土木学会誌
土木学会誌7月号モニター回答


推進機構の動き 新たに2つの制度が発足します
モニター回答の対象として果たして相応しいのかわからないが、技術者の力を評価する動きがあることに非常に興味を覚える。参議院選挙も近いが、個人の力がより評価されるようになっているのは政治の世界だけではあるまい。概して組織の力が重要視される傾向のある日本であるが、特に土木技術の実践の場に於いて個人の力が評価されることは少ないのではないか。
個人の能力が際立つことの少ない場で、それを積極的に評価しようとする姿勢には大賛成である。最も、際だつことの少ないものの評価は非常に難しいことも事実。内輪のお手盛りにだけはならないように…。
(国土交通省 森橋 真)

特集 よみがえれ!日本の水環境
おいしい水の評価から学校教育までと幅広い内容で面白く読ませていただいたが、一方で各記事の広がり、繋がりに若干違和感を覚えた。もう少し絞っても良かったように思う。また従来の縦割りを廃し、水源から海まで水循環を全体でどう考え、変えていくかが読みたかった。
(前田建設工業 岩坂照之)

7月号の特集「よみがえれ!日本の水環境」は読み応えのある企画だった。特に、河川環境・沿岸環境の再生についての執筆は、技術論も豊富で興味がそそられた。編集部による導入部分でも、旧い体質の日本の水行政の不備やパラダイムの欠陥が指摘されており、浄水処理一辺倒に執着した誤りが元凶であることが明瞭に論述されている。パラダイムの変換が必要なことに皆が気づかなかったわけではなく、言い出すことさえ躊躇われるような組織の体制が問題、と。しかし、技術者である我々は、産学官の立場に囚われずに意見を表明する使命を負っている。国の行政が悪いで片付けられる問題でなく、取り返しの利かないレベルまで悪化させてしまった責任は 我々土木技術者も認識すべきであろう。今回の特集では、草の根レベルでも改善に向けての努力が始まっており、成果も出ているレポートが載っている。勇気付けられた。
(千代田化工建設 弾塚雅則)

ここ数年来のミネラルウオーターに代表される飲料水に対する関心の高まりや,河川の水質や水環境全般への注目度などから,この特集記事は大変興味深いものであった.特に,水という一つのキーワードを,飲料水,生物との共生,暮らしの中の水と,色々な切り口でわかりやすく,身近な話題を含みながら展開されており,人間と水との係わりあいの深さ,多様性を感じさせられた.土木学会会員以外の一般の方々にも是非紹介したい記事であり,また,これから夏休みの期間,水と触れ合う機会が多くなると思われるが,その時この記事の内容を思いだし,再度水環境について考えてみたいものである.
(東海大学 川上哲太朗)

編集後記にも書かれていたように力のこもった50Pの大特集であったが、それが為に読むにつれ興味が薄らいでいってしまったことも否めない。2,3回に分けての掲載でも良かったのかもしれないと思った次第です。
(千代田化工建設 石川史郎)

「日本と海外における河川環境ミティゲーション」,「豊かな河川環境を利用した環境教育」,「水遊びのリスクと責任」の3稿は,今後の川づくりにおいていずれも不可欠な要素であり,特に興味をひかれるものばかりでした。ただ,今回の特集で残念に感じたのは,水環境という話題の幅があまりに広すぎ,多少なりともその焦点が鈍ってしまった点です。平成9年の抜本的な河川法改正を頂点に,河川整備に関する取り組み方は大きく転換されてきたものの,「ミティゲーション」,「環境教育」,「リスク管理」といった内容は,未だその体系が曖昧なままであるように感じています。また,我々土木技術者はハード面での思考は強い反面,ミティゲーションや環境教育などといった哲学的な思考となると,その脆さを露呈してしまいがちです。それゆえ,今後も,これらソフト面に関する実践的な事例をより多く紹介していただけることを望みます。
(水建設コンサルタント 中尾 毅)

特集よみがえれ 日本の水環境の企画趣旨は、分かりやすく、特集時期もマッチして良かった。
(西武建設 山本敏昭)

安全でおいしい飲み水の再生
我々の生活に身近な,水道水に焦点を当てた特集であり,非常に興味深く読ませて頂いた.まず,水源環境保全の必要性については,異論を挟む余地もなく,今後その重要性を広く知らしめ,水源環境保全方策と一体化した水道水管理を実施していく必要があると痛感した.しかしながら,自治体などの公的機関が,「おいしい水」を供給することを前提とした議論には若干の違和感を感じた.水をおいしい,と感じる感覚はあまり個人差はないとしても,おいしい水に対する価値観は人それぞれである.そのような,個人の嗜好に関わるところまで,公的機関は介入しなくてもいいのではないか.健康を害さないレベルの水の供給を安定して行うことが公的機関の使命であり,それを越えて,ユーザーの嗜好の範囲まで,行政が口を挟む必要はないように思える.浄水器の普及は,裏を返せば,良質の水を提供することはビジネスとして成立しうる,ということを示している.それよりは,行政の守備範囲を明確にし,その範囲を超えうる危険性を利用者に知らしめ,どのように自衛するか,について積極的に議論することが必要と思った.
(京都大学 倉内文孝)

自分の家の水は,水質が全国でワースト1位の湖沼を水源としているため,味がとにかく悪いです.本稿でも述べられているように,まずい水は長年飲んでいても好きにはなれません.この湖沼の水質の悪さは,自分が小学校の頃から授業で話題になっていた気がします.したがって,少なくとも過去10数年間は悪いままということになります.慢性的に水質の悪い水源は,そう簡単には改善されないのでしょうか.もはや,水道の水は飲み水であるという認識を変えなければならないのかと思ってしまいます.
(東京工業大学 山口亮太)

「日本の水がまずくなった」といわれて久しいが、それでも個人的にはなんら関係なしに水道水を飲んでいる。確かにおいしいとは言いがたいが、なんらのどを潤すのにさしつかえはない。ただそれが健康を害するというのなら話は別である。「水道水は浄水処理されて安全な状態で供給される」これは日本人にとって当たり前のことであり、だからこそあの塩素くさい水道水を我慢しているのではないだろうか。従来の浄水処理で不十分なら高度浄水処理を行なえば良いだろうと考えていたが、それでも不十分な現状には正直かなり驚いた。水道管からの汚染などは確かに浄水処理でどうこうなる問題ではないと思われるし、その対処は個人個人で行なうしかないのも理解できた。安全な水は水道事業にまかせきりではもう得られないものだということなのであろう。
(東京工業大学 川島広志)

あぶない水道水
人間が生きてゆく上でなくてはならない、水に関する問題提起であり興味深く読ませていただいた。水源の保護・保全が欠落しているといった内容には全く同感であり、これがいわゆる縦割り行政の弊害とでもいうべきものなのであろうか?我が家でもいつの頃からか浄水器を設置し、冷蔵庫にはミネラルウオーターを常備している。知らず知らずのうちに、水に対する警戒感が芽生えてきているのかもしれない。
(大成建設 松井俊二)

この7月からモニターを依頼され、この学会誌を初めて読んだのですが、事務系統の自分でも興味を持てる内容でした。
中でも「あぶない水道水」は、普段特に気にせず飲んでいる水道水の瀕している危険な状況とそれに対する行政側の取組み、特にその取組みについての問題点(高度処理を重視し他の事は二の次に考えている傾向がある事など)については考えさせられました。
なかなか、専門的な事は理解できないのですが、今後学会誌を読むことで少しずつでも技術系統の知識を増やしていきたいと思います。
(日本鉄道建設公団 荒木 聡)

特集(よみがえれ! 日本の水環境)は、全体的に有益で興味深く拝読したが、なかでも有田一彦氏の「あぶない水道水」は、水道水の問題点を簡潔明瞭に示し、もっとも内容が有益で示唆に富んでいると感じた。但し、土木分野がどのようにリンクすれば問題の改善がはかれるのかは不明で、それを筆者に要求するのは酷であるが、内容が良いだけに、あえてそれを期待したくなった。
(テラパックス・テクニカ 川九邦雄)

「安全でおいしい水」、最近、蛇口から直接生水を飲まなくなったのは、水に対する信頼感が薄れているのであろう。今回のレポートで初めて知った鉛の害や開栓後しばらく水を出しておくことで鉛の濃度が低下すること、鉛の人的影響を含めて、情報開示を行うことに賛成である。また、水道水・トイレ水洗水・雨水を含めた水(市販のペットボトルを含めて)に対して、品質のグレード分けが行われていくことを望むところである。
(五洋建設 細見和広)

連日の猛暑が続く中、この特集を読むだけで涼を感じる事ができたが、確かに最近は水道の蛇口の水をそのまま飲む事に抵抗を感じている。先日、水道管の鉛汚染に関する記事が新聞にも掲載されていたが、浄水場で高度処理されても自分の家の蛇口までの過程で汚染の不安要素があれば、「安全な水」とはいえない。
また、高度処理していても塩素臭い水であれば、好んで飲む人は少ないと思うし、塩素処理でも死なない病原が存在するのではなおさらである。
蛇口から出る水に信頼が得られなければ飲料水は別に購入するものという考えが益々定着する事になり、費用をかけて高度処理する事自体問題になってくるのではないだろうか。また、日本は水道水が一種類しかない事にも疑問を感じる。飲用水がトイレ用水として使用されるのは、水道管が一用途用にしかないからという理由なのかもしれないが、有効な手段ではない。
水源環境の保護・保全を国・企業団体のみならず各個人が認識し努める事が、各地域で地元の「安全でおいしい自然の水」が飲める喜びに繋がるのだと思う。
(熊谷組 波田泰子)

この記事で指摘されている水道水の危険性については,以前より薄々は気がついていたことであるが,改めて提起をされると,もっと深刻に考えなければならない問題であると再認識させられた。同時に,この問題は構造物の安全性確保の問題とも共通点が多いと思った。ノースリッジ地震での被害を対岸の火事のように捉えていて阪神大震災が生じてしまったことを,この分野,さらには他の分野でも教訓として活かすことの必要性を強く感じた。
(高松高専 長友克寛)

