土木学会誌
土木学会誌2007年11月号モニター回答


PHOTO REPORT【(1)米国ミネアポリスにおける橋梁崩落事故】
私はミネアポリスの橋梁崩落事故は、リスク管理の観点から大変興味を持っておりました。写真は被害状況を生々しく写しており、被害の甚大さを知る事になりましたが、テレビや新聞では知り得ないこの事故の背景となる部分や、日米での公共施設の維持管理に関してもう少し記事に記していただければと思いました。
(所属:   氏名:尾島 洋)

ミネアポリスの橋梁崩落事故には大きな衝撃を受けました。日本でも今後起こりうる可能性がある事故ということで、事故に対する対応、維持管理方法の改善などについて今後も継続的にレポートして欲しいと思います。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史)

恐ろしい事故である。崩落の原因を一刻も早く明らかにして欲しい。しかし、原因がなんであれこれは人災であろう。日本でこのような事故がないと言い切れるだろうか。詳細な調査報告をぜひ掲載していただきたい。
(所属:前田建設工業 氏名:陳 友真)

「一見は百聞にしかず」と言いますが,崩落事故の様子が数々の写真から分かり,大変興味深く記事を読ませて頂きました.日本でも構造物の老朽化が進んでいると報告されていますが,このような大惨事を起こさないよう産・官・学で連携して構造物の老朽化対策に取り組む必要性を感じました.記事によると崩落原因として老朽化の可能性が高いと感じましたが,この事故に関する今後の追加報告を期待しています.
(所属:名古屋工業大学   氏名:永田和寿   )

PHOTO REPORT【(2)蘇る石垣―匠の技と先端技術の融合―】 
文化財の補修という特殊な工事にスポットライトを当てた点におもしろさを感じました。当時の姿を復元するということは、石工の高度な伝統技術と経験が必要になると思います。記事の中で、そういった石工や専門家などのインタビューがあれば、もっとイメージが湧くのではないかと思いました。
(所属:東亜建設工業 氏名:水野雅仁)

今回、先端技術と匠の技を用いて、皇居の石垣を修復されたわけですが、日本の城跡、マチュピチュやピラミッドなど、過去の石で作られた構造物については、今回のような先端技術がなかったのに建設されていて、すごいことであると思っていました。またそれが(日本の城跡ですが)、先端技術を用いて復旧できるようになったことに驚きました。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:小川 逸作)

昔の石垣の修復について、修復断面の図や修復前、修復後の比較の写真でどの部分を修復したかを解説して頂きました。わかりやすい記事だったのですが、文中にありました「石垣修復支援システム」についても解説して頂ければ、より興味深い記事になったと思います。
(所属:   氏名: 佐野 貴子)

歴史遺産の保存等に現代の技術を活用することは、文化的にも技術的にも大きな意味があると思う。当時の技術に驚くと共に、その業を再認識し、活用していくようになればすばらしいことだと思う。
(所属:清水建設 氏名:加藤 貴代)

こういった石垣を作ること、再現することのできる石工が現代にもいることに感動した。修復前と修復後の違いに驚くと共に、今から300年前の修復工事の施工者は刻銘文が残っているが、現代の施工者の名前は同じように石に刻まれることがあったのだろうかと思ったりもした。
(所属:鹿島建設株式会社   氏名:小田晶子 )

この人に聞く【NHK 教育番組『あしたをつかめ』ディレクター中村由弥子さん、撮影チーフ遠藤大さんに伺いました 働いている人たちの顔が見えるように!】 
目標を持つことは、自分の将来を見出す参考にもなり、毎日を楽しく生きるきっかけにもなると思う。この記事を読み、建設現場で働く若者たちの輝かしさを知り、目標を持つ大切さを改めて実感した。
(所属:金沢工業大学 氏名:高柳 大輔)

この番組を視聴したことがなくて残念ですが、マスコミの影響というものは計り知れないものだとつくづく思います。最近、このような各職種にお手伝いに行って私たちが普段知ることができない業務の一部でも見せていただくことにより、いろいろな発見をもたらせてもらうことがあります。土木というとあまりよいイメージをもたれているとは言えないので、例えば洋菓子職人をパティシエ、システムエンジニアをSEと呼称されているように、土木エンジニアもCEなど横文字で表現するなどをしてイメージを開拓するのも個人的にはいいかなと思ってます。
(所属:中研コンサルタント   氏名:岡田 八千代   )

