JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会安全問題研究委員会（委員長：香川大学・白木 渡）では、定期的に安全問題討論会を開催して、学会内外から広く参加者を募り、安全問題に関して自由に意見交換できる場を提供して参りました。

現在、わが国では、土木工事での安全確保の方策として一般的に議論されているのは工事現場での労働安全・衛生管理である。一方、欧州連合では、1992年に「EU建設現場安全衛生指令（92/57/EEC）」が制定され、建設業における安全衛生の考え方に「安全衛生調整」という新たな概念が導入された。安全衛生の実施と向上を求めるこの新たな取り組みは、計画・設計・施工・維持管理および解体の段階すべてを含めたものであり、建設プロセスに係る全員が取り組むことを示したものである。これまで発生している土木工事における事故を分析すると、まさに建設プロセスの各段階での安全性確保に関する調整不足による事例が多く見受けられ、今後は、欧州連合で導入された「安全衛生調整」という考え方のもとで、建設プロセスの各段階を通して整合性がとれた安全・衛生管理を実施する仕組みづくりが必須と考えられる。このような状況において、安全問題研究委員会では、2013年8月より「土木工事の技術的安全確保・向上検討小委員会」を立ち上げ、新たな整合性がとれた安全・衛生管理について研究活動を進めてきました。これらの議論や研究活動を通して、(1)土木工事における事故事例の分析、(2)土木工事の安全に関する海外の事例分析、および、(3)今後の土木工事の安全確保のあり方、の3点を土木学会の「重点課題」とし、これらの取り組みに関する情報共有の重要性と必要性をあらためて確信した次第です。

以上のような観点から、本年の安全問題討論会は、計画・設計・施工・維持管理および解体のすべての建設プロセスにおける、入札・契約における安全、事故事例の分析、リスクマネジメント、ヒューマンエラー対策など、安全・衛生管理の先進的な取り組みに関する情報を共有し議論する場として「新たな安全・衛生管理の実現に向けて」を総合テーマとして特集を組み、テーマ論文を募集します。

また、一般論文として、事業継続計画(BCP)、地域継続計画(DCP)、危機管理、防災教育、安全情報、安全システム等のテーマについての論文投稿も歓迎します。

つきましては、下記要領で討論会の実施ならびに論文募集を致します。会員・非会員を問わず安全問題に取り組んでおられる皆様からの積極的なご応募をお願い致します。なお、ご投稿いただいた論文は、土木学会論文集の査読基準に基づいて採否を決定させていただきます。採択された論文は、土木学会論文集F6の特集号（平成28年1月発行予定）に掲載させて頂きます。論文掲載には土木学会論文集の既定に従って掲載料が必要です。また、11月25日（水）に開催する「安全問題討論会’15」で発表していただきます。

2015年11月25日（水）

土木学会講堂及びEF会議室

招待講演、一般論文の発表

1）論文内容：

I ．テーマ論文：「新たな安全・衛生管理の実現に向けて」に関する論文や報告
1)事故事例分析、2)リスクマネジメント、3)ヒューマンエラー、4)建設安全問題、5)労働安全、6)その他

II ．一般論文: 事業継続計画(BCP)、地域継続計画(DCP)、危機管理、防災教育、安全情報、安全システム等に関する論文や報告

（2）応募方法：Ａ４用紙1枚に、「土木学会安全問題討論会’15論文」と明記の上、(1)論文題目、(2)テーマ論文

I ・一般論文 II の別、(3)著者名、(4)所属、(5)論文概要（400字程度）、(6)連絡先（発表者）の氏名、住所、電話、FAX、Ｅ-mail、を記入の上、E-mailにて、下記宛にお申し込み下さい。

（3）応募期限：2015年5月15日（金）必着

（4）申込先・原稿提出先

〒160-0004　新宿区四谷１丁目番地（外濠公園内）
（社）土木学会安全問題研究委員会（担当：研究事業課　久米村　秀明）
TEL:03-3355-3559／FAX:03-5379-0125／E-mail: kumemura＠jsce.or.jp

（5）原稿書式：論文原稿は、A4用紙で6あるいは8頁にまとめて下さい。

（書式はホームページ　http://www.jsce.or.jp/committee/csp/cspl.htm）から入手可能）

（6）原稿提出期限：2015年 7月10日（金）必着

（7）論文掲載料

6頁：2万5千円、8頁：4万円、ただし第一著者が非会員の場合は1万円加算

（8）問合せ先

安全問題討論会実行小委員長　広兼　道幸
（関西大学、hirokane＠res.kutc.kansai-u.ac.jp）