土木学会誌4月号モニター回答
毎月,表紙や裏表紙を見て思うのだが,『世界土木紀行』というタイトルの"土木"と,写真や文章のどこが関連しているのだろうか,何を訴えたいのだろうかと。そう思うのは私だけでしょうか?『世界紀行』というタイトルならわからなくもありませんが,土木学会の表紙ですからね。首をかしげてしまいます。
(原子力発電環境整備機構 出口 朗)
交通博物館の存在を知ったのは,最近のテレビ番組ででした。是非行ってみたいと思っていたので,閉館してしまうのはとても残念です。日本の歴史や,技術を公開できるような機会を設け,一般の方々にも土木に関心をもってもらいたいと思います。さいたま市の鉄道博物館に期待したいと思いました。
(匿名希望)
交通博物館には、昨年の土木学会の見学会に参加し、普段見ることのできない赤レンガアーチ高架橋と旧万世橋駅階段を見学させていただきました。近くに住んでいながらもなかなか足を運ぶ機会がありませんでし
たが、すぐ近くの秋葉原の風景とのギャップに大変驚かされました。閉館後にはどのように活用されるかはわかりませんが、ぜひこれからも有効に保存、活用していってもらいたいと思います。
(清水建設(株) 橋爪芳徳)
戦前の貴重な写真が齎す趣に 感慨も一入でよかったと思います。
((独)鉄道・運輸機構 橋本浩史)
本記事中の数枚の写真に写る子供たちの表情がとても印象に残る記事であった。子供たちが興味を示していたことが写真からよく伺えた。1日の参加者が4,700名という数字にも驚かされる。このようにイベントとして成功したものは、何とか工夫して全国各地で開催していただけたらと思う。そうすればさらに、ものづくりの楽しさや建設工事の醍醐味を子供たちにアピールできると思う。
(高知高専 横井克則)
お茶汲み時代の会議で一言を聞き逃さずに探究心から保水性セラミックに発展するまでの紆余曲折の中、常に視点を変え挫けずに掘り進んだ成果が実を結ぶこの苦労と掘り起こす努力に感服しました。なにか「シビル エンジニア」(利用する人々のために常に改良する技術)と結びつき、人に反対されても怯まずに突き進むという視点の変換がやがて成功への道に繋がったというご苦労を羨ましく又感心もしました。
(遠藤隆夫)
土木の世界は土木に携わっている人間だけが考えているのではないのだと思いました。 むしろ土木の世界だけを見てきた人よりも、他の世界を見てきた人の方が違ったアイディアを持っているのだと感じました。いろいろな人達の意見を聞く事を疎かにしてはいけないと考えさせられる記事でした。
(川口 美智久)
素人の主婦が、多孔質の効果をお茶汲みとして出席していた会議での傍聴から理解し、後になって材料の開発を実現させるとともに、更なる応用にまで壮大な夢を持っていることに驚くと同時に感動しました。全くの素人でも常に問題意識を持ち続ければ、解決策が見出せるという例で、自分自身の生き方を反省する機会
にもなりました。福田さんには是非夢を実現させていただきたいと思います。
(東京ガス 飯村正一)
この記事を読んで、研究にあたって柔軟な発想が大切だということを改めて感じました。何かに集中するとつい周りが見えなくなることがありますが、頭を柔軟に、日常生活や経験から得たことを取り込んで行く姿勢でいることでいろいろな方向から物事を捉え、発想力を豊かにすることができる、と感じました。そのためにも今後さまざまな経験をし、吸収していこうという姿勢を心がけようと思います。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
テレビの「波乱万丈」に出れるくらい色々な経験をされてきた福田さんの話は,大変興味深く読めました。土木にもこのような人がいることを知って驚きでした。
((株)シーティージャパン 増川淳二)
「土木が戦後60年かかりつぶした自然を、何年かかって取り戻せるか。環境の目線で土木の改良をしていければ。」ここで紹介された多孔質素材についてはもちろん興味深かったのですが、何より開発者である福田氏の発想性と行動力には驚きました。道庁議会(しかもお茶汲みという立場)で、「海藻が育つ多孔質素材の開発が豊かな海を取り戻す」といった議論を発端としながら、減塩梅干しやジャガイモ餅の商品化など一見関連のない経験に思いますが、そこには一貫して、人や環境の目線からの発想、実現のためなら強気で売り込んでいく姿勢、そして、海の環境を良くしたいという信念を感じました。機会があれば、もっとお話を聞いてみたいと思います。
(名城大学 柄谷友香)
これはすごい!久々に圧巻のインタビューであった。自分が思いついたアイデアに周りからのヒントを取り入れて、ぶれないでドンドン技術開発を推し進めて売れるものにする。ここぞと思ったらすばやく他者とジョイントして開発効果の最大化を図る。活動の核には「健康・自然・環境」というテーマが常に存在している。
前例踏襲、安易な妥協、閉鎖性といった悪癖に陥りがちな(少なくとも他業界に比べて土木の世界はその習性が未だ強いと私は感じている)我々が学ぶべき姿勢だと思う。
(阪神高速道路(株) 磯崎弘治)