この番組は実際に見たことがありますが、土木の分野に光を当てた興味深い番組でした。
お二人のご指摘のように土木の現場はまだまだ敷居が高いように思います。
現場で働いている人の顔が見えてくる事で閉鎖的なイメージが少しでも解消されるのであれば、 積極的に公開していく必要があると思います。
記事にある海外(ドバイ)で働く技術者の番組も見ましたが、海外での仕事風景はとても新鮮なものでした。こうした番組の存在を知らない人々もたくさんいると思いますので、土木学会のHP上に番組表を記載していただくと、土木のPRにつながると思います。
(所属:足立区  氏名:白勢 和道   )

特集 自然豊かで美しい風景を生み出す川を目指して―河川法が変わって10 年―
近年、環境問題が重要視される中、河川や海洋の水質や生態系の問題がクローズアップされてきた。国外に目を向けても、経済発展の著しい国々でも問題が顕在化し、国際問題にまで発展しているケースも 多々ある。技術の発展と環境は表裏一体と捉えられているが、環境を問題を通じて、役に立つ技術や計画がこれからはどんどんと生まれてくると思う。題目にあるような「自然豊かで美しいと感じる日が一日も早く訪れることを願い、率先して自らも考えていきたい。
(所属:清水建設 氏名:加藤 貴代)

治水工事が伸展し,洪水のリスクが軽減したのと同時に,多くの都市が成熟化したことで,市民の川に対する意識は,親水に向かいつつあると思われます。川はアメニティスペース,オープンスペースとしての重要な役割を担っています。人数的な視点から考えると,市民が日常生活でふれる「川」というのは,大河川ではなく,治水目的で整備が進められた小河川であると思われます。三面張の味気ない川(水路)であっても,そこに水があれば,市民はアメニティスペースとして利用しています。特に,都市域における川に対する意識や存在価値は,小河川が決定づけていると思われます。大河川流域が主役の流域ガバナンスは,土木工学的にはとっつきやすいかもしれませんが,「市民工学としてのCivil Engineering」を考える上では,まず,小河川や水路に対する流域ガバナンスという視点で取り組んだ方が得るものが大きいのではないか,と思いました。
(所属:東京大学 氏名:大塚佳臣 )

河川法の改正によりこの10年間に河川整備計画の策定に住民参加が進んだことは評価できることだと思います。一方、ここ10年の中に河川をめぐる大きなトピックとしては田中康夫前長野県知事の脱ダム宣言があります。これについての評価は様々ですが、問題提起としては河川法の改正趣旨に沿ったものではなかったかと思います。今回の特集でも「脱ダム」についての各方面からの評価に触れるものがあればよりよかったと思います。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史 )

2.流域管理と地域計画の相互連携を図る―土木学会と国土交通省の共同研究―(福岡捷二) 
多自然型整備が進められて河川と人との距離が近くなる一方で、突発的な集中豪雨が各地で頻発している。必然的に普段生活する場であるまちづくりと流域管理との関係を一体的に考えざるを得ないが、これが本来の姿であると思う。治水に限らずだが、土地利用制度は被災軽減の向けて大きな可能性を秘めている。今後も注目していきたい。
(所属:国土交通省 氏名:田中 成興)

3-1.多摩川河川整備計画は、こうしてつくられた(細見)  
多摩川河川環境管理計画の誕生が、のちの河川法の改正に大きく寄与していたという事実に驚いている。それは多摩川は東京都の水源として重要な河川であるが、全国の河川と比較すると流域面積も小さく、長さも長くないため、多摩川の河川環境管理計画が河川法の改正に至らしめるほど大きな影響力はないと思い込んでいた。しかし、この記事を読んでいくうちに、多摩川河川環境管理計画の誕生のプロセスは、他の河川管理計画作成時の模範とすることができるものであると感じた。それは行政のみではなく、学識経験者や住民・市民が一緒になって計画を作成しているからである。特に計画作成時の情報公開は、様々な人々の意見を聞くことができるという観点から非常に評価できるものである。この記事から私は、小さな出来事でも大きなものを変えることができるということを感じた。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎)

