷 淨)

テーマに沿った材料集めと提示に徹し、判断は読者にゆだねるという編集スタイルのよう。高い理解力を持った方々の集団である土木学会ならではのスタイルだとは思うが、読者の忙しい日常を考えれば、調べた結果はどうだった、どんなことが明らかになったという編集者の目を、もう少し出してもいいのではないか。「特集・定年退職後の団塊世代」とメーンタイトルを掲げるなら、団塊世代がどんな状況にあるのか、どうなろうとしているのか、どうすべきなのか等々をサブタイトルで補足してはどうか。対談や動向、戦略など、各章のタイトルも同じだ。記事中の中見出しでは、きちんと内容のポイントを抑えて表現しているのだから、その延長でタイトルに内容を反映できないか、ご検討を。
(所属:元専門雑誌編集者 氏名:川村正敏)

1.対談 少子高齢社会とアクティブシニアの動向に対するインフラ戦略
社会基盤、団塊世代いずれも高年齢化してきており、見直しの時代に来ていることは確かである。対談中の「定年であってもまだまだ勤労意欲があり、健康である人々が沢山いる」のは同感である。私が農村活性化業務で接する就農者の多くも高齢者であるが、「健康な限り働きたい」と言う方がほとんどであり、実際日本の農業は高齢者に支えられていると言っても過言ではないであろう。団塊世代のリタイアで、技術の伝承、労働力の減少等が、大きく問題視される上に、若者の「理系離れ」が追い打ちを掛けている。宮沢氏が言われるように「高齢者でも働ける、新たな就業スタイルの確立」は、これらの問題の打開策の一つとして大きく期待される。
(株)栄設計 氏名:木村了)

社会資本の高齢化に伴う更新の制度設計についての問題提起を興味深く読みました。高速道路では毎年集中工事により更新が行われておりそれだけで相当のエネルギーを使っていると思いますが、これと同じようなことを日本の全ての社会資本でおこなうことはできないのは明らかです。どのように取捨選択していくべきなのか、これからの議論を期待したいと思います。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史)

7月号の特集記事の冒頭、宮沢代議士、森地教授の対談が掲載され、その対談の中にヨーロッパのCounter Urbanization(逆都市化)という考え方が 紹介されていました。地方で仕事をしている人間にとっては、地域の魅力を引き出し、地域活性化につながる事業を真剣に掘り起こし、実施していかねばならないと感じました。
(所属:山梨県 氏名:中村克巳)

道路ネットワーク整備や交通弱者対策、既存ストックの有効活用等、社会資本整備の課題は山積している。また、今後生産年齢人口比率の低下による国土全体の衰退が危惧されており、1970年代に生まれた第二次ベビーブーマーのリタイア時期である30年後が最も厳しい時期と言われている。私も第二次ベビーブーマーの当事者であり、今後我々の世代が自立可能かつ状況対応力のある国土をいかにして形成していくことができるかが我々に課せられた任務であることを、この記事を通じて強く認識させられた。
(所属:東京急行電鉄 氏名:小野浩之)

土木学会誌側の質問を対談にしたり,会員の質問をたずねる場にするなど発展が欲しかった.
(所属:徳島大学 氏名:山口奈津美)

2.定年退職後の団塊世代の動向
団塊世代の方自身が就業継続の理由として「次世代の育成」を挙げている人の割合が約20%というアンケート結果には正直驚きました。また、同じ建設業界でも建設会社とコンサルタントでは全く年齢構成も違うということも今回初めて知りました。技術の伝承、次世代育成のためには、定年を迎える団塊世代の方には何らかの形で就業を継続してもらい、これからもアドバイスを頂くのが適切な方法だと、これまで単純に考えていましたが、今回の特集で「定年する側と残る側の就業継続に対する意識にずれがあること」、「業種により団塊世代の定年退職の影響度が大きく異なること」ということを初めて知り、単純にこちらの希望だけではなく、両者の思惑を理解しあった上で、業種毎にどのような方法が良いかを検討していかねばならない問題であることをあらためて認識することができました。
(所属:鹿島建設 氏名:三木浩司)

私が所属する事業所においても、今年定年を迎えて退職されることがおられることから2007年問題は、他人事ではない問題であります。現在、私たちが生活している社会資本のほとんどが団塊世代の方々が作り上げたものであると言っても過言ではありません。再雇用だけでなく、退職前からも団塊世代が持つ技術を確実に継承していくことが必要であるとつくづく感じています。学会だけでなく業界の問題として産官学それぞれの積極的な取り組みと相互の連携が必要であると感じました。
(所属:中研コンサルタント 氏名:岡田八千代)