最初の頁を読んで次に移り各執筆者の努力は見事ですが、流れに変化を持たせると読む側集中力が違います。(同種の内容が続くと頭ガ早く草臥れます)目先を変えた息抜きの文章あればと贅沢を感じました。内容も一段と光が違ってくるように感じました。
(匿名希望)
全体的に行政の取り組みの紹介に終始しており,行政の広報誌からツギハギして作った印象を受けてしまいました。今後の議論のきっかけになればと最初に書いてあるが,学会誌としてもう少し様々な分野の人との会談を載せる等して,具体的な議論を通して今後の方向性の議論のきっかけとなるものを示したほうが
読者にとって有意義なような気がします。
((株)シーティージャパン 増川淳二)
特集の本編では、東京湾の抱える課題や将来の展望といった内容について記述されている中で、今回掲載されたコラムは、通常港湾施設に関わりの少ない読者にも、非常にわかりやすく、「一般生活の中で感じることのできる東京湾」として巧く紹介しており、コラムを通じても東京湾の役割を考えさせられ、非常に有効的であったと思います。専門的な話の中に、身近に実感できるような「コラム」を有効に活用することは、読者の理解促進にもつながると感じました。
((株)オリエンタルコンサルタンツ 尾高慎二)
東京湾を事例とし、実フィールドにおいて、様々な制約や複数の活用目的の下どのような取り組みが行われているのかが体系的に整理されており大変興味深い特集でした。ただ、紙面の構成上、どちらかというと個別の事例紹介に重きが置かれてしまっているように見えてしまいました。それぞれの取り組みで相反する事項の整理やこうした事項に対するそれぞれの個別対策における扱い、さらには、こうした取り組み方に対する学術的見地からのコメント(実務者にとっては耳が痛い話も含む)があるとさらによかったかと思います。
冒頭の座談会でも課題等において、後半の事例との関係をより明確に整理してもよかったかもしれません。
(三菱総合研究所 中條覚)
本特集では東京湾の持つ様々な「機能」について現状や課題が論じられていた。どの分野においても多くの課題があるのだが、それぞれが互いに影響し合い、図らずも東京湾に関する問題の複雑さを読み取ることができたような気がする。 東京湾自体は不変であるという前提条件で様々な議論が展開されているが、東
京湾は1.5万年経つと河川からの流入により自然に埋まってしまうとのことであり、我々人間が考える時間軸と自然の時間軸との違いについて改めて考えさせられた。
(東京都 粟本太朗)
ここ最近、就職活動で東京湾を飛行機から覗く機会が多く、ある時この記事のことを思い出しながら眺めていました。そこで、空から見た東京の緑には何か不思議なものを見ているように感じました。四角形に区切られた埋立地に整頓されている木を見たとき、これは盆栽だなと思いました。これは本当の緑で、ここに自然の風は吹いてくれるのかという疑問が頭を横切りました。記事のなかで「緑のネットワーク」「風の道」といった自然をキーワードにした街づくりを目指すというものが印象的でした。おそらく今ある環境をできる限り破壊しないで創造していく「自然」という意味だと思います。しかし、きれいに整頓された木々は本当に「自然」なのでしょうか。一昔前に議論されていたこととは思いますが、一度初心に戻って考えてみるとまた面白い発想が生まれるかもしれないと思いました。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
東京湾にスポットを当て、様々な角度から課題と展望が述べられており、我々が都市生活を送るにあたっての課題は全て東京湾に密接していることを理解することができました。 そして、特に冒頭の座談会の内容は
東京湾から大きく展開し、土木技術者としての使命を示唆する非常に興味深いものでした。 我々がやらなくてはいけないことの根底には、まず、どんな文化を創出したいかという「思い」があり、その上で専門家として目指すべき姿やビジョンが具体的に提示できる。そして、人々の考え方が益々多様化する中で、社会的合意を形成し、いかに実行に移していけるか。将来に非常に大きな責任を背負っていると改めて認識しました。
「東京湾は1.5万年経つと埋まる可能性がある・・・」一気に視界がひらけました。
(東京急行電鉄 関 聡史)
座談会「東京湾への期待」を読ませていただいた中で,感じたことを述べたいと思います.「東京湾というのは海として独立にあるのではなくて,海と陸とつながっていて…」という記述がありましたが,まさにそのとおりだと感じました.まず物流の観点からしてまさしく海と陸はつながっており,だからこそ都市は海岸沿いに集まるのであり,海が陸に与える利益は計り知れないものがあると思われます.その分陸上から流れ出る廃棄物質による海の水質汚染も発生しやすい状況にあります.現に,戦後の高度経済成長期から現在にいたるまで,東京湾の水質汚濁はなおも進行中であると聞きます.このように,陸が海に与える悪影響も大きなものであ
りますが,ここを如何に最小限に抑え,さらなる海からの恵みをありがたく頂戴するためにどのような努力が必要か.そこを考えるのも,我々土木技術者の仕事のひとつではないでしょうか.