安全だと思っていた水道水にも様々な危険が孕んでいることに驚きました.特に,米国ミルウォーキー,埼玉県越生町などで実際に多くの人々に被害をもたらすような事件がおきていることを知り,恐ろしいと感じました.築数十年の大学官舎の我が家では,水道水は飲めません.さびと思われますが,赤い水が出ます.先日屋上のタンクの清掃を業者にしてもらいましたが,変わりありませんでした.建物内の配管が原因だと思われます.この記事に鉛の危険性のことが記載されており,我が家は大丈夫かと心配になりました.
(金沢大学 中山晶一朗)

日本の水道水の水質悪化については、家庭浄水器の普及ミネラルウォ-タ-の販売量を見ても明白であり、従来の浄水処理技術だけでは解消できない時代に日本もはいったことを痛感した。
良質で安全な水道水が確保できる様に水源環境の保護保全に一層の努力を期待したい。
(西武建設  山本敏昭)

おいしい水
水のおいしさという一見主観的な指標を、含有物の量で定量的に評価するという試みは大変面白いと思いました。私も東京都の水道水を毎日飲んでおり、東京に来る前までに聞いていた程はまずくはないと思っていましたが、その裏ではこのような努力があったことを初めて知りました。
(東京大学 江間智広) 

普段,何気なく使ったり,飲んだりしている水について再認識させられる部分もあり,興味深く読ませていただきました.その中で,水がまずくなるのは,浄水方法の変化よりも水源域の汚濁が主な原因であること,日本はこの水源域の保全・保護の整備が欧米諸国よりも遅れていることを知りました.これは,ほとんどの日本人が水がまずくなるまでそのおいしさに気付くことができなかったことや戦後の急速な経済発展の相互作用として生じた負の遺産だと思います.今世紀では,このようなことを根本的に解決し,再生できることを期待したいと思います.
(日本鋼管 本田秀樹) 

おいしい水は最も安全な水であり、その選ぶ能力は人類が数万年かけて獲得した身を守るための本能であるということに興味深く感じました。水に限らず、あらゆる自然条件に対して、人間が危ないと感じることに土木工学の原点があり、発展するために必要な条件であると思います。近いうちに、おいしい水が家庭の蛇口からでてくることを期待します。
(東京大学 石村隆敏) 

「人類はおいしい水(安全な水)を選ぶ能力(本能)をもっている。」という言葉になるほどと思った。私は都内でのマンション住まいが長かったせいか水を飲むという習慣がなかった。というよりも自宅の水は飲みものだと思ったことがなかった。要するに、まずかったのである。では、今までにおいしい水を飲んだことがあったかというと、そういう記憶もとくにない。そんな中、山梨県に住むようになり、水が飲めると思えたのはとてもうれしかったのを覚えている。
ここに紹介された水に関する情報はどれもわかりやすく、水の重要性が強く伝わっていたように思う。そして、私自身も本能的に安全な水を私も求めていたのだということを自覚できたのは、新たな発見であった。
(山梨大学 今尾友絵)

ただ漠然と考えていた「おいしい水、まずい水」について、様々な角度から分析・解明がなされており、とても興味深く読むことができました。おいしい水を造る方法などは、とても参考になり、これからも身近なテーマを特集の中に取り入れて欲しいと思います。「日本の水はすべて清くおいしかった」という言葉がとても印象に残っています。
(熊谷組 浅見恭輔)

本記事は今月号の中で私にとって最も興味深い記事であった。飲み水は人間が生きていくうえで不可欠なものである。そして、どうせ水を飲むのならおいしい水を飲みたい、というのが当然の望みである。ところが、日常で一番よく口にする水道水を私は今までに”おいしい”と思ったことは一度もない。しかし、この記事を読んで、一昔前は日本の水は世界で一番おいしかったということを知って非常に残念に思った。また、おいしい水は衛生的に安全であり、人間は本能的に味を通じて安全な水を選ぶ能力を持っているということも興味深かった。実際、私はよくコンビニなどで市販の水を買うのだが、この私の行動も、ただ単においしさだけを求めていたのではないことを知って、人間の本能の素晴らしさに驚きを覚えた。また、この記事を読んでから私がよく買う市販の水の成分を見直してみると、ナトリウム0.94mg、カルシウム0.99mg、マグネシウム0.61mg、カリウム0.57mgであり、軟水であることがわかった。日本人は昔から軟水を飲んで生活してきたということが書かれていたが、この私も例外ではないことがわかり、この記事は非常に納得のいくものだった。おいしい水が飲めるようになるためには、水源の汚濁の防止はもちろんのこと、適量の鉱物が含まれるように土壌汚濁の防止が必然であり、環境保全の大切さを再認識した。
(京都大学 佐藤芳洋)

おいしい水についての条件がわかりやすく書かれており,興味深く読ませてもらった。以前「おいしい水」と称するものを買ってきて冷蔵庫で冷やして家族に飲ませたところ,水道水との違いが分からないと指摘された。冷やせば味の差は小さくなり,これは安上がりだと思うと同時に,水道水の管理に携わる人ご苦労に感謝した。何れにしても,安くて,安全で,おいしい水はただでは手に入らない時代になってきている。構造物の設計分野における性能評価の動きと同様,水の性能を公表し,それに見合ったコストを負担してもらう時代が到来しつつあるのではないかと思った。
(高松高専 長友克寛)

水道水のおいしい水の都市の金沢に住んでいますがおいしい水道水とは無縁の生活をしています.築数十年の大学官舎の我が家では,さびと思われる赤い水しか出ません.建物内の配管が原因と思われます.記事に中で「家庭でおいしくする」で,水道局が責任を持ち,浄水器を設置し,飲料水の水質確保するという案がありました.このような施策が実現すれば,相当多くの家庭でおいしい水が供給できると思います.我が家でも浄水器を設置していますが,様々な浄水器が市場に出回り,どの浄水器だと安全で,おいしい水が得られるのか,はよくわかりません.水道局がそのあたりを整備してくれると本当に安心して水道水を飲むことができるようになると思います.
(金沢大学 中山晶一朗)

自分がまだ幼かった頃,外で遊んでのどが渇くと御近所さんの庭先のホースからよく水を拝借したものだった.この水がまたおいしかったこと.
水道の水がおいしくなくなったと言われて久しい.今号では各家庭に高性能浄水器を導入し,おいしく安全な水を供給しようという案が紹介されていた.確かにおいしい水を迅速に安く提供することは可能であろう.しかし,我々は様々な経路を介して水と接しており,水道から出てくる水はそのほんの一部にすぎない.本当においしく安全な水を供給するのであれば,水環境改善といった問題にもっと抜本的に取り組む必要があるのではないか.
(五洋建設 島谷 学)

以前、「水都」大垣に住んでいたことがあり、井戸や湧き水が出ている箇所が数ヶ所あったため、おいしい水を飲ませてもらったことを思い出した。「昔はどこでもこんな水を手に入れられたんだなあ」と思いながらペットボトルに水を入れ、家に帰ってから冷蔵庫に冷やして飲んだり、お茶にしたりさせてもらった。また、そういうところは地域住民の憩いの場にもなっており、そこでおしゃべりすることでリフレッシュして気分壮快になり、帰ってから飲んで体調も維持できるという効能も「おいしい水」にはあったのだろう。
(関西電力 西田 勉)

飲み水の高度浄水処理
他の記事が、水環境の保全・修復という今までの方式を見直すことを求めているのに対し、この記事は、原水の水質低下→急速砂濾過方式による給水→より快適な水質の欲求→高度浄水処理という、今までの方式を肯定しているように思い、違和感を感じた。
もちろん、現状では、安全な水を供給するためには必要な施策ではあろうが、他の記事にもあったように、水質基準が現状を追認しているという海外に比べてあまい状況では、少し不安だ。
さらに、中小規模の浄水施設では高度浄水処理は採用されていないようだが、このような水の問題についても言及して欲しかった。
(関西電力 大江直樹)

データで見る水環境(1) おいしい水都市別ランキング
図・表をもう1〜2枚増やし,説明文がほしい.
(立正大学 横山俊一)

都市河川はきれいになったか
私の住んでいる中国山地沿いの小都市においても、市街地の中心部を流れる小河川の水質が著しく悪化してきたため、原因が家庭雑排水であるとして下水道の整備に取り組んできました。その結果、水質は改善されましたが事例と同様に水量が減少する事態となっています。この河川は流域面積が小さくまたその殆どが市街地であるため、河川へ供給すべき水が殆ど下水道へ流入することになり、河川自体の自浄能力が失われつつあるものと考えられます。このため、ハ−ド面(他河川からの導水,下水道処理水の還元等)とソフト面(蛍の住む河川を目指した地域住民の啓蒙活動等)からこの問題に取り組んでおり、このような記事・論文は大いに参考になります。願わくば、全国で取り組んでおられる実例を記事にしていただければ、なお良いのではないでしょうか。
(荒谷建設コンサルタント 大田俊一)

都市河川の汚れは下水道の普及とともに改善されてきたが、一方で処理水量の増加にともなう河川水の質的変化や微量化学物質の検出、河川水量の減少など新たな問題もあがってきているとのことである。下水道整備だけの取り組みにはもはや限界があるようである。水環境の創造という観点からは、地域や流域ぐるみで河川のあり方について掘り下げてゆくことの必要性を感じた。
(西武建設 三村 卓)

都市河川でも実施される生きものとの共生理念
希少植物を守るためとはいえ、着工直前に計画を全面的に見直した関係者の英断と熱意に敬意を表したい。工事開始直後はよく見かける都市河川といった風景が親しみのある水辺に変貌していることに驚きを覚えた。公共事業といえば、限られた予算の中で最大の機能を発揮するよう計画されるものと考えていた私にとって、頭を切り換える良い機会となった。
(大成建設 松井俊二)

