■土木学会誌2012年4月号モニター回答
■ 第1回 概要報告議長:阪田 憲次(前会長) 厳しい社会環境のなかで土木技術者の果たすべき役割
土木学会有識者会議委員の方々が今、わが国の土木に突き詰められた命題に対して、どのように考え、どのような方向性を示すべきなのかを興味深く読んだ。複数の委員は、 一般の国民、市民に対する科学技術、土木技術への信頼喪失について危惧されていた。 そして失われつつある信頼を取り戻すためには、土木技術者や土木事業の見える化が必要であると言う。この見える化は、本質的に、社会に与える恩恵を国民に対して容易に説明できる仕組みだと私は考える。その仕組みの構築を土木学会にはぜひお願いしたい。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)
■ 2─1 この国のかたち[語り手]川勝 平太氏、[聞き手]羽藤 英二氏
インタビューの最後に県知事は、福島県で原発事故の放射能汚染のために故郷に戻れない人たちについて
言及していた。以前議論となった那須野ヶ原首都機能移転問題と絡めて、新たな首都作りを考え、そこに住民として迎えへてはとの発想。首都圏直下型地震のリスクが高まる中、このような考えが大いに推進されてもよいのではないかと思った
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)
■ 2─2 復興立国に向けて[語り手]内藤 廣氏、[聞き手]羽藤 英二氏
震災直後の論壇等ではしばしば、復旧・復興にあたり「制度は役に立たない。現場で頑張るしかない」とか、「政府は助けてくれない。地元で人々がやるしかない」といった、安易な二項対立による極論がなされており、そのたび僕は違和感を覚えていた。よって内藤氏の、「制度」と「現場での草の根の方法」とをつなぎ合わせてフル活用するべき、といった風な論調に大いに賛同する。ただし、アレグザンダーの論文『都市はツリーではない』から「ツリー」「セミラティス」の概念がわざわざ持ち出されたがゆえに、スムーズな議論がかえって阻まれているようにも感じる。というのも、本来「ツリー」「セミラティス」は都市構造を表現する概念だと認識するが、内藤氏がこれを社会システムにまで拡張した上、「制度」を「ツリー」だと位置づけることで、制度とはそもそも悪者であるかのようなイメージを結局与えてしまっている。もっと言えば、もともとアレグザンダーは現代の都市の姿こそを「ツリー」だと批判し、しかもそれはデザイナーの能力の限界ゆえだと指摘さえしていたのに、「(自分たち)建築家はセミラティスの上を平面的に動いている」と自己肯定しているのは、アレグザンダーの議論のすり替えにさえ聞こえる。(少なくとも、言及されたこれら概念に親しみのない読者も大勢いるだろうことを考えると、果たして元々はどんな概念なのかと読者が原典にあたれるよう、参考文献名ぐらい明記すべきだったのではないか。)
(所属:国交省 氏名:鈴木高)
■ 記事3 座談会 減災:どこまで? どうやって? [座談会メンバー]山 知司、家田 仁、目黒 公郎、古関 潤一 [コーディネーター]丸山 久一
記事の中で、「われわれの価値観を変えないといけない」という小見出しがありました。まさにその通りだと思います。それも、色々な情報に踊らされることなく、正しい情報を理解し、納得し、確固たる価値観を持つことが重要だと思いました。日本人の特徴なのか分かりませんが、とかくメディアの情報をそのまま捉え、過敏に反応し、一喜一憂する方が多いような気がします。そして、ほとぼりが冷めると、ほとんど気にしなくなる。そのような状態では、本当に目指すべきことが分からなくなってしまうと思います。土木をはじめ、様々な業界は、情報を正確に伝える責任があると思います。その上で国民とのコンセンサスをとり、土木業界では必要なインフラを整備していくことが求められるのだと思います。
(所属:日特建設 氏名:田中尚)