(新日本製鐵(株) 田中隆太)
社会に出るまで首都圏を離れて暮らしたことがなかったが、仕事の配属で2年間地方で過ごした。そこで実感したのが、それまでの生活がいかに地に足のついていないものであったかということ。自給力のない首都圏に暮らす私たちは、そのことを痛く考えなければならない。どうやって家に帰ればいいのか、そもそも帰れるのか、どこに避難すればいいのか、避難所に入れるのか、水・食料はどうするのだ、トイレは使えるのか、仕事で遊びで来ている街のことを何も知らないし、起こった状況を想像できない。臨海部の防災施設は、津波の心配がどうなのかという気もするが、その危険が払われれば多くの避難者を収容するには期待できる。しかし、行政でこれらの問題をすべて抱えるには到底無理がある。学校や企業に対して、備蓄の義務化をさせてもよいのではないかと思う。建設業においては、応急措置等の資格取得を社会貢献として企業の評価に取り入れてよいのではないかと思う。
(匿名希望)
東京23区から発生する廃棄物処分の変遷と東京湾の埋め立てについて説明されていました。近年の施設整備によるごみの減少化と資源回収により昭和50年代に比べれば廃棄物は約4割に減ったものの、東京湾の埋立てによる最終処分は今も昔も変わらないとのことです。環境の面から言えばゴミによる埋立ては負の産物。いかにして環境への影響を最小限にとどめるかを常に注視していくことが大事だと感じました。
(関西電力 小坂馨太)
羽田空港の拡張の歴史が良く分かりました。ただ、歴史と表題を付けているわけですから、もう少し年代を各図に加えていただいていたら、なお一層理解の助けになったのではないかと思いました。距離的に成田空港よりもずっと羽田空港の近くに居住している身としては、是非羽田空港の更なる拡張を期待したいところ
です。
(東京ガス 飯村正一)
これまで東京湾が多面的な役割を果たしてきたこと、また、東京湾の役割が多面的であるが故に、個々の課題が複合的に絡み合って問題を複雑化していることもよく分かりました。本誌でも記述があるように、個々の課題を解決する技術だけでは不十分で、多目的な技術開発あるいは技術の組み合わせが複合化した課題を解決するためには有効なのでしょう。この点からも、本誌で紹介されている「関東地域の港湾の基本方針−みなとのギアチェンジ−」は、協働での取り組みという点で、面白く感じられます。東京湾の課題を解決して目指すべきビジョンを達成するためには、各分野の技術者が協働することに加えて、各分野の技術を協調させることができるような技術者も求められると思いました。
(パシフィックコンサルタンツ 寺田悟)
昨年から今年にかけては,豪雨,豪雪,地震など大変多くの自然災害に見舞われました。記憶に新しい豪雪では,死者および負傷者が大変多いことはニュースなどで報道されていましたが,今回の記事のように,具体的な数値となって現れると,その現実に改めて大きなショックを受けました。特に,お年寄りの死者が多いことでは,高齢化が進む我が国においてしっかりとした対策を設けなければならないと感じました。また,通行止めによる影響についても,GPSなどの技術を用いて,予め災害発生時における交通ルートや非難ルートの確保を行う必要があると感じました。これからの,土木分野を担っていくために多くのことを考えさせられる記事でした。
(匿名希望)
今年の積雪の状況はニュースでも話題になり、今後の対策に対して再度検討するべきことが多く分かったことだと思います。特に、死者の65%が65歳であることから、地域が連携した助け合いの重要さを改めて認識させられた気がしました。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
北京オリンピックの裏にこのような問題があったとは知らなかった。また、万里の長城など、中国の土木はスケールが大きいと思いました。中国など、世界のスケールの大きな土木構造物の特集などもやって欲しいと思います。
(川口 美智久)
北京がこれほどまでに水不足の問題を持っているとは思いませんでした。オリンピックに向けて対策工事の内容が理解されましたが、これらの計画や実施に日本はどの程度関与しているのか、全く関与していないのかなどについても触れていただいていたらより興味を持って読むことができたのではと思いました。
(東京ガス 飯村正一)
