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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2010年7月号モニター回答


■  土木学会100周年に向かって 阪田 憲次

このところ,ゲリラ豪雨というニュースを良く耳にします。数年前からでしょうか?観測史上初のという前置きの後に,ワールドレコード更新といったあたかも記録更新を狙うオリンピックのようなマスコミ報道を聴くと【ゾッ】とします。大都 会東京は,経済の発展と共に近代化し,社会基盤の多くを整備してきたと伺っております。その中で,学会誌で毎回のように取り上げられている社会基盤老朽化・その維持管理。いずれも目の前に迫りつつある天災へのエピローグではないでしょうか?その中で,土木事業は,補修・保全を最優先させる整備が重要であると再認識致しました。
(所属:日本ポリウレタン工業(株) 氏名:田中 一幸)

■  第68回  (株)いろどり 代表取締役社長 横石 知二さんに伺いました [聞き手]亀谷 一洋、窪田 崇斗

おじいちゃん,おばあちゃんは,人生の大先輩.その方々を説得して新しいビジネスを立ち上げ,成功に導いた横石氏の手腕に感服した.「ああそうか」,「なるほど」,「よしやろう」.ビジネスに限らず,新しいことが軌道に乗るのは,これらのステップが滞りなく流れているときだ.心が曇っていると,最初の「ああそうか」という気づきの壁を越えられない.また,三日坊主の習い事やプロジェクトの頓挫は,納得感の欠如や決意の甘さが原因だ.素直に問題を直視して,状況を正確に把握し,適切かつ迅速に行動する.たったこれだけのことだが,全く「行うは難し」である.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)

この記事を読み、成功の種は様々な所に転がっているなと感心させられました。もちろん単に種を発見するだけなく、それを軌道に乗せるために大変な苦労があるかと思いますが、このような地域を巻込む取組みが、昨今の不景気を乗り越えるための糸口になるのではないかと期待しております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

身近にあるチャンスを成功につなげた非常に素晴らしい事例です。葉っぱをビジネスにつなげていく発想の柔軟さがすごいと率直に感じました。一方では宝に見える地域の資源が、地域の人々に宝に見えていないというのは多々あることだと思います。そこに住む人々が地域の潜在的な魅力を見つめ直して、活性化につなげていくことが出来れば素晴らしいと思います。
(所属:清水建設 氏名:近江健吾)




■  企画趣旨 三木 浩司

子供達にとって土木とはどういう風に見えるのだろうか?興味がある内容である。特集を読んでいると、子供は土木に対して結構興味があるようである。多くの人が子供の時、砂場でトンネルを作ったし、夏休みなど木を加工して本棚などを作った。元々みんな物を作る事が好きなんだと思う。こうした子供達にとって、土木という言葉から持つイメージとしては「大工さん」や「かなづち」などのような、日頃街で目にするような工事現場の風景である。本当は施工以外にも設計、測量、研究など色々な仕事がある。こうした様々な仕事内容をしっかりと子供に伝え、総合的に土木関係の仕事に対して興味をもってもらう事が大切だ。また中学・高校と大人になるにつれ、土木から離れる若者が多い。彼らにとって土木業界のイメージはかなり悪いように思われる。その理由はマスコミなどが「無駄なダム、道路」、「コンクリートから人へ」など悪の代名詞といわんばかりの表現を使うからだ。もっと適正な表現をし、土木の役割やその重要性についても取り上げていただきたいものである。
(所属:東洋建設 氏名:澤田豊)

昔からずっと思っていたことだが、学校の授業と実際の社会とを直接的に繋ぐ授業がないのは何故なのか、という疑問があった。確かに中学では「公民」という社会科の授業はあったが、少なくとも私の時代には「土木」に関する授業はなかった。政治の仕組みの説明、三権分立、そういった仕組み学習ばかりであった。その疑問に答えていただくべく、特集記事で「土木を伝える教育」が掲載されたので、非常に興味深く読ませていただいた。その中で「ものづくり」 に焦点を当てた記述は、しかし、建築とどういった区別があるのか、と思う。確かに「ものづくり」は、すべてにおいての基本ではあるが、「土木」には一番象徴的な、公共性が加わる。つまり、公共で使われる「手段」としての建造物の必要性をアピールすることが大事ではないかと思った。中学生の土木に関するイメージの図は、まさに建築と土木の区別ができていないことを証明する貴重な判例だと思う。私自身は、黒部ダムの映画を観て、土木の大事さを初めて理解した記憶がある。人々が暮らしやすい生活の基盤を作る、これが土木の目的だと思う。これを如何にして、子供達に伝えるか。より多くの体験学習を通して、体得してもらうような教育を望んでならない。
(氏名:横田美行)