先輩方の有している知見は、是非後進の我々に伝承していただきたいと思います。特に品質管理の部分(設計や施工管理で陥りやすいミス)に関するアドバイスを期待しています。失礼ながら、成功談より失敗談はなによりのお手本になります。今回の記事は、OBの方になにができるかという視点で論ぜられていますが、迎え入れる企業側が、どういう部分での活用を検討しているかという側面の記事があればよかったと思いました。
(所属:東京大学大学院 氏名:大塚佳臣)

2-1.生涯現役社会の構築
日本と同じように高齢化する欧州の60歳以上の男性の就労意思が低いのはなぜなのでしょうか。社会との接点の取り方が違うからでしょうか。少しうらやましいとはお思います。ですが、日本がまれにみる少子高齢化社会になるのにおいて、経験豊富な高年齢世代に仕事をしてもらうということが大切であることは良く分かります。
その上で、定年が人生の節目として大きなものであることは、予想できましたが、高齢者の就労に大きな影響をおよぼすことを数字で示され、実感されました。
生涯現役社会、皆が健康で将来を見据えた社会の実現を目指していく必要があると思います。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:小川逸作)

労働力率のグラフは「60歳代の男性について見たものであるが」ということであるが、女性は紙幅の関係で無視していいほどに労働力率は低いのかと思って調べてみた。日本の場合、 2004年の女性の労働力率は、 25-29歳に74%のピークがあり、その後、30-39歳代に62%程度に下がった後に、45-49歳で再び73%に上昇し、そこから下降を続け60-64歳の女性の労働力率は約40%である。30代で女性の労働力率がいったん下がり、いわゆるM字カーブなるのは、子育ての時期に離職して育児に専念する人が多いためである。ちなみに30-39歳代の男性の労働力率(97%前後)は、まったくくぼまずに横ばいで推移する。また、ヨーロッパや中国の女性の労働力率には、これほどはっきりしたM字のくぼみはない。特集記事では、(男性は?)定年退職を経験すると、その後の60歳代で能力を活用できる確率が低下してしまうから定年を見直すべきだと指摘しているが、30代の子育て時期に離職を経験する女性についても全く同様のことが言えるのではないだろうか。子育て時期に就業を継続できる環境が整備されていないことは、少子化にも一定の関係があるだろうし、雇用制度の問題を語るにはこうしたジェンダーの視点を無視する訳にはいかないのではないかと感じた。
(所属:秋田大学 氏名:後藤文彦)

団塊世代の一斉退職が始まった今、生産労働人口の確保対策として、海外労働者や潜在労働力としての女性やフリーターの活用が言われていますが、それら導入検討の前に、技術の伝承という観点からも働きたいのに働けないという定年退職者の再雇用が最優先だと考えます。しかし、一方で、日本の高齢者の就業意思が他の先進国に比べて高い理由としては、社会福祉制度への不安も原因の一つではないかと考えています。今後は、雇用制度と社会福祉制度の充実を基礎に、高齢者にオプションを提供していけるような社会の構築を期待します。
(所属:国土交通省 関東地方整備局 相武国道事務所 計画課 氏名:小川純子)

急速に進む高齢化と、高齢者の就業意思が欧米諸国よりも高いという現実への処方箋として興味深く拝見しました。欲を言えば、なぜ欧米に比べ日韓両国の高齢者就業意思が高いのか、労働に対する価値観の違いなのかそれとも労働以外の選択肢が閉ざされているからなのか、を考察したうえで、より大きなビジョンの中で高齢者就業のあり方を論じていくことも必要かと思いました。
(所属:地球環境戦略研究機関 氏名:小嶋公史)

2-2.団塊世代の今後の動向 −土木技術者を対象として−
土木技術者を対象としたアンケートの中で、退職後の就業継続理由から読み取れるのは「団塊の世代に対し周辺は次世代の育成を期待している(80%)のに対して本人はそういう意識があまりない(20%)」ということではないでしょうか。技術力の低下が指摘される昨今ですが、退職後だけでなく今から次世代の育成を意識してもらう必要があるのではと感じました。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史)

企業が団塊世代の方々に「戦力」「次世代の育成」を望んでいることは身にしみて実感しています。就業継続を希望する団塊の世代の方々と今まで同様に就業を望む団塊世代以外の方々、両者の希望は同じところにあるのにそううまくいかない現実があることを実感させられる記事でした。
(所属:東亜建設工業 氏名:濱田洋志)

3.シニア層に焦点を当てた新たな戦略 
この記事を読み、改めて長期滞在観光がもたらす影響や今後の長期滞在観光の姿を考えるいいきっかけとなった。以下に私見を述べる。(一)長期滞在観光が可能なリタイアメント層はある程度金銭的にもゆとりのある層だと考えられる。このような層が都市部に無いものを求め、地域にある一定期間張り付くことは地域経済にも大きな影響を与える機会と考えれる。また、(二)リタイアメント層と高齢化が進行している地域の住民は世代にもさほどのギャップが無いと考えれるので、リタイアメント層と住民との交流において思わぬ副産物(新たなビジネスやトレンド)が生まれるのではないかと考えれる。上述の二点が思い浮かんだとき、「地域コンシェルジュ」の存在は今後必要になるのではと考えさせられた。できうれば、チップをねだるような安宿のコンシェルジュではなく五つ星ホテルのコンシェルジュの様に気品を持っていて欲しいと思う。
(氏名:尾島 洋)