震災から1年。記事3の中で目黒先生がご指摘の「今回の震災が,政治経済やエネルギー施策,そして幸福感の転換点になるであろう」のように,同志にとって衝撃的な出来事であったことを改めて思います。一方で,徐々にかもしれませんが,復興の兆しもあるように感じ始めています(被災された方々の気持ちについては十分に推し量ることができず恐縮です)。そのような中,「震災特集」というタイトルは,あの衝撃にとどまっているもののように感じ始めています。この震災は決して忘れてはならず,今後も特集を続けるべきであろうことを考えると,震災から1年が経った今,「復興特集」といった前進を現すものにしてもよいように感じています。
(所属:東電設計(株) 氏名:恒国光義)
■ 4─1 東北地方整備局へのインタビュー[語り手]徳山 日出男氏
本当に面白い。とくに、「自分用直筆メモ」の写しが掲載されており、そのメモに当時の生々しい思いや苦悩が滲み出ていることで、臨場感が高まり素晴らしく魅力ある記事になっていると思う。そういえば2月号に「土木のお仕事」という記事(トピックス)が組まれていたが、震災直後の整備局にあって、「お仕事」の魅力とは、まさしくそういった生々しい思いや苦悩をすることであり、あるいはそういう思いを形にしていくことであったはずだ。だとすれば、こういう臨場感溢れる記事こそ、魅力を伝えるものであり、もっと土木界の外部にいる方々、とりわけ学生たちに読んでいただきたいと思う。
(所属:国交省 氏名:鈴木高)
■ 4─2 ここまでの社会基盤施設の復旧・復興を振り返る 安田 隆
下水道は、基本的に下水を自然流下で収集します。必然的に、下水処理場は河川の下流域や臨海部に位置することになります。このため、東日本大震災では、地震動による被害もさることながら、巨大津波により壊滅的な被害を受けました。掲載された写真を見ると、昨年の暗く重い気持ちがよみがえります。しかし、現地では、復興に向けた復旧が着実に行われてきたことを知り、関係者に敬意を表さずにはいられません。下水処理の段階的復旧では、公衆衛生の確保を優先した阪神淡路大震災の経験が生かされていると思います。完全復興までには数年が必要と思われますが、新たなモデルとして再生することを願っています。
(所属:メタウォーター(株) 氏名:楠本光秀)
■ 4─4 特別インタビュー 「ヤマトグループの貢献」
[語り手]有富 慶二氏、松永 正大氏、岡村 正氏、早川 雅人氏
本特集を読んで私企業としてすばらしい社会貢献の方法だと感じた。年間140億円もの支援を行い、しかも納得した支援事業へ助成するなど生きたお金の使い方をしている。謙虚な会社なのか、マスメディア等大々的に報道されていないので一般の人はほとんど知らないであろう。 私はこれほどの貢献をされていることについて、もっとPRしても良いのではないかと感じた。今後の来るべき首都圏直下型地震について、役に立つ仕組みを今から考えていることも社会貢献に対する並々ならぬ意欲を示している。個人的に応援したい企業である。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)
「見える支援」「速い支援」「効果の高い支援」というコンセプトがわかりやすい。とりわけ、相馬港海上クレーン等への助成に関しては、「仮設の施設でもよいので、すぐ動けるよう応急復旧する」という風に「速い支援」のコンセプトが徹底されており、リスペクトせずにはいられない。ここで注目したいのは、助成金が「指定寄附金」として財務省から認められた話のところに見られる、「いろいろ紆余曲折がありましたが、」というくだりだ。この記述が、一筋縄にはいかず苦労の多かったことを暗示していると思う。ヤマトグループはこの助成を簡単にスムーズに達成したのではないのだということを、リスペクトを込めて、僕は覚えておきたい。
(所属:国交省 氏名:鈴木高)
■ 第88回 室蘭工業大学 教授 媚山 政良さんに伺いました