いまの政府は、「社会資本整備」=税金の無駄遣い、天下り、悪・悪・悪、という姿勢で臨んでいる。確かに、日本人として襟を正し、まともな「社会資本整備」を行ってゆく気持ちを構築する必要がある。それを行うためにも「社会資本整備」=今の子供たちへの投資を考えてゆくことが望まれ、将来「新土木の世界」が今の子供たちの手にゆだねられることになろうと思われる。今回の子供たちに「土木」を伝える教育を読んで、どのようなルートで子供たちに伝えるのかが問題であり、土木学会での活動が唯一望みを繋ぐ、タイトロープとなっているように思える。是非、広報活動に多くの予算を割き、努力してほしいと願う次第である。
(所属:(有)ジーティーシステム 氏名:久次米 旭)

■ 特集1 小中学校における「土木学習」 藤井 聡

地図帳に建設中の鉄道や道路があると土木に目が向きやすくなると思います。完成した社会基盤にはどうしても強い関心が生じにくいと思います。社会科の先生が、上下水道に対してどういった切り口で授業に入るかで、生徒の土木に対する捉え方も違うと思います。
(氏名:越石暁)

土木とは、国民のことを考えて、よりよい社会を目指す公共的な取組みということを意味している。それゆえに、その取組みを学び、それに参画することは、公共の精神の涵養に有効であると考える。今後、土木が学校教育において重要な教材となれるように、一人の土木技術者として貢献できるように努力していきたい。
(所属:三井共同建設コンサルタント株式会社 氏名:原田紹臣)

■  特集2 中学校教諭として今の土木教育について思うこと 柴田 典夫

中学生の土木に対する意見がおもしろかった.なかでも,「作るのはやってみたいけど,毎日は無理」という意見は,未来の新しい働き方を示唆しているように思える.なぜならば,「毎日は無理」でも「たまにならやりたい」と読み取れるからだ.一部のマルチな才能を持った人を除けば,同時に複数の職業をこなすことは稀であり,ひとつの職業に専念するのが一般的だ.しかし,これからは土木の仕事の他にもうひとつ何か別の職業を掛持ちするという時代になるかもしれない.もしそのようなワークスタイルが普通になれば,土木離れはかなり改善されるに違いない.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)

私の学生時代は、青函トンネルや本州四国連絡橋大型プロジェクトなどの建設・完成などの話題が続々と一般にも伝わってきた時代であり、「土木」というと、それらの大きな夢のある建設物というイメージが先行してありました。本論は現在の中学生の土木に対する率直なイメージを問うた結果や、学校教育に土木を取り入れた実例がとりあげられており、自分の時代との比較も含め興味深く拝読させていただきました。筆者は土木について学び、授業の中で実践可能な取り組みを行っていく意気込みを語られています。私も土木を専門とする人間として、機会を見つけて子供達に土木を伝える試みをしたいと思います。
(所属:日本工営株式会社 氏名:野末 康博)

■  特集3 インタビュー メディアから見た土木の仕事とは [語り手]松尾 和祥、[聞き手]三木 浩司、永持 理

これからの時代のキーワードは、「人」というサブタイトルに惹かれました。子供たちに土木を伝える教育を考える上で、「人」を抜きにしては考えられません。建設業で言えば、さまざまなプロジェクト工事の安全・品質を支えてきたキーマンは、職長・作業責任者です。彼らの苦労や熱き想いを、子供たちに語ることが、モノ・技術を超えた大きな魅力があるのでは、という筆者のご意見に大いに賛同いたします。
(所属:清田軌道工業 氏名:原 繁男)

道路、河川、公園等、子どもたちが日常の生活で土木の仕事と触れ合う機会は、実は非常に多い。また、砂場や鉄道模型等での遊びから、土木の仕事に通じる体験もしている。しかし職業としての土木の人気は押し並べて低いのが実情である。子どもたちが実際に目にするのは、完成した後の土木構造物であり、それが完成するまでにどのような人が関わり、どの様な苦労があり、どの様に克服したかという、人についての情報があまりないことから、職業としてのイメージがつかめないということも、一因として挙げられると思う。近年は、土木も個人の能力・実績が重視される時代になりつつあるため、これからは積極的に個人としての仕事の魅力をアピールしていくべきであろう。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)