3-1.アクティブシニアを対象とした輸送サービス
最近新聞広告や、旅行会社のパンフレットを見ても、シニア層をターゲットにしたと思われる商品が増えていると思われる。例えばグリーン車利用などによるゆったり&高級指向の旅等である。そんななかJRもシニア層をターゲットに大人の休日倶楽部等をしているのは知っていたが、そのほかにも切符の値段を確認して買わなくてもいいスイカ等のカードや、グリーン席車両導入による有料着席サービスがシニア層を狙ったものとはこれを読むまで知らなかった。
(所属:武蔵村山市 氏名:鈴木哲人)

ミニ特集 災害シリーズ 災害発生! そのとき、どうする? 第2回 洪水災害編 
地球温暖化による気候変動の問題が叫ばれる中、当面、土木技術者の直面する洪水被害に着目し、その対策について紹介された記事を興味深く読ませて頂きました。かねて気象専門家により行われている豪雨予測技術について、その内容、精度、問題点等について紹介されていますが、土木技術者としても知っておくべき技術であると思いました。今後、洪水災害に対して的確な対策を講じるためにも、精度向上が大いに期待されます。さらに今回は、予測技術や対策事例といったハードな内容に偏らず、避難対策、情報課題等のソフト面での課題が紹介されており、それらを克服する必要性を強く感じました。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:高橋三雅)

IPCCの報告で世界的に大雨が増加している可能性が高いとの結論が出されたとのこと。わが国でも大雨が増加傾向にあり、大都市で問題となっている集中豪雨とあわせ、ソフト・ハード両面からの対策の重要性を改めて感じた。記事は気象予測、施設整備、災害情報のあり方と、バランスよく構成されていて良かったと思う。
(所属:東京都 氏名:岡本淑子)

昔に比べて、雨が降ったときに保水力(貯水能力)のある山林、田圃や畑の面積が減少したことに伴い、雨が降るとすぐに川の水位が上がり、豪雨となったときには橋が流されたり、堤防を越流し、洪水の被害が起きています。それを防ぐため、昔はダムが造られていましたが、最近では多目的調整池や調整池トンネルが各地でつくられているようです。豪雨がふっても、被害がないのは、このような施設がどこかで造られていて、それがきちっと機能しているからかもしれません。もっと、世の中にこういう効果がありますとアピールをして、土木の良さを一般の方に知って頂けたらと思います。
(所属:阪神高速道路(株) 氏名:崎谷 淨)

ここ最近、集中豪雨による土砂災害により、毎年、犠牲者が発生しているように感じます。一人の土木技術者として、どうにかならないものかと胸を痛めております。今回、洪水災害編ということで特集を組まれ、都市災害や防災意識への取り組み状況が報告されており、このような活動、分析の必要性を強く感じました。また、一般の人たちが理解しやすい情報の発信をする必要があると感じました。環七地下調節地や鶴見川多目的遊水地などの施設面の対策例として、地方での取り組み(災害対策工事、施設)などの紹介があるとなお良かったと思います。
(所属:東京急行電鉄 氏名:小里好臣)

一市民として学会および学会誌に期待したいのが、まさにこのテーマ。学会誌が一次読者である会員だけでなく、その向こうにいる二次、三次の読者=一般市民も視野に入れた編集をしてくれるなら、災害に関する記事をもっと分かりやすく、もっと具体的に、もっと広くそして深くつくってもらいたい。国交省や業界団体等も頑張って一般市民に向けた情報提供をしているが、最先端の研究成果を盛り込みながら中立で市民に信頼される情報を発信するのは、アカデミズムの世界の方が向く。そうした情報を知りたい市民は多いはず。しかし現状、一般市民が得る災害関連の知識の大半は、大災害の直後だけ大騒ぎする一般マスコミからのもの。災害の怖さは一瞬報じられても、しばらくすると防災工事も何もかも公共工事=無駄の文脈の中に埋もれ、いつまでたっても堂々巡りのような気がしてならない。学会誌がその時々の最先端の研究成果を反省させた記事を定期的にわかりやすくまとめ、読者である会員に届けておけば、意外とその読者の周辺に情報は流れるもの。ウエブを併用すればさらに広がる。積極的に会員に情報伝達役を訴えかければ、土木と一般社会とのつなぎにもなるし・・・今回の記事をながめながら、これをもっと発展充実させてくれればなあと夢見てのコメントです。
(所属:元専門雑誌編集者 氏名:川村正敏)