貴重種等を保護するため、計画を見直した事例というのはいくつか耳にしたことはありましたが、着工段階の事業を一時凍結し、計画の全面的な見直しを図った事例というのは、初めてです。 事業実施延長が500m程度と、事業の規模自体は小さいものですが、住民意見が反映された大変評価される事例だと思います。こういったことを積み重ね、「地域の人々に再び利用してもらえる」川を創っていくことが、我々河川技術者の使命と考えます。
しかし、今回紹介された「古隅田川」のように、河川改修に対する制約条件が比較的少ない(例:護岸を緩傾斜化しても河積の確保が出来る)河川ばかりではありません。「古隅田川」よりさらに厳しい条件のもと、住民と行政の連携により、さらに良い川が作られた事例が、今後数多く紹介されることを願っています。
(建設技術研究所 福井洋幸)

「土木」、土と木から成っており、なんと柔らかなで、自然にやさしそうな言葉であろうか。「土木構造物」、なんともごつごつしており、無味乾燥なイメージである。(あくまで私の言葉に対するイメージであるが)隅田川の改修では柔らかで、自然にやさしい改修工事が行われており、非常に関心が持てた。地元の人達の要望を聞き入れつつ、自然と共生した形で、計画や工法、材料選定、ひいては防災上の機能の確実性や耐久性を高めていくことが、土木技術者の腕の見せ所であろう。
(五洋建設 細見和広)

自然にできたものと、人工的につくったものの違いこそあるが、緑の多い、生きものと共生した河川環境というのは非常に重要だと思います。このことは、生態系に影響を及ぼすだけでなく、心理的に人々に与える影響も大きいことから、この記事で紹介された動きは今後、もっと活発にされるべきだと思います。
(東京大学 石村隆敏)

公共工事において、工事着手時点で大幅に設計変更することは、費用、工期、関係者の合意形成等の面から非常に困難な場合が多く、特に都市部においてはその傾向が顕著である。その意味では、今回の事例においては関係者の方々が大変な努力をされたものと思われる。
(日本道路公団 福冨 章)

川釣り師から見た河川環境
ミチゲーション、ビオトープだけが土木と環境を結ぶキーワードではないのだなと新鮮な印象を受けつつ読ませていただいた。本記事における環境指標は魚であるが、他指標でも同様なことを言えるのであれば面白いのだが。ダム湖と火山湖の機能差などについて考えるきっかけを与えてくれた。
(前田建設工業 岩坂照之)

私自身、釣りを嗜むものですので、大変興味深く読ませていただきました。文中の「自然破壊されてもその程度が再生可能の範囲であれば、自然は元の姿に戻す能力を有する」という意見には賛成です。しかし、それ以外に釣り人独自の視点から「こうすればもっと川はよくなる」といった提案があまり見受けられなかったのが少し残念でした。
「川つくりをする人間は、川遊びをするべし」というのが私の持論です。川遊びの楽しさを良くご存知の皆様からの川作りへの提案があれば、今後も是非紹介して頂きたいです。
(建設技術研究所 福井洋幸)

データで見る水環境(2)水環境の評価あれこれ
水質の評価の様々な方法には興味を引かれたが、特に「数値で表わせない水環境の評価」には改めて考えさせらた。我々が水質評価を行う際はどうしても指標の数値的評価に偏りがちだが、地域に認められている点、保全するための努力が認められている点などは、その視点をフォローするものであり、水環境全体の評価に望ましいことである。これを機会に環境省「名水百選」のホームページを見てみたが、故郷の近くの湧水が選ばれていることに親しみを持った。ただし、このホームページには上記の選定のコンセプトなどが触れられておらず、少々残念な気がした。
(鹿島建設 稲垣 聡)

生きている東京湾
東京に住む住民としてこれまで渇水や洪水の災害などから,河川についてはかなり気にかけてきた.しかしその出口である東京湾に関する理解については非常に乏しいものであった.本記事により,二枚貝類の海水浄化や生物の多様性を生み出す干潟の効果に驚かされた.しかし夏季の東京湾ベントスの生息状況からみた海底環境区分の図をみるとこれが東京湾の実状であろう.現在どの程度変化しているのか興味がある.このような現状を広く住民に知ってもらい理解してもらうことが,東京湾の環境を改善させていくうえで重要であると強く感じた.
(立正大学 横山俊一)

地方における環境に配慮した海岸づくり
記事の中にて、地方部では地域住民が産業や社会活動に組み込まれているため、個人の意思を自由に発言できないとあるが、しがらみのため言いたいことも言えないはがゆさは、他でも多いと思う。
そんなしがらみの象徴のように土木工事が非難されることも多いように思うが、「海の庭師」の考え方をもって行動すれば、そんな風潮も改善され、ひいては海に通ずる全ての地域の庭師と連携した環境配慮型産業として喜んで頂けるのではないだろうか。
(関西電力 大江直樹)

海で遊ぼう
肩を張らずに読むことができました。釣りの歴史の中で海環境の変遷も垣間見ることもできたし、写真も含めて釣りの楽しさが伝わってきました。
読み始めて、最後まで土木的な内容が全くなかったことに、多少驚きを感じましたが、かえってこの記事の印象を強くしたとともに、周りの記事ももう一度読み返す気持ちになりました。
(ダイヤコンサルタント 細野高康)

楽しく読みましたが,後半は少し営業的(宣伝)な文章ではないだろうか.
(福山大学 田辺和康)

海域の水環境創造
本記事を読んで,最近よく聞くミティゲーションについて,具体的な定義を知ることができました.開発により生じる環境への悪影響を回避,最小限にし,また,代償措置として新たな環境を創り出す制度はとてもすばらしいと思います.日本でもアメリカに遅れながら1997年に環境影響評価法が施行されており,このような環境緩和措置が増加することを期待したいと思います.
(日本鋼管 本田秀樹)

海外の国々が環境保全についてどのような対策をとっているのかは具体的に知らなかったが、アメリカのミティゲーションについての記事を読み、やはり環境についての詳細な検討は必要不可欠なのだと痛感しました。そして土木の技術の活用で、リセットできない環境をいかに創造し、持続的なものにしていくかというのは今後終わりの無い課題になっていくのであろうと思いました。
(清水建設 賀屋絵里菜)

アメリカでのミチゲーション制度について歴史と事例をあげた報告であった。最終手段として代替措置があるが、事業規模が大きくなりコストも重くなりそうである。いかにしてバランスをとり評価するかについて欧米各国の取り組みに学び、日本の諸制度を整備してゆく必要があると考える。個別事業ごとの小規模な環境対策だけにとどまらず、生態環境系の観点からのグローバルな環境整備計画が必須であろう。
(西武建設 三村 卓)

大阪市街地におけるアーバンオアシスの創造
最近,ヒートアイランド対策としての都市部の緑化が注目されている.都市部での植生を伴った水辺の演出は,都市の憩いのスペースとしてもさらに普及して欲しいと思う. 緑化技術としてビオトープが注目されているが,本来ビオトープはそれ自身が自然のサイクルを再現できるものであり,”人の居心地の良さ”とはある意味対局にあるものだと思う.緑化にビオトープの技術を応用することは重要であるが,本来のビオトープの意味を見失わないことが重要であると感じた.
(大成建設 織田幸伸)

周辺環境の景観向上を図る手法として,アーバンオアシスを積極的にとり入れられた事例の報告を読み,国づくりをソフトに推進されていることに敬意を表したい.
(福山大学 田辺和康)

豊かな河川環境を利用した環境教育
初等教育における土木という観点で意識的に考えたことはなかったが、いわれてみれば土木の内容は初等教育において積極的に紹介すべきものが少なからずあるように思われる。興味を抱いてもらうために土木の世界を実体験させるのは重要な試みであるが、より広く土木(土木に限らず一般に工学といってもよいと思うが)の世界の知識を得てもらうために、教育の場で使用することを目的としたビデオ教材などを作成するのも学会の試みとして有益なのではないだろうか。
(大成建設 小原伸高)

環境問題について小学生の頃より身近な問題として考える習慣がつくようにする事が大事である。中でも知識を上から教えるだけでなく、子供達自ら考える力を持たせる教育が必要であり、今回の河川を利用した体験型の学習は非常に有効であったと思う。環境教育を教育者と専門家が一緒になって次世代を担う子供達の為に考案した事は大いに賛成できる。現実とのギャップが少なくない教育では子供達が勉強する事すら疑問を感じてしまう事が危惧されるからである。専門家のアドバイスが入る事で現実が反映され、より充実した教育ができる。また、アドバイスだけでなく、実際に河川等改修を行っている現場を見学する等、社会の協力が不可欠だ。現場を多くの人に開放する事は特別な事ではなく社会貢献に繋がると私は思う。
今後は、よりより教育を目指す為、また、土木を子供達に身近に感じてもらう為にも教育者の研究が出来やすい環境作りを土木学会も考えて行く必要があると思う。教育者が疑問に感じた際に、土木学会のホームページへアクセスして活用してもらったり、土木学会へ気軽にEメールで問い合わせができるというように専門家との太いパイプの確立が重要ではないだろうか。
(熊谷組 波田泰子)

土木を取り巻く社会的環境は厳しく,学生の土木分野への興味低下が大いに危惧されている.このような取り組みによって,新しい世代が土木に対して,どのような印象を持ったのか,あるいは,印象をどのように変化させたのか興味深い.本文中にもあるように,土木という分野は環境面で取り上げて授業に組み込まれるのが一般的なようである.通常の授業において,土木事業と環境問題との関わりについて,偏った認識が形成されていないかについても,ぜひとも知りたいところである.
(広島大学 山田忠史)

豊かな沿岸環境を利用した環境教育
21世紀の土木事業は,自然環境の創出と動植物との共存共生が重要なテーマでありますが,この特集では自然環境保全について平易に論じられているとともに国土開発技術者の注意義務について指摘されており参考となった.また,国土開発を担う土木技術者は,環境教育関連の講習を積極的に受講する必要性を感じた.
(福山大学 田辺和康)

