■土木学会誌2010年4月号モニター回答
■ 海外での社会基盤整備に貢献した先人が照らす土木のグローバルな未来 後藤 芳顯
国民が安全で安心な生活を享受するための社会基盤整備を担うべき若手土木技術者が、その未来に対して希望と誇りを持てるように、土木学会は、積極的に企業、大学や官庁などと協働して、若手土木技術者に、土木技術を継承し、倫理的に優れた人材を育成する必要があると思います。そのための方策として、ボーダーレス、グローバル化が進む中で、海外の社会基盤整備の中から、先人の優れた土木遺産に直接、間接に触れることで、その中にある設計法、施工法を学ぶことで、新たな知見を得ることも可能だと思います。また、現地の人との間に信頼を築くことができる倫理と教養を備えた土木技術者を教育・育成するために、土木学会の技術者資格制度等と活用することで、継続していくことが大切なことだと思います。
(所属:五洋建設 氏名:向井 健)
■ 中央環状線山手トンネル(3号渋谷線│4号新宿線) 崎濱 秀仁
中央環状線山手トンネルが開通したとの記事です。大学3年生の頃、建設途中のトンネルを見学させていただきました。その頃から、5年も経とうとしています。改めて土木工事の規模の大きさを考えさせられます。車で通ってしまえば一瞬かもしれませんが、大橋ジャンクションも含め、是非近いうちにドライブしてみたいと思いました。
(所属:清水建設 氏名:近江 健吾)
慢性化している首都高の渋滞を緩和し、CO2排出量の削減が見込める非常に意味のある路線であると感じる。また、東京都再開発事業と一体的に整備することにより道路整備の早期実現等、今後の整備事業への期待が膨らむ。本件とは話は違うが、現在調査中であり、大深度地下トンネルが想定される外環道の早期実現も併せて期待したい。
(所属:五洋建設 氏名:井瀬 肇)
■ 八軒家浜賑わい空間整備 山田 力三
淀川、大和川が合流した難波津から発達した「水の都」大阪の再生プロジェクトの一環である八軒家浜賑わい空間整備事業の紹介です。現地に赴いてライトアップされた川の流れが運んでくる風を感じながら大川沿いを歩いてみたくなりました。リバーフロント、ウォーターフロント等、人と水際との融和により、機械的な都市のなかにも、自然との共生が可能になりました。すでに発達した大阪市において、社会実験的空間を作り出していると思います。今後、お洒落なレストラン等が出現して、都会の中で川の流れを感じながら食事をする光景が想像できます。「水都大阪2009」事業が、他の都市再生の成功事例になることを期待します。
(所属:五洋建設 氏名:向井 健)
大阪を離れて21年になるが,ご紹介頂いた八軒家浜の変貌には大変驚き,また懐かしさがこみ上げてきた.特に下流からみた夜景がこれほど美しいほどとは.映し出された暗天に浮かぶ橋,緑化帯,ビル群など色合いがほどよい癒し空間になっている.