自然外力の脅威を知る INTERVIEW 豪雨は本当に増えているの?
短時間的な豪雨発生の数値モデルについては予想結果が良い時と良くない時があり、その予測モデルもそうだが、主に初期条件の精度が、問題であるとのこと。そこそこの地域で天気予報がなされている中で、豪雨発生予測が難しいの正確な地域予想が必要だからなのでしょうか。また、予測はどのくらい前からできるのでしょうか、気になりました。
また、確かに防災の面で、個々の地域での数十年間という限られたデータ、あるいは、経験を超えて発生する現象についての対応を考え続けてゆかなければならないことであると思いました。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:小川逸作)

内容は気象研究家である筆者が、雲の状態、都市の影響、データ情報の解析など、解りやすく説明されていて、とても面白く興味深い記事であった。近年の豪雨については、私も数年前から「何か、変だ?」と訝しく思っており、今日のニュースでも九州地方の長期集中豪雨を取り上げていた。記事によると、「自然現象は長期的に凄いことが起きることもある」とあり、何も地球温暖化や都市化の影響だけとは言い切れないとしているが、いずれにしても、被災地には人命に関わる大きな被害が出ている。そもそも、土木の始まりはこの様な自然の猛威から免れる手段として発達してきた技術であり、このような豪雨に対しても気象研究家との連携を図り、新たな対策を講じて行く必要がある。近年やや肩身の狭くなった土木業界も、まだまだ行うべき社会貢献は沢山あると感じた。
(所属:(株)栄設計 氏名:木村了)

洪水への備えを知る 
まさに2005年9月の東京集中豪雨時,紹介されている地下調整池のすぐ近く善福寺川からほどない所に住んでいた.時間とともにひどくなる雨音と水嵩が増してくる善福寺川の轟音が,どうすることもできない不安感を増幅させ,居てもたってもいられなかった.それ以降,洪水ハザードマップを確認し,避難経路を頭でなぞり,避難セットも常備するようになった.緊迫した状況の経験が私に備えの大切さを教えたが,その時大事になっていたら何も対応できず動けなかっただろう.命につながる災害時の行動と判断は,災害への自己認識による備えから少しでも変わってくるということを実感した.
(所属:名古屋大学 氏名:尾花まき子)

ソフト対策(1) 確実に避難するための情報戦略 確実な避難に向けた情報課題 
不確実な避難情報を住民がきちんと把握するために,information⇒communicationという概念のもとで行われる「理解の防災教育」は今後の防災教育を考えるにあたり考慮すべきもので,正常化の偏見を取り除く意味でも,「理解の防災教育」を住民同士で考えていけるように発展させていくべきだと感じた.その「理解の防災教育」では,避難情報が過大評価であったとしても疑いなく避難してもらうために,災害時は絶体絶命の状況下であることをリアリティを持って考えてもらうことが必要である.
(所属:徳島大学 氏名:山口奈津美)

学生記事 インドネシア防災教育活動記 第3回(最終回)
防災教育活動を通じて異国文化を目の当たりにした筆者のストレートな感情が素直に表現されていて、大変興味深い内容でした。ただ、連載の最終回ということもあるのかもしれませんが、本号を読んだだけの読者は、WASENDってそもそもどんな団体なの?KOGAMI、UGMとは?といった疑問を抱くのではないでしょうか。連載もの全般に共通することかもしれませんが、前号までのあらすじを入れるとか、キーとなる用語等の解説を入れるとか、連載ものでも最新号を読めば、ある程度大筋の理解が得られるような工夫があると、よりよいのではないでしょうか。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:坂上 崇)

モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場 円山川・出石川の災害復旧現場
現場の雰囲気が良くわかるイラストと素朴なコメントに毎回楽しく拝見させていただいております。現地を観察しているモリナガ氏の様子が浮かんできます。土木ビギナーと書かれておられますが、ポイントがわかりやすく納得しながら読ませていただきました。写真では伝わらないものがあるように思います。
(所属:大阪府  氏名:下村良希)

学生記事 地震EXPO
備えあれば憂いなしと言いますが,防災グッズの備えだけでなく,あるもので何とかする柔軟性,創造性,それを支える常識力を日々鍛えておかなければいけないと思いました.また,機能だけでなくデザイン性にも凝った防災グッズは,人々の防災意識を高めることにも役立ち面白いと思いました.
(所属:九州大学 氏名:古川愛子)