4. 10年の間に変わってきたこと 
近年の都市型水害の原因の多くが、水を速く多くより安全に放流しようと先人達が整備してきた河川であることがとても不思議でした。しかし、この記事を読んで、河川の構造の問題だけでなく、河川との関わりを遮断させ、多くの人々が「これだけ整備していれば大丈夫」とハードに依存していた事も原因のひとつであり、私自身も恥ずかしながらそう感じていた事に気がつきました。ハードに依存せず、川と人が深く関わっていく「生活に近い川」という考え方が広まることで治水、利水だけでなく、水質環境も良好になり、川と人が豊かに関われる環境の整っていくと思いました。
(所属:足立区  氏名:白勢 和道  )

4-1.ダムと環境―清流、流砂、そしてアセットマネジメント―(角哲也) 
ダムができることにより、下流の河床が削られていくので、それをフラッシュ放流により河川の土砂還元が行われているのは知っていましたが、土砂を運搬して供給していることは知りませんでした。普段みている川は、月日の経過と共に、土砂が堆積し、中州が形成され、立派な木が茂っているところがあり、大雨が降ったら大丈夫かなというイメージがありました。おそらくそんなところには、土砂を運搬するようなことはされていないと思いますが、自然の力をうまく利用して、治水を行っていただきたいと思います。
(所属:阪神高速道路 氏名:崎谷 淨   )

4-2.川と人とのかかわりの再生―「遠い水」から「近い水」へ―(嘉田由紀子) 
『「治水」と「利水」という利便性のなかに閉じこめられていく川』というセリフが印象的だった。これまで、水辺の近くに住むことが多く、水辺が生み出す安らぎの空間による恩恵を享受してきた。今までのような、「治める」「利用する」という一方的な関係から一歩進んだ、共生という道へと変化していって欲しいと願う。嘉田知事の政策による滋賀県の今後の変化が非常に楽しみである。
(所属:国土交通省 氏名:小川 純子)

嘉田知事の当選については、琵琶湖周辺での調査を実施していた学者であったこと、新幹線の新駅の新設に反対していたことなどは知っていましたが、その考え方等についてはあまり知られていませんでした。今回の記事は、治水・利水に関する知事の歴史的経緯を踏まえた考え方を知ることができ、異色と言われる知事の背景にある思想・理論を知ることができる、興味深い記事だと思います。
このような記事を企画して頂いた貴誌に、深く感謝いたします。
(所属:   氏名: 佐野 貴子   )

ミニ特集 しま心 
島嶼が抱える3つの話題があり,共通性は無いもののそれぞれ興味深く読ませていただいた.島嶼部の水不足は古くからの課題であり,また,振興は島のみならず大都市以外の地方都市・地域の抱える共通の問題でもある.人が集まり活気ある島つくりのためには,若者が集える環境が必要と思うが,それは一方で自然環境を破壊するリスクも含んでいるようにも思える.ヤンバルに柵を作りマングースから絶滅危惧種を護るアイデアは,それ自体悪いとは思わないが,なんとなく違和感を感じた.もともとマングースはハブから人を守るために移入したと聞いている.十数年前,そのおかげでハブの被害は少なくなったと,ハブ対マングースの戦いを催すガイドさんから聞いたことがある.自然環境のバランスは人の計り知れないところで保たれているように思うが,ハブが絶滅危惧種にならない程度の繁栄を望むのは,内地に住んでいてその被害の恐ろしさを知らない筆者の身勝手な考えかもしれません.
(所属:広島大学   氏名:藤井 堅   )

マングース北上防止柵、水循環、また公共事業依存経済からの転換など島々における多様な取組みが紹介されていて興味深く読みました。特に「その1」は、文章表現が易しく端的な上、グラフ、図、写真等で適確に情報を補うことができるように読みやすく構成されていると思います。記事中紹介された「SHIMADAS」刊行の日本離島センターのHPにアクセスしてみましたが、リアルな島情報が豊富に発信されていて感心しました。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:坂上 崇)

ふーん、河川法が変わって10年なんだ・・・・、ふーん、環境に力を入れるようになったんだ・・・・などと、軽ーい気持ちで頁をめくっていてとびこんできた抱きかかえられたマングースの写真。マングースが好きだから、苦しまずに殺してあげて、殺さなくて済むように増える前に根絶したいというコメントに涙が出ました。駆除作業といっても、蚊やハエとはちがう、哺乳類。それもなかなかの利口者のように見受けられます。担当の方々の苦慮や、現在までの状況がわかりやすく描かれていて、ついつい読みふけってしまいました。外来種退治に生かされる土木技術があることに、驚きました。きっと、ブラックバスなどの駆除にも土木技術が役立つようになるのかもしれませんね。「やんばるのマングース対策技術」が「世界のお手本」になる日を、そして、何の因果か殺されなければならないマングースがいなくなる日を、楽しみにしています。
(所属:鹿島建設株式会社   氏名:小田晶子   )