(所属:(有)ジー・ティー・システム 氏名:久次米 旭)
■ 第65回 政治評論家森田 実さんに伺いました [聞き手]亀谷 一洋
『国家の実力は地方に存在する』とてもいい言葉だと思います。日本が閉塞する原因は、地方に実力があっても一旦、大都会を通さなければならない点だと思います。地方の実力が何も介さず世の中に直接出るような日本がいいです。
(氏名:越石 暁)
『土木は日本を救う力になる』政治評論家 森田実さんのお話に同感し、自身も土木に関る職業に携わっていることに改めてやりがいを覚えます。政権交代により民主党が掲げた『コンクリートから人へ』のスローガンは、過去の公共工事のあり方を反省し、無駄を無くし費用対効果を徹底的に検討した上で、国民の安全と安心を確保することを目的とした社会資本整備の手段としての公共工事を推進させることが本旨であると理解しています。そして、その公共工事を推進させることが、雇用を創出し停滞する経済の活性化に繋がるものと思います。コンクリートを否定しては人々の安全は保てないし、人びとが安心した生活をおくるための社会資本の充実に異を唱える国民は居ないと信じます。森田さん曰く『土木は社会技術であり、道路や橋、港湾、河川、上下水道など、直接人びとの生活にかかわり、社会と技術をつなぐということで、これほどやりがいのある仕事はない』感銘を受けた言葉であり多忙な日々のなか、
仕事に取組むことにますます元気を貰ったように感じます。
(所属:(株)大林組 氏名:大井和憲)
我が国において土木系の資格は、医師や弁護士等の資格と異なり、社会の認知度も低く、資格保有者というだけで、専門家として敬意を払われるようなことはない。その現状は改善されてしかるべきであるが、その一因として、土木の仕事が、一人の力だけで成し遂げられるものでなく、多数の人間が関連し、場合によっては利害の対立も存在する中で、行われるものであることが挙げられる。その中で一人の技術者が個人としてのアイデンティを発揮するため、個人の能力を客観的に証明し得る一手段として、資格が活用できると考える。本特集における「資格は戦場に出て行く者の武装と同じ」という表現は、そのことを的確に表していると感じた。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)
この人に聞く第65回は、政治評論家の森田実氏に、これからの土木についてお話を伺ったものです。この記事を通じて、森田氏が主張していることは全くもってその通りだと感じました。「コンクリートから人へ」というスローガンはセンセーショナルなものでありますが、土木に携わっている人にとっては恐ろしささえ感じたことでしょう。公共事業の削減は、手っ取り早く財源を確保する最も安易な手段であり、とても持続的な発展を深謀遠慮したものとは思えません。森田氏がおっしゃるように、土木が日本を救う力になると私も思います。
(所属:清水建設 氏名:近江 健吾)
「コンクリートから人へ」のスローガンを真っ向から否定する意見に驚きました.現在,日本をどのような方向へもっていくかというビジョンがないという発言には深く頷けます.また森田氏が説く公共事業必要論は,建設業界に身を置く自分にとっては心強く感じました.しかし事業仕分け等によりどこの予算も削減されるなか,やはりこのような意見は少数派ではないかと感じます.森田氏の言葉を有り難く受け止めつつも,やはり世論を納得させる仕事の仕方を模索していかなければならないのではないかと思いました.
(所属:前田建設工業(株) 氏名:奥田文)
社会資本整備の果たすべき役割について拝読致しました。特に道路整備,橋脚整備については,何が無駄か?という問いかけにまさに共感できる内容であると思いました。補修事業の必然性については,前々から申し述べているように大惨事を防ぐための保険であるという認識で事業推進していかなければならない事項であると思います。土木事業の発展こそが,そこに仕事を作る第1歩という考えを持って進めていく日本再生であると思います。
(所属:日本ポリウレタン工業(株) 氏名:田中一幸)
「新公共事業必要論」には関心があった。その著者である森田実氏へのインタビューは、それ自体で最初に読んだ記事であった。金融財政政策から見た公共事業のポジションを簡潔に言い切っているところはおもしろい。予算削減による財政再建至上主義は、決して経済を活性化せずに、失敗するであろうというのも頷ける。財政が困窮すると、予算の削減にのみ智恵を絞るというのは、いずこでも見られる縮図のように思う。危機が新たな活性への転化を創出し、発展へ向かうのは、案外単純なことではないかと思った。派手に表立って効果が見えないことの多くは、実は持続可能な社会を支え続けている基盤ではないか。初心に立ち戻って、そういった「社会資本」を充実させることが、おそらく無駄なようで一番効率的なことかもしれない。何をもって「社会資本」と言うのかが、大きな問題ではあるのだが。
(氏名:横田 美行)
■ 特集1 インタビュー 土木技術者のキャリアステップと資格取得 [語り手]廣谷 彰彦、[聞き手]細野 康代
今月号は、資格取得の特集であったが、その中でも廣谷氏のインタビューで推奨されていた語学力は、最近海外の方と接する機会が増え、非常に必要性を実感している。技術士資格取得に向けた勉強と併せて、もっと海外の方とコミュニケーションができるように、英語力を高めるように努力していきたいと強く感じた。
(所属:運輸政策研究所 氏名:梶谷 俊夫)
最近、感じる事ですが,名刺にたくさんの肩書きを刷り込み,自分はこれほど頭がいいのですよとあんにほのめかす輩が増えている.このような輩に今編の資格所有の哲学を読ませてやる必要がある.日本人は“謙虚さ”に美徳を感じると思っていた.資格所有の多寡が,質にまさると思っている技術屋が多いこと多いこと.