私は、水力発電に関する業務に数多く携わってきました。山間部のダムについては豪雪地帯に位置するものも多く、出張にて初めて見た冬期間の積雪量の凄さは驚くべき世界でありました。これらの雪は、春を迎えると融雪出水という形でダムに蓄えられ、農業用水や発電水として有効活用されますが、全てが有効に活用されている訳ではありません。媚山先生の雪の再生可能エネルギーとしての研究成果について紹介がなされていましたが、土木に関連するインフラ整備についての記述もあり、興味深く拝読させて頂きました。豪雪地域においては生活の障害となっている雪を、冷熱エネルギーの活用という逆転の発想で利活用することができれば、一石二鳥となります。私も冬期間の出張に行く際は、目前に拡がる雪の壁に対峙し、冷熱エネルギーの活用について真剣に考えてみたいと思いました。
(所属:開発設計コンサルタント 氏名:野嶋 潤一郎)
■ 第93回 権現堂用水樋管群 知花 武佳
この記事を読んで,今回の東日本大震災も含め,土木という分野が常に災害との戦いであることを改めて実感しました.災害や自然には決して勝つことはできませんが,人命や財産を守るために,土木という分野でより一層努力しなければと感じました.この構造物が桜の名所として整備されたように,歴史を刻んだ土木
遺産が少しでも多くの人の目に触れられるようになることは,土木の歴史を知る上では非常に重要であり,大切なことだと感じました.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:山野 貴司)
■ 企画趣旨 久保 正顕
日本は国土構造が脆弱で自然災害が多いということは、土木に関わる人間にとって認識しておかなければならない常識であり、今回の特集は国土のおおよその特徴を掴む意味で大変有用な記事であった。また、専門家による具体的なデータから分析された今後の気象条件の変化についても、今後の社会基盤整備を考える上で参考となるものであった。ただし、これらの特徴を踏まえ、実際にどこまでを想定して手間とお金を掛けて自然災害対策を講じるかについては、想定外のダメージが非常に大きかった昨年の事態を考えると、大変難しい問題であると感じている。
(所属:福島県 氏名:小林元彦)
■ 記事1 近世から近代、そしてポスト近代へ 竹村 公太郎
本誌の特集は題材がシンプルなものが多く、一見目新しさがないようですが、内容は新鮮さを含んだ未来志向的なもので、毎号とても面白いです。本記事は、“文明の変遷”に着眼して「国土」を説明する内容で、読者としては視野が広がる良い読み物となりました。持続可能な文明を模索する中、ポスト近代文明としての「都市と地方の流域社会の連携による多様な分散型社会」は、非常に魅力的な構想です。しかし、経済を軸とする現代社会において、地方事情は芳しくなく、構想実現には抜本的な発想の転換や工夫が必要と推察されます。地方の過疎化や不適切な森林管理などの問題を始めとして、国土のあり方については、国や国民全体で考えていきたいものです。
(所属:電源開発(株) 氏名:小林憂三)
流域をキーワードにポスト近代の方向性を論じている内容は、示唆に富むものでした。超高速鉄道で多くの流域が串刺しにされている現代の日本社会ですが、「循環」に根差した流域主義に持続可能な社会システムへのヒントがあると思いました。また、分散型の流域社会への進路をとると、1周遅れの途上国と同じ地点に立っているという表現も興味深く、先進国の経験を止揚した新たな進路をともに歩むという姿が求められていると受け止めました。
(所属:メタウォーター(株) 氏名:楠本光秀)
■ 記事5 火山の恩恵 中野 俊
大震災後の原発に変わる自然エネルギー利用の中で、もっとも長期的に安定して利用できるものは、地熱しかないと考えていました。20〜30年間の中期の仮設的な自然エネルギーとして太陽光や風力も利用できると思いますが、維持管理や施設の更新等を考慮すれば、水力発電と地熱発電がベストではないかと思います。地熱発電に関しては、候補地が国立公園内に多く、規制があるので、規制の緩和が議論されているのは、今後の開発の弾みになると思います。この場合も、自然環境の保全と必要エネルギーの確保のための施設の設置に関して、新たな線引きの基準が必要となりますし、発電施設周辺の温泉施設等との共生を考えていく必要があります。今後のエネルギー政策の方針を国策として決定し、強力に推し進めていく決断力が、今必要です。
(所属:小柳建設(株) 氏名:金原義夫)
■ 記事6 座談会 日本再生に向けて何が大事なのか?
