土木学会誌
本部行事

2004年度・河川技術に関するシンポジウム
―新しい河川整備・管理の理念とそれを支援する河川技術に関するシンポジウム―の開催と「河川技術論文集No.10」の論文募集
応募締切日:2004年1月30日[金]

河川部会は97年度に土木学会水理委員会に発足した部会です。既存の3つの部会(基礎水理部会,環境水理部会,水文部会)の連携協力を推進するとともに,学術と技術との間の橋渡し,官・学・民の連携,従来の河川工学以外の河川にかかわる学術との学際領域への展開など,河川の技術に求められるさまざまなインターフェイス的側面を追求することを目的としています。
河川部会では2004年度も標記シンポジウムを下記のように企画いた しましたので,ふるってご参加いただきますようご案内申し上げます。
(河川部会部会長 末次忠司)

1. 期 日 2004年6月10日[木]・11日[金]
2. 場 所 東京大学農学部 弥生講堂(文京区弥生1-1-1)
3. 参加費 一般6,000円,学生4,000円(論文集代を含む)
4. シンポジウム募集課題
(1)特定課題
ア.流砂系管理に向けての学術的・技術的課題
水系におけるさまざまな人為インパクトによって土砂動態が変化し,流域の治水安全度,水資源利用,環境保全の視点から「流砂系の総合的管理」の重要性が認識されている。「流す砂防」,「貯水池土砂の排砂」「海岸侵食防止」などオンサイトの技術論とともに,河道を軸とした流砂系の動態のインパクト-レスポンスを予測する学術,制御する技術の進歩が焦眉の課題である。本オーガナイズドセッションでは,応募論文の成果も背景としながら,流砂系管理のシナリオを軸にした学術・技術の展開方向を議論する。
イ.生態学と河川水理学・河川工学との学術交流
河川部会ではシンポジウムを通じて,これまで多くの生物・生態学研究者の論文発表や河川環境に関するセッション(OS)を行ってきた。今回のOSでは,河川生態系に関わる多くの問題のなかからいくつかのテーマに限定し,それらに関する生物・生態学研究者による最新の研究成果と,同じテーマに対する河川工学・河川水理学の研究者の研究成果を突き合わせて,関連する問題点や新たな視点を抽出し,さらに河川環境の保全・修復に活かすための研究の展開,方向性について議論する。
ウ.流域管理の視点からの都市域の水防災
近年増加している都市水害に対応するには流域管理の視点から豪雨の発生・流出,洪水特性の変質等の水文・水理現象を把握するとともに,河川・下水道の施設計画および安全度の整合性を図る必要がある。これまでシンポジウムでは東海豪雨災害,防災・危機管理などのテーマに関して議論を行ってきた。今回のOSでは,(1)都市域の水文・水理現象の治水計画への反映方法,(2)河川と下水道等の連携のとれた施設計画論および安全度バランス,(3)情報伝達・避難等の洪水時対応という都市域の水防災について 幅広く議論を行う。
(2)一般課題
河川部会が目的とする河川技術にかかわる研究および報告。
例えば,河川とその流域および氾濫域について,水の循環,総合治水対策や超過洪水対策など流域・氾濫域との関係に着目した治水計画および氾濫原管理,河川管理施設の新しい管理手法・技術,河川環境の保全や河川利用との関わり,治水事業の安全度評価およびそのバランス,事業評価,地域住民の合意形成,地域計画との関わり,治水資産および利水資産の再評価など,時間軸,空間軸ならびに学際軸において幅広く論文を期待します。
5.発表形式
特定課題ではオーガナイズドセッションとして,一般課題よりも時間をとって口頭発表と議論を行います。ただし,時間的に発表論文数に限りがあることから,一部の論文は一般課題論文と同様の扱いとなります。一般課題では,ポスター発表と3分間程度の口頭による概要説明を行います。なお,発表形式は応募状況に応じて,若干の変更(上記以外のオーガナイズドセッションを組むこと等)がある場合があります。
6. 「河川技術論文集No.10」
シンポジウムでの発表は,次のジャンルの論文投稿を対象とし,いずれも,論文要旨,全文の2段階審査(河川技術論文集編集委員会を設置します)を実施します。
■論文集投稿ジャンル
(1)論文(研究論文,技術論文の他,理念に関する論文)
(2)総説(研究テーマのプロジェクト紹介も含む)
(3)報告(調査報告,研究プロジェクト報告など)
7. 応募方法
応募者は,下記の内容を記述したPDFファイル(ファイル名は論文題目)を添付して,所定の期日までにE-mailにてお送りください。
(1)論文題目,著者,所属(講演者名の頭に○を記してください)
(2)連絡先(代表者の住所(郵便番号とも),氏名,電話,FAX番号,E-mailアドレス)
(3)募集課題および論文投稿のジャンル
募集課題については特定課題もしくは一般課題の別,特定課題については上記項目4(1)のア,イ,ウから選択して明記してください。
論文投稿のジャンルは上記項目6の(1)から(3)を選択して明記してください。
(4)論文要旨
a)目的,b)内容,c)得られた成果を800字以内に明記してください。また,既往の関連論文がある場合には論文名および論文集名を別記してください。この論文要旨をもとに第1段階審査を行いますので,上記項目が明確でわかりやすく書かれている必要があります。なお,要旨は文章のみとし,図面,写真は入れないでください。論文審査要領については,土木学会水工学委員会河川部会のホームページをご覧ください。
8. 応募締切 2004年1月30日[金]
9. 応募先 symposium2004@nilim.go.jp
10.スケジュール
論文要旨による応募に対して第1段階審査を行い,2月中旬に代表者に審査結果,シンポジウムでの発表形式をお知らせするとともに,シンポジウムでの論文執筆要項をお送りします。全文論文は,A4用紙で4〜6ページ(水工学論文集の様式に準拠します)で,2004年4月7日[水]を提出期限とします。提出された論文は,編集委員会で審査し,期日までの修正を求めたり,掲載を見送る場合があります。
プログラムは,シンポジウムの詳細とともに下記河川部会のホームページに掲載します。また,本企画の詳細を随時ホームページでお知らせしますのでご覧ください。
河川部会HPのアドレス:http://www.cee.hiroshima-u.ac.jp/jsce/rivereng/rivereng.html
11.問合先 〒305-0804 茨城県つくば市旭1番地
国土交通省 国土技術政策総合研究所
河川研究部 河川研究室 末次忠司
TEL 029-864-2283/FAX 029-864-1168
E-mail:symposium2004@nilim.go.jp

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