■ COLUMN 信州大学における「土木工学科復活」の舞台裏 小山 健

土木学科は人間が快適かつ文化的な生活を送るのに必要不可欠である社会基盤施設を整備保守するための技術者の育成の為に存在していると思っております。社会基盤施設は、規模が大きく自然を相手にする場合が多く、あらゆる人々に利用されるものであるため、世の中でも誇り高い職種だと思います。土木系学科が土木工学科とストレートに表記されれば良いと個人的には思っております。
(氏名:越石暁)

大学の学科名称から「土木」を消した意図の根底には、少子化の中での高校生の人気取り、学生数の確保といった近視眼的な視点が根付いていたのではないか。学生として土木を勉強・研究していること、社会に出て「土木を学びました」あるいは「私の仕事は、研究分野は土木です」と胸を張って言えること、こうした意識を持った人間こそが、土木の素晴らしさ、土木の大切さを広く社会に発信できる人材であると思う。こうした人材を輩出することが大学教育の根幹だという見識があれば、流行に任せて「土木」の名前を消すことは無かったのではないか。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)

90年代から流行し、いまやほぼ全ての大学で実施された土木工学科の名称変更は、他の工学系学科に比べ受験生等のほか受験界や関係者間でも土木分野の業務内容と土木という単語があまり良いイメージを持たないとことが理由となっているという。私の母校でも「土木工学科」の名称は無くなり、今ではとうとう「工学部」の名称までもが消えてしまった。しかし、「土木工学科」は、「土木工学」を学ぶ学科なので、名称を社会基盤云々や都市環境云々などと改名すると元々の理念が薄らいでしまうのではないか。土木工学自体が違う概念に変化していくのならわかるが、学問の内容が変わらないのであれば、信州大学のように学科名を「土木工学科」に戻した方がよいように感じている。
(所属:東急電鉄 氏名:山口洋史)

土木工学科卒業という経歴をもつ私としては、土木工学科という名称が消えていく今日は非常に寂しい気持ちもあり、負のイメージが先行してしまいがちな今日では、イメージ改善による学生の確保という点からはしょうがないのではという気持ちもある。ただし、名称だけで土木に対する抵抗感を持つ学生もいれば、土木に関わる仕事にイメージがつきにくく、結果として土木を選択しない学生もいるはずである。そのような学生に対して、土木の仕事とは何か、その魅力は何かを積極的にアプローチしていく必要がある。ただ土木という言葉の有無を議論するだけではなく、いかにして分かりやすく土木の面白さを伝えていくべきか、これは土木学習の在り方や方法にも共通した課題と考える。
(所属:JR東日本 氏名:吉田知史)

■  特集5 体験型授業による土木教育事例の紹介 小澤 誠志

本記事で特に目を引いたのが、中学生を対象にした土木の理解に向けた取り組みを行い、その効果について意識調査をされていることであった。自らも土木業界に目を向けたのも参加したある現場見学会において、その内容を分かりやすくおもしろく、なによりもその仕事を楽しんでやっていると感じたからであった。そういう「働き甲斐」と言うものについてアピールすることで、今の学生達が、土木と言う業界にもっと目を向けてくれるのではないかと感じた。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)

土木には、建築と違って率直なイメージを伴う職業(大工・建築士等)が少ないということは確かに感じる。私自身、小学校高学年時にはものづくりの道を志していたが、土木の道へ進もうとは考えていなかった。まずは、進路選択の一候補として、土木を他の職業と同じ土俵に立たせるためにも、体験型授業は非常に有用な手段の一つであると思う。
(所属:清水建設 氏名:近江健吾)

■  特集を終えて… 三木 浩司

「土木」は市民生活に大変身近なものでありながら、市民には今ひとつ縁遠いものと考えられています。何とか市民に「土木」を親しみのあるものにしたいなと思っていたのは長年土木の世界にいた小生だけではないと思います。今回の一連の子供たちに対する「土木」を啓蒙し、理解して貰う色々な活動は素晴らしい試みと考えます。小生もかつて小中学生を対象にした講習会に参加したことがありますがその時の仲間で真剣に討議し、模型の橋を協力して作り上げてゆく姿に感動を覚えました。研修の最後に行った瀬戸大橋の見学会で巨大な橋を身近に眺め、土木技術の素晴らしさに驚嘆していたのが印象的でした。土木学会は今後も子供達が「土木」に興味を持ち、社会の基盤となっている色々な施設を支えてゆく気持ちを養う活動を行ってゆく必要があると思います。
(所属:NPO法人ITステーション「市民と建設」 氏名:比奈地 信雄)