CEリポート わだい 古代史における土木遺産と古代土木史 縄文の土木―土木技術の源流を探る―( CIVIL ENGINEERING HISTORY in JOMON PERIOD) 
温故知新という言葉があるように、土木史を知ることは土木技術者にとって重要なことだと思います。今回の土木史の話は興味深く読ませて頂きました。縄文時代の遺跡は、穴ばかりが発掘されるということですが、 色々と想像力をかき立てられておもしろそうに感じました。土木的な話がちょっと少なかったのが残念でしたが、他の時代の土木史も知りたいと思いました。
(所属:JFE技研 氏名:林 正宏)

土木学会誌よりも、雑誌Newtonに近い内容の記事であり、なかなか面白かったとは思う。今後も継続して掲載して頂きたい。
(所属:清水建設 氏名:加藤貴代)

大変興味深く読ませていただきました.遺跡発掘を通して,その時代の人々の生活様式や社会の仕組みを考察する.考古学では,当たり前の手法であり,ここでは,今から1万3000年前の縄文時代の遺跡からみた人口推移・人口分布・生活様式などについて紹介されている.土木工学では,これほど古い時代の土木史を考えた例は少ない.文章を読むことで,縄文時代の遺跡からも土木の歴史を知ることができ,古代の人々の生活そのものが「土木」と深く関係していたことが再認識される.間口の広さは土木の特徴でもあり,今後も,このような企画で読者を楽しませて欲しい.
(所属:香川大学 氏名:石塚正秀)

知的好奇心をかきたててくれ、かつ土木とはなんぞやという基本命題について考えさせてくれる素晴らしい記事だと思いました。今回の縄文時代に引き続き、今後も弥生時代、古墳時代と時代を追って企画を継続していく予定とのことですので、今後も楽しみにしています。
(所属:地球環境戦略研究機関 氏名:小嶋公史)

CEリポート わだい 各務原市発ドラマ仕立てのインフラ整備 ―(仮称)各務原大橋プロポーザル(提案競技)について
今回の記事を読んで、地域住民の意見を取り入れたインフラ整備の実施は非常に良い取組みであると感じた。公共事業の悪いイメージを払拭し、土木構造物を身近なものに感じてもらうためには、今回のような取組みを今後も推進していくべきだと思う。そして、国民に社会基盤のあり方を再認識してもらえたらありがたいことである。 最後に、私の故郷に架かる橋であるので、ぜひ一度拝見したいものである。
(所属:東亜建設工業 氏名:水野雅仁)

インフラ整備のような公共事業を行う上で、地域住民の合意形成は重要な課題の一つであると考えています。この記事のように、公開プロポーザルで選ばれ、また、アンケートによる住民の意見が反映されるのは、地域の人々がまちづくりに関心を持つという意味で理想的な形だと思います。今後、このような事例がますます増えていくこと、引いては、PI方式の広がりを期待します。
(所属:国土交通省 関東地方整備局 相武国道事務所 計画課 氏名:小川純子)

各務原大橋のデザインプロポーザルは、募集の方法、透明性のある審査のプロセス、その後の展開(住民への問い掛け)どれを取ってもすばらしい取り組みと感じました。どの公共事業でも住民の合意形成については、試行錯誤し、最適な方法を模索している中で一つのモデルケースとして評価できると思います。また、模型を子どもたちのキャンパスとして解放するなど、遊び心を持ったイベントも行い、橋への愛着心を根付かせる効果も出ています。私自身、今後の参考にさせていただきたいと感じました。
(所属:東京急行電鉄 氏名:小里好臣)

CEリポート ぎじゅつ 吹田操車場を語る 
吹田操車場の歴史を語る中で貨物輸送の変遷がわかりやすく説明されており、興味深く読めました。トラック輸送の利便性に対抗しきれず姿を消すことになったものの、こうした遺産を語り継ぐことは、時代の流れを感じるとともに、これからの時代を想像する発想のヒントをくれるような気がします。地球環境問題、少子高齢化社会の到来を迎えるなか、トラックによる少量輸送が今後どうなるのか?どうあるべきなのか?幹線輸送のあり方を考える契機になりそうです。
(所属:JR東日本 氏名:三島大輔)

1歳半になる私の息子が最近電車に興味を持ち始めました。私もこの記事を見て、規模に驚いたり当時のことを想像したりしているのを考えると、鉄道への思いというのは世代を超えても変わらないのだなと思いました。
(所属:東亜建設工業 氏名:濱田洋志)

CEリポート ぎじゅつ 「自然との共生」を合言葉にした鷹生ダムの施工 
「自然との共生」が叫ばれて久しいが、これほど自然に対してきめ細かな配慮がなされた工事が有ったことに驚かされた。近年は土木工事にも様々な面での環境配慮が必要とされるが、実際は経済面、技術面、工期の問題から当初の理想とはかけ離れた工事に終始する。「樹木移植には沢山の費用が掛かったであろう。
貯水地表面水を暖めるのには工期との調整が大変であっただろう。
途中出てきた玉石の処理には急遽設計変更が必要だったであろう。」など、ついつい担当者の苦労を想像してしまう。(この様なことを想像する時点で、理想はとん挫してしまうのだが・・・・・)記事の鷹生ダムではその様な現実にもめげず、一貫した地域環境配慮型工事が行われた。 地域住民、発注者、施工者の一丸となった環境への強い意志が、この工事を実現させたのであろう。
(所属:(株)栄設計 氏名:木村了)