2008年の北京オリンピックまでに水の安定供給が急務の状況と、その対策について述べられていました。水源とするダムは日本のダム総貯水量に匹敵し、北京までの導水路は1,300kmとあり、日本の土木技術者の感覚をはるかに超えた規模にまず驚きました。一方で節水のために罰金制度を確立し、広告などで市民の意識改革を目指しているとあり、北京市の危機感への本気さがうかがえました。オリンピックが水の心配なしに開催されることを祈るばかりです。
(関西電力 小坂馨太)
北京オリンピックが近づいている。2008年といえばあと2年しかない。日本でも東京と福岡が2016年オリンピック招致に名乗りを挙げており、インフラ整備が急ピッチで進む北京から学ぶべきことも多いと考えている。 北京の水事情についてはあまり知る機会がなかったので本記事は非常に興味深かった。南水北調計画の記事は日本では考えられないスケールの話(北海道の雪解け水を四国や九州に導水するようなもの)であり、中国の国土の大きさを感じることのできる話であった。節水の取り組みを進めているということであるが、東京とほぼ同じ人口規模を持ちながら一人当りの生活用水使用量は東京の半分以下であるという現状から推測すると、今後、生活の欧米化に伴い、水使用量はさらに増加していくのではないだろうか。
日本では質の向上を図る時代、中国では量を確保する時代に入っているようであるが、世界的には安全な水の確保が依然として大きな問題であり、今後も水の問題については関心を持っていきたいと思う。
(東京都 粟本太朗)
視点として、繋ぎの交通手段として自転車に目をつけ、放置自転車を活用し従事者に高齢者の力を活用したのは、私たちの立場としては、高齢者が無為徒食して言いたいことを言うのではなくこんな行事に大勢の人が参画し、今の日本経済の打開策にもつながる明るい糸口を開いたことに感心しました。尚放置自転車が最後の日に1台だけというのも日本人の道徳心も捨てたものではないと感じました。ご苦労様でした。
(遠藤隆夫)
レンタサイクルという交通手段があったことも知らなかったが、愛知万博でのレンタサイクル運営にシルバー人材センターの方々や地域住民の主婦たちが活躍していたとは知らなかった。これから、このような人たちが活躍できる場がどんどん増えていくと思うので、その時に今回のレンタサイクルの運営で出た反省点などを活かして欲しいと感じました。
(川口 美智久)
地球環境問題対策として、CO2を放出しない交通手段の活用が全世界的な対応策の一つでもある。 この記事を読んで、私が以前出向していたある県の知事さんが、「地球環境に優しい自転車をもっと活用すべき」とサイクリングロードの整備について非常に熱心に取り組んでいたことを思い出した。 さて、愛知万博は「環境に優しい」博覧会であったはずで、記事のような取り組みを、博覧会主催者ではなく、主催者とは無関係のNPOが行っていたことは意外であった。記事にされた取り組みは「CO2を出さない交通手段の活用」と「来訪者に楽しみながら地域の良さを知ってもらう」すばらしい取り組みであった。関係者の努力に改めて敬意を払うとともに、今後このような環境に関するイベントを実施する団体に参考にして欲しい事例だと感じた。
((財)河川環境管理財団 入江 靖)
実施の経緯から運営方法、運営上の問題点と解決策、収支から反省点まで、4ページの枠組みの中で具体的にコンパクトにまとめられていました。自転車の調達方法、女性と高齢者の方々を中心に運営した記録、利用状況の分析などから、なかなか思い通りに進まなかった現実が手に取るようにわかりました。 投稿記事は、とかく上手く行ったことを中心に書きたくなるものですが、このような記事こそが、後々同様の事柄を実践する際に非常に役立つと思いました。 また、自動車会社のOBの方の活躍の様子およびそれに対する評価からは、長年の企業生活のノウハウは、これからの地域社会活動の円滑な運営の大きな力になると感じました。
(東京急行電鉄 関 聡史)
私も愛知万博に行きましたが、本誌の記事を読んで、愛知万博でのレンタサイクルについて初めて知りました。レンタサイクルは、サイクリングという娯楽というイメージを持っていましたが、自動車や鉄道と同様に交通手段なのでということに気づかされました。この視点から見れば、万博のような巨大イベント中の交通手段としては、とても有望だと感じました。道路や鉄道は、イベント後に利用台数や利用者数が想定より減少して過剰なインフラになる可能性がありますが、レンタサイクルは台数を調整することができるので、利用者数に合わせて運営することができます。駐輪場の整備や車両管理が課題として挙げられるかもしれないが、交通手段としてのレンタサイクルに将来性を感じました。