水遊びのリスクと責任
リスクマネージメントや安全工学というキーワードが強い意味を持ちつつある昨今ですが,本稿を読ませていただき「リスクと責任」について,非常に基本的ながらも合理的な教唆を示していただいた。実は私も風景や景観について日頃漠然と考えている中で共感するところである。というのは,多くのリスクについては責任の所在が自己にある比重が日欧で大きな開きがあるようだと感じる。特に道路や橋梁について欧州の町並みを歩いていて感じるのは,市民たちが,その道路や橋梁を通行している際のリスクを,一種無意識の中に自己責任の元で共有しているようだ。これをコモンセンスというのが妥当なのかは分からないが,町並みの中で,橋梁と河川の風景の中でいくつもそういう場面に出くわすのである。日本と比較して非常に危なっかしい隙間が大きく高さの低い高欄,今にも落ちそうな組積造構造物の中のレンガや石材,健常者であっても歩きづらく,雨が降ればたちまちタイヤがスキッドする敷石,非常に狭く段差の多い歩道,当然歩道と車道の境界にはブロックなどもなく,河川のほとりは手入れの行き届いた芝地があって飼い犬は入れてはならんという警告看板はあってもフェンスなどは一切ないなど,例を挙げるといくつでも出てきそうなのであるが,日本では,特に整備された都市部では考えられないような危険スポットやバリヤが一杯なのである。そうした風景が彼らは好きで,我々もまた居心地の良さを感じるのだけれども,低い高欄のために橋から転落しても,あるいは凍える朝にスリップして接触事故が起きても橋梁や道路の構造自体やその管理者に重い責任があるとは言わないのだろう。我々が子どもの頃,田んぼがあって,そこには狭い畦しかなく,すぐ脇には用水路が流れていた。幾度かは畦から田んぼに落ちたり,運が悪ければ用水路側に落っこちて頭の先までずぶぬれになる。しかしながら,深いところや流れの速いところでは決して気を緩めるなと年長者や親から教えられてきた。それに引き換え現在はどうであろうか。危険箇所との隔離された不自然極まりない,過保護ともいわれる状態である。それが悪いとは言えないのが問題を複雑にしてしまうのであるが,いずれにしてもそこに柵をして誰も入れないようにして危険防止するのではなく,他人から教育された危険に関する情報を元に,自分でその危険度を判断する機会を失してしまったのではないか。そこに人間不在を感じる。また,建物にしても欧州ではディスアビリティのためのスロープなどはホテルでも特に古い歴史的な建物でも設けられていないし,バリアフリーどころの話ではない。しかしながら車椅子の人がその建物に入ろうとする意を汲み取るや否やだれかれとなく車椅子を後ろから押したり,引き上げたり,またそれをサポートする人々がどこにでも多数いて十分にバリアフリーの状態なのである。それはモノや施設による配慮ではなく,あくまでも人間同士のコミュニケーションの中から生まれ,育まれた景観なのである。
(熊本大学 重石光弘)

この記事を読み終えた時、先日参加したある勉強会での議論を思い出した。勉強会のテーマは“まちづくりと教育”であり、その勉強会の中で最近の子供は川で遊んだことがないので、もっと大人が遊び方を教えるべきだとの意見が出ていた。
川に限らず自然に接する際には様々なリスクが伴う。だからと言って、子供達に遊ぶなと言うのは極論であろう。この記事に書かれているように、自然は危険であることを教え、自然遊びのルールやマナーを身につけさせるようなことが、今後の教育の一環として必要であると思う。
(日本データーサービス 東本靖史)

普段耳にしない法律用語が連発され、かなり難解ではありましたが、水遊びの有するリスクが我々の予想以上に大きいものであることが十分認識できました。特に幼少の頃から頻繁に川遊びを経験している自分には、「自己責任」の意識が強いため、これほど明確に「責任」が定義されているのは、大変な驚きでした。
しかし、これをもって「川で遊んではいけません」と言う大人になるのではなく、「自然の脅威」と「事故による責任」をしっかり頭に入れ、それらを踏まえた上で「川の怖さと楽しさ」を次世代に伝えて行きたいと思います。
(建設技術研究所 福井洋幸)

記事は水遊びや教育活動の指導者、主催者の法的責任、補償策について書かれていたが、補償に関しては公的な損害賠償保険の早期創設と加入の徹底が重要であると感じた。教育活動、ボランティア活動に参加し被害を受けた場合に十分な補償が受けられない状況は1日でも早く改善すべきである。記事の内容と直接結びつかないが、水辺での事故を防ぐためには危険に関する教育、啓蒙が第一だと思う。小さい頃、川の近くに住んでいた時期があったため、よく川で遊んだ。上流ダムの放流のサイレンがなり水嵩が上昇した(おそらくほんの少しの上昇だったのだろうが)のを見た記憶が未だに残っている。当時は水面の上昇しつつある川の中で体が動かなくなってしまうという恐ろしい夢を見たこともあった。なんといっても体で覚えるのが効果的である。
(大成建設 沢藤尚文)

川で遊び・学ぶ場合には自ら危険を引き受けて活動するべきという論旨に共感した.子供のころ遊んでいた小川も,今では高い護岸と柵によって近づけなくなっている.自然は本来危険な部分を含んでおり,安全に管理することは完全には不可能だと思う.安全責任を管理者に負わせようとすれば,安全管理できる自然しか残らないのではないだろうか.利用者が自ら責任を負うという意識がなければ,今後もっと本当の自然がなくなっていくような気がする.学会誌だけに留まらず,こういった意見が広く世論に普及して欲しいと思う.
(大成建設 織田幸伸)

私は、学生の頃からカヌーをやっており、現在でも毎年のように川下りを楽しんでいます。自然はコントロールできないものであり、個々が自然のルールを理解し、マナーを身につける必要があると思っています。近年のアウトドアブームの中、一昨年の玄倉川の一件はとても悲しい出来事でした。夏期休暇も近づいてきた今、自然の恐ろしさを再認識しました。
(熊谷組 浅見恭輔)

日常身近な話題について、専門的な視点での法的責任の所在がはっきりとして大変興味深いものでした。このようなテーマは、土木関連の私どもはもとより、広く一般の方の御感想を聞いてみたいです。
(大林組 小石川隆太)

筆者の伝えたい内容は理解できますが、「川に遊び・学ぶこと自体が危険を伴うもの」との記述は誤解を招くのではないでしょうか?私が小学生のころはレクリエ−ション施設どころか田舎の小学校にはプ−ルも無く、川は子供にとって恰好の遊び場でした。自然と直接触れ合える大切な空間だったのです。川は確かに危険な要素も持っていますが、楽しく遊ばせてくれる場でもあります。水遊びや学びの場にはル−ルやマナ−より遊びに夢中になる子供がたくさん集まるので、このような川を実感できる機会を有効に使い、川は「楽しく遊ぶことができる場」でもあり「時と場合により危険な場でもある」ことを教えることが必要だと思います。
(荒谷建設コンサルタント 大田俊一)

[水遊びのリスクと責任]の内容は面白いが、4.水のある暮らしの再生の章ではマッチしていないと思う。
(西武建設 山本敏昭)

21世紀、水環境創造への哲学
河川敷を見るたびに、水環境の良さってなんだろうと思うことは多々ある。河川敷の整備が完璧になされているものと、全くもってなされていないもの、どちらにもよいところはあると思う。しかし、治水、利水、親水、これらの要請に対応するために、人工的河川が増えるのはかなしいのである。
ここでの筆者の替え歌「川唄」はとてもおもしろく、河川景観の「引き算」を基礎におくことに、大変興味がもてた。
(山梨大学 今尾友絵)

古くからサイトごとに地震動浄化を行ってきた原子力発電所の耐震設計法
古くからサイトごとに地震動評価を行ってきた原子力発電所の耐震設計法]日本の原子力発電所の耐震設計が高度かつ高精度の方法で行われていることはよく理解できる.しかしながら,記事の内容が専門的であり,技術論的な内容が強く前面に出てきてしまっている為,読者にとってとて重く感じられる.記事の表題にあるように,日本の土木技術のオリジナリティをアピールするために,諸外国の設計法との対比なども記事にしていただきたかった.
(東海大学 川上哲太朗)

改めて、原子力発電所の耐震設計の考え方を知ることができ、勉強になりました。特に設計用地震動の考え方については、調査・検討手法の具体的な記載もあって理解しやすかった。原子力発電所の立地・建設に係わる調査は、十分な精度で実施されていると認識していますが、この記事のような内容のものを目にする機会が少なかったと思います。今後も活断層評価以外についても紹介して貰いたい。
(ダイヤコンサルタント 細野高康)

内容が高度なのか、ページ数に対して内容量が多いからか、私の知識不足のせいか、十分に理解できたとは言い難い。この分野の専門家以外では同じような感想をもった読者もきっといらっしゃるだろうと想像する。単なる素直な感想ですが・・・
(大成建設 小原伸高)

全体的に記述が専門的でわかりにくい印象を受けた。設計対象の活断層についてもその設定方法および根拠についての記述があったが、十分に理解できなかった。また、地点ごとの地震動評価の先見性がcustom-madeとして強調されているが、具体的に地点によってどれだけ設定地震動が違うのかを示してもらえればcustom-madeの有効性が認識しやすかったのではと感じた。
(大成建設 沢藤尚文)

連載 砂 第3回
ここで謳われているように、砂防計画は大規模出水時の土砂を補足することに主眼が置かれており、砂防堰堤は土砂を補足して流出調整させる施設として、許容流砂量を設定しているもののその粒径まで考慮せず計画・設計しています。今後は「今後砂防堰堤に期待される役割」で述べられているように、山地地域から海岸まで一貫して土砂を管理する必要があると思います。河川・砂防及び海岸が技術士の技術分野のひとつであるように、砂防に携わってきた私たち技術者は、流域全体について防災面と環境面の両方を総合的に見る目を養う必要があることを実感させられました。
(荒谷建設コンサルタント 大田俊一)

