記
1.委員を公募する小委員会の名称と公募の委員数
「コンクリート構造物の耐火技術研究小委員会」(327委員会) 委員長:二羽淳一郎(東京工業大学大学院・教授) 公募する委員の数:20名程度 | ||
2.委員会活動目的
コンクリート構造物,特にトンネルライニングコンクリートに対す
る火害安全性の観点から,コンクリート構造物の火害の実状と耐火技
術の現状について調査するとともに,火害による劣化機構を解明・整
理し,コンクリート構造物の合理的耐火試験方法や耐火設計手法開発
のための基礎的な検討を行うことを目的とします. | ||
3.活動内容
予定している活動内容は以下のとおりです.なお,これはあくまで
も予定であり,委員会の進み方によっては,変更となる場合もあり得
ます.
(1)コンクリート構造物の火害実状調査
ヨーロッパでは,1996年のユーロトンネル,1999年のモン
ブラントンネルの火災をはじめ,トンネルライニングコンクリート
が大きく損傷を受ける火災事例が相次いでいます.これらの事例で
は,コンクリートが受けた最高温度が1,200℃以上にも達したと
いわれています.そこで活動の第1ステップとして,広く世界のコ
ンクリート構造物の火害事例を調査し,火害の実状を明らかにして
いきます.
(2)耐火技術の現状調査
前述の火害事例が引き金となり,ヨーロッパでは,オレスンド,
エルベ,ウェスターシェルドなど重要トンネルに耐火被覆工が実施
されています.また,TNOではコンクリート構造物の火害安全性
確認のための耐火試験が実施され,耐火試験法の検討が行われてい
ます.そこで,耐火被覆工の施工実例の調査,耐火被覆材の現状調
査,火害安全性を定量評価するための試験方法の開発状況を調査
し,明らかにしていきます.
(3)破壊機構の解明
コンクリートが高温にさらされた場合の劣化に関する研究は,継
続的に高温に置かれた場合の強度劣化に対する研究が主で,急激な
温度上昇による破壊機構の研究は緒についたばかりです.水蒸気破
壊説,熱応力破壊説などの考え方が提案されていますが,急激で脆
性的な破壊機構は未だ明らかとはなっていません.そこで,コンク
リート構造物の急激な温度上昇による破壊機構を検討し,解明して
いくことにします.
(4)火災時温度解析モデルの開発
急激な温度上昇下にあるコンクリートでは,水分の蒸発,セメント水和物の熱分解等により吸熱すると同時に熱物性も変質していくなど,その伝熱機構は複雑なものとなります.さらに,耐火被覆を
行った場合でも,その耐火材の断熱吸熱物性を加味した温度解析モ
デルはまだ開発されていません.合理的な耐火設計の実施には温度
解析モデルの開発が不可欠であり,これの開発を目指します.
(5)合理的耐火設計手法の開発
(1)から(4)の活動を総括し,耐火被覆材の性能評価試験法
ならびにコンクリート構造物の耐火性能評価のための試験方法の検
討と合理的耐火設計手法の開発を目指します. | ||
4.活動期間 | : | 第1回委員会より2か年間(小委員会開催頻度は2ないし3か月に1回程度を予定). |
5.応募方法
本小委員会に参加を希望される方は,氏名,所属,連絡先住所,電
話番号,FAX番号,E-mailアドレスの他,本小委員会に参加を希望
される理由,ならびに分担を希望される活動内容を明記のうえ,下記
までお申込みください.申込み期日は7月末日です.
申込先:コンクリート委員会
「コンクリート構造物の耐火技術研究小委員会」 委員長:東京工業大学大学院・土木工学専攻 二羽淳一郎 〒152-8552 目黒区大岡山2-12-1 TEL 03-5734-2584/FAX 03-5734-3577 E-mail jniwa@cv.titech.ac.jp |