(パシフィックコンサルタンツ 寺田悟)
様々な困難等を乗り越え、愛知万博にレンタサイクルのシステムを提供した関係者の皆さんの取り組みに頭が下がります。ただし、環境問題に関心が高まる昨今において、交通手段としての自転車への注目は高まっていると思いますが、レンタサイクルという形で交通手段として提供する際には、未だ課題が多いと考えます。今回の例では、自転車が重要な交通手段として普及している印象のあるヨーロッパ系の方々の利用が少なかったのは意外でした。万博協会による公共交通としての認知が無く、PRがうまくいかなかったとのことで、このことも影響したのだと思います。新しい試みを認知してもらうためには、定期的なPRが欠かせないのだと感じるとともに、どのような取り組みにおいても共通しますが、PRは重要かつ大変難しい問題だと感じます。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
取り組みにおいて難しかった点や課題となった点がきちんと書かれており大変興味深く読ませてもらいました。レンタサイクルは、イベント対応のみならず、今後の交通体系を考える上で、現在よりも大いに活躍が期待される手段と思います。本記事により、ビジネスベースで成立させるにはまだまだ課題が多いことがわかりましたが、万博における一時的な取り組みで終わらず、ぜひ何らかの形で次につながっていって欲しい強くと思いました。
(三菱総合研究所 中條覚)
放置自転車をリサイクルしてレンタサイクルの形式で交通手段として利用することは、環境面からも大変有
効であると思う。ただ、1日10万人規模の来場者に対する利用者数の少なさと、イニシャルコストを除いたランニングコスト(人件費・自転車輸送費・その他)だけでも収支がマイナスになっている点が気になった。ボランティア的思いで参加した方々がかなりハードな勤務状況であったにも係らず、採算がとれていないとなると、レンタル収入を増やすしかないと思う。そのためには直接的なPR活動だけでなく、環境面や健康面(?)等をアピールして利用者を増やすとともにレンタル単価を上げるPR活動が必要なのではないでしょうか?今回の活動を発展させて、全国にあるイベント会場(コンサートやスポーツイベント)でレンタサイクルが普及すれば地球にとって良いことであると思います。
(東京急行電鉄(株) 永持 理)
宿泊したビジネスホテルが、元々はワンルームマンションであったと分かっただけで大いに感心していたのですが、街全体を機能転換していくとは驚きでした。確かに、スクラップ&ビルドでは街が育んできた歴史もリセットしてしまいますし、環境負荷を低減する循環型社会といった観点からも重要な施策となりますね。ただし、実践していく上での課題も多いと思います。まず、建物自体の寿命を伸ばしていくことがそもそも必要ですし、行政側からも建築面における条件緩和や税制面での優遇措置などが必要で、少ない投資で如何に利用価値の高い資産に生まれ変わらせることができるかが鍵になると思います。
(五洋建設 五月女洋)
中心市街地の空洞化は身近に感じることもあり、対応が迫られていることを感じます。札幌市においては駅周辺に大型店舗が建ち、空洞化を感じさせるところは少し離れた昔ながらの商店街といったものですが、周辺に駐車スペースも少なく活気を取り戻すことは容易ではないように思います。大型店舗にはない、人と人とのふれあいを大切にした、商店街ならではの魅力づくりとアプローチの改善を考えていかなければならないと思います。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
筆者が述べられている手法は、市街地の空洞化、歴史的な街並みの破壊といった問題に対する抜本的な解決手法として注目すべきだと感じました。これまでのその場しのぎの対策ではなく、「都市全体」の単位で都市の再生を考える必要があると考えます。ロウアーマンハッタンの例に、都市居住の理想的な風景を見た感があります。中途半端な対策ではなく、質の高い居住空間の創出のために徹底して対策を行ったことが好事例につながったのだと考えます。これからのまちづくりの一つの方向性として、提案していくべきスタイルだと感じました。ただし、好事例として実現するためには、「あらゆる事項を総合的に包括した高度な計画技術力」や「行政の地域間の連携」等といったことが欠かせないと考えます。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