子供たちを含めた一般の人に「土木」を伝える必要性は数年前から感じていた。現在のような公共事業批判も、そもそも土木や公共事業に対する理解があまりに低いために生じていると考えられる。これまでの土木屋は、作れば理解してもらえると思い込んでいたのではないだろうか。土木学会をはじめとする各団体や企業などが一般の人々を対象に現場見学会などを行っているが、まだまだ不十分なのだと思う。もっと積極的に自分たちの仕事の内容や必要性、魅力などを訴える必要がある。特に、これからの時代を担う子供たちの教育には大切だ。子供の社会や理科の学習内容を見ると、土木に関するものはとても多い。しかし、子供たちの頭の中では、すぐに土木とは結びつかないようだ。私たち技術者は、細かい構造物の計算や図面作成を行うよりもほかに取り組まねばならない課題に直面していると思う。今回の特集は、そんな私の思いを代弁してくれたような気がした。不況で厳しい社会情勢の中、このような直接利益の結びつかない活動には取り組みにくいかもしれないが、広い視野で業界を見渡したときには必要不可欠な分野であると思う。
(氏名:高橋麻理)

■  第72回 今福線のコンクリートアーチ橋群 樋口 輝久

樹木に覆われつつあるコンクリートアーチ橋は、絶妙な景観を演出しており、本来の鉄道事業は中止となったものの、ある意味インフラとして機能しているとも言える。さらに、事業中止で完全にゼロとなるのでなく、一部の橋梁は県道として整備され、現在でも活用されているという事実は、継続中の事業が突然中止になることも起こり得る現代においても、参考になる事例であると思った。このままでは樹木に埋もれて行くだけだが、地元による保存啓蒙活動が行われつつあるということで、応援したい気持ちである。ゆくゆくは観光資源として地元の活性化に繋がれば理想的だが、ボランティアでできることには限りもある。このような従来とは異なる分野へも、予算が配分されるようになることが期待される。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)

結局1度も使われなかった昔のアーチ橋を保存活用している地元の方がいると知り、頭の下がる思いだ。もっと早く、土木遺産として認定したり、行政の援助があってしかるべきだ。一般道路として、または、サイクリングロードとして、ぜひとも再利用を行って後世に昭和初期の土木構造物を伝えてほしい。また、土木学会として、このような隠れた土木遺産の保護に尽力してきた方に何らかの形で報いることができないだろうか。
(氏名:高橋麻理)

■  第4回 矢木沢ダム [文・写真]大村 拓也

いつもこの記事では、大変ダイナミックな写真に驚かされます。撮影者兼著者は大学で土木を専攻していたとのことで、土木構造物のダイナミックさと自然との調和をよく表した写真だと思います。今後も期待しています。
(所属:前田建設工業 氏名:奥田文)

■ 第7回 PiTaPa 異彩を放つポストペイ ICカード 水谷 聡

調べたところ、ロッテカードの狙いとしては、PiTaPa機能を付けることで、サービス向上、他社カードとの差別化を行うとのことであるが、ニーズは一体どのくらいあるのだろうか。ロッテPiTaPaカードについて、会員数、入会理由、属性、PiTaPaの利用回数・金額等、詳細なデータを見てみたい。
(所属:運輸政策研究所 氏名:梶谷俊夫)

朝の混雑時に改札で足止めを喰らう人を良く見ますが、それが自分だったりすると朝から憂鬱になります。このポストペイ方式は、単にユーザーだけではなく事業者側にもメリットがあることには気づきませんでした。関西でこのような素晴らしい取組みがされているのではれば、是非、1ユーザーとして関東・関西に分け隔てなく同様の方式を導入していただきたいと願っております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

関東圏に住む私にとって、初めて聞くものであり、興味深く読ませていただきました。チャージの必要がないこと、利用回数などに応じて割引されること、韓国と共同し、韓国の観光客が、関西ですぐに利用できることなど、この技術が今後グローバルに展開されていくことに期待したいです。オートチャージできるSuicaとどう違うのか、現状のPiTaPaにはどういった問題点、課題があるのかということも知りたいと思いました。
(所属:五洋建設 氏名:井瀬肇)