見どころ土木遺産 青岩橋
昨年度の土木学会選奨土木遺産に選ばれた青岩橋の記事にとても興味を持ちました.その時代背景を含め,青岩橋の詳細な解説が良くまとめられていました.トレッスルといえば鉄道橋,というイメージでしたが,青岩橋は道路橋にトレッスルが用いられています.このような素晴らしい土木遺産を広く市民の知るところとし,後世まで残していくことが大切だと思います.
(所属:東北大学 氏名:内藤英樹)

この記事の写真を、最初会誌をぱらぱらと見ていたとき、鉄道の橋かと思ってしまったが位置図を見てみたらどうも鉄道路線とは位置がちがう。興味を惹かれて記事に目を通してみたら道路橋であることがわかった。もっともな疑問としてなぜ道路橋にこのトレッスルタイプがあるかや、その経緯等が書かれており、疑問から解決という流れで読み込めた記事であった。
(所属:武蔵村山市 氏名:鈴木哲人)

会社の歴史を扱っている仕事柄、土木遺産関連、歴史関連の記事にはついつい頁をめくる手が止まってしまう。土木学会図書館のデジタルアーカイブスにある「土木建築工事画法」は、ワンクリックで古い資料が読めるため私もよく利用させていただいていて重宝している。
この青岩橋の昭和10年の写真と現在の写真、変わっているところと変わっていないところを見比べながら、当時の施工にかかわった方々のことをボーっと考えるのが私の至福のひと時である。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:小田晶子)

制度が変わる、土木が変わる 第3回 バリアフリー新法 
日頃、目の前の仕事に追われる技術者に対し、世の中の変化を知る有意義な記事と思います。制度の内容の紹介はもとより、新たな制度による事例紹介は、今後の制度適用に大いに参考になろうかと思います。土木技術者の対象とする事業の範囲が今後、ますます広がっていく時勢に合った記事かと思います。詳しく調べる方のために参考文献を充実して頂ければ助かるかと思います。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:高橋三雅)

バリアフリー新法について、旧法との関係、先進事例等が見開き2ページに、見やすく、かつ、コンパクトにまとめられていると思います。ハートビル法の対象であった建築物と交通バリアフリー法の対象であった旅客施設との仕切りが取り払われ、ユーザーの視点に立ったバリアフリー化整備のための新法が確立されたことが紹介されていますが、本号の「この人に聞く」で藤森教授が「土木、建築はつくる側はバラバラだが、使う側からすると同じもの。使う側の視点を考えないといけない。」という趣旨の話をされていて、そのような動きが具体化していることを認識できます。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:坂上 崇)

Joker2号 大内雅博の当たらずといえども遠からず 第16回 台湾と韓国は異常だったのか? 
毎回楽しく読んでいる記事であるが、今回、沖縄の建築特性に着目した分析は特段におもしろかった。記事のまとめの「今後の品質が気になる」という言葉もうなずけるものがあった。今後、中国、インドの需要のピークはどれくらいなるのか、妙に気になってしまいました。
(所属:山梨県 氏名:中村克巳)

わが支部にこの人あり 環境編 第5回 関西支部 小野紘一先生(京都大学名誉教授、国立舞鶴工業高等専門学校校長)地域に根ざした環境都市実現に向けて
天橋立が環境問題に悩まされているとは思いませんでした。環境問題っていうのは汚すのは簡単かもしれませんが、元に戻すのは専門的な知識も必要だし、大変なことだと思います。自然を守ることができるのは、土木の技術です。問題点だけを除去しようとして、間違った対応をしてしまっては大変なことになってしまいます。 しっかりと状況を調べて適切な対応をする必要があると思いました。
(所属:前田建設 氏名:石井智子)

Think Globally, Act Locallyという言葉に代表されるように、環境問題は、類似はあるものの基本は地域得有の要素が強く関係しているため、この記事のように地元の人々が中心となって考えていくことが理想であると思います。今後もこのような地元中心の取り組みが増えていくといいなと思います。
(所属:国土交通省 関東地方整備局 相武国道事務所 計画課  氏名:小川純子)

インタビュー記事と言うこともあり、所々口語調で書かれていることからも地元に密着している感じが受け取れました。しかし、私自身非常に関心の高い環境問題を取り扱った内容ですのでもっと技術的な記述がなされていなかったことが残念でした。このようなインタビュー記事に対しては、さらに1ページ設けて詳細な技術的内容を 紹介する記事にするというのはどうでしょうか。
(所属:中研コンサルタント 氏名:岡田八千代)