[座談会メンバー]藤井 聡、平野 勝也、金谷 守 [コーディネーター]林 良嗣、[オブザーバー]久保 正顕
「防災対策を削るというのは、人を殺めることに等しい」、「無作為の罪」という直接的な表現に好奇を煽られ読ませていただきました。防災計画・対策に限った話ではないと思いますが、「予算の縛り」が様々な意味で大きな支配力を持っていることも事実であります。一般的に、予算内で最大の効果発揮を追い求めるという考え方は是とされますが、本記事で紹介された予算削減によって本来必要である対策が縮小されるという考え方は、土木に携わるものとしてはナンセンスであり、藤井先生の「人を殺めるのに等しい」との表現のとおりだと思います。最後に、「土木技術者は国民から待ち焦がれてもらっていますでしょうか?」という司馬遼太郎氏からのメッセージが紹介されていましたが、改めて自身の土木技術者としてのあり方を省みる良いきっかけにもなりました。
(所属:日本水土総合研究所 氏名:橋 直樹)
■ 地域基盤再構築特定テーマ委員会 報告 岸井 隆幸
今号に限らず、東日本大震災の発生以降多くの方がそれぞれの立場から復興、防災について意見を出されていますが、大枠において同一の答えを見出されていると思います。つまり、学会としてある程度の共通認識が形成されているということなので、そろそろ学会の中での確認作業をやめ、広く一般に意見を発信する時期ではないでしょうか。特に、「ハードの限界」や、「リスクに対する考え方」等については、一般に対する啓蒙活動が必須であると考えます。震災直後の声明や調査では、土木学会の存在感は大きなものでしたが、復興の端緒である今の状況には少々寂しさを感じます。
(所属:大林組 氏名:海老塚裕明)
■ 提言1 住宅における今後の液状化対策および液状化による沈下修正工事 田村 努
対策工事工法選定はオーナーのコンセンサスが必要ではあるが、個人に再液状化まで含めた最適な工法選定は難しく、補修・補強費用は個人が負担するには非常に高い工事費となる。既に造成されている地域への液状化対策を行うことは困難であるので、地方自治体等による十分周辺地盤に見合った最適な工法選定支援や補助金制度等の整備を行われれば被害の軽減、早期の復旧が図れるのではないかと思う。
(所属:東京急行電鉄 氏名:堀江 宏明)
■ 提言3 原子力安全を支える土木技術について 松尾 豊史
原子力発電は、電力のみの世界であるとの認識が多く占める中で、震源に程近い女川原発において、過去の知見を多く取り入れ、結果として原子力発電の根幹部に危険を及ぼす被害を出さなかったことはもっと注目されても良いと感じた。文中において、今回の震災による被害について詳細な解析をされていることは、自然と対峙する事となる技術者にとって非常に大切なことであると感じる。ややもすると、原発事故の対処の不備から、被害状況を隠蔽しているのではと国民から感じられている中で、情報をしっかり公開し、対策と検討事項について明記することは、結果として安心をもたらすものと考える。更に被害状況とその復旧や対策したことの蓄積は、今後起こりうる災害の対策ともなり、それが、原発のみならず、社会基盤の整備に対する信頼となっていくものと感じる。
(所属:中野区役所 氏名:諸井敬嘉)
■ 提言4 災害アセスメント制度の提案 林 良嗣、大石 久和、藤本 貴也、斉藤 親
災害に対してレジリエントな国土をつくりあげるために、災害アセスメント制度が不可欠であるということに理解は出来る。しかし目標とする期間、どの程度のタイムスパンの話かよくわからなかった。国民は今、いつ来てもおかしくない巨大地震・津波・土砂災害等に対して、現在、電力・ガス会社等が保有するプラント施設や鉄道会社・高速道路会社が保有するインフラ施設についてどのようなストレス耐性があるのかを知りたいのではないか。私は現時点における、これら施設に対する再評価を国の責任で早急に行い、その弱点を把握し、国が一部補助金を出すなどして、対策を講じることも平行して行われるべきだと考える。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)