1.やんばるを守れ!マングース北上防止柵([取材]武田智子、山口由美子) 
外来種の驚異と言えば、カミツキガメやアライグマ、クワガタ、ザリガニ、ブルーギルにブラックバス・・・と、すぐにいつでも挙げられる。後処理を担当される職員や役場の苦労は計り知れない。当初はもちろん、良かれと思って輸入されたに違いないが、善し悪しの判断には実に100年もかかることは肝に銘じておくべきであろう。人間は自然以上のものを作り出せない事を表現した「人が為すと偽(いつわり)となる」という言葉を思い出した。
(所属:川田工業    氏名:畠中 真一   )

大陸から隔離されて外敵からの攻撃を受けることなかったことが功を奏して、貴重種が多く生存している沖縄・奄美大島では、マングースの習性等を十分に把握されずに島に輸入され、生態系を狂わせてしまい、現在その報いを人間は受けているのかもしれない。もともとマングースは、人間が益をもたらす動物として故意に輸入した雑食獣であるのに、今では厄介者として根絶する策がとられているということ聞いて、実に悲しく感じています。しかし、このような状況に対して土木分野の技術が役に立つというのは多方面に亘って有効であると思われる。是非、土木分野が自然を守ることに一役買っていることを世間に広く話題となってもらいたいものである。
(所属:中研コンサルタント   氏名:岡田 八千代   )

キビを食べてしまうネズミや農作業中に出没するハブを退治するために放たれたマングースが希少種ヤンバルクイナを餌として襲い始め、ヤンバルクイナが絶滅の危機にさらされている。これは憂慮する事実である。この記事では、マングース駆除のための土木技術として、北上防止柵が導入されていることが書かれている。その効果はまだ評価中とのことであるが、効果があればマングースの生息地域も限られるためより捕獲しやすくなり、さらに捕獲数も増えると考えられる。これによりヤンバルクイナが絶滅する可能性が少しでも低くなれば良いと切に願っている。また、捕獲したマングースも何か別の生息地に移すことができるような対策が取られることも切に願っている。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎)

3.隠岐・海士町―島まるごとブランド化―(山内道雄[取材]近藤由美、松永光示) 
離島地域では、一部地域を除いて過疎化、少子高齢化、財政悪化が進行しており、社会的問題となっている。また、人間の生活空間の放棄は自然環境にも悪影響を及ぼすことが予想され、適切な自然回復手法の検討は、土木の観点においても重要な検討課題である。一方で、離島地域はその閉鎖性から独特の自然環境、文化が育まれており、多くの人々を魅了する。本事例は、実際にはその裏に多くの困難が 存在することが容易に想像されるが、たくさんの魅力的な島文化の出現は、近年の日本社会の閉塞性を打開するファクターとなりえる。同様の取り組みが、他の離島地域にも展開されていることを大いに期待したい。
(所属:三菱総合研究所  氏名:大木 孝 )

島まるごとのブランド化により財政再建に成功した島根県海士町.さざえカレーは有名ですが,他にも海士ブランドは続々と登場しています.隠岐牛のブランド化により新たな雇用を生み出し,建設業の雇用問題を緩和するなど,既に有るものを最大限利用して利益を上げておられるのには頭が下がります.古い社会基盤施設なども,再開発を戦略的に行うことで付加価値を向上し地域活性化を図るなど,海士町のブランド化から学べそうなことが他にもありそうに思いました.
(所属:九州大学   氏名:古川愛子   )

海士町役場のホームページをみて,アニメーションつきのおもしろい構成におもわず笑ってしまった.徳島県でも,ゼロウェイストやいろどりの上勝町を筆頭に盛んに町おこしがやられていて,山間部の状況も同じように思う.しかし一方で,日本で無人島化してしまった島は78箇所,徳島でも過疎市町村の集落のうち4分の1が限界集落である事実があり,海でも山でもそして街ですら,歩き続けることは難しそうである.しかしそこに住む人や文化が簡単に取り残されてしまうことは本当に惜しい.自分は徳島がどんなところか改めて知り,人に伝えたり,発信している地域をもっと知る必要があると思った.春休みには隠岐に行ってみようと思う.
(所属: 徳島大学  氏名: 山口奈津美  )

モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場【大保ダム(モリナガ・ヨウ)】 
モリナガ・ヨウさんは土木ビギナーだそうですが、同じく土木ビギナーである私にとり、実際の現場がどのようななっているのだうということを、写真よりわかりやすい図で丁寧に解説して頂き、面白く拝見させて頂きました。このシリーズは、ぜひ、続けて頂きたいと思います。
(所属:   氏名: 佐野 貴子  )

いつも面白い視点からのレポートで楽しく読ませてもらっている。もっとも、「面白い視点」というのは私の感覚であって、一般市民の普通の感覚なのかもしれない。土木屋ももっと一般市民に情報発信をするべきとの声があるが、相手がどういうところに興味を抱き、なにに驚きを感じるのかを把握しておかないと単なる自己満足になる可能性があると感じさせられる。
(所属:前田建設工業 氏名:陳 友真)

ダム工事現場の様子を土木ビギナーの目線で漫画を交えて面白く紹介されていたので、大変楽しく読ませていただきました。次回も期待しております。職場でも評判がよかったです。
(所属:茨城県 氏名:黒澤亮一 )

CEリポートわだい【ペットボトルの中の液状化実験―中学校での総合学習支援―(峯垣明)】 
見て・触って・体験しておくことは何にも代え難い知識だと信じていますので、このような活動は是非拡げていただきたいと思います。その体験を、後から理論的に解明してゆくことがそもそもの科学の始まりなのですから。
先日、小学校の父兄による教育に関する座談会に出席する機会がありました。 理科離れの話題では、あるお母さんの「理科なんて何の役にも立たないので、やるだけムダ」という極端な発言を耳にし、各々の意識の相違を痛感しました。自分の記憶を辿ると、子供時代は理科が大好きで、電気・燃焼・動植物のような身近に材料がある事項に関しては遊びの中で実験と観察を繰り返していたことが体験となって、今でもいろいろな事柄を理解するのに役立っています。理屈を考えるのは後からでもできるので、現象を見てたくさん驚いておくことが大切だと感じました。
(所属:川田工業    氏名:畠中 真一   )

実験を通じて、多くの人に土木を感じてもらうことは非常に喜ばしく思った。私も学生時代に様々な実験経験したことは鮮明に覚えているし、今回実験を通じて土木工学に興味を持ち、将来の担い手となってくれる人材が一人でも多く現れればすばらしいと思う
(所属:清水建設 氏名:加藤 貴代)

記事の中にもありましたが、小中学校の子供達に「土木」の魅力を伝えることは、子供達に土木への興味を湧かせるチャンスとなるだけでなく、伝える側にとっても「どうすればもっと興味をもってもらえるのか?」を考えさせられる良い機会となると思います。これからもこのような活動が増え、土木の魅力を知る若者達が増えることを望みます。一方で、土木の魅力には気付いてはいても、自分の職業となると敬遠してしまう学生も多いのではないかと思います。少し前の特集に、「あなたの子どもを土木技術者にしたいですか?・・・」というものがありましたが、土木に興味を持った若者が安心して土木の世界に進んで行けるようにするためにどうしていくべきかといった記事も増えていってほしいと思います。
(所属:前田建設工業 名前:松林 卓)

若者の理系離れが問題になっていますが,その理由のひとつとして,数学や理科を難しいだけで役に立たない教科であると感じている若者が多いということが挙げられると思います.ペットボトルの液状化実験や,紙で丈夫な橋を作ることなど,土質力学・構造力学を知らなくても理解できる現象はたくさんあります.小学生・中学生のころから,総合学習支援などで科学に触れる機会を少しでも多く持てたら,理系離れを食い止めることができるのではないかと思いました.
(所属:九州大学   氏名:古川愛子   )