旧市街地の都市再生の考え方である「エリアコンバージョン」を先進事例の紹介を中心にわかりやすく説明されており、多くの共感を抱きながら興味深く読むことができました。特に日本の大規模再開発により歴史的特徴がある場所が、どこにでもある風景となってしまっていることを示す写真が掲載されていましたが、写真
の場所が日本橋であることは、地方にいる私には説明無しには分かりませんでした。こういった状況を踏まえ、筆者はニューヨークの再生計画を例にエリアコンバージョンを紹介し、今後の日本の再生において必要不可欠であると結論づけています。利益追求型の開発が多い日本の中で、「エリアコンバージョン」の考え方をもって、都市全体の計画を行うことの重要さはもとより、税制優遇等の大胆な取組みが実施できる社会の実現へとシフトできるように、さらなる先進事例等の紹介を期待致します。
((株)オリエンタルコンサルタンツ 尾高慎二)
山梨では土木学会山梨会として毎年「土木の日」前後の土曜日を一般人に呼びかけて見学会を催しています。これは将来成人する人が土木を理解し、子供たちが土木の方向に進む事を考えての行事としました。最近のマスコミが「構造物の強度と安全で」新聞を賑わしています。私が就職した当時画用紙でプレートガーダーの模型を造り1枚の画用紙から橋を造り、上から力が掛けられる、成る程と感心しました。CVVを取り入れ、子供たちを集めて学習をする行事を山梨会の行事に取り入れたらと考えました。リタイアー後の生きがいに使用する事に感心しました。
(遠藤隆夫)
我々土木屋は、少なからず社会に貢献しているつもりである。がしかし、なかなかそれを一般の方々には理解してもらえない。悪い面ばかりがマスコミでは大きくとらえられることもあり、”土木”の印象も悪く、学生の人気も陰り勝ちと聞く。それを短期で挽回する妙策は多分なく、地道な活動しかないのだろうと思う。紹介のあったシビル・ベテランズ&ボランティアズ(CVV)の活動は、まさにそうしたことに繋がるすばらしい活動で、頭が下がる思いだ。参加される皆さんの生きがいと共に、一般の方々の土木に対するイメージも改善されることを期待したい。
(原子力発電環境整備機構 出口 朗)
最近、2007年問題という言葉をよく耳にします。これまで企業活動の根幹を支えてきた、専門的知識や技能を有する人材が一斉に会社を去ることにより会社固有の技術が喪失する恐れなどがあることですが、土木技術者たちにおいても例に漏れずだと思います。 これまで社会基盤を支えてきた土木技術者たちは高度の能力、豊富な知識に加えて、貴重な経験を備えています。それをリタイヤ後にいろんな形で貢献していただくことはすばらしいことだと思います。今回は「技術伝承・アドバイス」について紹介されていました。中でも、子供たちを対象にした取り組みに対して興味を持って読ませていただきました。本誌の「Cover Story(2)」でも取り上げられていましたが、次世代を担う子供たちにわかりやすく身近に土木を感じてもらうことは非常に重要なことではないでしょうか。こういう輪が全国的に広がっていくことを期待します。次回以降で「まちづくり」や「防災」に関する取り組みも紹介していただければと思います。
(原子力発電環境整備機構 小池章久 )
ベテランの方々の引退後の活動に頭が下がるとともに、若手技術者として大変心強く思います。「総合学習の支援」としての「割箸を使用した橋の作成」や「わがまち探検隊」など、そうした活動をきっかけにして土木の世界に興味を持つ子どもたちも出てくると思いますし、何より子どもと社会のふれあいの機会が創出されていることが大変有意義であると感じます。また、我々若手技術者もベテランの方々との交流が必要であると考えます。交流によって、技術力の向上、新たな方向性の創出等を行っていきたいと感じます。実際に交流を行いたいと考えている若手も多いと思います。土木学会としても、こうした取り組みに対して積極的なPRを行うことが望まれると思います。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
