21世紀を迎え,わが国は今後の少子・高齢化に対する財政負担と投資
余力の減少の中で,社会基盤の整備のあり方が議論され,大きく構造的に
変革されていきます.その中で,新設コンクリート構造物ではライフサイ
クルコストを考慮した長寿命化,既設コンクリート構造物では維持管理の
重要性が,コンクリート構造物のシナリオ構築の上で従来とは比較になら
ないほど益々高まってきています.この要望に応えるため平成12年7月
に発足した「電気化学的補修工法研究小委員会(委員長:宮川豊章京都
大学大学院教授)」は,電気防食工法,脱塩工法,再アルカリ化工法,電
着工法の4つの工法を包括した「電気化学的防食工法 設計施工指針
(案)」の原案を作成致しました.さらに,各方面の300機関にのぼる構
造物管理者の皆様のご協力をいただき,現在の維持管理の現状と問題点,
今後のこの分野に望まれる技術的課題についてもアンケート結果として取
りまとめました.
この原案はコンクリート常任委員会でさらに審議・検討され,この度完
成に至りました.そこで,コンクリートライブラリーとして性能照査設計
に対応可能な設計施工指針を発行するとともに,指針の内容を広く知って
いただくために,講習会を開催する運びとなりましたので,ここにお知ら
せ致します.
電気化学的防食工法とは,コンクリート内部の鋼材に外部より陽極を通
じて直流電流を流すことにより,鋼材腐食に関わるコンクリート構造物の
劣化を防止する方法です.既設コンクリート構造物においてすでに劣化が
顕在化して,構造物の耐久性能が建設当初よりも低下している場合に行う
「補修」だけでなく,新設コンクリート構造物に対して予防保全的措置と
して実施する「予防的補修」としても適用できることより,本指針は,既
設コンクリート構造物ならびに新設コンクリート構造物に電気化学的防食
工法を適用する場合の調査・診断から設計,施工および維持管理までを合
理的かつ適正に行うための標準を示しております.
講習会では,指針の作成に携わった若手実務者を講師に迎え具体的な
解説に加えて,設計・維持管理業務に携わる技術者はもちろんのこと,耐
久性や維持管理技術の研究者にとって有益な内容となるように企画いたし
ました.奮ってご参加下さいますよう,お願い申し上げます.
1.主催 |
: |
土木学会(担当:コンクリート委員会) |
2.後援 |
: |
(社)日本コンクリート工学協会,(社)日本材料学
会,コンクリート構造物の電気化学的補修工法研究会 |
3.日時 |
: |
東京会場:11月26日[月]10:00−16:50
大阪会場:12月10日[月]10:00−16:50 |
4.場所 |
: |
東京会場:野口英世記念会館
(新宿区大京町26 TEL03-3357-0742)
大阪会場:建設交流館
(大阪市西区立売堀2-1-2 TEL06-6543-2551) |
5.定員 |
: |
東京会場 300名(申込先着順)
大阪会場 200名(申込先着順) |
6.参加費 |
: |
正会員10,000円,非会員12,000円,学生7,000円(テキスト代含む) |
7.申込方法 |
: |
添付の「本部行事参加申込書」に所定事項(特に行事
コード番号)を明記の上,研究事業課宛FAXにてお申
し込みください.
申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加券」を
お送りいたします.
*申込みに関してお願い
@申込締切日前に定員に達している場合がございます
のであらかじめご了承ください.なお,締切日以降の
事前受付はいたしません.ただし,定員に余裕があ
る場合のみ,行事当日に会場にて受付いたします.
Aお申込み後,やむを得ずキャンセルされる場合は,必
ず開催日の1週間前までに研究事業課宛ご連絡くだ
さい.ご連絡がない場合は,参加費を徴収させてい
ただきますのであらかじめご了承ください.
B申込みをされる前にご送金いただくことはトラブルの
原因となりますので固くお断りいたします. |
8.申込締切日 |
: |
東京会場【11月15日[木](必着)】
大阪会場【11月29日[木](必着)】 |
9.問合先 |
: |
土木学会事務局研究事業課(事務局担当:小野寺)
TEL 03-3355-3559/FAX 03-3355-5278 |
10.プログラム
|
11月26日[月] | 12月10日[月] |
東京 (野口英世記念会館) | 大阪 (建設交流館) |
定員300人 司会:牛島 栄 | 定員200人 司会:牛島 栄 |
10:00−10:10 | 開会挨拶 |
|
魚本健人 (東京大学) | 宮川豊章 (京都大学) |
10:40−11:30 | 電気化学的防食工法 設計施工指針(案) |
|
峰松敏和 (エステック) | 峰松敏和 (エステック) |
11:30−12:00 | 1.調査マニュアル |
|
根本正幸 (日鉄防蝕) | 根本正幸 (日鉄防蝕) |
12:00−13:00 | 休 憩 |
13:00−14:00 | 2.電気防食工法設計施工マニュアル |
|
川俣孝治 (住友大阪セメント) | 川俣孝治 (住友大阪セメント) |
14:00−14:40 | 3.脱塩工法設計施工マニュアル |
|
芦田公伸 (電気化学工業) | 根本正幸 (日鉄防蝕) |
14:40−15:20 | 4.再アルカリ化工法設計施工マニュアル |
|
原与司人 (電気化学工業) | 原与司人 (電気化学工業) |
15:20−15:35 | 休 憩 |
15:35−16:05 | 5.電着工法設計施工マニュアル |
|
佐々木晴敏 (三井造船鉄構工事) | 佐々木晴敏 (三井造船鉄構工事) |
16:05−16:35 | 事例調査 |
|
葛目和宏 (国際建設技術研究所) | 葛目和宏 (国際建設技術研究所) |
16:35−16:50 | まとめと閉会挨拶 |
|
大即信明 (東京工業大学) | 牛島 栄 (青木建設) |
|