ステイトオブジアート 地下空間研究委員会
今回本誌で初めて「地下空間研究委員会」という名前を聞いた。地下空間と言うとなかなか暗くてジメジメしたイメージで、地下街以外での利用を想像できない。しかしこの日本の狭い国土を有効活用するにはもってこいに思える。その為にも震災・水害対策をしっかり講じ、安心して利用できることが必要不可欠である。また地下であれば通年で温度変化が少ないとも聞くので、地下空間を利用することで地球温暖化を食い止められれば一石二鳥ではないだろうか。
(氏名:天王嘉乃)

映画にみるインフラ 生きる 
この記事を見て,『生きる』のような映画が過去のインフラを確認する上でとても重要な資料になることを実感いたしました。『生きる』は過去に見たことがありますが,単なる物語としてだけしか見ていませんでした。なるほど,土木の面から見るといろいろな面白さと疑問点が出るものだと納得いたします。そこで,一度映画全体でロケ地として使われたことが多いインフラを特集してみてはいかがでしょうか?映画でロケにしたいということは,それだけ魅力的な風景が残っている証拠です。単発の映画に関する記事も面白いですが,映画全体を俯瞰した記事も面白いのではないでしょうか。
(所属:パシフィックコンサルタンツ(株) 氏名:宮本昌彰)

建設会社に長く籍を置いていると技術畑ではない私でも、普通の人よりもダムや橋やトンネルなどの土木構造物についつい目が行くことは多いが、この、「公園の謎」は、それを技術畑の方がもっと深めた面白い考察で、思わず熟読してしまった。あの有名なブランコのシーン、公園の横の石造りの橋、そういったものを「土木」の視点からみるとこんなに不思議なことになるのか・・・・と、まるで短い推理小説を読んでいるような秀逸さを感じながら、とても興味深く拝読した。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:小田晶子)

その他
[記事名:平成18年度土木学会会長特別委員会「自然災害軽減への土木学会の役割」報告書の概要について]
この記事を読んで数日後の7/16。再び新潟県中越沖地震が発生した。結論で述べられているように、社会基盤を適切に整備していくことが、重要であることは、疑いようがないのだが、その一方で柏崎刈羽原発で放射能が漏れるなど、あってはならない事態が発生した。その後の歯切れの悪い情報公開等、我々技術者だけの問題ではなく、発注者にも同等、もしくはそれ以上の活動やモラルが要求される時期が来ていると感じられた。
(所属:清水建設 氏名:加藤貴代)
[記事名:委員会報告(デザイン賞はデザインの方向性を示唆できるか)]
デザイン賞の講評は「土木学会デザイン賞」の記事で興味深く読ませていただいているが、応募作品の選外理由を全員に通知することになったのはデザインの質を高める上でとても良いことだと思う。土木構造物は周囲との調和が重要であり、既に地域のランドマークとなるものがある場合にはそれを引き立たせるような姿に設計すべきと考えるが、現実にはデザインに凝った構造物が多く見受けられる。近景で美しくよく配慮された橋梁なども、遠景ではどう評価されるのだろうか。
(所属:東京都 氏名:岡本淑子)
[記事名:理事会だより土木学会出版部門(出版委員会)報告−出版の実態をさぐる−]
既に検討されていることと思うが、電子ブック化をそろそろ考えてもいいのではないか。紙の出版で行く限り、ここで書かれた問題点は解消されることがなさそう。パソコン利用がごく当たり前になっている土木学会の会員に対してであれば、学会誌を含め書籍の電子化、ウエブを使った配布が、他分野に先駆けて実現できる可能性があるのでは?
(所属:元専門雑誌編集者 氏名:川村正敏)
学会誌全般へのご意見,編集委員会への要望等
所々に縦書きの頁が混在していますが、読み進めていく際のアクセントになっていて面白い構成だと思います。これは、編集上何か意図なり、ねらいがあってのことでしょうか?「学会誌」というタイトルからは単調で取っ付き難い冊子をイメージしがちですが、表紙の写真もセンスが良く、幅広い読者に読んでもらおうという意気込みが感じられます。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:坂上 崇)

モニターの声のほかに,編集委員の方の声も載せたらどうでしょうか?雑誌での編集後記では,編集の方の生の声が一番面白いことがありますし,編集の裏側がわかり参考になることがあります。特に土木学会の行事の感想が載ると,(例えその時は行事に参加できなくても)次回からの選択の参考になるのではないでしょうか。土木学会にはたくさんの行事がありますが,どれがどのようなものなのかがいまひとつわかりません。ご検討をよろしくお願いいたします。
(所属:パシフィックコンサルタンツ(株) 氏名:宮本昌彰)