(所属:(有)ジー・ティー・システム 氏名:久次米 旭)
■ 2-1 アンケートからみる資格 細野 康代
年度初めにピッタリの「資格取得を目指そう」を楽しく、読ませていただきました。
特に、現在、若手社員の資格取得の奨励、指導にあたっている関係で、「求める資格・求められる資格」は、素晴らしいデーターが盛り沢山で、大変参考になりました。また、土木学会認定技術者資格について、創設の経緯、ライセンスとクォリフィケーションの区別について、資格の内容について、理解を深めることが出来ました。貴重な資料として、社内勉強会で活用します。
(所属:清田軌道工業株式会社 氏名:原 繁男)
土木系の資格はとても多い。多くの資格を有する事に越したことはないが、そのために要する時間や費用なども増えてくる。自分自身が土木技術者として活躍したい場を持っているかどうかが重要であり、その場に適した資格を持てばよいと思う。会社や他人から言われて取るものではなく、自分で判断し、自分の責任のもとで、資格を取得する、まさに戦場に行く者の武装みたいなものという著者の意見と同感である。
(所属:東洋建設(株) 氏名:澤田豊)
■ COLUMN2 JABEE認定プログラム
技術士の大部分を占める建設業界では技術士の知名度は高く、実質的に業務独占資格である側面を持っているが、一般市民に対しては認知度が低いと感じる。鉄道会社に勤務していても事務系の思いっきり文系職員は、技術士と聞いても作業員の技能資格みたいなものだと思っている者も多い。その原因は、技術士と一般市民との接点がないからではないだろうか。医師や弁護士は国民の近くにおり、またBtoCの関係で業務をすることが多い。それに対して、技術士の大部分を占める建設業界は、一般市民との直接的な接点がないうえに、建設業界からも情報を発信したり、接点を持とうとしてこなかったのではないだろうか。そのことが、技術士という資格が、一般的に認知度が低い原因ではないだろうかと感じている。
(所属:東京急行電鉄 氏名:山口洋史)
■ 特集3 継続教育とその展望 片桐 雅明
資格の維持にCPDが必要なのは理解できる。ただ、現在のシステムだと、たとえば土木学会と建設コンサルタント協会とでCPDの内容やポイント数規定などに違いがある。どちらに登録しているかによって獲得ポイント数が異なってくる。せっかく建設系CPD協議会なるものを設立しているのだからCPD内容の認定規定などを統一できないものだろうか。また、自己学習や日常の業務をCPDとしてどの程度認めるかなど、まだまだ問題が多いので改革していく必要がある。原点回帰やオンデマンド講習会など、学会が主体となって大きな経済的負担なくCPDに取り組めるような体制を作っていただけるとありがたい。
(氏名:高橋麻理)
■ COLUMN3 国際社会へ 佐々木 寿朗
海外の土木事業に必要な資格を簡単にわかりやすく解説してあり,大変ためになりました.技術士という資格がAPECエンジニア登録可能ということを初めて知りましたが,技術士が日本のみならず海外でも評価されることが嬉しく,取得に向けて頑張ろうという気持ちになりました.しかし土木系の資格には経験年数が受験要件になっているものが多く,経験年数何年でどの資格が受験できるというのがわかりにくいものもあるので,今回の特集でその辺りを整理していただけていれば,自分のキャリアパスが描きやすくなったかなとも思いました.