中学校に限らず、子供を対象としたこういった身近にあるもので、土木の基礎を学ぶ場を提供する ことは、興味をもってもらうのにとてもよいと思います。当然、子供たちに教えるためには「わかりやすく」する必要があり、あるものごとを「簡潔に」する能力を勉強するよい機会にもなります。是非、引き続きこういった活動を続けていってほしいと思います。
(所属:阪神高速道路 氏名:崎谷 淨   )

CEリポートわだい【「首都高ウォッチング 2007」に参加して―中学校での総合学習支援―(四元義直、及川綾子、押田裕幸、吉田隆信)】 
首都高速道路の整備がよく行き届いていることは大変画期的であると思う。しかしながら、橋梁への落書きや橋脚の錆や塗装の剥がれのよって、景観が損なわれていることが残念でならない。今後も、首都高ウォッチングによる、首都高速道路(株)や一般住民の意見交換を通じて、首都高がより良いものであり続けてほしいと思う。
(所属:金沢工業大学 氏名:高柳 大輔)

記事のような企画がある事を初めて知りました。この記事にあるような橋脚などの汚れ、塗装のはがれ、錆によって景観を損ねている箇所を多く見かけますが、こうした問題の対策が取られているということ自体を地域住民や周辺自治体がよく知らないと思われます。このような対策は、多くの会社や団体がそれぞれ個別に講じていると思います。対策の公開や対策情報の共有化を図ることができれば、景観の問題に取り組んでいる技術者にとって有益なことだと思います。
(所属:足立区   氏名:白勢 和道   )

見どころ土木遺産【児島湾干拓施設群―知られざる真実―(樋口輝久) 
干拓というのは、これほどまでに土地を生み出すものなのかと改めて思い知った。八郎潟など地図で見て、干拓が新たな土地を作ることは知っている。今は駅名にもなっている溜池山王には、本当にため池があったことも知識としては知っている。しかしこの高崎干拓堤防の景観のなんと美しいことか。半ば朽ち果てた石と、その手前に広がる水田の緑が、なんともいえない気持ちを落ち着かせるコントラストを描いている。
(所属:鹿島建設株式会社   氏名:小田晶子   )

行動する技術者たち 地域に貢献する土木の知恵の再認識【第15回 デザインを生んだ。市民が育てた―都市の河川に景観を、太田川河川整備―(東京工業大学 中村良夫名誉教授[取材]鈴木学) 
都市空間において、河川がもたらす効果は非常に大きい。東京の多摩川、隅田川や京都の加茂川に代表されるように、時には市民の憩いの場となり、河川景観は人々に寛ぎと安らぎを与えてくれる。パリ、ロンドン、上海、ホーチミンといった海外の大都市においても、河川は都市景観に影響を与える重要な空間であり、その都市の顔となっている。都市空間整備に携わる土木技術者の一人として、この貴重な河川空間を有効に活用することを肝に銘じ業務に取り組みたい。
(所属:東京急行電鉄   氏名:岩本 敏彦 )

河川法改正の特集とともに、こちらの記事も興味深く読みました。土木技術者は、ともすると、インフラを造りさえすれば需要が自ずと発生すると考えがちであるのではないでしょうか。便利な道路を造れば車がたくさん通るに違いない、水辺をきれいにすれば人がたくさん来てにぎわうに違いない、など。しかし、実際にはそれほどうまくはいかなかった例が数多くあり、「無駄な公共事業」として叩かれる結果になっているように思います。この太田川の例のように、成功した事例の裏には、おそらく必ず「市民意識の十分な把握」があったものと感じています。これからの公共事業には、市民が必要としているものを造る、という謙虚な姿勢が不可欠なのではないかと思います。
(所属:JFE技研   氏名:林 正宏    )

河川を中心とした都市景観づくりは今でこそ各所で行われていますが、その起源が広島にあったことは初めて知りました。大上段からの物言いになりますが、中村先生の言葉にあるように社会が気づいていないことに気づき、熱意を持って議論して現場を動かすことによって、市民に理解され愛されるものになっていくことが、技術者の目指すべきところだと感じました。
(所属:都市再生機構 氏名:丸田浩史 )

忙中ペンありパート2 【第11回 国際化社会での人材とは…(高崎哲郎)】 
学生時代、同じクラスに東南アジアからの留学生が居り、記事にあるのと同様に優秀であった。大学院修士課程に進むと、博士課程の学生はアジアからの留学生が過半を占めていた。日本人が国際化社会で世界と付き合っていく上で、たとえば英語はそれを母国語とする人々にとてもかなわないけれども、論理的な思考と説明は必須であり、日本語の文章をきちんと書ける能力は今後とも磨いていかなければならないと感じた。
(所属:不掲載希望 氏名:笠原宏紹)