[編集委員への要望: 編集部によるモニター回答の修正について]
>また、編集の都合上、ご回答の趣旨を変えない範囲で一部抜粋や修正
>を行ったうえ掲載する場合がございます。
>ご了承のほどお願い申し上げます。

一部抜粋や修正を行った場合は、どこをどう修正したのかをメールで回答者に確認して了承を得るのが望ましいと思います。「このように修正しましたが、不都合がある場合にはいついつまでに返答ください。返答がない場合はこのまま掲載します」というような感じで。もし既にそういう体制になっておりましたら、以下は、今後もその体制を続けてほしいという意見としてお読み下さい。
モニター回答など、他人の記事に対する意見というのは、その性格上批判的な内容になることも多いと思いますし、批判的な内容の文章を公開したからには、回答者はその内容に対して一定の責任も負うことになると思います。そのような文章を書く場合、他人を批判する以上は自分も隙を見せないように大雑把な一般化を避けてできるだけ例外にも言及したり、普段よく使われるが差別性があったりする表現を避けてポリティカリーコレクトな表現を選んだりといったことに気を配って書いたりすることもあると思います。
それを編集部の主観で「回答の趣旨を変えない」と判断して、例外に言及している部分を冗長だからと削除したり、あまり使われない表現を日常よく使われる表現に修正したりしたのでは、「この人は多数派のことしか考えていない」と誤読されたり、「正論ふうなことを言ってるつもりでも、こんな表現を使っている時点でレベルが知れる」と誤読されたりするかも知れませんし、その誤読に基づく非難を受けるかも知れません。
どんなに編集部が「回答の趣旨を変えない範囲」と思っていても、そのほんのちょっとした表現に回答者のかけがえのない深い意図が潜んでいることもあり得るので、全く修正しないで掲載するのが理想だと思いますし、修正する場合は少なくとも回答者にメールで修正内容に了承を得るのが望ましいと思います。 参考までに、私が05年7月号に「会員の声」として投書させて戴いた際の編集部による修正の例を紹介しておきます。

>土木に関係する話題にしても、「雲で地震予知」だの「ダウジングで
>水脈発見」だの「無尽蔵のフリーエネルギー」だの、
>不正確で非科学的な(言わばトンデモな)情報には事欠きません。

上記の「トンデモな」の部分を編集部に「トンデモない」に改変されてしまいました。「トンデモ」というのは、「トンデモ本(著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本。特にオカルト本やエセ科学本)」から来ていて、典型的なオカルトやエセ科学を嘲笑的に指す言葉です。つまり、「トンデモな」というのは、「いかにもエセ科学みたいな」というような意味であって、日常語の「とんでもない」の意味ではありません。これは、特に大きな誤読を誘発する訳ではないので、どうでもいい例ですが、編集部が打ち込みミスで1字足りないものと確信して親切のつもりで修正したことが、投書者の意図した用語を壊してしまうということもあり得る訳です。
(所属:秋田大学 氏名:後藤文彦)

ゼネコンやコンサルや公務員だけの小さい世界に情報を発信するだけでなく、一般の人達にも読める雑誌、または興味を抱ける雑誌の刊行を考えてみてはどうか?
(所属:清水建設 氏名:加藤貴代)

今月から土木学会誌のモニターをさせていただいておりますが、過去のコメントを見ると、土木業界の人に限定されているようです。学会誌なので当然かもしれませんが、土木学会への新たなる関心を引き出すには、他分野の方々の意見こそ参考になるのではないかと考えます。
(所属:国土交通省 関東地方整備局 相武国道事務所 計画課 氏名:小川純子)

以前の部署でPR誌編集の仕事にもかかわっていたのでこれだけのものを作ることがどれほどの労力を伴うものなのか十分理解している。特に「学会」という性格上、官民学それぞれの立場の方々が読者層であるため、どこでも読めるように、これほどの企画量が要求されるのでしょう。頭の下がる思いです。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:小田晶子)

社会資本の整備・維持に携わっていることを誇りに思えるように、土木のことを「手短に」「わかりやすく」伝えていって欲しいです。ときに、写真やイラストを多用することは視覚に訴えれて効果があると思います。
(所属:阪神高速道路(株) 氏名:崎谷 淨)

会員や,一般の人の質問コーナー部門を作って欲しい.
(氏名:山口奈津美)

土木と今は何の縁もない部外者が口を挟むのは筋違いだなと思いつつ、モニターを安易に引き受けてしまったのでとりあえず書きました。適当に処理して下さい。久々に土木雑誌をみて、自分が昔関係していた某誌と見間違う体裁に目を疑いました。これを本業をかかえた編集委員の方々がつくっているとは脱帽です。大変でしょうが、さらによい学会誌となるよう頑張って下さい。
(所属:元専門雑誌編集者 氏名:川村正敏)

←戻る