リタイアされた土木技術者の方々が土木技術伝承のためにPR活動や学習支援に尽力されることは、大学入試でも就職でも人気のない土木の発展のためには素晴らしいことだと思います。ただ、経験の浅い土木技術者からの「相談受付け」の利用者が極少であるとのことだが、既に土木技術者になった者は何らかの組織に属していて、その組織内で問題を解決しようとするため、PR活動を行なっても利用者数はそんなに増えないのではないかと思う。即効性は無いが、将来を見据えて土木の裾野を広げるために、市民や高校生に土木構造物の素晴らしさを伝えるイベント(見学会や講演会等)を行なっていくのが良いのではないだろうか。
私もリタイア後はこのような活動に参加できるように、土木技術の習得に励みたいと思います。
(東京急行電鉄(株) 永持 理)
現在は理論と技術が進み、この面からの解明に終始していますが、技能から外力への結びつき、現在の条件・理論を越えた技の努力、人間の性悪説的見解の内容と、性善説を基調にした技(わざ)の集成、現今の作業では殆ど不可能と考えられる中を丁寧にひも解かねばならない事と思います。技術を越えた技(わざ)の集成、今の理論構成では不可能に近い代物としみじみ感じました。特に下部構造の保存こそ、かって寺院を造る職人と東大の教授の争いに、結果として時間空間を加えた職人の理論に凱歌が上がったことを思い出しました。連綿と続く自然原理の表現、末永く残す事がやがて技術が新しい過程を生み出す尊い遺作と思います。特に空石張りに繋船柱が常に海水の洗滌と地震による変動を受けながら500年その姿を維持している姿は、神業と思います。自然を相手にバランスの世界の出来事だと感服しました。末長い保存が大切かと考えます。
(遠藤隆夫)
一見するとその美しさを見過ごしてしまいそうになるほど風景と一体化している土木構造物だと感じました。掲載されている石積みの拡大写真で精巧なつくりがよくわかり、先人の石工技術力の高さを今に伝えていると感じました。過去には地元の漁民も防波堤建造を手伝ったというほほえましいエピソードから、地元にとっていかに重要な構造物であったかがよくわかり、今後も美しい防波堤であり続けてほしいと思います。
(関西電力 小坂馨太)
定量的評価の視点がおもしろく、分かりやすかったです。次回以降にも期待します。
((株)大林組 鈴木直子)
この内容は、建設投資額とセメントの使用量で変化を表にされていますが、この他にセメントと労働力の変化という問題があります。1950年(昭和25年)この当時は未だ機械化施工が少なくて、ミキサーの投入口までは2サイ箱(30cm×30cm×60cm)の箱に砂・砂利を入れて畚棒(こぼう)で担ぎ、材料の配合は容積配合(*)社員まで総出でコンクリート作業に従事したものです。図―3の一人当たりセメント消費量とのグラフは、今の機械化された時代とは比べ物になりません。昭和45年頃の機械化・人力施工かの判定は、労務者日当千円が判断基準でした。その後コンクリートポンプが普及しコンクリート打設には手も掛からなくなりました。コンクリート打設には、当時は太鼓型ミキサー ⇒ 傾胴型(徳利ミキサー)に変化し固練りが可能になり打設したコンクリートの上を自由に歩く事の出来る、今では考えられないほどのW/C(水セメント比)が小さいG/Sの大きいものでした。図―2のセメント消費量は、機械化が進み、伊勢湾台風による東日本の大災害と一致し人力より機械化に移行した後の曲線です。一人当たりのセメント使用量と関係は、機械化される前と後では比較になりません。このことが現在の建設投資額とセメントの使用量に関係があります。というのは現在の中小建設業者は実質投資額の減少と、工事に老練の所謂職人の生活を維持するために努力しています。職人を確保するために、機械化施工をせずに人件費に作業に振り向ける。所謂機械使用による工事量を減少させ労務費に振り向けるような設計が建設業界の生き残る基本と考えられています。
(遠藤隆夫)
* 容積配合によるコンクリート1m³の各材料の使用量は、セメント225kg:砂0.47m³:砂利0.94m³を1:3:6のコンクリートと言い。配合1:2:4のコンクリートは、セメント320kg:砂0.45m³:砂利0.9m³という割合でした。