(所属:前田建設工業(株) 氏名:奥田文)
■ 第1回 北越急行ほくほく線「ゆめぞら号」 松尾 幸二郎
タイトルからすると、「地方の常識−地域特性を活かした独自規格−」の記事に似た企画という印象があるものの、学生の観点から一味違った「うらやましい!!」「おもしろい!!」「行ってみたい!!」と感じる記事をこれから期待しています。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:山崎 功一朗)
■ 第4回 パーキングシェルター 伊東 靖彦
東京生まれ,東京育ちの小職は,雪に対する恐怖感を持っています。それは,山形県の庄内地方に家を有していますが,冬の雪道走行にて猛吹雪に出会い,まさに身を乗り出しながらの安全走行を実施した経験があるからです。庄内地方もいわゆる地吹雪で有名な土地柄で雪が下から上に吹きます。そこで,今回のパーキングシェルターですが,さすが北国北海道ですね。是非,東北地区にも採用していただきたいですね。良い設備は,それを見習って採用していくことも大事な事業であると思います。
(所属:日本ポリウレタン工業(株) 氏名:田中一幸)
雪国での生活の経験のない私にとって、吹雪の恐ろしさはどれほどかわかりませんが、「パーキングシェルター」があれば確かに吹雪時に避難した車両は多いに助かると思います。しかし、「パーキングシェルター」のこれまでの利用実績はどれほどかわかりませんが、北海道内に2箇所ですと、そもそも緊急時にこの施設の存在に対する認知度は地元や道路利用者にとってどれくらいのものか少々疑問に思いました。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:山崎 功一朗)
■ 第1回 阪高湾岸線 [文・写真]大村 拓也
道路はつながっていることで機能する.どこかで途切れると役割を全うすることができない.文で読むとピンとこないが,本記事の写真をみれば正に一目瞭然である.闇に浮かぶ高速道路が我々の活動を海を跨いで支えている.ビジュアルの威力に圧倒されるが,ここで注意したいのは見る者の位置である.もし,走っている自動車の中から道路をみたらどうだろう.自分の車の近くしか見えず,道路の全体像を把握することは不可能だ.今の日本の道路やダムの不要論は,発言者の身近な状況のみを踏まえて唱えられたものではないか?社会インフラに関する正しい世論を醸成するには,それらの全体像を鳥瞰するためのツールが必要だと考える.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)
今まで、土木学会誌の写真と言えば構造物主体の写真が多かったと思いますが、本連載は、全く逆の視点から土木を捉えようという趣旨が素晴らしいと思いました。第1回目の阪高湾岸線の写真も、普段は当たり前の存在であるものを遠景から眺めることによってその構造物の存在感がジワジワ湧いてくる印象を受けました。これから1年間連載とのことで、今後も期待しております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)
土木施設の寿命は長い。私たちの身の回りには、私たちの生前に出来た土木施設が多くあるし、近年作られた施設が私たちの寿命を超えて、多くの人々のために働き続けるのだろうと思う。規模が大きい土木施設が、私たちの中に何気ない風景として溶け込んでいく、その時代を超えるスケール感のことが、「土木遠景」という表題を見て頭に思い浮かんだ。第一回として掲載された阪高湾岸線の夜景の写真もとても美しい。この土木施設を今も多くの人たちが利用し、それぞれの営みを続けている。築造に携わった技術者たちはどうしているだろうか。写真から、様々なことが思い浮かび、想像力がかきたてられる。受け手によって様々なことを考え、思いをめぐらすことができる本連載の展開を期待しています。
(所属:日本工営株式会社 氏名:野末 康博)
土木=自然破壊と考える人もいるようだが、土木工学は人間の生活を安全で快適なものとするため、自然の猛威から人間を守り、自然の力を有効に利用するための学問であると思っている。そのため自然に真っ向から相対するような土木構造物は存在せず、形状も自然と調和したものであるのが理想であると考える。「土木遠景」という企画は、このことを思い起こさせてくれるものであり、今後に大変期待している。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)
土木構造物には,インフラとしての機能とともに周りの景観との調和も必要である.当たり前のことではあるが,それを改めて認識できる写真であった.また,道路の光の線とともに,都市にともる町の光の一つ一つがそこに住む人の灯りであり,それらの光が混在するこの写真は,土木構造物の役割について考えるきっかけになった.