日本全国にいろいろなIC乗車券があることは知っていたが、PiTaPaの機能には驚いた。首都圏のスイカやパスモでも自動チャージなどクレジットカードと連携したものや路線によっては利用額に応じた割引があったりするが、基本的にはプリペイドカードである。また、韓国との協同など、エリアを海外にまで広げているもの興味深い。利用者としては、できれば、都市圏ごとに異なるIC乗車券を発行するのではなく日本全体でどのカードでも利用できるようになるといいと思う。
(氏名:高橋麻理)

■ 第4回 鳥取県の「サンドリサイクル」 澁谷 容子

鳥取県の主要河川の河口で海岸浸食が進み、海岸地形が変化していると言うことはよく耳にする。また、対策はテトラポット、大型枠を海岸沿いに敷設して侵食を抑制する工法が広範囲に実施されていると言うことも聞いている。しかし、「サンドリサイクル」と言う対策は恥ずかしながら初めて聞いた。和歌山県白良浜の砂が少なくなっているので、外国から砂を購入して、海水浴場に投入し、今の白良浜が維持されているのと同じようなことが、鳥取で行われ、まして現地発生砂を利用している。すばらしいことであると思う。世の中、リサイクル、リサイクルと声が大きいが、全て金儲けのため。この「サンドリサイクル」の発想が目から鱗になってほしいものである。
(所属:(有)ジーティーシステム 氏名:久次米 旭)

そもそも鳥取砂丘がどのようにしてできているかさえ知らなかった私にとっては非常に興味深く読ませていただいた。そして、砂丘や海岸線の砂の現象が問題となっていることも初めて知ることができた。管理者が一つの機関ではない中で、鳥取砂丘や海岸線を守るという目的を一つにして取り組み、その成果もでているとのことで、ぜひ一度訪れてみたいと思った。
(所属:JR東日本 氏名:吉田知史)

■ 第7回 木質バイオマス発電 橋本 浩史

石油化学業界でもバイオマス事業が脚光を浴びている昨今ですが,農産廃棄物の利用等,国内外でも広く研究が進んでおります。また,本報告にある木質チップにつきましては,建築業界の低迷の煽りを受け,パーティクルボードは,厳しい状況が続いております。このパーティクルボードですが,一般的には,ユリア・メラミンといった樹脂がボード用の接着剤として使用されておりますが,環境面やボードの使用用途拡大を狙い,ウレタン系接着剤が使われるようになってきました。この特徴は,廃材チップでもボード化が可能なことです。また,耐水性に優れたボードが製造できるため,水周りにも使用可能です。更には,シックハウス症候群の原因であるホルマリン放散量が激減する事が上げられます。長々とウレタン接着剤の説明になってしまいましたが,ボード業界では,本報告にあるエネルギーとしての利用と木質チップの奪い合いにあるのが現状のようです。
(所属:日本ポリウレタン工業(株) 氏名:田中 一幸)

■  トピックス1 座談会 名神45年を振り返る [座談会メンバー] 武田 文夫、大塚 勝美、平永 博、[司会]野中 康弘

日本の高速道路の歴史は今から70年前に行われた重要道路整備調査に始まるという事実を本記事で知った.戦後の海外視察で我が国の高速道路の整備の遅れがはっきりし,名神高速の建設を皮切りに,高速道路ネットワークが堅調に整備されてきた.もう十分との声も聞かれるが,我が国の高速道路の歴史は,調査の段階を含めても数十年と浅く始まったばかりといっても過言ではない.これからの高速道路のあり方は,国民の一人ひとりがよく考えて決めていかねばならない.その際,本座談会で語られているような建設の歴史が大いに参考になるであろう.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)

今の時代との大きな違いを感じた。この時代は、まさに将来ビジョン、進むべき方向性が国家によって明確に示されていた時代。100km/hで走れる車が無い時代であっても将来を見据え、高規格な道路建設を推進した。今、電気自動車や自動運転制御の普及を見据えて急速充電スタンドや自動制御のための路側整備を整備する機運は充分か。東アジアとの連携や道州制を見据えた港湾・空港・環状道路整備は充分か。無駄な公共事業と揶揄されるばかりでなく、是非、国家ビジョンの下で仕事をしたい。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)