世界に誇る砂防技術
普段あまりなじみのない分野ですが、興味深く読ませていただきました。透過型砂防堰堤の仕組みが分かりやすく書かれており勉強になりました。また、砂防堰堤というとそれほど長くない期間のうちに堆砂量が貯砂容量に達し機能しなくなってしまうという古い考えを正すことができました。本文にも書かれていますが、透過型堰堤により下流域への土砂の供給がどのように変化するかが明らかになればおもしろいと思います。個人的には、写真で紹介されている鋼製の堰堤に興味を持ちました。
(日本鉄道建設公団 須澤浩之)

砂防堰堤の名前は見聞きしてはいたが、個人的にはあまりなじみのないものであった。砂防堰堤と言えば土砂を捕捉することしかその役割として認識していなかったが、下流側に土砂を供給したり、魚類や動物の上下流方向の往来を妨げないことに配慮した構造形式のものもあることを知り、以外に繊細な構造物であるのだなと思った。さらに今後は大規模な出水時には土砂を捕捉し、中小出水時には下流の河川に必要とされる粒径の土砂を流すといった土砂移動の制御まで求められているという。「世界に誇る砂防技術」の意味を垣間見た気がした。
(大成建設 上野恭宏)

我が国における土砂災害を防止するための河川砂防堰堤の種類や特徴について簡潔にまとめられている記事であり、楽しく読ませていただいた。特に、透過型の砂防堰堤については、土砂災害防止という本来の防災機能に加えて、生態系への影響を低減できる点、下流域に土砂を供給することが可能である点、が素晴らしいと言える。今後は、防災施設においても、災害防止機能に加えて、複数の有効な機能(環境等)を併せ持つ必要性を強く感じた。
(国土技術政策総合研究所 宮田正史)

我が国における土砂災害を防止するための河川砂防堰堤の種類や特徴について簡潔にまとめられている記事であり、楽しく読ませていただいた。特に、透過型の砂防堰堤については、土砂災害防止という本来の防災機能に加えて、生態系への影響を低減できる点、下流域に土砂を供給することが可能である点、が素晴らしいと言える。今後は、防災施設においても、災害防止機能に加えて、複数の有効な機能(環境等)を併せ持つ必要性を強く感じた。
(国土技術政策総合研究所 宮田正史)

砂漠、沙漠、土漠
連載 砂 「砂漠、沙漠、土漠」を興味深く読んだ。中近東で働くことが多い仕事柄、私も砂漠・土漠には関係が深い。土木工事材料としての砂や土としてしか捕らえていなかったが、その近くでこのような砂漠化防止への取り組みがなされていることを知った。生活や農業生産の改善への試みが紹介されているが、プラントや土木構造物を砂漠地帯で工事する技術からかなりの部分は応用が利くのではないかと思う。地下埋設物や基礎工事を行うに適する材料の選定や、場合によっては現地材料の改質・改良を、コストと工事期間・時期を睨みながら遂行するノウハウは、砂漠化対策に貢献できると思う。
(千代田化工建設 弾塚雅則)

砂漠化の対策には様々な技術が取り入れられており,本記事の事例も興味深く読むことができた.その中で特に重要なことは,その地域の地域特性を把握する必要であると思いました.技術が導入されても,結局はその地域にあわなければ失敗するでしょう.特に技術的に何ら問題がなくても,その国の国民性等々により結果は大きく変わっていくでしょう.このことからも,ハード面だけでなく,ソフト面の対応も必要であると強く感じた.
(立正大学 横山俊一)

砂漠化の主原因が、発展途上国における人口の爆発的な増加による都市集落の拡大、過剰耕作などとすれば、今後も砂漠化の進行は加速度的と考えられる。土木分野における砂漠化防止の取り組みは、効果の及ぶ範囲が限定的ではあるものの、他の手法に比べて即効性があり、砂漠化によって生活を脅かされている人々にとっては非常に有用である。したがって、今後も積極的な取り組みを行う必要があると思った。
(日本道路公団 福冨 章)

個人的に砂漠・土漠を目の当たりにした経験もあり、興味を持って読ませていただいた。改めて世界に広がる砂漠化傾向の規模の大きさに驚愕するとともに、それらへのNGOや国際機関の防止対策を地域毎に紹介されている記事・写真から、現地の人々の厳しい生活が想像させられた。これらの地道な取り組みが各地域で実を結び人的砂漠化を食い止め、多くの人々の生活に少しでも潤いが生じることを願うばかりである。
(千代田化工建設 石川史郎)

勉強不足のためか、今回初めて地下ダムという言葉を耳にした。貯水用ダムと聞くとアーチ式や重力式ダムを思い浮かべてしまうが、アフリカの大地の下に止水壁を設け地下水を貯水するというアイデアにたいへん興味をもった。筆者の言うように、ダムの建設以上にそれ以後の地下水管理や、地下水を利用した農作物の生産に砂漠化との戦いの命運がかかっている。土木事業のスケールの大きさを実感した。
(港湾空港建設技術サービスセンター  前田泰芳)

技術リポートRobocop-Rescue
RoboCup-Rescueというものを知ったのですが非常に面白いと思いました。特に、シミュレーションプロジェクトで、人間の活動が結果に影響を与えるという点がすばらしいと思います。また、既にこのシミュレーションを実際の防災訓練に活用しているということに驚きました。シミュレーションの精度が上がって、街づくりに防災シミュレーションの結果が反映されるようになる日も近いのかも知れませんね。
(日本鉄道建設公団 須澤浩之)

火災対策の重要性に目をつけロボット開発が進んでいるとは知らずためになった。必要性が叫ばれながら再開発が進まない木造密集地域の現状を考慮すれば、可能性を感じる。
(前田建設工業 岩坂照之)

若干、話がそれてしまうかもしれませんが、防災システムや防災シミュレーションの記事を読むとき、いつも疑問に感じるのが、どうやって情報を、いかに速く、正確に入手するのかということです。本記事では、携帯電話を使って直接現地で情報を伝達する仕組みになっていますが、もし、地震などの大規模災害が生じた場合、本当に携帯電話で情報が伝達できるのかが非常に疑問です。こういった、情報入手の方法も書いていただければ、より理解できるようになると思います。
(東京大学 石村隆敏)

「技術リポート」は、いつも興味を持って拝見しております。今回は知能ロボットや情報処理などの情報技術が、災害援助分野への適用について研究されている現状が分かり、個人的にはこれらの研究開発は重要なことだと理解しております。しかしながら土木学会誌の「技術リポート」に掲載する内容として相応しいのか疑問に思いました。土木技術に関した情報を取り上げていく方が読者にとっては有益かと思います。
(日本鉄道建設公団 岡 康博)

災害時という一種のパニック状態こそ、冷静・的確なる判断が求められるが、実際の多種多様な情報を処理する際には、このようなシミュレーションプロジェクトによる支援が必要不可欠だろう。
また、記事には記述されていなかったが、このシミュレーションの結果を地域計画のツールとして使えば、地域住民とのコミュニケーションに役立つのではないだろうか。
(関西電力 大江直樹)

ロボットの先端技術と土木(防災)分野との関連付けが既に注目され、関連する研究がなされていることについての紹介があり、興味深く読ませてい頂いた。
(港湾空港建設技術サービスセンター 東山 茂)

人間型ロボットが人々の生活のあらゆる場面で活躍する時代は、もっと遠く先のことだと漠然と考えておりましたが、この記事を読み、そんなに遠い先のことではないのではないかと、少し楽しみになってきました。
ロボットというと、すぐに人間型のものを想像してしまうのですが、今回の記事では、土木分野の中で災害救助という非常に重要な分野で、実際に地区防災訓練にシミュレーションシステムが適用されることを知り、非常に感心いたしました。
今回の記事は、RoboCup-Rescueということで、災害救助分野の内容のみとなっておりましたが、土木分野全般において、どのようなロボット技術が開発されているのか、あるいは今後の展望などについて、機会がございましたら、掲載頂ければと思います。
(京都大学大学院工学研究科 松中亮治)

イベント・ツリーを用いた事故・災害の分析
最大級の海難事故であるタイタニック号事故に対して,その事故原因を探るためにイベントツリーを用いた事例を報告されており,非常におもしろかった.近年頻発する医療事故などにも適用可能と思われ,このような手法を通じて安全性向上に寄与できれば,と期待したい.ただ,この種の方法については,各事象の生起確率の決定方法に結果が大きく左右される.特に,人定要因についてはなかなか設定方法が難しく,また多くのレベルから成る事象を対象とする場合,要因間の相関が大きくなる.イベント・ツリーの有用性を示した上で,この手法を用いる際の問題点についても,簡単に説明する方が良いのではないか,と感じた.
(京都大学 倉内文孝)

この記事ではタイタニック号の事故を例に、事故・災害解析の客観的な手法を説明しており興味深かった。折しも明石市の花火イベントでは歩道橋で将棋倒しの惨事が起こった。報道では、一方通行などの誘導計画の不備、警備担当者の連携不足などが指摘されているが、各要因の重要性の度合があいまいで、責任の所在を含め見守る側は歯がゆい思いがしている。今回紹介された手法がどこまで適用できるか分からないが、是非適用を試み、判断の一助にして頂きたい。それ以外の災害にも、適用の実績を増やして頂きたいと思う。事故原因の客観的な判断は非常に重要なテーマであり、この種の研究には多いに期待したい。
(鹿島建設 稲垣 聡)

タイタニック号の沈没という実例を取り上げてイベント・ツリー手法をもちいて原因を定量的に評価するという記事で、興味深く読みました。ただ、イベント・ツリー手法を用いた解析結果の活用方法についてあまり言及されていないように思いました。もう少し結果を利用して対応策が定量的に得られるような適切な事例を取り上げた方がよかったのではないかと思いました。
(東京大学 江間智広)

タイタニックという有名な大事故にイベント・ツリー手法を適用し、定量的に解析している内容に大変興味をもちました。
災害後、公共投資によりさまざまな防災対策が行われますが、今後は発生した災害を確立論的に解析した上で、防災対策の程度の検討が必要であることを考えさせられました。
(日本データーサービス 東本靖史)

