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土木学会誌

催事
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12.関西支部 新春講演会・交流会「アフガニスタンに生命の水を 〜日本の伝統 的土木技術が大地を甦らせる〜」


新春講演会は、会員間の交流をより一層活性化させることを目的として開催された「講演と懇談の会」の一環として実施させていただいております。
本年度は、パキスタン、アフガニスタンで医療活動を続けるNGO「ペシャワール会」事務局長の 福元 満治 氏 をお招きし、ご講演をお願いすることになりました。講演会終了後には交流会を予定しておりますので、懇親を深めて頂ければ幸いです。多数の皆様にご出席いただきますよう、ご案内申し上げます。

1.日時

平成25年2月4日(月) 16:00〜17:50

2.会場

建設交流館 8階 グリーンホール
大阪市西区立売堀2-1-2
地下鉄四つ橋線「本町」駅 22号出口より徒歩5分
地下鉄中央線「阿波座」駅  2号出口より徒歩5分


3.定員

200名

4.プログラム(敬称略)

16:00〜16:05 開会挨拶
土木学会関西支部 支部長  酒井 和広
16:05〜16:20 土木学会選奨土木遺産授賞式
16:20〜17:50 講演「アフガニスタンに生命の水を 〜日本の伝統的土木技術が大地を甦らせる〜」
ペシャワール会 事務局長  福元 満治
18:00〜20:00 交流会(7階 702会議室)

5.参加費

講演会(16:00〜)
参加費
無料 ・土木学会会員(正会員(個人)、学生会員等)
・賛助会員団体所属者
ただし賛助会員口数1口に付き1名まで
 (例:賛助会員口数2口の場合は2名まで)
※賛助会員口数は土木学会関西支部ホームページ(URLは下記参照)からご確認頂けます。
5,000円 上記以外
交流会(18:00〜)
参加費
3,000円 会員種別を問わず一律3,000円です。

6.申込方法

土木学会関西支部ホームページからお申し込みください。
http://www.jscekc.civilnet.or.jp/
銀行口座 三菱東京UFJ銀行 船場(せんば)支店 (普通)0000660
郵便振替口座 00910-9-82599
口座名 公益社団法人土木学会関西支部
※ 入金確認後、連絡者様あてに参加証をお送り致しますので当日ご持参ください。

7.問合先

〒541-0055 大阪市中央区船場中央2-1-4-409
土木学会関西支部「新春」係
TEL:06-6271-6686 FAX:06-6271-6485

8.申込締切

平成25年1月21日(月)(ただし、定員に達し次第申込を締め切ります。
また、定員に余裕がある場合は締切後も引き続きお申込を受け付けます。)


【講師紹介】
福元 満治(ふくもと みつじ)氏

ペシャワール会 事務局長
図書出版石風社 代表
西南学院大学/久留米大学/長崎シーボルト大学 非常勤講師(国際共生とNGO)

著書
「伏流の思考 私のアフガンノート 増補版」
「出版屋の考え休むににたり」
「石牟礼道子の世界」(共著)他

戦乱と旱魃の村に平和をもたらす用水路
ペシャワール会 事務局長 福元満治

ペシャワール会は、中村哲医師を現地代表として1983年に設立、ハンセン病を柱とする医療団体としてスタートしました。2000年からは、アフガニスタンで始まった大旱魃への対策として、1,600本以上の井戸を掘り、全長25.5キロの農業用水路の建設も行ってきました。水と食糧さえあれば、大半の病気は予防できるからです。

メディアを通じて「国際社会」が持つアフガニスタンのイメージは、狂信的で排他的なイスラム原理主義の武装勢力が横行する「テロの荒野」ではないでしょうか。

しかし本来アフガニスタンは、人口の8割が農民と言われる伝統的農業国で、旱魃以前には100パーセント近い穀物自給率がありました。その農業国でこの30年の間に戦争や旱魃が起こり、多くの人々が被災し、死傷したり難民となっています。紛争地の人々が望むのは「平和(治安の安定)」と「雇用(生きるための仕事)」です。平和が軍事力では達成できないことは、アメリカ主導の「反テロ戦争」が示しています。

私たちはこれまで多い時には10カ所の診療所をつくり、井戸を掘り、お茶やサツマイモを栽培する実験農場も運営してきました。2003年から始めた農業用水路建設では、9年間で延べ100万人近い現地の人々を雇い、その建設に取り組み、すでに16,500ヘクタールの灌漑が維持されています。用水路建設のためにたくさんの難民が村に帰ってきました。この事業がなければ難民になるか軍閥や米軍の傭兵になるしかなかった人々です。

かつての砂漠には200ヘクタールの試験農場が運営され、スイカやピーナツや米、それにザクロやオリーブなどさまざまな果樹が栽培されています。その地域には、将来用水路建設で培った治水技術を持つ職員の家族が入植し、試験農場とともに用水路の維持・保全が期待されています。さらに復興した村の精神的支柱であるモスクとマドラサ(伝統的神学校)も建設しました。ここに戦乱と旱魃の中における、農村の復興モデルが整ったといってよいかと思います。要約すると以下の3点になります。

(1)用水路建設で、生きてゆく為の基礎である農地の復興
(2)精神的拠り所であるモスクとマドラサの建設
(3)用水路建設で治水技術を得た農民の入植による用水路の維持・保全

かかった費用は約15億円、すべて会員の会費と寄付に拠ります。
© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会