公共事業批判,コスト縮減,慢性的不況,土木系学科の人気低下など,
現在産官学を問わず,土木分野全体が困難な問題に直面して,進路を模
索しています.このような時代にあって,都市や地域の望ましいあり方を
追求し,優れた土木施設や風景の実現を図っていくためには,優れた構想
力・発想力や創造力が第一に求められることは言うまでもありません.し
かし,時代の先端を拓いていく構想力や創造力は,一朝一夕に生まれるも
のでもありません.
ここで思い起こされるのは,琵琶湖疎水を完成させた田辺朔郎が自ら先
頭に立って「明治以前日本土木史」を編纂し,小樽築港で名をなした廣
井勇が名著「日本築港史」を著しているという事実です.彼ら一流のエン
ジニアたちは,歴史的な視野を携えつつ問題の解決を構想・発想すること
の重要性を理解していたに違いありません.一方,現代のわれわれ土木技
術者は,歴史(土木史)が構想力や創造力の湧き出る尽きることのない泉
であるということを,いつしか忘れてしまったのではないでしょうか.
今回のデザインワークショップは「歴史の創造性」と題して,特に橋の
デザインと地域・都市戦略という二つの問題をとりあげ,歴史を見渡す視
野が現代の問題に取り組むうえでいかに有効であるかを考えます.第一部
「橋のデザインとオリジナリティ」では,国内外の歴史的事例をひもとき
ながら,創造的な橋梁デザインが生まれた背景に何があったのか,そもそ
も橋のデザインの創造性やオリジナリティとは何か,それはどのようにし
て生まれるのか,などを議論します.また第二部「土木と地域・都市戦
略」では,戦前の地域開発の事例を題材にして,本来土木計画が果たす
べき地域戦略・都市戦略的役割とそのあり方について議論します.いずれ
の議論も,創造力や構想力を養ううえで,歴史的視野が大きな助けとなる
ということを,再確認する作業となるでしょう.
1.主催 |
: |
土木学会 景観・デザイン委員会+土木史研究委員会 |
2.日時 |
: |
2003年1月15日[水]13:00−17:10 |
3.場所 |
: |
東京工業大学百年記念館 フェライト記念会議室 |
4.定員 |
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130名 |
5.参加費 |
: |
2,000円(別途,昨年度報告書「機能空間のデザイン−その思想と手法−」を,当日1,000円にて販売致
します) |
6.プログラム
13:00 | 開会挨拶
景観・デザイン委員会委員長/篠原修(東京大学) |
13:10 | 鼎談 総合司会:佐々木葉(日本福祉大学) |
第一部「橋のデザインとオリジナリティ」
小林一郎(熊本大学),鈴木圭(鹿島),中井祐(東京大学) |
(休憩) |
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第二部「土木と地域・都市戦略」
天野光一(日本大学),為国孝敏(足利工業大学),北河大次郎(文化庁) |
16:30 | 講演「歴史の創造性」
土木史研究委員会委員長/中村良夫(東京工業大学名誉教授) |
17:00 | 閉会挨拶
景観・デザイン委員会幹事長/窪田陽一(埼玉大学) |
17:30 | 懇親会(別途,参加費4,000円程度を予定) |
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7.申込方法 |
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学会誌綴込みの「本部行事参加申込書」に所定事項を
明記のうえ,土木学会行事担当宛FAXにてお申込みく
ださい.申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加
券」をお送りいたします.申込締切日 12月20日[金] |
−申込みに関してのお願い−
(1)申込締切日以前に定員に達している場合がありますのであらか
じめご了承ください.なお,締切日以降の事前受付はいたしま
せん.ただし,定員に余裕のある場合のみ,行事当日に受付い
たします.
(2)申込後,やむを得ずキャンセルされる場合は,必ず開催日の5
日前(土日・祝日を含まず)までに経理課までご連絡ください.
ご連絡がない場合には参加費を徴収させていただきますので,
あらかじめご了承ください.
(3)申込みをされる前に送金いただくことはトラブルの原因となり
ますので,かたくお断りいたします.
(4)テキストのみご希望の場合は,行事終了後に下記問合先までお
問い合わせください.
(5)懇親会にご参加いただける方は,行事申込書の通信欄にその旨
ご記入ください. |
8.問合先 |
: |
土木学会研究事業課(事務局担当:工藤)
TEL 03-3355-3559/FAX 03-5379-0125
E-mail:kudo@jsce.or.jp |