「イベント・ツリーを用いた事故・災害の分析」で、イベント・ツリー解析手法が紹介されていた。昨年話題になった映画・タイタニック号を例にしたのは時宜を得ていた。なぜタイタニック号は沈没したか?は永遠の謎とも言われており、従ってフィクションとしても面白い題材であったわけだ。確立論的安全評価手法を適用し、「定量的な」評価を行う(これを可能にする手法であることがイベント・ツリーの特筆すべき性質と思う)と、当時の状況とデータを基にして タイタニック号は沈むべくして沈んだ、という結論は、発見でさえあると思う。
(千代田化工建設 弾塚雅則)

記述はややわかりにくかったが、事故災害をこのように各シーン毎に簡潔明瞭に区分し、その確率を想定していく手法は、まことに明快である。土木に隣接する緑化分野で種々のコンサルを行う身としては、本手法の考え方は実に有益であった。
(テラパックス・テクニカ 川九邦雄)

本文で述べられている事故の発生確率の試計算は、イベント・ツリーによる解析手法と共に、感覚的な想像よりも大きい値である点で非常に興味い。これと同じように、信頼性設計など確率論的手法による施設・構造物の設計結果は、我々の感覚や既往の設計手法による結果と比較して意外な相違が生じるケースがあるのかもしれない。今後、確率論的な設計手法が広く実務で用いられるようになってくるのかどうかは、その手法による結果が我々の感覚に馴染むかどうか、逆にその感覚を変えていけるかどうかによるところ大であると思われ、具体的な事例研究を実施していくことが必要であると感じた。
(大成建設 小原伸高)

最近PSAという言葉を時々耳にするが、このような具体的な事例をとりあげた手法の説明は初めてであり、とてもわかりやすかった。ただ、推定値はあくまで推定値であり、この手法による推定値と現実とのギャップを狭めて行く方法があるのかがよくわからない。今後安全評価法として採用されるに当たっても課題は残るのではないだろうか。
(栗崎 夏代子)

最近レンタルビデオで「タイタニック」を見たばかりであり、映画の映像を思い浮かべながら記事を読んだ。減速せずに舵を切っていたら衝突を免れたということは素人である私には以外な事実であったが、当時の関係者の間でも常識であったならば余りにも初歩的なミスであると思う。今回のイベント・ツリーによる分析は特異な事故に対して適用したケースであったが、もっと発生確率の高い事故(例えば交通事故等)に対して適用してみても面白い結果がえられるのではと感じた。(適用事例はあるのかもしれないが。)事故多発地点で安全設備の設置前後での事故発生確率の変化からあるヘディングの寄与度を分析するなど。
(大成建設 沢藤尚文)

不都合な自体(事故)が発生する確率を定量的に評価する確率的安全評価という考え方を理解するのは非常に困難と思いながら記事を読み進めていた。しかし、映画で取り上げられ話題となったタイタニック号事故を事例に論じてあったので、非常に興味深く読む事ができた。
近年、異常気象や大地震による災害、人的大事故が報道されているが、同じような被害が再び起きないよう事故解析/事故究明する事は重要であり、尊い命を失った人の為にも社会は行わなければならない責務がある。
今後、もっとこの評価方法について議論を行って頂き、未然に被害を最小限に抑えられるよう、より一歩進んだ社会となるよう期待したいと思う。
(熊谷組  波田泰子)

ゼネコンでも災害防止は永遠のテーマであり、各担当技術者は、日々大変な労力を費やし事故防止に努めております。現場での対応としては、ツリーを用いた事故原因究明などは、行うものの、そう頻繁に起こることでもないので、定量的な因果関係については、なかなか、はっきりとしないところがある。このような解析手法が広まり、包括的に災害事例を分析することが、より実務レベルでの災害防止に役立つのではないでしょうか。
(大林組 小石川隆太)

確率論的安全評価に用いる解析の一手法の概要が良く分かる内容であった。読み進んでいくうちに,予め想定出来ない,すなわち「マニュアル化出来ないような事象に対する人為的なミスの生起する確率の評価」とか,「この手法から導かれる結果そのものの確率的ばらつきの評価」といったものについて更に知りたいと思った。今後,是非続編のようなものを期待したい。
(高松高専 長友克寛)

今まで確率論には全くと言っていいほど接点がなかったが、タイタニック号事故を事例に紹介されていたため非常にわかりやすく講読させて頂きました。この、確率論的安全評価に使われているイベント・ツリーという解析方法は我々が日常、頭で行っているものであり、これを安全評価に用いるという事に対しなるほどと思いました。この解析は幅広い分野で導入されやすいのではないかと思うので今後活用されていく事を期待しています。
(清水建設  賀屋絵里菜)

世界中で最も有名な事故災害の一つであるタイタニック号事故を対象として、その事故が発生する確率をイベント・ツリーという解析方法を用いて定量的に評価する方法を分かりやすく解説頂いていると思います。あのような大事故が、起こるべくして起こったのか、あるいは、偶然に偶然が重なり、運悪く起こってしまったのかといったことは、誰しも興味があることであろうと思いますが、今回の記事では、可能な限り正確に算定するために非常に膨大なデータを参考に緻密な計算が行われており、このような確率を算定することが如何に大変な作業であるかがよく理解できました。
今後、このような安全評価手法が実際に適用され、少しでも安全な社会が実現することを期待します。
(京都大学 松中亮治)

昨今、建設の分野においてリスクマネジメントが重視されつつある。特にPFIなど事業期間が長期におよぶ場合、官民の適切なリスク分担がたいへん重要であり、特にリスクの定量化は事業の採算性やVFMの算定に不可欠である。本稿では、リスクの定量的評価という難しい問題を、わかりやすい例を用いて、かつ科学的に説明しており、日頃リスクの定量化にあまりなじみのない読者の方にも理解しやすい内容となっていると思う。イベント・ツリーを用いることで、タイタニック号のような歴史的大惨事だけでなく、日頃の業務における設計ミスや施工上の手戻りなどが起こるプロセスが体系的に分析できるのではないだろうか。またそれらのミスの発生確率などを算出できればさらに面白い結果が得られそうである。
(港湾空港建設技術サービスセンター  前田泰芳)

2001年3月24日芸予地震被害調査報告
研究論文や展開される議論ではない「事実」に対峙することは時に厳しい。災害の調査報告に向かう土木技術者は特にそれを感じることと思う。事実は事実として評価し、得られた知見を活かし残された課題に対処する必要があるが、災害により得られた知見や、後に解決された課題などの知的資産はどのように活かされているのだろうか。各地の研究機関た地方公共団体等で共有を図ることができれば素晴らしいと思うが。
また、各種施設の被害状況等はよくまとめられているが、被災直後の交通機関の稼働状況や人々の動き等を調査することはできないのだろうか。疑問ばかりで恐縮だが、そのようなソフト面の調査についても掲載をお願いしたい。
(国土交通省 森橋 真)

地震の被害状況が詳細に記述されており、「被害調査報告」というタイトルに対しては十分な内容だと思われる。従って、この報告書の内容そのものについてなんら批判するものではないが、一土木技術者として知りたいのは、被害の規模や状況もさることながら、むしろ耐震設計がどのように効果を発揮しているのか、あるいは効果が十分でなかったのか、その場合その原因は何かといったことであり、このような報告書が出されれば最も今後の役に立つ報告書になると思う。
(大成建設 上野恭宏)

被害調査のうち、特に目を引いたのが液状化の被害報告に関してであった。埋め立て年代とのなんらかの定量的関係が今回の災害を期に研究され、今後評価されて行くことを期待したい。
(千代田化工建設 石川史郎)

今年3月に起きた芸予地震により,中国・四国地方では多大な被害を受けた.この後もある研究機関から再度大きな地震が起きる可能性があると発表され,災害対策を進める治体も多数あった.その一方で,他の研究機関からはこの情報の信憑性を疑う声も出た.この疑問の声を云々するつもりはなく,そのような議論がオープンに行われたことはむしろ好ましい.しかし,正反対の情報から状況を判断しなければならない住民としては判断に困る.
情報過多のこの時代,我々は安全に関する情報も取捨選択しなければならないのか.各研究機関には人命に関わるこの情報を住民に対してもっと分かりやすい形で公表して頂きたい.
(五洋建設 島谷 学)

学生のページ 海外に羽ばたく 第8回
ネパール出身技術者ブラダン氏のインタビュー記事であった。日本の大学院を出てゼネコンで現場技術者を経験し、一時帰国を経て、現在は日本のコンサルタント会社で技術者をされているとのこと。特に、彼の将来の目標、家族観などが興味深かった。外から見た日本の問題点、彼の評価ついて同僚からフォローしてもらえたら良かったと思う。
(西武建設 三村 卓)

ネパールでは、当時、工科大学が1つもなかったとのこと。そのためインドの大学や日本の大学で学び、日本で就職もしたことが書かれていた。日本では大学全入時代といわれている。目的をもって大学に入る人は少なく、選ぶのは自分にあった偏差値の大学または就職に有利な大学、しかも入学してしまえば勉強をしないといわれており、このことが現在の日本では問題になっている。だが、ネパールから外国の大学に行こうと思うにときに日本を選択してくれたように、日本にはまだまだ魅力があるようだ。これからもそういった対象に日本が選ばれるよう絶え間ない努力をしていく必要がある。
(関西電力 西田 勉)

土木紀行 妖艶な橋脚の森
多分野にわたっていると思われる本誌の多くの読者にとって、この「土木紀行」のシリーズは土木がまだ理屈抜きに人のために役立っていた頃の、それに携わった人間の強烈な使命感、ダイナミズムやバイタリティーといったものを、思い起こしてくれる点で貴重なページである。本編は、橋そのものの概要にとどまらず、地域の中世からの歴史や周辺環境の変遷を調査し、時代に応じた橋の役割に考察を加え、さらに将来展望に言及している点で、わずか2ページという短い中で、密度の濃い内容になっている。欲を言えば、主役の小西、山本についてのもう少し詳しい説明が欲しいと感じた。
(清水建設 櫟原 昇)

