土木学会誌
本部行事

土木デザインワークショップ2003「歴史の創造性」
開催日:2003年1月15日[水]
行事コード:E225
略称:デザインワークショップ

公共事業批判,コスト縮減,慢性的不況,土木系学科の人気低下など, 現在産官学を問わず,土木分野全体が困難な問題に直面して,進路を模 索しています.このような時代にあって,都市や地域の望ましいあり方を 追求し,優れた土木施設や風景の実現を図っていくためには,優れた構想 力・発想力や創造力が第一に求められることは言うまでもありません.し かし,時代の先端を拓いていく構想力や創造力は,一朝一夕に生まれるも のでもありません.
ここで思い起こされるのは,琵琶湖疎水を完成させた田辺朔郎が自ら先 頭に立って「明治以前日本土木史」を編纂し,小樽築港で名をなした廣 井勇が名著「日本築港史」を著しているという事実です.彼ら一流のエン ジニアたちは,歴史的な視野を携えつつ問題の解決を構想・発想すること の重要性を理解していたに違いありません.一方,現代のわれわれ土木技 術者は,歴史(土木史)が構想力や創造力の湧き出る尽きることのない泉 であるということを,いつしか忘れてしまったのではないでしょうか.
今回のデザインワークショップは「歴史の創造性」と題して,特に橋の デザインと地域・都市戦略という二つの問題をとりあげ,歴史を見渡す視 野が現代の問題に取り組むうえでいかに有効であるかを考えます.第一部 「橋のデザインとオリジナリティ」では,国内外の歴史的事例をひもとき ながら,創造的な橋梁デザインが生まれた背景に何があったのか,そもそ も橋のデザインの創造性やオリジナリティとは何か,それはどのようにし て生まれるのか,などを議論します.また第二部「土木と地域・都市戦 略」では,戦前の地域開発の事例を題材にして,本来土木計画が果たす べき地域戦略・都市戦略的役割とそのあり方について議論します.いずれ の議論も,創造力や構想力を養ううえで,歴史的視野が大きな助けとなる ということを,再確認する作業となるでしょう.
土木の分野の第一線でご活躍の方々をはじめ,デザインや歴史に関心を 抱いている学生諸氏,発注者や施工者まで,幅広い方のご参加を期待して います.

1.主催 土木学会 景観・デザイン委員会+土木史研究委員会
2.日時 2003年1月15日[水]13:00−17:10
3.場所 東京工業大学百年記念館 フェライト記念会議室
4.定員 130名
5.参加費 2,000円(別途,昨年度報告書「機能空間のデザイン−その思想と手法−」を,当日1,000円にて販売致 します)
6.プログラム
13:00開会挨拶
景観・デザイン委員会委員長/篠原修(東京大学)
13:10鼎談 総合司会:佐々木葉(日本福祉大学)
第一部「橋のデザインとオリジナリティ」
小林一郎(熊本大学),鈴木圭(鹿島),中井祐(東京大学)
(休憩)
第二部「土木と地域・都市戦略」
天野光一(日本大学),為国孝敏(足利工業大学),北河大次郎(文化庁)
16:30講演「歴史の創造性」
土木史研究委員会委員長/中村良夫(東京工業大学名誉教授)
17:00閉会挨拶
景観・デザイン委員会幹事長/窪田陽一(埼玉大学)
17:30懇親会(別途,参加費4,000円程度を予定)
7.申込方法 学会誌綴込みの「本部行事参加申込書」に所定事項を 明記のうえ,土木学会行事担当宛FAXにてお申込みく ださい.申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加 券」をお送りいたします.申込締切日 12月20日[金]
−申込みに関してのお願い−
(1)申込締切日以前に定員に達している場合がありますのであらか じめご了承ください.なお,締切日以降の事前受付はいたしま せん.ただし,定員に余裕のある場合のみ,行事当日に受付い たします.
(2)申込後,やむを得ずキャンセルされる場合は,必ず開催日の5 日前(土日・祝日を含まず)までに経理課までご連絡ください. ご連絡がない場合には参加費を徴収させていただきますので, あらかじめご了承ください.
(3)申込みをされる前に送金いただくことはトラブルの原因となり ますので,かたくお断りいたします.
(4)テキストのみご希望の場合は,行事終了後に下記問合先までお 問い合わせください.
(5)懇親会にご参加いただける方は,行事申込書の通信欄にその旨 ご記入ください.
8.問合先 土木学会研究事業課(事務局担当:工藤)
TEL 03-3355-3559/FAX 03-5379-0125
E-mail:kudo@jsce.or.jp

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