(所属:東日本旅客鉄道 氏名:吉田 知史)
土木構造物のスケールの大きさを1枚の写真に表現することで、デザインの美しい社会基盤が周囲の環境と調和し、一体となり優れた景観を示すと思います。今後1年間、スケールの大きい映像を期待します。六甲山の天狗岩から阪高湾岸線を中心に六甲、神戸から大阪平野の内奥までとらえ、湾岸線の線形に応じた点々と連なる道路照明をメインとした、日本三大夜景が闇夜の中に浮かび上がっています。湾岸高速線の社会基盤が物流と人の移動に寄与し、背後のウォーターフロントに開発された周合住宅の照明からは都会の温かい生活の営みが感じられます。今後、照明は、環境とコストに優しいLED照明が増えていくのでしょうか。
(所属:五洋建設 氏名:向井 健)
土木構造物全体を写真に収めるのは本当に大変である。場所や角度や影に光の当たり具合、レンズの範囲など難しい条件がたくさんある。今月号の阪高湾岸線を撮るのにも立地や気象条件、時刻などの選定に苦労がしのばれる。今後の連載がとても楽しみである。
(氏名:高橋麻理)
土木工学を専攻してからというもの、旅先で見かける珍しい橋の形式、道路などの土木構造物に胸躍り、カメラのシャッターを押すことが多くなりました。第一回は私の故郷の馴れ親しんだ景色なはずですが、遠景として捉えると新たな発見もあります。これから一年間、粋なエッセイとともにまだ見ぬ景色を楽しみにしております。
(氏名:白石直也)
写真のすばらしさも,流れるような文脈の整いも,私に感動を与えてくれた.天狗岩へゆけばこのような夜景がみれるのであればトライしてみたい.土木学会誌ならではの大胆なパノラマである.
(所属:(有)ジー・ティー・システム 氏名:久次米 旭)
■ 土木学会誌編集委員会 座談会 [座談会メンバー]木村 亮、亀澤 靖、日比野 直彦、岡田 八千代、河村 進一、三島 大輔、小國 拓也、野村 謙二、喜多 直之、武部 篤治、澁谷 容子、橋本 剛志
「つくり手が楽しんでつくらないとダメ」という編集長の方針に賛成である.これは,ごく日常的な業務でもそうだと思う.楽しみからは様々なアイデアが生まれ,それを形にするために惜しみない努力が払われる.その汗がしみこんだ作品が人の心を動かすのは自然なことだろう.「学会誌編集」という仕事は,土木という鉱山の鉱脈からキラキラ光る原石を採掘し磨きをかけて社会に示すことだ.堀当てたときの喜びも大きいが,はずれたときの失望も少なくないと察する. 編集委員の皆様が,時間と労力を惜しみなく費やしたであろう記事を今月も楽しく読ませていただいた.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)
私自身、本年でモニターも2年目に突入して、ますます土木学会誌の虜になっております。本記事を見て、我々モニターの声が編集委員に届き、いろいろな改善がこの2年間で行われてきたことに感銘を受けました。特に、ビニール袋のミシン目など、モニターの意見から採用されているとは気付きませんでした。これからもモニターとして、微力ながらご協力させていただきます。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)
実際に取材執筆をされた編集委員の方々に、多くの特集を楽しく読ませて頂き、この場を借りて改めて御礼を申し上げる。座談会の内容は、読んでいるのみでは分からない編集の苦労が多くあり、それでも自分の担当した文章が刷り上ることの楽しさが、苦労を超えていたというのが、印象的であった。ものづくりが好きというのが根底にある人々が集まって出来た学会誌だからこそ、このようなおもしろい記事を継続できているのだなと感じた。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)
■ 企画趣旨 澁谷 容子
土木の用語だけのクロスワードパスルというのは,作成には制約が多くて大変な作業かも知れないが,非常に面白い企画であると思う.今月号の特集でもあった資格取得のための勉強や,現在の自分の土木に対する知識を確かめるためにも良いきっかけになるはずである.今後,解答や解説を次の月まで持ち越したりするというのも面白いのではないだろうか.