今回の紹介である岡山にある京橋の話では,構造美とかその価値とか歴史的な背景などが示されているが,どうもモノが中心で素っ気無い。むしろ『無名』といわれた二人の技術者にスポットを当てられて,ヒトを基点にした紹介とししていただきたかった。大変執筆者には失礼とは失礼とは思いつつも一意見として取り入れていただければ幸いです。
(熊本大学 重石光弘)

普段何気なく見ている橋の構造的及び社会的変遷を,その当時の時代背景とうまく関連付けて書かれており,大変面白く読ませていただいた.古い時代の土木構造物には,装飾的な美しさとは違う構造的美しさを感じさせるものが非常に多く見受けられ,先人たちの美意識,感性の高さに敬服させられる.これからの時代,社会的潤いが必要であり,土木技術者にも先人たちと同じ様な美意識と感性が要求されるのではなかろうか.
(東海大学 川上哲太朗)

海外では、ふと「そういえば川を渡っていないな」と気がつく、というようなことがある。必然的に、日本の川の多さよ、と感慨深くなってしまうのだが、橋で人々の目が向く「主役」は美しい欄干や見上げる主塔、ケーブルであろう。
たまには船に乗って水面から橋を見上げるのもよいものだが、橋脚を「妖艶」とはついぞ感じたことは無かった。が、言われてみればの感もある。派手でなく、目立たない部分での工夫に目を向けるのも良いものだ、と思わされた。
(国土交通省 森橋 真)

土木史は,土木に関する知識を少しでも持っていると,興味がわいてくると思います.これは土木史に限らず歴史全般についても言えることでしょう.その歴史に関する興味は,それに関連した事柄を少しでも知っていることから始まるのではないでしょうか.自分が学部生のころ,土木を学び始めてすぐに土木史の授業がありました.そのころは当然,何の知識もなかったので興味がわきませんでした.現在は,当時よりは土木に関して知ることが多いので,土木紀行を興味深く読ませていただいています.
(東京工業大学 山口亮太)

森の木を想像させる多数の橋脚の写真を見ていると爽やかな気持ちがしてきました。京橋の設計施工を当時無名の地方技術者が行なった点や特徴的な橋脚と当時まだ前例のない鉄筋コンクリート床版を採用するなど日本における土木技術の発展を実感しました。今後も京橋の保存と土木構造物の名所としてアピールをして頂くことを期待しております。
(日本鉄道建設公団 岡 康博)

話の広場 韓国・始華干拓に学ぶ有明海の今後
この記事を読んで、すぐ隣の国である韓国に、有明海とまったく同じ問題があったことを初めて知りました。諫早干拓と始華干拓では条件が異なるところもありますが、始華干拓におけるこのような詳細なデータは、有明海のケースを考えるときに十分活用できる資料だと思います。ただ、諫早湾が締め切られる前にこの始華干拓の事例を教訓とすることは出来なかったのでしょうか。
(東京大学 江間智広)

テーマはタイムリーで、大変興味深く拝読した。但し、タイトルと記事の内容はやや異なり、内容のほぼ全ては、「リモセンデータで見た始華干拓の堤防作成による海水状況の変化」に終わっているのが残念である。また、記述は地図と本文の内容がやや不整合と思われる点(地図では干拓地になっているところは写真aの時点で干拓地ではなく陸地と見えるなど)があり、できれば参考のために有明海の地図も欲しいと感じた。さらに、タイトルに「有明海の今後」とある以上、有明海の今後を推定する学問的な分析がもう少しあってもよいと思われるが、その点がやや物足りない。学問的にここが不明というなら、その旨を示してもらえるほうが、技術屋(土木学会誌読者の大部分と推定される)には有り難い。
(テラパックス・テクニカ 川九邦雄)

諌早干拓の問題が社会的に注目されており,韓国の類似例の紹介ということで大変興味深かった.有明のノリ不作の原因ははっきりしておらず,始華とは条件もかなり異なるため,始華での水門解放の成功が,そのまま有明にも適応出来るかは疑問である.しかし,このような問題には前例が少なく,ここで紹介されているような調査結果は貴重な参考資料であると感じた.ただ,このような資料は,評価する人の立場によって解釈が異なるため,客観的な視点で評価することが重要であると思う.
(大成建設 織田幸伸)

諫早湾の干拓問題と同じようなことが,身近な韓国でも起きていたことを初めて知りました.本稿の画像では,始華干拓堤防建設後の海がいかに汚れていたかがわかります.始華干拓においては,自然の浄化作用により回復に向かっているということで,自然の力の大きさに感心します.その一方で,逆に人間は自然を汚しておきながら,結局は自然に任せておくことしかできないということなのでしょうか.
(東京工業大学 山口亮太)

我が国でも、有明海において全く同様の問題が起こっているだけに、大変興味深い内容だった。堤防建設前から現在に至るまでの始華干拓地域の衛生画像が掲載されていたが、目で見て分かるその変貌ぶりに空恐ろしさを感じた。と同時に始華湖の淡水化計画を放棄し放流を始めた後の海の回復ぶりには、偉大ば自然の力に畏敬の念を感じた。有明海の変状の原因についてはまだ原因究明がなされていないが、異変が起こっていることは誰の目にも明らかであり、自然の回復力の手の届く範囲内の状態にある内に早急に改善策を取り、宝の海・有明海を守らなければならないと感じた。
(大成建設 上野恭宏)

昨年、有明海の養殖のりが大凶作となり4年前に行なわれた諫早湾干拓事業との因果関係が大きく取り上げられ、水門の開放が決定したそうですが、一度締め切った門を開放した時、どのくらいの期間で元の環境に戻るのか疑問に思っておりました。今回の韓国の事例では、人工衛星のデータを解析することで素人に分かり易い手法で評価可能であると知りました。現在日本では水質調査が主であり、広範囲の環境変化は捉えにくい方法だと思います。有明海の現状および再生評価に今回の方法も取り込み、検討されることを期待しております。
(日本鉄道建設公団 岡 康博)

諫早湾の場合,排水門開放の気運が高まってきた理由は,ノリ養殖の不振にあった.ここに紹介されている始華干拓の場合も,何らかの生産物の生産性低下が,干拓事業見直しの第一の理由であったのだろうか.
人々の環境意識の高揚が何に起因するのかを知る上で,とても興味深く感じた.
(広島大学 山田忠史)

有明海諫早干拓の排水門の開放について論議されている中、韓国始華干拓の事例を衛生画像で読者に分かりやすく、また説得性のあるレポ−トで良かった。
(西武建設 山本敏昭)

この本 日本の近代化遺産
土木工学を勉強する学生にとって優れた土木構造物を見てみたいという気持ちは誰しもが抱く思いであり、自分もその一人である。そのような者にとってこのような指標となる本があるのはとても喜ばしいことである。前々から日本の土木構造物を見て回りたいと思っていたのでこの本はぜひ読みたいと感じた。
(東京工業大学 川島広志)

学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等
学会誌の今年度の表紙はあまりに地味、という意見が周囲にも多い。勿論、歴史的にも記念碑的な事業等を扱うことで専門家には評価される点も多いとは思うが、土木の世界をその他の分野に発信する意味では、あまりに我が道を行き過ぎではないか。この点は多くの意見があろうと思うので、担当部局の積極的な議論を望む。
(鹿島建設 稲垣 聡)

土木学会誌は毎月自宅に届くものの、正直言って最近はぱらぱらとめくってすぐに本箱にしまっていました。今回モニターに選ばれ久しぶりにじっくりと読ませていただきました。私の一言が土木学会誌のさらなる充実に役立つようがんぱりたいと思います。宜しくお願いいたします。
(大成建設 松井俊二)

毎年思うのですが、全国大会の案内が非常に読みにくいと思います。具体的な改善案は思い浮かばないのですが、もう少し興味のある演題を探しやすくする方法はないのでしょうか。
(日本鉄道建設公団 須澤浩之)

最近の表紙/裏表紙は面白いですね。楽しみに見て(読んで)ます。
(前田建設工業  岩坂照之)

久しぶりに学会誌を読ませて頂きました。10年前までは会員だったのですが、海外の滞在が連続して続いた為に 自然退会の形になっていました。以前に比べて、学会誌が「読み物」として面白くなっていることに感銘を受けました。編集者の姿が見えるというか、編集に工夫と熱意が感じられた次第です。今回がモニターの1回目ですが、次号が楽しみです。
(千代田化工建設 弾塚雅則)

学会誌だけではなく、最近(文章中に)英語をそのまま(カタカナ表記で)使う傾向が見られますが、意味が分かりそうで分からないような感じがし、余りいいとは思えません。
なかなか日本語で言い当てる事は難しいのかもしれませんが、全体の文章は日本語なのですから、読者が「普通に」読んでも分かるように日本語に訳して書くべきだと思います。
(日本鉄道建設公団 荒木 聡)

ひょんなことから、モニターをさせていただくハメになって、数年ぶりで土木学会誌をじっくり読ませていただいた。まるで日本経済新聞の雑誌かと思うばかりのカラフルで豪華な内容である。土木はCIVIL ENGINEERINGとかPUBLIC WORKSとか訳されるように、まことに総合的な分野であるが、近年は環境がこれに密接に関わるようになってきたため、一つのことだけに目を向けているだけでは済まなくなってきている。そのため、時には、広く、浅くでもなく深くでもなく、知識を導入する必要がある。
本号(7月号)を拝読すると、土木学会誌は、まことにその目的にかなっていると感じた次第である。編集委員の方々は大変とお察しするが、今後とも有益な記事を期待したい。
(テラパックス・テクニカ 川九邦雄)