名神高速道路建設に携わった有識者による座談会の様子から、当時の道路建設に対する情熱や意気込みが伝わってきた。なぜ高速道路の建設が必要なのか!道路建設がどのように国民の期待に応えたのか!道路建設は国の経済活動として成功したのか!読みながら現実社会の問題が次々と脳裏をよぎる。高度成長期に大量急速施工された多くの社会資本が更新期を迎え延命化や耐震性の確保とこれに関る調査、設計、施工、供用、維持管理が急務となっている。また、地球温暖化による気象変動や災害発生は年々著しくなり、今日も梅雨のさなかゲリラ豪雨による甚大な被害が発生し、国民生活の安全と安心の確保は儚いものとなっていると思うのは考え過ぎだろうか?このような状況の中、この度参議院議員改正選挙が開催され約10ヶ月前に「コンクリートから人へ」をスローガンとして政権交代を実現した与党が、これまでの「国政への取組」の評価と「消費税論議」を掲げたが国民の支持は半減した結果となった。これにより、今後は衆参両議院議員勢力のねじれにより国政はますます行き詰まることになってしまうだろう。先にあげた現実社会の問題を解決し国民の安全と安心を確保するためには、有権者としての国民の側にも責任がある。少子高齢化に対する社会福祉の向上・失業者人口の増加に対する経済活動の活性化と雇用の創出・社会資本整備の拡充そして財源確保手段のシステム化etcこれら多くの問題解決のためには、国民一人一人が個人の利益確保だけでなく日本国としてのあり方に付いて信念と情熱をもって真摯に考えることがまだまだ不足しているのかも知れない。
(所属:株式会社大林組 氏名:大井和憲)

高速道路をはじめとした社会基盤は「国家百年の計」とまではいかなくとも、何十年も先の将来を予測して計画すべきものであり、その意味で名神高速道路はまさに将来を的確に見据えた素晴らしい計画であったのだろう。現在、道路をはじめとした多くの公共事業が無駄であるといった捉えられ方をされるが、必ずしもその全てにおいて将来性を考慮した、しっかりとした議論がなされているとは言えないのではないだろうか。土木技術者としては、どの様な予測に基づき、どの様な将来性を考慮し、どのような計画をたてているのかを明確に発信していかなければならない。
(所属:東日本旅客鉄道(株) 氏名:伊東寛)

国道が砂利道だった時代に自動車専用道路を計画した先達のお話に感銘した。「時期尚早」の批判を乗り越え開通した名神道の交通量は予想の15%しかなかったが、めげることなく「日本民族の遺産となる高速道路」を建設した意気は、うつむきがちな現代の我々を鼓舞してくれる。100年先を見据えて仕事をしていきたい。
(所属:東日本高速道路(株) 氏名:伊勢田敏)

内容は当時の事情が分かり、非常に面白かった。当時の熱い思いの元で建設された名神高速道路の全貌が見えるようで、その時代を振り返りつつ、現在の課題を読ませていただいた。しかし、何故、45周年というのが大事なのか、理解できなかった。惜しむらくは、そのタイトルで、記事がぼやけてしまう。名神高速道路建設から現在に至るまでの軌跡であるとか、もう少しタイトルに工夫が欲しかった。
(氏名:横田美行)

■  公共工事契約制度、国際競争力の視点から見直しを 山川 朝生

著者の意見に賛同します。中国や韓国の国際競争力の向上が目を引く中、日本の、特に建設業の国際競争力が低迷していることを大変危惧しています。さまざまな理由が考えられると思いますが、 官民一体となって国際競争力強化に取り組む姿勢を打ち出していただきたいと思います。
(所属:前田建設工業 氏名:奥田文)

■  新川人道橋 渡辺 昇

鋼と木材を組み合わせた複合橋ということで、大変興味を持った。完成したのは7橋目ということであるが、他の橋についても知りたくなった。桁高制限や軟弱地盤などの条件の箇所では優位性を発揮できるのではないか。日本古来の材料を用いて経済的で安全な橋梁が建設できるなら喜ばしいことだ。今後も実績を増やして、長期的な耐久性や安定した材料の確保などの検証を行ってほしい。また、今回紹介されていたのは人道橋だが、一般の道路橋への適用も期待したい。
(氏名:高橋麻理)

■  その他・意見等

P66の土木学会のPRページ
「社会を支える土木学会、頼れるパートナー、土木学会」のキャッチフレーズ中の「頼れるパートナー」として土木学会を考えると今まで以上に、学会が身近なものであると感じさせられました。とても良い、キャッチフレーズだと思います。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

毎回のように多種にわたる話題をありがとうございます。
(所属:(有)ジーティーシステム 氏名:久次米 旭)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会