災害を対象とした事業評価という視点が非常に面白いと感じた。水害、土砂災害、津波、地震など災害大国であるわが国の社会基盤整備においては、財産権や既定権利が優先され、安全性が強く打ち出せていなかった点があると感じる。今回の津波被害に遭われたところで、過去の経験から高台に住居を構えた地域では、
被害が少ないことが再確認されており、安全優先の街つくりがなされているところもある。しかし、高台移転が進まない現状もあるなど、現状の法体制では今回と同様な津波が来襲した時に繰返し同様の被害が出ると予想され、このような規制が必要であろうと考える。今回の震災を機に、真に安心安全な街づくりへの意識が高まって欲しいと感じる。
(所属:中野区役所 氏名:諸井敬嘉)
■ 第12回(最終回) わが国高速鉄道システムの海外展開 米澤 朗
連載を終えて 橋本 浩史
高速鉄道の事故では、2011年、中国での事故が記憶に新しく残っている。当時の事故報道から、構造物等のハード面と運用等のソフト面の双方が組み合わることで、より安全性の高いシステムが必要であると思った。欧州では経験することのない、地震大国の日本で、乗客死傷者ゼロという値は、ハード面のみならず、ソフト面と一体となり、安全性の向上に取り組んでこられた先輩方のおかげであると思う。諸外国よりも、長い年月をかけて築きあげてきた日本の高い安全性・信頼性をもとに、日本が誇る高速鉄道システムを海外でも展開されることを期待する。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:勇 龍一)
■ Part4 海上輸送中に発生したトラス桁の損傷 三木 千壽
先月号からのゲートブリッジ特集をとても興味深く読ませていただいています。今回の記事は、海上輸送において疲労亀裂が発生するという、私にとっては全く想像のつかない出来事であり、大変貴重な情報を
公表していただいたことに感謝したいと思います。また記事の最後では今回の損傷発生について考察がなされており、海上作業ゆえの背景があった可能性なども理解でき、大変参考になりました。
(所属:阪神高速道路 氏名:佐藤彰紀)
■ Part5 東京ゲートブリッジの維持管理について 宮崎 亨
先日家族で外出した際、東京ゲートブリッジを利用させていただいた。東京ゲートブリッジ利用時に、車の窓から外を眺めていると、新しい技術を採用された上部工の構造により、眺望がよく、晴れていたこともあって、多くの方が歩かれている姿を見かけた。本記事を拝読させていただき、維持管理のためには、日常点検の目視点検だけでなく、主要部の変位やひずみを計測されており、長大橋の維持管理に細心の注意が払われていることが良く分かった。予防保全型の管理により、今後、100年以上も供用され、多くの利用者を支える長大橋として活躍することを期待したいと思います。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:勇 龍一)
■ その他・意見等
例えば,「国土を知る」といった特集は,教科書では学べない内容や,著名な先生方のご意見を拝読することができ,「学会誌」ならではのものであり,日経コンストラクションのような「業界誌」との違いと考えています。私は,学会誌を通勤途中の電車で読んでいますが,読みたくなる記事が多いだけに,一つの特集の総字数が多いのは,それなりの時間と集中力を必要とします。試しに,読売新聞1面の特集(連載企画)の文字数を数えると概ね1500文字で,一方,学会誌の特集は約2000文字(図表がない場合)が数ページです。日刊と隔月を一概に比較することはできませんが,文字数を少なくして連載企画(シリーズ化)するのも,このような特集を読みやすくする一つの方法であるように思います。
(所属:東電設計 氏名:恒国光義)