(所属:東日本旅客鉄道 氏名:吉田 知史)
しっかりと読まないといけないと思う記事が多い中で、ほっと一息つけたような気分になった。不思議なもので、何らかのアソシエーションがあると、結構記憶してしていることが多い。こういった半ば遊び気分で見ていた方が、却って語句や用語を覚えたりするので、とても良い企画だと思った。
(氏名:横田 美行)
■ 社会資本整備と地域の成長戦略 小磯 修二
地域経済を取り巻く環境は、地域格差の拡大、世界恐慌と相まって、大変厳しく、限界集落の発生等、東京一極集中の弊害から脱却するために、広域地方計画、道州制の議論と併せて中央集権から地方分権へと模索しています。その中で、地方の特色を生かした戦略をたてるとともに、各ブロックの交流・連携をとり、相乗効果による活力を生み出し、各地域が共生することで、個性ある景観など美しい国土の再構築を図ることが可能になると思います。公共事業には社会基盤そのものが持つストック効果とその整備・維持管理におけるフロー効果の両面があり、選択と集中による地方における適切な公共事業の執行は地域の再生に貢献することが大きいと思います。
(所属:五洋建設 氏名:向井 健)
■ 個=顔の見える産業へ 大島 一哉
厳しい自然環境の中に耐久性のある大規模なインフラを整備するのは簡単なことでない.にもかかわらず,コンサルタントも含む建設業関係者は,努力の割りに社会的な関心が薄く必ずしも報われていないという想いに苛まれている.このような中,本記事で提案されている法的規定や個人技術名の明示は,個人的な満足度の向上に有効であろう.他方,人間は他人から喜んでもらえるとうれしい生き物である.人々の求めるものをつくるという現状から,人々に喜んでもらえるものつくるという原点への回帰も,不満解消に一役買うと思うがいかがだろうか?
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)
委員の指摘は、構造物に関する技術のトレーサビリティーの確保が重要との指摘と理解した。しかし、それは建設コンサルタントを中心とした土木業界側、即ち供給者側の理論であると感じた。構造物を利用する国民の側からも、安心・安全な生活を送るためにトレーサビリティーの確保は重要であろう。この橋は、どこの誰が設計・施工・管理しているのか、こうした「見える化」によって、国民生活の中での土木の役割について、より理解を深めることができるだろう。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)
■ 市町村が管理する橋は大丈夫ですか 太田 貞次
床版橋で鉄筋が全面露出している橋下面写真と通学している児童の遠景写真の対比に、全国で進行している老朽橋の恐ろしさを実感した。香川県内の市町村における担当技術者は0〜3名だそうだ。橋の路面を管理することはできるだろうが、最も腐食しやすい下面に潜って管理することは不可能なのではないだろうか。橋の構造点検をする専門集団が市町村に代わり管理するような仕組みが必要なのではないだろうか。学会誌で「土木構造物の老朽」について一度取り上げてみてほしい。
(所属:東日本高速道路 氏名:伊勢田敏)
最高の記事です。写真がカラーで無いのが残念です。一橋ごと落橋した場合の影響から考える橋梁の維持管理計画が必要だと強く感じました。
(氏名:越石 暁)
深刻な医師不足がマスコミに取り上げられるが、例えば、1,500の橋を3人で管理している現状について、その地域に住む住民はどう考えているのか、その事実を知っているのか。 私たち技術者が果たすべき役割として、日常の業務を縮小したとしても、技術者が不足する地域に出向いて支援することが必要ではないか。点検、補修計画・設計、ネットワークを考慮した優先順位の立案、施工管理など、アドバイスを必要とする地域は少なくないだろう。土木業界・土木学会が一丸となって、そのような技術者の融通を図る機運を醸成することが必要ではないか。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)
2007年の米国ミネソタ州におけるトラス橋崩落事故は 土木に携わる者として非常に衝撃的な事故であった。 私たち土木技術者が作る構造物は人々の生活に直結しており、 その構造物に危険性が生じるということは、人々の生活が危険に晒されるということなのだと強く感じたことを覚えている。 社会情勢は新たなものを作る時代から、守る時代へと変化してきており、今後は構造物の状態をいかに正確に把握し、その状態を判断し、そして補修の時期や方法等の計画を立てていくかが重要でありそのことを強く意識していなければならないと感じた。
(所属:東日本旅客鉄道(株) 氏名:伊東寛)
床版橋で鉄筋が全面露出している橋下面写真と通学している児童の遠景写真の対比に、全国で進行している老朽橋の恐ろしさを実感した。香川県内の市町村における担当技術者は0〜3名だそうだ。橋の路面を管理することはできるだろうが、最も腐食しやすい下面に潜って管理することは不可能なのではないだろうか。橋の構造点検をする専門集団が市町村に代わり管理するような仕組みが必要なのではないだろうか。学会誌で「土木構造物の老朽」について一度取り上げてみてほしい。