十数年前に旧建設省の建設資材担当の部署にいたことから、セメントの消費量から建設投資量を推定する試みを興味深く読ませていただきました。私が建設資材を担当しておりました当時は、景気対策としての建設投資の効果に疑問が持たれていたのですが、契約行為と現場施工の時間的なズレが大きくなっていることを感じ、流通でのストック量が極めて少ないセメントの出荷量に着目して分析を行っていたことを思い出しました。 更に、基礎構造物関係、セメント等の躯体関係、設備・仕上材関係の資材出荷量をそれぞれ先行、一致、遅行指数として、景気動向指数を真似た建設投資動向指数ができるのではないかと考え、関係業界のヒアリングや統計資料の分析も始めたのですが、人事異動でそれまでになってしまいました。この4月に久し振りに建設資材に関係のある職場に配属になりましたので、再チャレンジができればと思います。
(国土交通省中部技術事務所 安田佳哉)
建設投資の縮減を現実に目の当たりにしている業界にありながら、今回の分析は視界がすっきりと晴れ渡ったように非常に納得の行くデータを見せていただいた思いでした。特に「わが国のセメント消費量の増加率」に着目した建設業の景気判断は「遠からず」ではなく、まさにという感を得ました。現在の業界の状態をこのように様々な視点から分析することは非常に重要なことであると思われ、今回の記事を読ませていただいて、本当に勉強になりました。ありがとうございました。
(前田建設工業(株) 島村亜紀子)
このような生活環境を豊かにする事業が推進されることを願います。学会誌を会員以外が目にする機会はないでしょうが、こうして記事に取り上げられることが法令などの壁が低くなることに少しでもつながればと思います。
(匿名希望)
「感服した」。市町村の土木技術職員の方でここまで自分の意志を通してやるべきことをやり遂げた方がいることに感動した。もちろん、記事で紹介された石島さん一人の力でなく、上司・同僚、そして市長さんなど様々な方々の支援、助言があってのことだとは思う。 学会誌のこの企画はとてもすばらしいと思う。また、このような土木技術者が(地道に)活躍した事例を多く集めていただき、苦労話なども加え冊子(本)として発刊し、多くの土木技術者に力を与えてくれるものを作っていただければと思う。
((財)河川環境管理財団 入江 靖)
工事現場で水が出て来て困ったことは多々あり、その時はその水をどう処理するかに奔走したのですが、今回のように水を嫌う構造物であるトンネルの水を、水利用+環境という「恵みの水」として利用できることは、非常にすばらしいことだと思います。水の豊かな美しき国日本の土木技術者として、今回ご紹介いただいた事例など土木の技術を潤いと憩いの技術として活用する仕事が出来たらと思います。
(前田建設工業(株) 島村亜紀子)
読み物としてはいつも興味深く拝読していますが、この内容を学会誌に掲載する必要性には疑問を感じました。
(匿名希望)
今回もたいへん面白く読ませていただきました。マサイ族の生活、価値観が良く分かりました。次号が楽しみです。
(東京ガス 飯村正一)
これまでこの記事はあまり真剣に読んでいなかったのですが、今回は写真の皆さんの表情に惹かれました。土木作業員というとまさに3Kのイメージがありましたが、実際に働いている方の中には気持ちに余裕を持って遊び心を大切にしていらっしゃる方もいることに驚き、またそのような方が増えることに期待したくなりました。私自身これから社会に出て行く者として、どのような職種に就いたとしてもその心構えは見習っていきたいと思いました。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
「モニターの声」掲載ありがとうございます。毎回つたない文章ですが、これからもよろしくお願いします。
(北海道大学大学院 杉原卓治)
時間が空いたとき等に気軽に読めるような紙面になっていると感じます。ただし、もう少し専門色の強い内容としても良いのではとも感じます。今後のさらなる紙面の充実を期待しております。
(オリエンタルコンサルタンツ 長尾一輝)
4月号のモニターの方の意見の中に「土木学会誌はだれのもの?」というものがありました。私はこの本は「土木屋さんの本」と思っていましたが、一般の方にもためになる記事は多くあり、なんかもったいないなと思いました。どうにかして、一般の方にこれまでの学会誌で扱った記事の中でオープンにできるものがあれば、やってみてはいかがでしょうか。
(長崎大学大学院 冨永昌伸)
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