正直に言うと、毎月の土木学会誌の中できちんと読んでいる記事の数は決して多くない。そんな不良読者が意見を言う資格も無いのであるが、敢えて少しだけ述べさせていただくと、誌面のレイアウトにもう少し工夫の余地があるのではないかという気がする。記事の区切りがわかりにくい、活字だけがびっしりつまっているページが少なくないなど、あらかじめ興味のある記事以外は(私の場合は)なかなか読む気が湧いてこない理由のひとつに馴染みにくい誌面構成があるように感じる。程度の問題はあるが、つい読んでしまうようなレイアウト面での工夫がもう少しできたら、同じ内容であったとしても、もっと気楽に読みやすくなるのではないかと感じるのは私だけだろうか。
(大成建設 小原伸高)

今回初めてのモニターです。非会員なので今まで会報をあまり読んだことがありませんでした。こんな私の率直な意見。新参者の意見として聞いていただければ幸いです。
・文章は、非常に読み応えもあり説得力がある。
・読むのに時間がかかる。
・短時間で流し読みが出来るように、文中の図表番号を太文字にしてもらいた い。
・図表をさらに多くしてもらいたい。
(五洋建設 細見和広)

外部モニターとして購読させていただき感謝しております.
(立正大学 横山俊一)

恥ずかしながら土木学会誌にきちんと目を通したのは今回が初めて。しかし特集以外の記事を好んで読む癖は変わっていない。いかにも土木、という環境から離れてもう何年か。
目を通していて、ふと見知った単語や数式に出会う嬉しさも確かに存在するもので、恐ろしく幅広いと思われる読者層が相手では難しいとは思いますが、最新の研究事例やトピックスに触れるなかで、これは○○という理論に基づいているのだ、というような記事もお願いしたいと思います。たまに、で良いですから。
(国土交通省 森橋 真)

学生会員の時以来、十数年ぶりに「土木学会誌」を拝見させていただきました。通常の業務では、ほとんど接することがない内容の記事も含まれていて、良い刺激を受けました。今後ともよろしくお願いします。
(日本道路公団 福冨 章)

子供(小学生高学年から中学生ぐらい)と一緒に読める記事があったらおもしろいと思う。長い目でみた土木のイメージアップと家庭内のコミュニケーション改善に(お父さんの地位向上にも)貢献するのでは?
(大成建設 沢藤尚文)

土木学会論文集の目次のみが掲載されていますが,論文の要旨と出来れば図面1枚程度の概要があるといいと思います.誌面の制約もあり難しいとは思いますが.
(大成建設 織田幸伸)

カラーの写真が多くて、わかりやすりと思います。
(山梨大学 今尾友絵)

建設業に携わって6年目なりますが、学会誌を真剣に読むのはモニター担当者となった7月号が初めてです。勉強する気持で毎号読んで行きたいと思います。土木について興味を抱いた人が学会誌を気軽に手に取ってもらえるよう、多くの人に理解し易い記事を掲載して頂く事を希望します。
(熊谷組 波田泰子)

土木学会誌のカバーする範囲はどのように設定されているのでしょうか?学会誌と言っても個々の専門分野に深く立ち入った記事は見られないし、土木誌と言っても設計や施工に深く立ち入った記事も見られない。専門的なことはそれぞれの専門誌が存在するためか、それらがあまり扱わない内容を集めているといったところであろうか。そのためか、内容にやや窮屈さを感じる。ときには深く突っ込んだ各専門分野の目玉的なトピックを掲載してもよいのではないだろうか。
(大成建設 上野恭宏)

前から、疑問に思っていたことを書きたいと思います。建設業界では、昔から「土木・建築」という区分があります。日雇いの建設作業員が事件・事故を起こした場合、ほとんどのマスコミは、「土木作業員」と報道しているようです。「こんな都会に土木の現場なんてないだろ」と思うことが多々あり、おそらく建設作業員を総称して「土木作業員」といっているようです。ただでさえ、イメージの良くない土木なのに。どうにか、なりません?土木を名乗る、おそらく一番有名な団体の人(土木学会)はどう思います?
(熊谷組 浅見恭輔)

編集後記でも触れられていますが,今回の特集と関連性の強い「合意形成」や「アカウンタビリティ」に関するテーマが,無かったことが非常に残念です。確かに,水環境と同列で話題を提供するには,範囲が広すぎると思いますので,「河川環境と合意形成」といったテーマで,是非,特集を組んでいただけることを望みます。
(水建設コンサルタント 中尾 毅)

特集内容を4月から7月まで挙げますと、4月号で土木技術者の体験記(43ページ)、5月号で地盤問題(47ページ)、6月号でNPOと土木(49ページ)、7月号で日本の水環境(55ページ)となっておりました。7月号では、プロジェクトリポートや海外リポートなどの記事がありませんでした。特集の内容については編集担当者の方々が決定されているようですが、紙面は限られているので編集には配慮が必要ではないでしょうか。また、内容面から多くの会員に興味を持って読んで頂くには、会員の要望や声を学会誌に反映させていくことが肝心ではないでしょうか。
(日本鉄道建設公団 岡 康博)

今回の学生のページは、海外の方との対談であったが、このように海外の方の目、また土木以外の方の目から見た印象をお聞きするコーナーをつくってしまってはいかがだろうか。
今回の記事の最後にあるメッセージでも、「人と人との関係を通じて他の人の感情を理解することは、私たちにとってとても重要なことです」とありますが、そのためにも違う立場からの意見をお聞きするコーナーも必要ではないでしょうか。
(関西電力 大江直樹)

記事とは関係の無いことですが、今回の学会誌の表紙、裏表紙の写真がとても気に入り、興味深く、見させていただきました。
(清水建設 賀屋絵里菜)

紙面の都合でしょうが、「事故報告 2001年3月24日芸予地震被害調査報告」等のトピックスについては、出来るだけ状況写真を多く載せていただければと思います。読者は、記事の内容もさることながら、被害状況写真に関心があるのではないでしょうか。
(荒谷建設コンサルタント 大田俊一)

カラー写真が多く載せられており見やすい。
(西武建設 三村 卓)

興味ある内容が網羅されている会誌であるが,ページ数が多すぎるので2/3程度にすると読者には読みやすい会誌とるのではないか.また,50ページあたりで頭を休めるような話題提供(例えば,先輩からの過去,現在,未来についての助言)があってもよいのではないか.
(福山大学 田辺和康)

官・産・学の連携がよく言われていますが、以前年次学術講演会で発表したものが土木関係の新規事業・新規ビジネスとして発展していく過程・結果の紹介というのがあってもおもしろいと思います。
(関西電力 西田 勉)

編集委員会より読者の皆様へ
6月号対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答です。


【ご意見・ご要望など】
多くのモニターの方も書かれていたようですが,6か月のモニター期間が終わります.自分の専門や興味のある分野とは異なる分野に関する記事を読み,意見を書くことは難しいことだと思いました.しかし,全般的に土木学会誌には有用な情報が多く含まれ,勉強になりました.このような機会を与えられたことに対し,感謝しております.
モニターの期間,人数などのシステムがどのような過程で現在の状況になっているのかわかりません.が,個人にモニターを依頼することの他に職場班としてモニターを依頼することも可能と思います.そのようにすれば,各人が学会誌を読むようになることや,分野別に意見を述べやすくなることがメリットと思います.逆に班として管理するので,回答を管理するのが煩雑になることや6か月が適当かということが問題になるかもしれません.
より多くの人がモニターとなって,学会誌をよく読むようになってほしいと思います.
(武蔵工業大学 白旗弘実)

6ヶ月のモニターは結構、大変でしたが、学会誌を読む良い機会にはなりました。ところで素朴な疑問ですが、モニター以外では意見は集まらないのでしょうか?一般の雑誌なら結構、読者コーナーのようなところで、意見が集まりそうですが、、。
(芙蓉調査設計事務所 須賀幸一)

【編集委員会からのお答え】
モニターの選出にあたっては、各編集委員の方から上・下半期に2名づつ推薦を頂き依頼させて頂いております。平成13年7月〜12月号のモニターとしては約70名の方々にお願いしております。モニターの方々には、お忙しいところ申し訳ございませんが、6ヶ月間よろしくお願いします。 「会員の声」はモニターだけでなく、会員の方からもご意見・ご要望もお受けしておりますので、ご意見・ご要望がございましたら編集事務局へお知らせ下さい。
また、「会員の声」は、会員やモニターの方々があくまでも個人的立場で意見等を述べる欄です。したがって、その意見は組織(職場)の代表としてのものではないことをご理解いただきたいと考えております。


【ご意見・ご要望など】
土木学会の会員になると必ず、学会誌が送られてきます。保管場所を個人で確保するのは結構大変で、古いものから廃棄しています。学会誌の一部をHPに掲載し、学会誌の紙面を縮小するのはいかがでしょうか。これは紙使用量の削減にもなると思います。
(清水建設 田中八重)

【編集委員会からのお答え】
同様のご質問を先月号でも頂いております。土木学会誌ホームページ上の『5月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答』をご覧下さい。


【ご意見・ご要望など】
今回、海外の情報が2件掲載されていましたが、文章中心の内容ですと地理的な位置関係が読み取りにくいと思います。できましたら、地図や写真などを多く入れた方が良いかと思います。
(日本鉄道建設公団 岡 康博)

【編集委員会からのお答え】
ご指摘ありがとうございます。今後はご意見を踏まえて、より分かりやすい内容となるように努力していきます。


【ご意見・ご要望など】
半年間モニターをやることによって,学会誌の魅力というものを感じ取ることができました.いろいろな学会誌があると思いますが,土木学会誌はかなり良くできた学会誌だと思います.これからも魅力あふれる記事を期待したいです.
(東京大学 竹上浩史)

今回で、半年間のモニターを無事?終えさせていただきます。いつも締め切りに追われ気息奄々でついて参りました。最初は簡単に考えてお引き受けしましたが、大変なエネルギーを必要としたと思っています。今はどうにか務め上げてほっとすると同時に、来月以降も一会員として、時には建設的な意見が述べられるように心掛けようと考えています。本当に出来るか自信はありませんが。また、今号では、最後だと思い少し本当の自分の思いを自己主張してみましたが、少しおかしかったかも判りません。編集委員の諸先生、事務局の保科淳子様有難うございました。今後ともよろしく。
(エイトコンサルタント 石井憲郎)

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