岡山橋は、岩見沢市の幾春別川にかかる鋼ソリッドリブ式タイドアーチ橋です。竣工は1936(昭和11)年で、北海道に現存する数少ない戦前の鋼製道路橋の一つです。建設時は国道27号、戦後は国道12号として利用され、国道の切り替え後は市道として管理されてきました。2008(平成20)年に老朽化により通行止めとなりましたが、補修工事を終えた2012(平成24)年から利用が再開され、この年の選奨土木遺産に選定されました。
橋の形式は「たいこばし」とも呼ばれたアーチ形式で、アーチの下端をつなぎ材で連結したタイドアーチにすることで、橋を支える橋台への負担を小さくし、現地の軟弱地盤へ対応しています。この形式が北海道でかけられたのは岡山橋が最初でした。設計者は当時北海道土木部に勤務していた高橋敏五郎です。高橋はその後、札幌・千歳間の国道36号(通称・弾丸道路)や名神高速道路の建設を行い「道路の神様」と呼ばれた技術者です。橋の製作と架設を担当したのは日本橋梁株式会社で、大阪の旧本社工場で製作されたものです。橋長は55m、幅員7.5m、鋼重205トン、工事費は当時の価格で5万3千円余りでした。