将来、国際的に活躍することを期待される学生たちの英語力を養う「一石二鳥」の手法として、専門科目の教科書や講義自体を英語にしてしまおうという最近の風潮にはいくつかの危機感を抱く。スリランカから日本に留学した方が、近代日本の技術的な発展の理由の一つは、大学レベルの高等教育までもが、わかりやすい日本語で受けられるという点にあるのではないかと考察していたが、私も(義務教育は言うまでもなく)高等教育を母語で受けられることの意義を軽視すべきではないと思う。せっかく日本語はその造語能力を駆使して、大学レベルの高等教育も外国語を流用せずに自給できるレベルの国際性を獲得したのに、専門的な用語や教科書を日本語化する努力が軽視されるようになれば、高等教育が英語でしか受けられない諸外国のような言語状況へと後退していくのではないかと懸念する。将来、国際的に活躍することを望む一部の学生を対象として教科書や講義自体が英語という授業があってもいいとは思うが、将来、国内で英語をほとんど使わずに活躍するであろう多くの学生が大学レベルの専門知識を日本語でわかりやすく学べる機会を提供する場が、そうした授業英語化の犠牲になることによる損失も考慮すべきだろう。
(所属:秋田大学   氏名:後藤文彦   )

わたしの本棚 【「無限」に魅入られた天才数学者たち([評者]荒井清)】 
日々の仕事の中で、土木工学は数学を基礎に成り立っていることを痛感する。学生時代、フーリエ級数や陰関数など表面的になぞって過ごしてしまったが、時間のあったあの頃に、もう少し深く理解しておけば、としばしば感じる。この紹介文を読むと、久しぶりに数学に関係したこの本を読んでみようと感じた。
(所属:不掲載希望 氏名:笠原宏紹)

土木学会の動き【論説委員会の頁地球温暖化と日本の課題(青山俊樹)】 
地球温暖化により、自然環境はより厳しく・激しくなると予想され、将来に対するインフラ整備の不足した状況がよく分かった。いつの時代にも、健全な国土を次の世代へ引き継ぐ責任があると言われる中、「現在はどうかな」と疑問を感じた。ところで、温暖化によるマイナス影響は様々に予測されていますが、プラス影響は何かないものでしょうか?
(所属:川田工業    氏名:畠中 真一   )

土木学会の動き【工学部の他学科の教育改革(堀宗朗)】 
大学を出て以来、学校とはほぼ何の接点も持っていないが、今後の土木技術者がどういう教育を受けるべきなのか興味はある。教育改革をするにしろしないにしろ、教育を受けた後に広がる世界が魅力的でなければ学生に人気が出るとは思えない。過去の特集「あなたの子どもを土木技術者にしたいですか・・・」でも感じたことだが、今の土木の世界の元気のなさを痛感させられる。
(所属:前田建設工業 氏名:陳 友真)

学会誌全般へのご意見,編集委員会への要望
P.12の『この人に聞く』こうした専門外の人からの意見を読むと、自分がいかに土木にどっぷり浸かっているかということに気が付かされると共に、新鮮な気付きを得られる。土木を外へ発信していくだけでなく、内部の人間に外部の意識を提供するような記事をこれからも創って頂きたい。
(所属:国土交通省 氏名:小川 純子)

毎回楽しく拝見させていただいております。これからもよい記事が掲載されることを期待しております。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎)

今後も面白く有意義な記事を伝えられるようにがんばって下さい
(所属:清水建設 氏名:加藤 貴代)

2007年11月号は,特集が「自然豊かで美しい風景を生み出す川をめざして−河川法が変わって10年−」であったためでしょうか,その他の記事においても河川に関する記事が多く,内容に若干の偏りを感じました.特集に合わせて記事を編集されたのではと思いますが,内容が重複している記事があり,調整の必要性を感じました.編集委員会から各号の編集方針や内容を目次の前などで簡単に紹介頂けると,読者に編集委員会の編集に対する考えが伝わり,読みやすくなるのではと思いました.より親しみやすくなる学会誌になることを期待しています.
(所属:名古屋工業大学   氏名:永田和寿   )

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