(所属:東日本高速道路 氏名:伊勢田敏)
我が国の社会資本ストックに対する維持更新の問題が指摘され始めて久しいが、本リポートで市町村における橋の維持管理の現状を提示され、社会資本の将来の安全に対して危機感を感じざるを得なかった。維持管理を行う技術者の確保にも、補修・補強工事を行うにも、相応の予算の配分は不可欠である。「コンクリートから人へ」といっても、人の安全が確保できなれば、本末転倒であろう。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)
2007年にミネソタ州での落橋事故があり、その後日本国内でも本庄大橋の例にも見られるように落橋につながりかねない事例が報告されています。老朽化対策には多くの費用が発生するが、予算確保の目途もたたず、後手後手に回っている現状があります。生活に密着している橋梁構造物が一旦崩壊すると、その被害は瞬く間に波及していくと考えられます。行政・土木技術者・地域住民が連携しつつ、全国的に対応していかなければいけない問題だと感じております。
(所属:清水建設 氏名:近江 健吾)
太田貞次先生の地道ですが大事な講座を為されている事に感銘を受けました。とかく土木技術者は新設事業に対して意欲的に取組みますが維持補修工事に対しては積極的にならない傾向があります。地域の身近な橋は住民の生活を支える重要な仕事と考えます。高度成長期に建設された中小橋は老朽化が進みその維持管理に苦慮している市町村が少なくありません。土木技術者として意欲的に取組む必要があると考えます。土木学会としても重要課題として取り上げることを提案いたします。
(所属:NPO法人ITステーション「市民と建設」 氏名:比奈地 信雄)
■ 真空圧密による水面下の地盤改良は可能か? 新舎 博、山内 義文
真空圧密工法のメリットの一つに、載荷盛土工法に対し、土砂運搬に必要な車両の台数を削減できるため、CO2排出量の削減による環境負荷の低減がある。時代の動向にもマッチしているため、今後ますます注目される地盤改良工法であると思われる。本リポートにおける真空圧密ドレーン工法は、粘土層の表層部を気密シートの代替えとして利用することで、水面下での施工を可能とした画期的な工法であると感じられた。ただ、負圧が有効に作用するかは、表層の気密シール層の性状に大きく左右されるのではないか。また、キャップ付ドレーンのロールを事前に工場で製作することを前提としているため、改良対象層厚が変化する不陸の大きい地盤では適用が困難であると思われる。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)
軟弱地盤の地盤改良工法として、載荷重工法の一つとしてスェーデンから大気圧工法として導入され、今日、施工方法の改善、品質精度の向上等改良がなされ現在にいたっていますが、真空圧密工法の命名の由来、設計原理、施工方法の工夫等がわかりやすく詳しく説明されています。特に、気密シートを使用せずにキャップ付きドレーン材の開発により、表層部の砂が厚く堆積している場合や水面下における適用、施工の効率化を図ることができるとありますが、技術開発には多大の努力があったと推察されます。海面処分場を延命化するために、水面下における圧密促進工法として、本工法の適用範囲はさらに広がると思います。
(所属:五洋建設 氏名:向井 健)
■ 第 44 回 新版 東京都 地学のガイド [評者]吉田 秀典
地学と言うと土質やその歴史のみを扱うように思っていたが、今住んでいるところがについて、なぜこのような地形になっているのかと言う疑問を解きほぐす重要な学問であると学生の時に気付いた。ここで紹介された本は、そんな疑問を持つ人々にうってつけのものだと思う。近年の郊外型ニュータウンのように大きく地形を変えていないと考えられる東京だからこそ地形から見えてくる歴史もあるのではないかと思う。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)
■ その他
今回から、学会誌の全ての項目について、成績表のような細かな評価を求められていますが、そのような評価は本当に必要でしょうか?学会誌全体から受ける印象として、あるいは、あるシリーズ記事について一定期間の印象はどうだったか、読者の受ける印象は、そのようなある一定のまとまった印象の集合体であると思っています。編集委員の方々のご苦労が掲載されている一方で、編集委員の方が執筆した毎月の記事について細かく評定を下すのは、とても忍びない気持ちです。
また、記入様式が記入しづらく、例えば、インターネット上でA、B、Cを選ぶだけといった工夫をしていただけたら幸いです。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)